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浦和レッズの現状と今後について
浦和レッズは、3月8日Jリーグ第2節サガン鳥栖戦の事案により、3月23日第4節清水戦を無観客試合で開催するというJリーグの制裁を受けました。厳粛に受け止めるとともに、すべてのサッカーファン、ご迷惑をお掛けしたすべての皆様、試合開催にあたり、ご理解、ご協力を頂いたすべての皆様に改めて心よりお詫び申し上げます。来場予定の方の観戦・参戦機会が失われたことは痛恨の極みであり、二度と起こしてはいけません。また、クラブ内のこととなりますが本事案とは無関係の指導者、選手に対してもお詫びいたします。
制裁となったリーグ戦が終了したことを受け、ファン・サポーターの皆様に、浦和レッズの現状と今後について、ご報告させて頂きます。
■現状と将来像
【危機に直面】
たびたびJリーグからの制裁を受けていたにもかかわらず、サポーターによるスタジアムコンコースでの差別的とみられる行為とそれをクラブが迅速かつ適切に対応できなかったという事態が発生しました。一部のサポーターが起こした行為と、それに対してクラブが抑止・対応できなかったことで、浦和レッズ全体が、ファン・サポーターの皆様全体が、ルールを守れない集団なのではないのかと一般社会から疑われるような状態に陥りました。多くの方々からの信頼を失いかねない状況にあります。浦和レッズは危機に直面しています。そして、このような浦和レッズを次世代に引き継いではいけません。
これまでのクラブの運営手法、クラブとサポーター間の関係などを抜本的に見直さない限り、浦和レッズの存在意義を取り戻し、再び熱狂的なスタジアムをつくることは不可能です。
【スタジアムなど運営体制に問題】
過去の慣行にとらわれ、一部のサポーターを特別扱いしていると見られるような運営手法が、これまでトラブルに適切に対応できず、またその後のトラブル防止に活かせなかった要因のひとつです。トラブルを容認していると受け止められかねない姿勢があったとの指摘に素直に耳を傾けなければいけません。本来は、常に将来を見据えて現状を把握し、問題に対しては異論があったとしても適切に見直さなければいけません。現状に対する適切な評価、修正が行われず、「自主性と規制・抑止のバランス」が崩れるなど、クラブ内部のマネジメントに問題があったことは明らかです。本事案に関する関係者の処分はもちろんですが、クラブの風土、組織、体制やスタッフの意識に根本的な問題があります。
【すべての人が楽しめるスタジアムとするため浦和レッズは生まれ変わる】
浦和レッズは生まれ変わることを宣言します。すべての人が楽しめる、すべての人が公平に扱われるスタジアムにしていきます。求めるものが熱いサポートのあるスタジアムであったとしても、そのための前提条件は「安全なスタジアム」です。
安全確保を最優先に考え、いったんは熱狂的なスタジアムの源泉でもある自主性を制限してでもトラブルの防止と迅速な対応を行います。最後にはスタジアムにいる皆様の意識そのものが、安全なスタジアムをつくり出しますが、試合の運営責任を果たすためには、まずはクラブが新たなルールを導入し、実施していきます。
安全確保を前提に、その後は「自主性と規制のバランス」が取れた快適なスタジアムづくりを進めていきます。その先にある熱いスタジアムを実現するのも最後はスタジアムにいる皆様です。
浦和レッズが生まれ変わるため、安全確保から始まる取り組みを、クラブとファン・サポーターの皆様が共に歩んでいけることを強く願っています。
■今後の取り組み(体制と仕組み)
【クラブの体制】
現在最も重視している「安全確保」、そして将来を見据えた「コミュニケーション」をキーワードに、クラブの風土、組織、体制を抜本的に見直します。これまでの反省を十分に活かし、意識改革も狙った新たな体制で運営します。外部有識者による第三者機関などの設置により、公正でオープンな議論を行うことを検討します。浦和レッズが生まれ変わるために、まずクラブ自身が強い危機意識を持ち続けて変革していきます。これらの取り組みを、ファン・サポーターの皆様による安全なスタジアムづくり、楽しいスタジアムづくりへの参画に繋げていきたいと考えています。
【SPORTS FOR PEACE!プロジェクトによる展開】
「スポーツは闘いです。しかし、そこにはルールがあります」との意識を共有しながら、スポーツを通じて幸せを感じたり、スポーツの幸せを発信するため、提携する「国連の友アジア-パシフィック(AP)」とともに、SPORTS FOR PEACE!プロジェクトを恒久的に行っていきます。
国際交流や震災支援といった社会貢献だけでなく、安全なスタジアムづくりについても、SPORTS FOR PEACE!プロジェクトの中で展開していきます。チームによるフェアプレー、クラブによる絆づくり、ファン・サポーターの皆様と取り組む安全確保により「誇りあふれるスタジアムを!」というコンセプトを実現していきます。
【再発防止と安全確保のために】
安全なスタジアムのためにも最優先に取り組むべき課題は、再発防止と安全確保です。スタジアム全体を熱狂に導くサポーターの方々は、クラブだけでなく、ほかのファン・サポーターの皆様にも頼もしい存在です。しかし、自主性を尊重するあまり、サポーターの活動に対する、配慮や便宜が一部のサポーターに偏り過ぎた点がありました。その結果、クラブが状況をコントロール出来ないなど管理責任を果たしにくくなったことが、トラブル発生の根底にあります。
クラブ体制やルールの見直しと並行して、いわゆるゴール裏中心部のサポーターの今後のあり方をクラブが考えたりコミュニケーションしたりする中で再構築します。再発防止と安全確保の取り組みを誇りあふれるスタジアムづくりに繋げる道のりは長く困難かもしれませんが、ファン・サポーターの皆様と一緒に取り組んでいきます。
■今後の取り組み(個別事項)
【差別撲滅への強力な取り組み】
本事案の直接的原因は、差別的とみられる行為の発生と、その後の対応の失敗であり、本事案の反省を踏まえて取り組むことにしました。
3月23日、浦和レッズは「差別撲滅宣言」をしました。選手、スタッフは宣誓書へのサインをほぼ終えています。
FIFA(国際サッカー連盟)は差別に対して厳しく臨んでおり、サポーターに対しても罰則規定を設けています。浦和レッズは今後サッカーファミリーの一員としてFIFAの姿勢を最大限に尊重した差別撲滅に向けた活動を展開します。
差別撲滅に向けたアクションプログラム(行動計画)を国連の友APほか専門家の協力を得て策定し、クラブ内部での教育を通じて差別に対する意識を高めます。スタジアム内外で啓発活動を行います。ファン・サポーターの皆様にも宣誓書の提出をはじめとする活動への参画を呼び掛けていきます。
専門家をまじえ、またファン・サポーターの皆様の参画も得ながら、学び、考えることがこの問題の解決への足掛かりになります。大切なのは取り組みを継続していくことだと考えます。
なお、ファン・サポーターの皆様に対しては、FIFAの指示に基づくJFA(日本サッカー協会)の懲罰規程に基づいた運用を行います。規程に抵触した行為者は、最低2年間、スタジアムへの入場を禁止します。
【横断幕等の掲出禁止について】
リーグ戦、カップ戦とも、ホーム、アウェイを問わず、浦和レッズのファン・サポーター全員に対し、すべての横断幕、ゲートフラッグ、旗類、装飾幕等の掲出を禁止とさせていただいております。浦和レッズを象徴するコレオグラフィーについても、禁止いたします。
なお、タオルマフラーについては、差別的な表現のないもの、掲出禁止となっている表示物に準ずるものでなければ禁止ではありません。
ファン・サポーターのほとんどの方たちが純粋に浦和レッズを愛し、サポートしてくださっているのは間違いなく、その皆様の強い思いを表現するための手段を制限することは、大変心が痛く、申し訳ない気持ちです。
しかし、「掲出禁止」は、差別的もしくは差別的とみられる行為の防止策でありますが、それだけではありません。誰もが楽しめるスタジアムづくりの第一歩です。安全確保が確認され、さらには掲出ルールを策定する中で、再開など今後の掲出基準を決定していきます。
なお、この措置は、全カテゴリー(ユース、ジュニアユース、ジュニアおよびレッズレディース、レディースユース、レディースジュニアユース)の試合・練習試合においても、適用しておりますが、トップチームとは異なる視点を入れて今後の取り扱いを検討していきます。
【警備体制と禁止事項について】
警備体制は安全確保を重視した体制を再構築します。今後は、スタンドには警備員だけでなくクラブスタッフも配置します。
重点禁止6項目(差別的発言・行為、暴力行為、ピッチ等への物の投げ込み、器物損壊、立ち入り禁止エリアへの侵入、指定エリア以外での喫煙)への遵守はこれまで以上に明確にお願いしていきます。その他、試合管理規程を適切かつ厳格に適用します。また、トラブル時などに迅速に対応するため、通路、階段での観戦の禁止を呼び掛けます。
【慣習の見直しと新しいルール】
これまでサポーターの「自主性」を強調し過ぎたあまり、「規制・抑止」とのバランスが崩れてきました。「自主性」を取り戻すためにも、まずは「規制・抑止」の取り決めと実行が大変重要だと考えています。
クラブとサポーター間には20余年の歴史の中で生まれた慣習やルールがありますが、今回は「横断幕を取り外すときは掲出したサポーターの合意がいる」という慣習があり、その慣習に囚われた部分がありました。まずは、慣習やルールを洗い出してクリアにしていきます。
例えば、自由席の入場の順番について、クラブ主催の「当日抽選」に先立って、サポーター有志が行っている「前日抽選」を取りやめることが検討されています。
浦和レッズが主管者としての運営責任を果たすため、サポーターグループの登録制度の導入を検討しています。例えば、登録グループのみが、将来、横断幕類掲出等クラブが定めたサポートツールの利用を申請できるような仕組みです。
検討を表明している座席の席割り変更については、スタジアムのあるべき姿などを総合的に考えながら、「ファミリー席」の新設や、必要であれば自由席の「ブロック指定席化」や「完全指定席化」なども検討していきます。
■最後に
【楽しく熱狂あるスタジアムのために】
運営責任を果たすルールは浦和レッズが主導して整備し実行していきますが、安全はスタンドにいる一人ひとりの意識により実現されるものが多くあります。そして、スタジアムは「規制・抑止」だけでは成り立ちません。
「スポーツは闘いです。しかし、そこにはルールがあります」というSPORTS FOR PEACE!プロジェクトの考え方にのっとり、将来どのようなスタジアムとしていくのかを話し合い、考え、実行していくことが大切です。
今後、ファン・サポーターの皆様、自治体や市民などホームタウンの皆様、専門家の皆様と、様々な形でのコミュニケーションを通じて、楽しむためのルールや制度をオープンに話し合う仕組みをつくり実施していきます。試合時にスタンドにスタッフが派遣されているのは、トラブル防止という目的だけでなく、観戦する皆様とコミュニケーションを取るという側面もあります。多くの方々と一度に話し合うことは困難ですが、時間をかけながらも、楽しいスタジアム、熱狂するスタジアムについて、みんなで考えていきます。このような取り組みが、すべての人が楽しめるスタジアムや、歴史と伝統ある浦和のサッカーを次世代に残すことに繋がると信じています。
浦和レッドダイヤモンズ
制裁となったリーグ戦が終了したことを受け、ファン・サポーターの皆様に、浦和レッズの現状と今後について、ご報告させて頂きます。
■現状と将来像
【危機に直面】
たびたびJリーグからの制裁を受けていたにもかかわらず、サポーターによるスタジアムコンコースでの差別的とみられる行為とそれをクラブが迅速かつ適切に対応できなかったという事態が発生しました。一部のサポーターが起こした行為と、それに対してクラブが抑止・対応できなかったことで、浦和レッズ全体が、ファン・サポーターの皆様全体が、ルールを守れない集団なのではないのかと一般社会から疑われるような状態に陥りました。多くの方々からの信頼を失いかねない状況にあります。浦和レッズは危機に直面しています。そして、このような浦和レッズを次世代に引き継いではいけません。
これまでのクラブの運営手法、クラブとサポーター間の関係などを抜本的に見直さない限り、浦和レッズの存在意義を取り戻し、再び熱狂的なスタジアムをつくることは不可能です。
【スタジアムなど運営体制に問題】
過去の慣行にとらわれ、一部のサポーターを特別扱いしていると見られるような運営手法が、これまでトラブルに適切に対応できず、またその後のトラブル防止に活かせなかった要因のひとつです。トラブルを容認していると受け止められかねない姿勢があったとの指摘に素直に耳を傾けなければいけません。本来は、常に将来を見据えて現状を把握し、問題に対しては異論があったとしても適切に見直さなければいけません。現状に対する適切な評価、修正が行われず、「自主性と規制・抑止のバランス」が崩れるなど、クラブ内部のマネジメントに問題があったことは明らかです。本事案に関する関係者の処分はもちろんですが、クラブの風土、組織、体制やスタッフの意識に根本的な問題があります。
【すべての人が楽しめるスタジアムとするため浦和レッズは生まれ変わる】
浦和レッズは生まれ変わることを宣言します。すべての人が楽しめる、すべての人が公平に扱われるスタジアムにしていきます。求めるものが熱いサポートのあるスタジアムであったとしても、そのための前提条件は「安全なスタジアム」です。
安全確保を最優先に考え、いったんは熱狂的なスタジアムの源泉でもある自主性を制限してでもトラブルの防止と迅速な対応を行います。最後にはスタジアムにいる皆様の意識そのものが、安全なスタジアムをつくり出しますが、試合の運営責任を果たすためには、まずはクラブが新たなルールを導入し、実施していきます。
安全確保を前提に、その後は「自主性と規制のバランス」が取れた快適なスタジアムづくりを進めていきます。その先にある熱いスタジアムを実現するのも最後はスタジアムにいる皆様です。
浦和レッズが生まれ変わるため、安全確保から始まる取り組みを、クラブとファン・サポーターの皆様が共に歩んでいけることを強く願っています。
■今後の取り組み(体制と仕組み)
【クラブの体制】
現在最も重視している「安全確保」、そして将来を見据えた「コミュニケーション」をキーワードに、クラブの風土、組織、体制を抜本的に見直します。これまでの反省を十分に活かし、意識改革も狙った新たな体制で運営します。外部有識者による第三者機関などの設置により、公正でオープンな議論を行うことを検討します。浦和レッズが生まれ変わるために、まずクラブ自身が強い危機意識を持ち続けて変革していきます。これらの取り組みを、ファン・サポーターの皆様による安全なスタジアムづくり、楽しいスタジアムづくりへの参画に繋げていきたいと考えています。
【SPORTS FOR PEACE!プロジェクトによる展開】
「スポーツは闘いです。しかし、そこにはルールがあります」との意識を共有しながら、スポーツを通じて幸せを感じたり、スポーツの幸せを発信するため、提携する「国連の友アジア-パシフィック(AP)」とともに、SPORTS FOR PEACE!プロジェクトを恒久的に行っていきます。
国際交流や震災支援といった社会貢献だけでなく、安全なスタジアムづくりについても、SPORTS FOR PEACE!プロジェクトの中で展開していきます。チームによるフェアプレー、クラブによる絆づくり、ファン・サポーターの皆様と取り組む安全確保により「誇りあふれるスタジアムを!」というコンセプトを実現していきます。
【再発防止と安全確保のために】
安全なスタジアムのためにも最優先に取り組むべき課題は、再発防止と安全確保です。スタジアム全体を熱狂に導くサポーターの方々は、クラブだけでなく、ほかのファン・サポーターの皆様にも頼もしい存在です。しかし、自主性を尊重するあまり、サポーターの活動に対する、配慮や便宜が一部のサポーターに偏り過ぎた点がありました。その結果、クラブが状況をコントロール出来ないなど管理責任を果たしにくくなったことが、トラブル発生の根底にあります。
クラブ体制やルールの見直しと並行して、いわゆるゴール裏中心部のサポーターの今後のあり方をクラブが考えたりコミュニケーションしたりする中で再構築します。再発防止と安全確保の取り組みを誇りあふれるスタジアムづくりに繋げる道のりは長く困難かもしれませんが、ファン・サポーターの皆様と一緒に取り組んでいきます。
■今後の取り組み(個別事項)
【差別撲滅への強力な取り組み】
本事案の直接的原因は、差別的とみられる行為の発生と、その後の対応の失敗であり、本事案の反省を踏まえて取り組むことにしました。
3月23日、浦和レッズは「差別撲滅宣言」をしました。選手、スタッフは宣誓書へのサインをほぼ終えています。
FIFA(国際サッカー連盟)は差別に対して厳しく臨んでおり、サポーターに対しても罰則規定を設けています。浦和レッズは今後サッカーファミリーの一員としてFIFAの姿勢を最大限に尊重した差別撲滅に向けた活動を展開します。
差別撲滅に向けたアクションプログラム(行動計画)を国連の友APほか専門家の協力を得て策定し、クラブ内部での教育を通じて差別に対する意識を高めます。スタジアム内外で啓発活動を行います。ファン・サポーターの皆様にも宣誓書の提出をはじめとする活動への参画を呼び掛けていきます。
専門家をまじえ、またファン・サポーターの皆様の参画も得ながら、学び、考えることがこの問題の解決への足掛かりになります。大切なのは取り組みを継続していくことだと考えます。
なお、ファン・サポーターの皆様に対しては、FIFAの指示に基づくJFA(日本サッカー協会)の懲罰規程に基づいた運用を行います。規程に抵触した行為者は、最低2年間、スタジアムへの入場を禁止します。
【横断幕等の掲出禁止について】
リーグ戦、カップ戦とも、ホーム、アウェイを問わず、浦和レッズのファン・サポーター全員に対し、すべての横断幕、ゲートフラッグ、旗類、装飾幕等の掲出を禁止とさせていただいております。浦和レッズを象徴するコレオグラフィーについても、禁止いたします。
なお、タオルマフラーについては、差別的な表現のないもの、掲出禁止となっている表示物に準ずるものでなければ禁止ではありません。
ファン・サポーターのほとんどの方たちが純粋に浦和レッズを愛し、サポートしてくださっているのは間違いなく、その皆様の強い思いを表現するための手段を制限することは、大変心が痛く、申し訳ない気持ちです。
しかし、「掲出禁止」は、差別的もしくは差別的とみられる行為の防止策でありますが、それだけではありません。誰もが楽しめるスタジアムづくりの第一歩です。安全確保が確認され、さらには掲出ルールを策定する中で、再開など今後の掲出基準を決定していきます。
なお、この措置は、全カテゴリー(ユース、ジュニアユース、ジュニアおよびレッズレディース、レディースユース、レディースジュニアユース)の試合・練習試合においても、適用しておりますが、トップチームとは異なる視点を入れて今後の取り扱いを検討していきます。
【警備体制と禁止事項について】
警備体制は安全確保を重視した体制を再構築します。今後は、スタンドには警備員だけでなくクラブスタッフも配置します。
重点禁止6項目(差別的発言・行為、暴力行為、ピッチ等への物の投げ込み、器物損壊、立ち入り禁止エリアへの侵入、指定エリア以外での喫煙)への遵守はこれまで以上に明確にお願いしていきます。その他、試合管理規程を適切かつ厳格に適用します。また、トラブル時などに迅速に対応するため、通路、階段での観戦の禁止を呼び掛けます。
【慣習の見直しと新しいルール】
これまでサポーターの「自主性」を強調し過ぎたあまり、「規制・抑止」とのバランスが崩れてきました。「自主性」を取り戻すためにも、まずは「規制・抑止」の取り決めと実行が大変重要だと考えています。
クラブとサポーター間には20余年の歴史の中で生まれた慣習やルールがありますが、今回は「横断幕を取り外すときは掲出したサポーターの合意がいる」という慣習があり、その慣習に囚われた部分がありました。まずは、慣習やルールを洗い出してクリアにしていきます。
例えば、自由席の入場の順番について、クラブ主催の「当日抽選」に先立って、サポーター有志が行っている「前日抽選」を取りやめることが検討されています。
浦和レッズが主管者としての運営責任を果たすため、サポーターグループの登録制度の導入を検討しています。例えば、登録グループのみが、将来、横断幕類掲出等クラブが定めたサポートツールの利用を申請できるような仕組みです。
検討を表明している座席の席割り変更については、スタジアムのあるべき姿などを総合的に考えながら、「ファミリー席」の新設や、必要であれば自由席の「ブロック指定席化」や「完全指定席化」なども検討していきます。
■最後に
【楽しく熱狂あるスタジアムのために】
運営責任を果たすルールは浦和レッズが主導して整備し実行していきますが、安全はスタンドにいる一人ひとりの意識により実現されるものが多くあります。そして、スタジアムは「規制・抑止」だけでは成り立ちません。
「スポーツは闘いです。しかし、そこにはルールがあります」というSPORTS FOR PEACE!プロジェクトの考え方にのっとり、将来どのようなスタジアムとしていくのかを話し合い、考え、実行していくことが大切です。
今後、ファン・サポーターの皆様、自治体や市民などホームタウンの皆様、専門家の皆様と、様々な形でのコミュニケーションを通じて、楽しむためのルールや制度をオープンに話し合う仕組みをつくり実施していきます。試合時にスタンドにスタッフが派遣されているのは、トラブル防止という目的だけでなく、観戦する皆様とコミュニケーションを取るという側面もあります。多くの方々と一度に話し合うことは困難ですが、時間をかけながらも、楽しいスタジアム、熱狂するスタジアムについて、みんなで考えていきます。このような取り組みが、すべての人が楽しめるスタジアムや、歴史と伝統ある浦和のサッカーを次世代に残すことに繋がると信じています。
浦和レッドダイヤモンズ