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シーズン前半を終えて

15日、Jリーグ2014シーズンの中断期間の中、シーズン前半を終えて、淵田敬三代表がチーム、クラブなどの現状を語った。

【チームの現状について】

■リーグ中断前の成績を振り返っていかがですか。
「私は、昨年までの試合をしっかり見ていたわけではないので、ゲーム内容で比べるということがあまりできないのですが、数字で言うと失点が大きく減っているのは間違いのないところです。一方で得点も減っていますが、その中で昨年とほぼ同じ勝点を取れているというのは、ミシャ監督が掲げている、攻撃的な姿勢を崩さずに失点を減らしていくということができつつあるのだと思います。非常に攻守のバランスが取れたチームになってきていると思います。

一方で、中断前のナビスコカップの名古屋戦では、縦へのパスが何本も決まり、その中で5点という今季最多得点を挙げました。これは、それまでの試合よりプレッシャーがなかったからかもしれないですが、レッズにはそういう力があるんだ、ということを示せた試合だったと思います。慎重に試合を組み立てていくことも大事ですが、大胆に攻めればああいう結果も生まれるんだということがわかって、非常にうれしかったです」

■第14節現在での勝ち点は昨季のほうが1多いです。勝ち星は9勝で同じ、昨季は3分2敗、今季は2分3敗です。
「そうですね。しかし今季はホーム開幕の鳥栖戦以外、ホームでリーグ戦もナビスコカップも負けていないということ、またホームで完封勝利が多いということで力強さを感じることができるのだと思います。そしてリーグ戦は首位で、ナビスコカップは予選リーグを1位で突破して中断を迎えていますから、ここまでの途中経過には満足しています」

■その要因についてはどう考えますか。
「差別的横断幕事件や無観客試合など、チームにとって厳しい環境だったと思いますが、それを乗り越えて戦い抜いてくれている選手たちには敬意を表します。チームに一体感が出ていると感じています。ミシャ監督のもとしっかりまとまっているし、モチベーションが非常に高く、そういう中で、苦しいながらも1-0で勝つ、あるいは逆転で勝つ。最後まで粘り強くあきらめない、良いチームに仕上がってきていると思います」

■試合に絡んでいる選手たちだけでなく、チーム全体がまとまっているのが今季の特長です。
「選手が厳選されて、この中で戦い抜くという体制になっています。質の高い選手がそろっているので、誰かが抜けてもポジションを替えながらも、同じようなサッカーがちゃんとできていると思います」

■マルシオ リシャルデス選手の状態はいかがですか。
「報告では6月14日(土)に来日してメディカルチェックを受け、17日(火)からのキャンプに帯同する予定です。すぐに戦力として100パーセント計算できるかどうかはわかりませんが、これで選手全員がそろうことになります」

■原口元気選手が移籍してチームを離れたわけですが、これに関してはどう考えていますか。
「チームにとってはやはり痛手だと思います。しかし、浦和で育った若い選手が、世界で名を馳せてもらいたいという気持ちは強いですし、彼にはそういう素養があると思っています」

■チームにとって痛手だという、その穴をどう埋めるかということに関してはいかがですか。
「私は先ほど言ったように、今のチームにはそれを補えるだけの戦力があると思っています。レギュラーで出ていた原口が抜けたことで、チーム内で競争がいっそう激しくなり、それがチームのレベルアップにつながるのではないでしょうか」

■西川周作選手のワールドカップ出場についてはいかがですか。
「非常にうれしいです。レッズからもっと選ばれてもいいんじゃないかと思いますが、自分たちの選手がブラジルに行っている、というのはワールドカップの楽しみがより大きくなります」


【経営状況について】

■入場者数についてはいかがでしょうか。
「差別的横断幕事件の影響で、大きく落ち込みましたが、少しずつ戻ってきていただいています。しかしチームがこれだけ好調で、特にホームゲームで勝っているのですから、本来ならもっと伸びていたのではないか、という残念なところもあります。

5月17日(土)のセレッソ大阪戦は、ワールドカップ中断前最後の試合であり、またセレッソ大阪のフォルラン選手や日本代表選手の集客力にも助けられたと思いますし、6月1日(日)の名古屋戦は、原口のラストゲームということもあって、予選突破が決まったあとのナビスコカップにもかかわらず3万3千名以上の方々にご来場いただきました。ですからリーグ戦が再開する7月19日(土)の新潟戦からが、クラブの力が試されると思っています」

■クラブの経営数値はいかがでしょうか。
「2013年度はすでに発表したとおり、3年連続の黒字でした。今年度はそれをベースにして、入場料収入を少し上げていくという計画でしたが、無観客試合の分が入場料収入だけで1億円以上のマイナスになりました。他の部門で少しずつ上積みをし、またセレッソ大阪戦や名古屋戦で予想を上回る入場者数があったことである程度は回復できています。簡単なことではありませんが、今年度の計画に少しでも近づけるよう引き続き努力していこうと考えています」

■再開以降の入場者増に向けてはどういう施策を考えていますか。
「ファン・サポーターとクラブの絆を強める取り組みをしてきていますが、今後はより絆を強化し楽しみを増やしていきたいと思います。ITを使ったものも含めて検討していきます。

またありがたいことに映画「We are REDS! THE MOVIE」の評判が上々と聞いていますが、これをもっと一般の方に見ていただくための告知や宣伝なども考えていきたいと思います。

それと突発的に起こった事件の対処に追われて、日ごろバナー掲示などでご協力いただいている、ホームタウンの商店会の方々のところを、私自身が回りきれていません。これは必ずやっていかなければならないと思っています」


【クラブの体制について】

■ファン・サポーターとの関係作りについてはいかがですか。
「当初はできる範囲で何度かミーティングを行いましたが、クラブ内の体制作りを行っていたり、目の前にある対応に追われていたりして、1ヵ月は足踏み状態でした。このほどメールアドレスを登録している方だけですが、シーズンチケットホルダー9千名の方にアンケートを行ったところ、1千6百名の方から『ぜひミーティングに参加したい』、または『できれば参加したい』という返事をいただきました。6月下旬から、1回20名程度の参加でコミュニケーションミーティングをやっていく予定です。その中で、みなさんの考えをできるだけ咀嚼しながら、クラブとしての考え方を示していきたいと思います。応援のスタイル、やり方については、話し合い、考えながら今シーズンいっぱいは今の形が続くのかな、という漠然とした考えを持っていますが、最終的にはどんな形をイメージしていくのか、あるいはどんなタイムフレームで進んでいくのか、というところは示していきたいとい考えています。これまでの蓄積によって鳥栖戦での問題が起きた面があるとを考えると、警備やセキュリティといった部分で、問題が起きないこと、起きたらしっかり対応することがとても重要です。この部分については、サポーターのみなさんの協力が欠かせません。また、Jリーグが規約を変更し禁止事項が増えているといった外部の環境変化にも対応していくことも大切です」

■ミーティングの内容は公開されるのですか。
「はい。即日、というのは難しいでしょうが、何らかの形で公開してみなさんと共有させていただきます。また今回だけでなく、こういうミーティングは継続して開催していきたいと思っています。クラブの考えをお伝えするとか、質問に答えるというだけの場ではなく、参加した全員の方に発言していただき、参加者同士でも意見を交わしていただくことが実になるミーティングだと思っています」

■これらのことは、5月から発足したファン・コミュニティ・プロジェクトで推進していくのでしょうが、同時に発足したクラブ内横断的な組織、クロス・ファンクション・チーム(CFT)の成果は上がっているのでしょうか。
「組織横断型プロジェクトであるCFTでは、クラブ内の問題とクラブ外の問題という2つのチームに分かれて活動を行っています。クラブ内問題チームは、クラブの理念の実現に向けた取組みなどについて議論を交わしています。クラブ外の問題を議論するチームは、サポーター目線でレッズを見ることも大事だということで、試合の日にスタッフが輪番で、家から電車でスタジアムに来て当日抽選にも参加してサポーターと同じ行動を取るということを決めています。ふだんの我々には気づかないことが出てくるのではないかと思っています」

【その他】

■レッズレディースが好調です。
「レディース部門はクラブの中での重要性が増していると思っています。現在28名いる選手のうち、12名が地元の企業で働いています。勤務時間や休日など配慮をいだき、支えられながら選手としてやっているわけです。ですからレッズの選手であると同時に、その企業の代表でもあると思っています。またホームスタジアムは浦和駒場で、日曜日を中心に開催され、気軽に家族で見に来ることができます。レッズレディースは、より近い関係で地域と共に歩んでいけると思っています。そういう中で男子と共に優勝を目指していって欲しいと思います」

■シーズンの途中に1ヵ月半近くの中断があるというのは、Jリーグならではの、4年に一度のことですが、どうとらえていますか。
「個人的には、せっかくチームが波に乗ってきているところで中断があるというのは、少し怖いような気もしているのですが、自分たちがこれまで戦ってきたところでの反省とか気づいたことを次に生かせる機会でもあると思っています。またレッズにはマルシオ以外に大きなケガ人はいないのですが、やはり戦ってきた疲労や小さなケガを抱えている選手が、それを癒す時間にも充てられると思っています。シーズンがまた新たに始まるような気持ちで迎えることができるのではないでしょうか。

またクラブにとっては、いろいろとじっくり考えることができる機会でもあると思っています。私自身、まだ就任して5ヵ月足らずですが、駆け足どころか全速力で走ってきたところがありますので、振り返ってみる良い機会になっています」

【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】

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