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『山田町民総合運動公園サッカー場人工芝新設記念式典』に浦和レッズが出席
3月31日(土)、岩手県下閉伊郡山田町の山田町民総合運動公園サッカー場で行われた『山田町民総合運動公園サッカー場人工芝新設記念式典』にて、東日本大震災以降、山田町に継続的な支援活動を行ってきた浦和レッズに感謝状が贈られることとなり、浦和レッズハートフルクラブから落合 弘キャプテン、宮沢克行、神野真郎、伊藤健太、小礒義明、盛田剛平のコーチ陣、強化部から内舘秀樹育成コーチ、クラブスタッフらが山田町及び山田町教育委員会より招待を受け出席した。
浦和レッズは、2011年3月11日の東日本大震災以降、山田町をはじめとする被災地各所で、幼稚園、小学校、地域のサッカー少年団、中学校を訪問し、7年間で合計71回のサッカー教室を実施してきた。被災された方々への支援を継続的に行うことを責務と考え、『社会の一員として青少年の健全な発育に寄与する』というクラブの活動理念に基づきこうした活動を実施してきた浦和レッズに対し、山田町から感謝状が贈られた。
山田町の佐藤信逸町長が、「この人工芝サッカー場が子供たちに元気を与え、笑顔でこのグラウンドを走り回り、多くの方々にご利用いただくことを、山田町町長として祈念いたします」と述べた後、淵田敬三代表の代理としてハートフルクラブ落合キャプテンに感謝状が贈られた。
式典終了後、新しく完成した人工芝グラウンドでサッカー教室が行われた。サッカー教室では、宮古・山田・大槌地域の4種登録チーム6チーム(デルフィーレ田老、FC宮古フェニックス、千徳FC、花輪サッカー少年団、大槌サッカークラブ・ジュニア U-12、FC山田ヴェルエーニ)のおよそ130人の選手たちと浦和レッズのコーチ陣、そして山田町初訪問となったレディアが交流を深めた。開始前にコーチが子供たちに、「一生懸命に、楽しく、思いやりを持ってがんばるように」と伝えると、子供たちは元気よく返事をして、よく晴れた天気のもとで楽しそうに身体を動かしていた。特に人数ゲームと呼ばれるミニゲームでは、仲間を応援する児童らの元気な声が響き渡り、ゴールが決まるとハイタッチで喜びを共有し、最後まで活気あふれる中で行われた。
参加した子供たちには、浦和レッズからクリアファイル、ステッカー、ハートフルクラブのスクールウェア、そして、浦和レッズのホームゲームでファン・サポーターの皆さんからお預かりした被災地支援の募金でつくられたシューズケースがプレゼントされ、サッカー教室は終了となった。
サッカー教室に続いて、『浦和レッズ杯 第1回 山田町ハートフル少年サッカー大会』が、3月31日(土)と4月1日(日)の2日間に渡って行われた。同大会には、浦和レッズが優勝カップを提供し、宮古、山田、大槌地域の少年・少女のサッカー大会として、サッカー技術の向上と、同地域の活性化を図る目的で開催された。
大会は8人制、15分の2ピリオド制で行われ、FC山田ヴェルエーニと大槌サッカークラブ・ジュニア U-12の対戦となった決勝戦は、互いが勝負にこだわった見応えのある好ゲームとなり、地元FC山田ヴェルエーニの優勝で幕を閉じた。
FC山田ヴェルエーニの倉本収郎代表は、「第1回目の浦和レッズ杯に優勝できてとてもうれしいです。普段はなかなか勝てないチームなのですが、子供たちががんばってくれました。子供たちも、浦和レッズさんの期待に応えたいという思いがあったと思います。今後も2回、3回と大会は続いていくと思いますが、毎回優勝できるようにがんばりたいです。そしてもし優勝できなくても、思いやりを持って、楽しんで、一生懸命にやって、試合ができればと思います。本当に素晴らしい大会を開催していただきありがとうございます」と述べて笑顔を見せた。
表彰式では、優勝したFC山田ヴェルエーニの佐々木主将に優勝カップが手渡された後、ハートフルクラブ宮沢コーチが「サッカーをやるからにはうまくなってください。ただうまくなればいいのではなくて、何事にも一生懸命に、楽しく、そして仲間、対戦相手、コーチ、家族など、関わってくれている方々に思いやりを持てる人になってください。優勝できなかった5チームは、今度は優勝したいと思っていると思うので、その気持ちをエネルギーに変えて、次もがんばってください」と述べて大会を締めくくった。
【落合 弘キャプテン】
「子供たちが楽しそうにボールを蹴っている姿を見ることができてとてもうれしかったです。これだけいいグラウンドができたのだから、多くの人たちに利用してもらいたいですし、健康な身体と精神を育んでもらいたいです。そして、浦和レッズ杯という大会名をつけていただいたことが本当にうれしかったです。2011年に田老第一小学校から始まって、ずっと続けてきたことが、このような形として結びついたのかなと思っています。継続は力なりと言いますが、それは本当にすごいことなのだとあらためて感じました。
今では震災を経験していない子や、覚えていない子も多くなってきたと思います。元々は震災がきっかけでこちらを訪れることになりましたが、ここへ来て何をやろうかと非常に悩みました。我々にできることは何なのだろうかと、いつも悩んでいます。我々は映画俳優でもスターでもないですし、特別な力を持っているわけではありません。それでも浦和で小学校の授業サポートに代表されるように、最初は20校ぐらいだったのが、今ではおよそ140校になっています。それならば、こちらでも同じように子供たちに訴え掛けていくことが一番いいのではないかという思いでやらせていただいています。我々はこちらの人たち以上にがんばって、それを見て感じてくれて、ありがとうと言ってくれたら、それでいいのではないかと思っています」
【宮沢克行コーチ】
「子供たちも気持ちよさそうにボールを蹴っていました。ハートフルクラブも山田町の支援活動に関わってきた中で、このようなすばらしいグラウンドができてうれしいです。浦和レッズ杯という大会名も付けていただいて本当にありがたいですし、例え名前が付かなくても、山田町の支援に関われていることで十分だと思っています。今回は第1回の開催となりましたが、これから第2回、第3回と続いて行くことがうれしいです。この浦和レッズ杯が開催されることで、ハートフルクラブの理念をあらためて確認してもらえるのかなと思います。
6チームの少年団と一緒にサッカー教室を行いましたが、子供たちには、『みんなはこの地域のサッカー仲間だから、そのつながりを大切にしていこう』ということを伝えました。ミニゲームをやって、子供たちも対戦して初めて知った子もいたと思いますし、そういう仲間と一緒にサッカーをやって感じるところもあったのではないかと思います。私たちが過去に訪れたことのある山田と大槌の子供たちは、ハートフルクラブや僕のことを覚えていてくれて、そういうコミュニケーションも取れてうれしかったです」
【神野真郎コーチ】
「毎年ここでFC山田の子供たちとサッカーをやっていて、以前はここも土のグラウンドでしたが、今回すばらしい人工芝のピッチができてよかったと思います。子供たちのサッカーの技術もさらに上達すると思いますし、ここで練習した子供たちが、将来は浦和レッズの選手になるといった期待も持てる環境だと思います。
今回は山田町から感謝状をいただきましたが、この場に呼んでいただけけただけでもうれしいです。毎年短い期間しか訪問することはできませんが、微力ながら山田町の子供たちに少しでも力を与えられて、それを見た大人の方たちにも元気を与えられたのかなと思っています。
今後も継続して支援活動を行っていくと思いますが、『楽しむこと』、『思いやりを持つこと』、『一生懸命にやること』の3つのキーワードを、引き続き子供たちに伝えていきたいですし、またいろいろな子供たちと出会って笑顔が見たいです」
【伊藤健太コーチ】
「僕は今回で7回目の山田町訪問になります。以前のグラウンドもすばらしかったですが、やはりきれいな人工芝のピッチでボールを蹴れることは、子供たちも気分が違うと思いますし、環境がさらによくなったと思います。今年は9月にもまた訪れることが決まっていますが、この人工芝グラウンドがあれば、雨の心配は必要なくなると思います。
僕は1年生から3年生の子供たちと一緒にサッカー教室を行いましたが、本当にみんな元気よくて、こちらが特に盛り上げる必要もありませんでした。短い時間でしたが、子供たちは一生懸命に自分たちで楽しもうとしてくれたと思います。浦和レッズ杯という名前のついた大会も開催させていただいてうれしかったです。僕らが特別なことをしているわけではないですが、毎年訪問させていただいて、この7年間で培ったお互いの絆が、ひとつ形として表れたのかなと思います」
【小礒義明コーチ】
「このすばらしいグラウンドができて、山田町や地域のみなさんに対して、おめでとうございますという気持ちが強いです。このグラウンドが土のときから毎年訪れてきているので、子供たちがこの人工芝グラウンドでボールを蹴っている姿を見て、本当によかったなと思いました。今後もこのグラウンドでサッカーなどで身体を動かして、楽しんでほしいと思います。
サッカー教室では4年生の子供たちとふれあいましたが、さいたまの子供たちと同じように元気よく楽しんでくれたと思います。6チームの少年団の中から4年生を集めてサッカー教室を行いましたが、他の少年団の子供と協力したりして、みんな仲がよくて一生懸命やってくれたので、とてもいいサッカー教室になりました。浦和レッズ杯という名前もつけていただきましたが、毎年継続して行ってきたことが、ひとつの形として表れたのかなと思います。子供たちには、今後も一生懸命に、楽しく、思いやりを持って、サッカーに取り組んでほしいと思います」
【盛田剛平コーチ】
「僕は今回初めて山田町を訪れましたが、子供たちがエネルギーを持ってやっていましたし、一生懸命にボールを追いかけて、純粋にサッカーを楽しんでいたと思います。山田町も少し歩いて見て回りましたが、まだ堤防をつくっていたり、仮設住宅があったり、更地のままの場所もありました。7年の月日が流れているので、復興もだいぶ進んでいるのだろうと想像していたのですが、実際に町を見てまだ道半ばだと感じましたし、それを僕たちがきちんと伝えていかなければいけないと思います。今後も継続して支援活動を行っていく中で、僕もコーチとしてその活動に参加していくことになると思いますが、ハートフルクラブで教えていることを、引き続き子供たちに伝えていきたいです。
僕は今まで選手としてやってきたので、指導者は初めての経験になります。人に教えることがこんなにも難しいものかと感じていますし、しっかり勉強して覚えていきたいです。それがうまくいったら自分の色も出せるようになるのかなと思います。ハートフルクラブが教える思いやりや一生懸命やることは、僕も現役時代から大事にしてきたことです。ハートフルクラブ出身の選手だから、この子は思いやりがあって一生懸命にやるんだなと、そう思われるような選手を育てていきたいです」
【内舘秀樹 育成コーチ】
「浦和レッズが山田町を訪れるようになったのは、この町に親戚がいる僕がきっかけで、ハートフルクラブが毎年山田町に来てくれることに感謝しています。浦和レッズ杯という大会も開催されるようになり、僕としては感謝の気持ちしかないです。小さい頃からよく来ていた山田町に、まさかこのような立派な人工芝ができるとは考えたこともありませんでした。今日は子供たちがこのグラウンドに集まってサッカーをやっている姿を見られてうれしかったです。僕も小学生の子供たちと一緒にサッカー教室を行いましたが、おそらく震災のことを覚えている子は少ないと思います。震災に対してトラウマがあるような感じはしなかったですし、浦和の子供たちと同じような感じを受けました。ただ、まだ仮設で生活をされている方もいらっしゃいますし、僕の親戚もまだ仮設にいます。高齢の方たちも多いですし、そういう方たちが気持ち的にも安らげるようになってほしいと思います。
以前は、日帰りで炊き出しに来たり、いろいろなことをやりましたが、今はサッカーを通じてみんなが元気になってもらうことしかできないと思います。山田町にあった祖母の家は津波で流されてしまい、いま山田町にはお墓しか残っていません。今回は久々にお墓参りにも行きましたが、町の景色が昔とまったく変わっていました。僕が小さい頃に見ていた町の面影はまったくありませんでした。防潮堤がとても高くて、町から海がほとんど見えない状態で、寂しさを感じました。
被災者のみなさんには、早く元気になってもらいたいという思いしかありません。そのためにも、子供たちが常に笑顔でいられるような環境づくりを、少しでも手伝っていきたいです。また、元々高齢者の方が多いので、少しでもそういった方々にいい環境に戻ってもらえるように呼びかけていかなければいけないと思います。まだまだ大変だとは思いますが、がんばってもらいたいと思います。
レッズの育成の選手たちにも、震災について考えてみたり、被災地はまだまだ大変な状況であることを知ってほしいです。普通にサッカーができるのも、いろいろな人たちに支えられてできていることを感じてほしいと思います。感謝の気持ちなどを伝えるという部分では、今後、育成の選手たちが実際に山田町を訪れて感じてもらうこともいいことだと思います」
【佐藤信逸町長】
「子供たちの笑顔を見て、我々も元気をもらうことができました。何よりこのフワフワした人工芝の上でプレーできる喜びが子供たちの表情にも出ていてうれしかったですし、とても感謝しています。震災以降、子供たちに何かがしたいという岩手県サッカー協会から、このような支援の方法があるということでお話をいただきまして、それならばぜひ我々が手を上げたいとお願いいたしました。その話しがトントン拍子に進みまして、今回の人工芝完成に至りました。
今回は浦和レッズ、横浜F・マリノス、ジュビロ磐田のみなさんにもお越しいただきましたが、3チームのみなさんには、震災以降も支援物資や、毎年サッカー教室を開催していただいておりました。子供たちを手取り足取り、本当に親身になって協力していただきました。毎年見る顔の方々が今回もお越しいただきまして、大変うれしく思っています。みなさんに来ていただいたことが、子供たちの記憶となり、成長の糧にもなってくれればと思っています。
浦和レッズのみなさんは、いつ来ていただいても笑顔で子供たちに接してくれます。子供たちも打ち解けた雰囲気の中で、サッカー教室で多くのことを学んでいると思います。浦和レッズ杯という大会も今回から開催されましたが、宮古・下閉伊管内においては、唯一ここが人工芝ということですので、被災地の子供たちが一堂に会した大会に位置づけられればと思っています。宮古・下閉伊地区の中では、一番被災状況が厳しい山田町で開催されるということに意義があると思っています」
【FC山田ヴェルエーニ 佐々木悠翔選手】
「毎年、浦和レッズのみなさんと一緒にサッカーができることを楽しみにしています。今日もみなさんとサッカーができて楽しかったです。今までは土のグラウンドでしたが、人工芝になってうれしかったです。とても柔らかかったですし、ボールも蹴りやすかったです。サッカー教室ではハートフルクラブのコーチたちと一緒にサッカーをしましたが、パスがとても正確だったことが一番印象に残りました」
【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】
浦和レッズは、2011年3月11日の東日本大震災以降、山田町をはじめとする被災地各所で、幼稚園、小学校、地域のサッカー少年団、中学校を訪問し、7年間で合計71回のサッカー教室を実施してきた。被災された方々への支援を継続的に行うことを責務と考え、『社会の一員として青少年の健全な発育に寄与する』というクラブの活動理念に基づきこうした活動を実施してきた浦和レッズに対し、山田町から感謝状が贈られた。
山田町の佐藤信逸町長が、「この人工芝サッカー場が子供たちに元気を与え、笑顔でこのグラウンドを走り回り、多くの方々にご利用いただくことを、山田町町長として祈念いたします」と述べた後、淵田敬三代表の代理としてハートフルクラブ落合キャプテンに感謝状が贈られた。
式典終了後、新しく完成した人工芝グラウンドでサッカー教室が行われた。サッカー教室では、宮古・山田・大槌地域の4種登録チーム6チーム(デルフィーレ田老、FC宮古フェニックス、千徳FC、花輪サッカー少年団、大槌サッカークラブ・ジュニア U-12、FC山田ヴェルエーニ)のおよそ130人の選手たちと浦和レッズのコーチ陣、そして山田町初訪問となったレディアが交流を深めた。開始前にコーチが子供たちに、「一生懸命に、楽しく、思いやりを持ってがんばるように」と伝えると、子供たちは元気よく返事をして、よく晴れた天気のもとで楽しそうに身体を動かしていた。特に人数ゲームと呼ばれるミニゲームでは、仲間を応援する児童らの元気な声が響き渡り、ゴールが決まるとハイタッチで喜びを共有し、最後まで活気あふれる中で行われた。
参加した子供たちには、浦和レッズからクリアファイル、ステッカー、ハートフルクラブのスクールウェア、そして、浦和レッズのホームゲームでファン・サポーターの皆さんからお預かりした被災地支援の募金でつくられたシューズケースがプレゼントされ、サッカー教室は終了となった。
サッカー教室に続いて、『浦和レッズ杯 第1回 山田町ハートフル少年サッカー大会』が、3月31日(土)と4月1日(日)の2日間に渡って行われた。同大会には、浦和レッズが優勝カップを提供し、宮古、山田、大槌地域の少年・少女のサッカー大会として、サッカー技術の向上と、同地域の活性化を図る目的で開催された。
大会は8人制、15分の2ピリオド制で行われ、FC山田ヴェルエーニと大槌サッカークラブ・ジュニア U-12の対戦となった決勝戦は、互いが勝負にこだわった見応えのある好ゲームとなり、地元FC山田ヴェルエーニの優勝で幕を閉じた。
FC山田ヴェルエーニの倉本収郎代表は、「第1回目の浦和レッズ杯に優勝できてとてもうれしいです。普段はなかなか勝てないチームなのですが、子供たちががんばってくれました。子供たちも、浦和レッズさんの期待に応えたいという思いがあったと思います。今後も2回、3回と大会は続いていくと思いますが、毎回優勝できるようにがんばりたいです。そしてもし優勝できなくても、思いやりを持って、楽しんで、一生懸命にやって、試合ができればと思います。本当に素晴らしい大会を開催していただきありがとうございます」と述べて笑顔を見せた。
表彰式では、優勝したFC山田ヴェルエーニの佐々木主将に優勝カップが手渡された後、ハートフルクラブ宮沢コーチが「サッカーをやるからにはうまくなってください。ただうまくなればいいのではなくて、何事にも一生懸命に、楽しく、そして仲間、対戦相手、コーチ、家族など、関わってくれている方々に思いやりを持てる人になってください。優勝できなかった5チームは、今度は優勝したいと思っていると思うので、その気持ちをエネルギーに変えて、次もがんばってください」と述べて大会を締めくくった。
【落合 弘キャプテン】
「子供たちが楽しそうにボールを蹴っている姿を見ることができてとてもうれしかったです。これだけいいグラウンドができたのだから、多くの人たちに利用してもらいたいですし、健康な身体と精神を育んでもらいたいです。そして、浦和レッズ杯という大会名をつけていただいたことが本当にうれしかったです。2011年に田老第一小学校から始まって、ずっと続けてきたことが、このような形として結びついたのかなと思っています。継続は力なりと言いますが、それは本当にすごいことなのだとあらためて感じました。
今では震災を経験していない子や、覚えていない子も多くなってきたと思います。元々は震災がきっかけでこちらを訪れることになりましたが、ここへ来て何をやろうかと非常に悩みました。我々にできることは何なのだろうかと、いつも悩んでいます。我々は映画俳優でもスターでもないですし、特別な力を持っているわけではありません。それでも浦和で小学校の授業サポートに代表されるように、最初は20校ぐらいだったのが、今ではおよそ140校になっています。それならば、こちらでも同じように子供たちに訴え掛けていくことが一番いいのではないかという思いでやらせていただいています。我々はこちらの人たち以上にがんばって、それを見て感じてくれて、ありがとうと言ってくれたら、それでいいのではないかと思っています」
【宮沢克行コーチ】
「子供たちも気持ちよさそうにボールを蹴っていました。ハートフルクラブも山田町の支援活動に関わってきた中で、このようなすばらしいグラウンドができてうれしいです。浦和レッズ杯という大会名も付けていただいて本当にありがたいですし、例え名前が付かなくても、山田町の支援に関われていることで十分だと思っています。今回は第1回の開催となりましたが、これから第2回、第3回と続いて行くことがうれしいです。この浦和レッズ杯が開催されることで、ハートフルクラブの理念をあらためて確認してもらえるのかなと思います。
6チームの少年団と一緒にサッカー教室を行いましたが、子供たちには、『みんなはこの地域のサッカー仲間だから、そのつながりを大切にしていこう』ということを伝えました。ミニゲームをやって、子供たちも対戦して初めて知った子もいたと思いますし、そういう仲間と一緒にサッカーをやって感じるところもあったのではないかと思います。私たちが過去に訪れたことのある山田と大槌の子供たちは、ハートフルクラブや僕のことを覚えていてくれて、そういうコミュニケーションも取れてうれしかったです」
【神野真郎コーチ】
「毎年ここでFC山田の子供たちとサッカーをやっていて、以前はここも土のグラウンドでしたが、今回すばらしい人工芝のピッチができてよかったと思います。子供たちのサッカーの技術もさらに上達すると思いますし、ここで練習した子供たちが、将来は浦和レッズの選手になるといった期待も持てる環境だと思います。
今回は山田町から感謝状をいただきましたが、この場に呼んでいただけけただけでもうれしいです。毎年短い期間しか訪問することはできませんが、微力ながら山田町の子供たちに少しでも力を与えられて、それを見た大人の方たちにも元気を与えられたのかなと思っています。
今後も継続して支援活動を行っていくと思いますが、『楽しむこと』、『思いやりを持つこと』、『一生懸命にやること』の3つのキーワードを、引き続き子供たちに伝えていきたいですし、またいろいろな子供たちと出会って笑顔が見たいです」
【伊藤健太コーチ】
「僕は今回で7回目の山田町訪問になります。以前のグラウンドもすばらしかったですが、やはりきれいな人工芝のピッチでボールを蹴れることは、子供たちも気分が違うと思いますし、環境がさらによくなったと思います。今年は9月にもまた訪れることが決まっていますが、この人工芝グラウンドがあれば、雨の心配は必要なくなると思います。
僕は1年生から3年生の子供たちと一緒にサッカー教室を行いましたが、本当にみんな元気よくて、こちらが特に盛り上げる必要もありませんでした。短い時間でしたが、子供たちは一生懸命に自分たちで楽しもうとしてくれたと思います。浦和レッズ杯という名前のついた大会も開催させていただいてうれしかったです。僕らが特別なことをしているわけではないですが、毎年訪問させていただいて、この7年間で培ったお互いの絆が、ひとつ形として表れたのかなと思います」
【小礒義明コーチ】
「このすばらしいグラウンドができて、山田町や地域のみなさんに対して、おめでとうございますという気持ちが強いです。このグラウンドが土のときから毎年訪れてきているので、子供たちがこの人工芝グラウンドでボールを蹴っている姿を見て、本当によかったなと思いました。今後もこのグラウンドでサッカーなどで身体を動かして、楽しんでほしいと思います。
サッカー教室では4年生の子供たちとふれあいましたが、さいたまの子供たちと同じように元気よく楽しんでくれたと思います。6チームの少年団の中から4年生を集めてサッカー教室を行いましたが、他の少年団の子供と協力したりして、みんな仲がよくて一生懸命やってくれたので、とてもいいサッカー教室になりました。浦和レッズ杯という名前もつけていただきましたが、毎年継続して行ってきたことが、ひとつの形として表れたのかなと思います。子供たちには、今後も一生懸命に、楽しく、思いやりを持って、サッカーに取り組んでほしいと思います」
【盛田剛平コーチ】
「僕は今回初めて山田町を訪れましたが、子供たちがエネルギーを持ってやっていましたし、一生懸命にボールを追いかけて、純粋にサッカーを楽しんでいたと思います。山田町も少し歩いて見て回りましたが、まだ堤防をつくっていたり、仮設住宅があったり、更地のままの場所もありました。7年の月日が流れているので、復興もだいぶ進んでいるのだろうと想像していたのですが、実際に町を見てまだ道半ばだと感じましたし、それを僕たちがきちんと伝えていかなければいけないと思います。今後も継続して支援活動を行っていく中で、僕もコーチとしてその活動に参加していくことになると思いますが、ハートフルクラブで教えていることを、引き続き子供たちに伝えていきたいです。
僕は今まで選手としてやってきたので、指導者は初めての経験になります。人に教えることがこんなにも難しいものかと感じていますし、しっかり勉強して覚えていきたいです。それがうまくいったら自分の色も出せるようになるのかなと思います。ハートフルクラブが教える思いやりや一生懸命やることは、僕も現役時代から大事にしてきたことです。ハートフルクラブ出身の選手だから、この子は思いやりがあって一生懸命にやるんだなと、そう思われるような選手を育てていきたいです」
【内舘秀樹 育成コーチ】
「浦和レッズが山田町を訪れるようになったのは、この町に親戚がいる僕がきっかけで、ハートフルクラブが毎年山田町に来てくれることに感謝しています。浦和レッズ杯という大会も開催されるようになり、僕としては感謝の気持ちしかないです。小さい頃からよく来ていた山田町に、まさかこのような立派な人工芝ができるとは考えたこともありませんでした。今日は子供たちがこのグラウンドに集まってサッカーをやっている姿を見られてうれしかったです。僕も小学生の子供たちと一緒にサッカー教室を行いましたが、おそらく震災のことを覚えている子は少ないと思います。震災に対してトラウマがあるような感じはしなかったですし、浦和の子供たちと同じような感じを受けました。ただ、まだ仮設で生活をされている方もいらっしゃいますし、僕の親戚もまだ仮設にいます。高齢の方たちも多いですし、そういう方たちが気持ち的にも安らげるようになってほしいと思います。
以前は、日帰りで炊き出しに来たり、いろいろなことをやりましたが、今はサッカーを通じてみんなが元気になってもらうことしかできないと思います。山田町にあった祖母の家は津波で流されてしまい、いま山田町にはお墓しか残っていません。今回は久々にお墓参りにも行きましたが、町の景色が昔とまったく変わっていました。僕が小さい頃に見ていた町の面影はまったくありませんでした。防潮堤がとても高くて、町から海がほとんど見えない状態で、寂しさを感じました。
被災者のみなさんには、早く元気になってもらいたいという思いしかありません。そのためにも、子供たちが常に笑顔でいられるような環境づくりを、少しでも手伝っていきたいです。また、元々高齢者の方が多いので、少しでもそういった方々にいい環境に戻ってもらえるように呼びかけていかなければいけないと思います。まだまだ大変だとは思いますが、がんばってもらいたいと思います。
レッズの育成の選手たちにも、震災について考えてみたり、被災地はまだまだ大変な状況であることを知ってほしいです。普通にサッカーができるのも、いろいろな人たちに支えられてできていることを感じてほしいと思います。感謝の気持ちなどを伝えるという部分では、今後、育成の選手たちが実際に山田町を訪れて感じてもらうこともいいことだと思います」
【佐藤信逸町長】
「子供たちの笑顔を見て、我々も元気をもらうことができました。何よりこのフワフワした人工芝の上でプレーできる喜びが子供たちの表情にも出ていてうれしかったですし、とても感謝しています。震災以降、子供たちに何かがしたいという岩手県サッカー協会から、このような支援の方法があるということでお話をいただきまして、それならばぜひ我々が手を上げたいとお願いいたしました。その話しがトントン拍子に進みまして、今回の人工芝完成に至りました。
今回は浦和レッズ、横浜F・マリノス、ジュビロ磐田のみなさんにもお越しいただきましたが、3チームのみなさんには、震災以降も支援物資や、毎年サッカー教室を開催していただいておりました。子供たちを手取り足取り、本当に親身になって協力していただきました。毎年見る顔の方々が今回もお越しいただきまして、大変うれしく思っています。みなさんに来ていただいたことが、子供たちの記憶となり、成長の糧にもなってくれればと思っています。
浦和レッズのみなさんは、いつ来ていただいても笑顔で子供たちに接してくれます。子供たちも打ち解けた雰囲気の中で、サッカー教室で多くのことを学んでいると思います。浦和レッズ杯という大会も今回から開催されましたが、宮古・下閉伊管内においては、唯一ここが人工芝ということですので、被災地の子供たちが一堂に会した大会に位置づけられればと思っています。宮古・下閉伊地区の中では、一番被災状況が厳しい山田町で開催されるということに意義があると思っています」
【FC山田ヴェルエーニ 佐々木悠翔選手】
「毎年、浦和レッズのみなさんと一緒にサッカーができることを楽しみにしています。今日もみなさんとサッカーができて楽しかったです。今までは土のグラウンドでしたが、人工芝になってうれしかったです。とても柔らかかったですし、ボールも蹴りやすかったです。サッカー教室ではハートフルクラブのコーチたちと一緒にサッカーをしましたが、パスがとても正確だったことが一番印象に残りました」
【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】