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ミシャ監督 鹿島アントラーズ戦試合後会見
明治安田生命2016Jリーグチャンピオンシップ決勝 第2戦 鹿島アントラーズ戦 試合後のコメント
「試合の入りは、非常によかったと思います。その中で、早い段階で先制できました。その後も2点目、3点目を取るチャンスがあった中で、30分過ぎくらいから自分たちがボールをつなげず、前に蹴り出すだけになってしまいました。リードして、少し相手が攻勢に出てくる中で、受けに回ってしまった感じが否めません。
選手たちには試合前に、守るだけでなく後ろからつなぐこと、相手の守備を剥がしていくことを求めました。ただ、前半の途中からはなかなか自分たちがボールを持つことができず、相手に同点に追いつかれてしまいました。
ハーフタイムに、選手たちにはボールを前に蹴り出すだけでなく、後ろからの攻撃の組み立てをしっかりやっていこうと話しました。後半、少しその部分がよくなったと思っています。ただ、時間が進むにつれ、我々の選手たちは若干運動量が落ち、球際で相手に負ける場面が増えてきた中で、1つの形から2点目を失ってしまいました。残りの15分は槙野を前に上げて2トップにして、長いボールや外からのクロスで同点を狙いました。残念ながら、いくつかの場面でもう少し落ち着いていれば、あるいはもう少し体力的にキレが残っていれば、あわよくばという場面を作れたのですが、それが得点には至らず、1-2で敗れてしまいました。
我々はスポーツに関わる人間として、勝利した鹿島が優勝したことに対して、おめでとうというふうに思います。
我々は年間で鹿島よりも15ポイント多く取ったチームとして、ファイナルを戦いました。私は、1-0で勝利したアウェイゲーム、そして1-2で敗れた今日のゲーム、2試合の合計は2-2だと思っています。ただレギュレーション上、アウェイゴールが優先されるという中で、我々は負けました。どこに15ポイントを取ったチームのアドバンテージがあるのかは分かりませんが、我々は決して、1勝1敗という結果の中で、負けてはいないと思います。
力が拮抗したチーム同士が戦えば、一発勝負の中では、どちらに勝敗が転ぶか分からないのがサッカーです。タイトルがかかるゲームで負けたので、選手は残念な気持ちでいっぱいだと思いますし、クラブ、そしてファン・サポーター、我々に関わるすべての人間が残念に思い、悲しい気持ちでいっぱいであると思います。ただ、このチームを率いる監督として、私自身は違う見方をしています。それをみんなに示していかなくてはいけないと思っています。
私はこう思います。選手、スタッフ、クラブ、ファン・サポーター、すべての人たちに言いたいです。我々浦和レッズは今シーズン、すばらしいシーズンを送ったということを。そして、そのシーズンを勝ち取ってくれた、すべての人に感謝したいです。そして私は、みんなを誇りに思っています。決して我々の過ごしたシーズンは、下を向くような結果ではないと思いますし、我々は胸を張って、誇りを持って前を向けると思います。
もし誰かがこの結果をもって批判するのであれば、それは監督である私に向けてほしいと思います。選手、スタッフ、ファン・サポーター、クラブ、浦和レッズに関わった全ての人たちが、今シーズンはすばらしい結果を出してくれたと思います。これまで我々をサポートしてくれたみなさんに、私自身、監督として大きな感謝をしています。ありがとうございます」
【質疑応答】
(鹿島の石井監督が『1-1で追いついたことでレッズにプレッシャーがかかり、勢いがなくなったように感じた』と話していたが、自身の采配や選手のプレーから、そういうことを読み取ることはできたか?)
「石井監督が鹿島を率いて1年半だと思いますけど、彼の経験の中で、今日のゲームでそういう分析をされているのであれば、私に言うことはありません。
今日のゲームで対戦した鹿島は、3位で勝ち上がってきた、15ポイント我々より低いポイントでリーグを終えたチームです。鹿島にとっては失うものがない戦いでした。そうした失うものがないという背景があるチームと、そうでないチームの違いは大きいと思います」
(チャンピオンシップの3試合を見ると、ホームチームが3回も負けた。海外で、特に決勝では、ホームでプレーする利は大きいが、この3試合を見ると、ホームチームは自分たちのサポーターが多く、プレッシャーを感じて自分たちのサッカーを100パーセントできていないように思う。そのことについて、外国人監督として考えを聞かせていただきたい)
「普通のリーグでもよくある現象ですけど、アウェイのチームが勝利することが多い節があるのは、Jリーグでよくあることです。
私はこう見ています。私もよくコメントしますけど、Jリーグは各チームの力が非常に拮抗しています。15位の新潟、1位のレッズ、5位の広島、10位のFC東京、それぞれのチームの選手のレベルに大きな差があるかと言えば、私はそれほど差がないと思っています。故に、私は毎試合、どちらに勝敗が転ぶか分からないと思いますし、ホームで戦うことが大きなアドバンテージにならないのは、そういうことだと思います。もしJリーグに国内の日本代表選手が集まるようなチームがあれば、結果の違いが生まれてくると思いますけど、そうした選手が各チームに散らばっている状況の中で、それぞれのチームのレベルは拮抗していると思います。だからこそ結果がどちらに転ぶか分からないことが多いのがJリーグです。それが、アウェイチームが勝利する理由の一つだと思います。
ここ最近でも、ガンバも、FC東京も、今年で言えば名古屋も、J2に落ちました。本来であれば間違いなく落ちることのないチームがJ2に落ちるのも、Jリーグの怖さです。
日本のリーグがいかに難しいリーグかというのは、過去にガンバが落ちたときの結果を見れば分かると思います。ガンバはそのシーズン、一番目か二番目に得点したチームだったと思いますが、そのチームがJ2に落ちるのは、世界ではありえない現象だと思います。それくらい、Jリーグは難しいリーグだということです」
(鹿島と勝ち点差が15あったと何度も言っているが、心の中ではレッズが今シーズンのチャンピオンか、少なくともベストチームだと感じているか?)
「私はレッズの監督として、この状況で非常にセンチメンタルな気持ちになっています。そこで、自分でそういうことを言うのは心苦しいところがありますけど、浦和レッズは今シーズン、間違いなくナンバーワンのチームであったと私は思っています。このファイナルに関しても、2-2の引き分けだと思っています。もちろん、レギュレーションでアウェイゴールが優先される中では負けましたけど、私は決して、負けたとは思っていません。決して言い訳をしたいわけではないですけど、15ポイントを多く取ったチームにアドバンテージとして与えられたものがどうであったかというのは、もちろんあると思います。ただ、このファイナルの2戦において、私は1勝1敗だったと思っていますし、スコアに関しても2-2だったと思っています。
レギュレーションの中で、我々は負けました。私は一スポーツマンとして、勝利した鹿島に対し、おめでとうと言いたいですし、勝った方が、ルールの中で称賛されるものです。
昨シーズンのチャンピオンシップ、我々はガンバと90分の試合で1-1となり、延長戦で敗れました。もし今シーズンのルールが適用されていれば、我々は広島とファイナルを戦っていました。今シーズンの我々は決勝を戦って、最終的にはアウェイゴールの制度で負けましたけど、もし来シーズンも2ステージ制であれば、もしかしたらファイナルのレギュレーションが変わったかもしれません。その意味では、自分たちの結果が出た後でなにかしらルールが変わるというのは、非常に不運と感じます。来シーズンは元の1シーズン制に戻るということですが。
私自身、残念な気持ち、悲しい思いでいっぱいです。ただ我々は、この結果をもって、次のシーズンを見据えるしかないでしょう。
1位で勝ち上がり、ファイナルを戦った我々にアドバンテージがあったかどうかは、今日の戦いの前にも言いましたけど、それがあったとは思っていません。ただ、同じレギュレーションで戦ったのは間違いないですし、その中で勝利した鹿島におめでとうと言いたい気持ちはあります。ただ、そういうものであるのは、何度も説明したとおりです。
鹿島には改めておめでとうと言いたいと思いますし、この悔しさは、決して忘れることのできない悔しさとして我々の中に刻まれました。我々はまた、今年獲れなかったものを来シーズン獲るために、再び立ち上がり、それを目指してやるしかないと思います」
(Jリーグのタイトルを寸前で逃したが、怨念や呪いのようなものを感じるか?また、この負けが来年に向けて、どういうところがチームの成長になると感じているか?)
「日本では、負けた方の監督が『不運であった』とコメントすると、あまりいいようにとられないので、そうは言いません。
何か呪いのようなものがかけられているかと言えば、それは違うと思います。我々が5年間、リーグ優勝を争いながらタイトルが獲れないのは、監督が悪いのではないですか。
我々レッズは、こうした悔しい経験を経て、次のシーズンでさらに強くなって、必ず戻ってきます。それは間違いなく言えるでしょう。来シーズンも、我々は今シーズンの悔しい結果をもって、さらに強くなって、Jリーグの舞台を勝ち上がっていくでしょう。ただ、その強さが次のシーズンのタイトルに値するかどうかは、来シーズンになってみなければ分かりません。
私の師匠であるオシムさんは、千葉を率いてヤマザキナビスコカップを獲りましたが、彼も、リーグ優勝は手にできなかったと思います。私も今年ようやく、ルヴァンカップというタイトルを獲れました。タイトルにはほんの少し手が届かなかったのですが、私の師匠が獲れなかったリーグ優勝であるならば、私もそれを越えられないでいる、私はまだ師匠を越えられていないのだという、何とも言えない気持ちがあります」
(来年、獲得したい選手は頭の中にあるか?あるならそれは日本人か、外国籍選手か?)
「おそらく来シーズンに向けては、外国籍選手、あるいは期限付き移籍で出している若い選手が戻ってくるのではないかと思っていますが、まだ完全に決まっているものではないので、クラブの発表を待っていただきたいと思います。
我々のチームは、年間で74ポイントを取ったチームです。その選手たちを越えるような選手はなかなかいるものではありません。そして我々のチームに新しく入ってきたからといって、その選手が今いる選手たちをすぐに追い越していくとも思っていません。今シーズンの選手たちがベースになっていきますし、私は選手を常に100パーセント信頼しています」
(シーズンが終わった後にホーム&アウェイのプレーオフをやるのは、マラソンが終わった後にまた100mを走るような感覚があるのではないか?)
「言い訳をする気は毛頭ないと、前置きしておきます。私はこれを言い訳にしたいわけではありません。ただ、説明をさせていただくなら、リーグで34節を戦い、我々は74ポイントを積み上げてきました。そういった一試合一試合の戦いの積み重ねで、選手たちは非常に労力を使います。常にメンタル的なプレッシャーの中で戦っていくというのは、簡単ではないということです。
そして、そうしたリーグを戦ってきた後で、我々は11月3日にリーグを終え、11月12日に天皇杯を戦い、それからさらに間が空いて、29日の決勝第1戦、今日の第2戦を戦いました。選手たちはいかに、リーグで戦ってきた中で疲れているか。そして約1ヵ月の間、何もないような状況の中でこの試合を迎えなければいけませんでした。私は監督として経験はありませんし、選手たちが疲れ切って、パワーがゼロの状態から決勝の2試合を戦わなくてはいけない、そういうふうに持っていかなければいけないのは、私自身、難しい仕事でした。リーグを戦いきることにいかに多くのパワーを使うのか、そこからさらに1ヵ月が空いてしまったらどうなるか。サッカーを少し分かる方であれば、それがいかに簡単でないのかは分かるのではないかと思います」
【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】
「試合の入りは、非常によかったと思います。その中で、早い段階で先制できました。その後も2点目、3点目を取るチャンスがあった中で、30分過ぎくらいから自分たちがボールをつなげず、前に蹴り出すだけになってしまいました。リードして、少し相手が攻勢に出てくる中で、受けに回ってしまった感じが否めません。
選手たちには試合前に、守るだけでなく後ろからつなぐこと、相手の守備を剥がしていくことを求めました。ただ、前半の途中からはなかなか自分たちがボールを持つことができず、相手に同点に追いつかれてしまいました。
ハーフタイムに、選手たちにはボールを前に蹴り出すだけでなく、後ろからの攻撃の組み立てをしっかりやっていこうと話しました。後半、少しその部分がよくなったと思っています。ただ、時間が進むにつれ、我々の選手たちは若干運動量が落ち、球際で相手に負ける場面が増えてきた中で、1つの形から2点目を失ってしまいました。残りの15分は槙野を前に上げて2トップにして、長いボールや外からのクロスで同点を狙いました。残念ながら、いくつかの場面でもう少し落ち着いていれば、あるいはもう少し体力的にキレが残っていれば、あわよくばという場面を作れたのですが、それが得点には至らず、1-2で敗れてしまいました。
我々はスポーツに関わる人間として、勝利した鹿島が優勝したことに対して、おめでとうというふうに思います。
我々は年間で鹿島よりも15ポイント多く取ったチームとして、ファイナルを戦いました。私は、1-0で勝利したアウェイゲーム、そして1-2で敗れた今日のゲーム、2試合の合計は2-2だと思っています。ただレギュレーション上、アウェイゴールが優先されるという中で、我々は負けました。どこに15ポイントを取ったチームのアドバンテージがあるのかは分かりませんが、我々は決して、1勝1敗という結果の中で、負けてはいないと思います。
力が拮抗したチーム同士が戦えば、一発勝負の中では、どちらに勝敗が転ぶか分からないのがサッカーです。タイトルがかかるゲームで負けたので、選手は残念な気持ちでいっぱいだと思いますし、クラブ、そしてファン・サポーター、我々に関わるすべての人間が残念に思い、悲しい気持ちでいっぱいであると思います。ただ、このチームを率いる監督として、私自身は違う見方をしています。それをみんなに示していかなくてはいけないと思っています。
私はこう思います。選手、スタッフ、クラブ、ファン・サポーター、すべての人たちに言いたいです。我々浦和レッズは今シーズン、すばらしいシーズンを送ったということを。そして、そのシーズンを勝ち取ってくれた、すべての人に感謝したいです。そして私は、みんなを誇りに思っています。決して我々の過ごしたシーズンは、下を向くような結果ではないと思いますし、我々は胸を張って、誇りを持って前を向けると思います。
もし誰かがこの結果をもって批判するのであれば、それは監督である私に向けてほしいと思います。選手、スタッフ、ファン・サポーター、クラブ、浦和レッズに関わった全ての人たちが、今シーズンはすばらしい結果を出してくれたと思います。これまで我々をサポートしてくれたみなさんに、私自身、監督として大きな感謝をしています。ありがとうございます」
【質疑応答】
(鹿島の石井監督が『1-1で追いついたことでレッズにプレッシャーがかかり、勢いがなくなったように感じた』と話していたが、自身の采配や選手のプレーから、そういうことを読み取ることはできたか?)
「石井監督が鹿島を率いて1年半だと思いますけど、彼の経験の中で、今日のゲームでそういう分析をされているのであれば、私に言うことはありません。
今日のゲームで対戦した鹿島は、3位で勝ち上がってきた、15ポイント我々より低いポイントでリーグを終えたチームです。鹿島にとっては失うものがない戦いでした。そうした失うものがないという背景があるチームと、そうでないチームの違いは大きいと思います」
(チャンピオンシップの3試合を見ると、ホームチームが3回も負けた。海外で、特に決勝では、ホームでプレーする利は大きいが、この3試合を見ると、ホームチームは自分たちのサポーターが多く、プレッシャーを感じて自分たちのサッカーを100パーセントできていないように思う。そのことについて、外国人監督として考えを聞かせていただきたい)
「普通のリーグでもよくある現象ですけど、アウェイのチームが勝利することが多い節があるのは、Jリーグでよくあることです。
私はこう見ています。私もよくコメントしますけど、Jリーグは各チームの力が非常に拮抗しています。15位の新潟、1位のレッズ、5位の広島、10位のFC東京、それぞれのチームの選手のレベルに大きな差があるかと言えば、私はそれほど差がないと思っています。故に、私は毎試合、どちらに勝敗が転ぶか分からないと思いますし、ホームで戦うことが大きなアドバンテージにならないのは、そういうことだと思います。もしJリーグに国内の日本代表選手が集まるようなチームがあれば、結果の違いが生まれてくると思いますけど、そうした選手が各チームに散らばっている状況の中で、それぞれのチームのレベルは拮抗していると思います。だからこそ結果がどちらに転ぶか分からないことが多いのがJリーグです。それが、アウェイチームが勝利する理由の一つだと思います。
ここ最近でも、ガンバも、FC東京も、今年で言えば名古屋も、J2に落ちました。本来であれば間違いなく落ちることのないチームがJ2に落ちるのも、Jリーグの怖さです。
日本のリーグがいかに難しいリーグかというのは、過去にガンバが落ちたときの結果を見れば分かると思います。ガンバはそのシーズン、一番目か二番目に得点したチームだったと思いますが、そのチームがJ2に落ちるのは、世界ではありえない現象だと思います。それくらい、Jリーグは難しいリーグだということです」
(鹿島と勝ち点差が15あったと何度も言っているが、心の中ではレッズが今シーズンのチャンピオンか、少なくともベストチームだと感じているか?)
「私はレッズの監督として、この状況で非常にセンチメンタルな気持ちになっています。そこで、自分でそういうことを言うのは心苦しいところがありますけど、浦和レッズは今シーズン、間違いなくナンバーワンのチームであったと私は思っています。このファイナルに関しても、2-2の引き分けだと思っています。もちろん、レギュレーションでアウェイゴールが優先される中では負けましたけど、私は決して、負けたとは思っていません。決して言い訳をしたいわけではないですけど、15ポイントを多く取ったチームにアドバンテージとして与えられたものがどうであったかというのは、もちろんあると思います。ただ、このファイナルの2戦において、私は1勝1敗だったと思っていますし、スコアに関しても2-2だったと思っています。
レギュレーションの中で、我々は負けました。私は一スポーツマンとして、勝利した鹿島に対し、おめでとうと言いたいですし、勝った方が、ルールの中で称賛されるものです。
昨シーズンのチャンピオンシップ、我々はガンバと90分の試合で1-1となり、延長戦で敗れました。もし今シーズンのルールが適用されていれば、我々は広島とファイナルを戦っていました。今シーズンの我々は決勝を戦って、最終的にはアウェイゴールの制度で負けましたけど、もし来シーズンも2ステージ制であれば、もしかしたらファイナルのレギュレーションが変わったかもしれません。その意味では、自分たちの結果が出た後でなにかしらルールが変わるというのは、非常に不運と感じます。来シーズンは元の1シーズン制に戻るということですが。
私自身、残念な気持ち、悲しい思いでいっぱいです。ただ我々は、この結果をもって、次のシーズンを見据えるしかないでしょう。
1位で勝ち上がり、ファイナルを戦った我々にアドバンテージがあったかどうかは、今日の戦いの前にも言いましたけど、それがあったとは思っていません。ただ、同じレギュレーションで戦ったのは間違いないですし、その中で勝利した鹿島におめでとうと言いたい気持ちはあります。ただ、そういうものであるのは、何度も説明したとおりです。
鹿島には改めておめでとうと言いたいと思いますし、この悔しさは、決して忘れることのできない悔しさとして我々の中に刻まれました。我々はまた、今年獲れなかったものを来シーズン獲るために、再び立ち上がり、それを目指してやるしかないと思います」
(Jリーグのタイトルを寸前で逃したが、怨念や呪いのようなものを感じるか?また、この負けが来年に向けて、どういうところがチームの成長になると感じているか?)
「日本では、負けた方の監督が『不運であった』とコメントすると、あまりいいようにとられないので、そうは言いません。
何か呪いのようなものがかけられているかと言えば、それは違うと思います。我々が5年間、リーグ優勝を争いながらタイトルが獲れないのは、監督が悪いのではないですか。
我々レッズは、こうした悔しい経験を経て、次のシーズンでさらに強くなって、必ず戻ってきます。それは間違いなく言えるでしょう。来シーズンも、我々は今シーズンの悔しい結果をもって、さらに強くなって、Jリーグの舞台を勝ち上がっていくでしょう。ただ、その強さが次のシーズンのタイトルに値するかどうかは、来シーズンになってみなければ分かりません。
私の師匠であるオシムさんは、千葉を率いてヤマザキナビスコカップを獲りましたが、彼も、リーグ優勝は手にできなかったと思います。私も今年ようやく、ルヴァンカップというタイトルを獲れました。タイトルにはほんの少し手が届かなかったのですが、私の師匠が獲れなかったリーグ優勝であるならば、私もそれを越えられないでいる、私はまだ師匠を越えられていないのだという、何とも言えない気持ちがあります」
(来年、獲得したい選手は頭の中にあるか?あるならそれは日本人か、外国籍選手か?)
「おそらく来シーズンに向けては、外国籍選手、あるいは期限付き移籍で出している若い選手が戻ってくるのではないかと思っていますが、まだ完全に決まっているものではないので、クラブの発表を待っていただきたいと思います。
我々のチームは、年間で74ポイントを取ったチームです。その選手たちを越えるような選手はなかなかいるものではありません。そして我々のチームに新しく入ってきたからといって、その選手が今いる選手たちをすぐに追い越していくとも思っていません。今シーズンの選手たちがベースになっていきますし、私は選手を常に100パーセント信頼しています」
(シーズンが終わった後にホーム&アウェイのプレーオフをやるのは、マラソンが終わった後にまた100mを走るような感覚があるのではないか?)
「言い訳をする気は毛頭ないと、前置きしておきます。私はこれを言い訳にしたいわけではありません。ただ、説明をさせていただくなら、リーグで34節を戦い、我々は74ポイントを積み上げてきました。そういった一試合一試合の戦いの積み重ねで、選手たちは非常に労力を使います。常にメンタル的なプレッシャーの中で戦っていくというのは、簡単ではないということです。
そして、そうしたリーグを戦ってきた後で、我々は11月3日にリーグを終え、11月12日に天皇杯を戦い、それからさらに間が空いて、29日の決勝第1戦、今日の第2戦を戦いました。選手たちはいかに、リーグで戦ってきた中で疲れているか。そして約1ヵ月の間、何もないような状況の中でこの試合を迎えなければいけませんでした。私は監督として経験はありませんし、選手たちが疲れ切って、パワーがゼロの状態から決勝の2試合を戦わなくてはいけない、そういうふうに持っていかなければいけないのは、私自身、難しい仕事でした。リーグを戦いきることにいかに多くのパワーを使うのか、そこからさらに1ヵ月が空いてしまったらどうなるか。サッカーを少し分かる方であれば、それがいかに簡単でないのかは分かるのではないかと思います」
【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】