NEWS
ミシャ監督 名古屋グランパス戦試合後会見
明治安田生命J1リーグ 2ndステージ第8節 vs名古屋グランパス 試合後のコメント
「今日のゲームというのは、レッズにとっては上位を戦っていくためにポイントが必要なゲームであり、名古屋も残留するためにポイントが必要ということで、両チームにとって、ポイントが必要な、プレッシャーのかかったゲームでした。両チームとも、非常に厳しい、難しいゲームだったと思います。
今日のゲームで、名古屋がどういう戦い方をしてくるかは、だいたい予想できていました。それに対して、今週はトレーニングでいい準備ができていたと思います。名古屋が守備的に、5-4-1のブロックを作って守る中で、ボールを奪って11番のスピードを生かしたカウンターを仕掛けてくることは分かっていましたので、それに対する戦い方という部分で、いい準備ができていたと思います。
ボールをしっかりと落ち着いて動かしていく中で、真ん中、あるいは外、相手DFの裏側と、選手たちは落ち着いて、バリエーション多く、状況に応じたプレーの選択をしてくれていたと思います。攻撃を仕掛ける中で、ボールを失ったあとの切り替え、あるいは攻撃を仕掛けているときのリスク管理については、試合前から選手たちにしっかりと求めていました。そうした、我々の狙いとするところを、選手たちは前半からやってくれていたと思います。その中で、ひとつの攻撃の形から得点でき、リードして前半を終えることができました。
後半、名古屋はより攻撃的に出てくるだろうということは、予想していました。それをハーフタイムに選手たちにも伝え、後半は若干相手にボールを持たせるような形で、我々が奪ってカウンターを仕掛ける狙いを持っていました。相手の3バックの選手はそこまで、ボールを持って危険なパスが供給できるとは思っていませんでしたし、ボールを持って後ろから数的優位を作るような形でボールを運んでくる場面も、おそらく少ないだろうと思っていました。3人にボールを持たせておけば、我々にとって、そこまで危険なシーンは作られないだろうと思っていました。そうした予測と、持たせて奪ってカウンターというのを、選手たちはしっかり我慢をしながらやってくれたと思います。
その中で、いくつかチャンスはありましたが、それを決めきれない展開の中でも、選手たちはしっかりと我慢してくれました。その中で2点目を取ることができ、試合を決められました。選手たちは非常に、狙いを持った戦いをしてくれたと思います。
名古屋は今日のゲームで、非常に高いモチベーション、戦う気持ちを持って戦ってきたと思います。名古屋は今の順位が示しているよりも力のあるチームだと思っていますし、それは今日の試合でも、いくつかの場面で垣間見られたと思います。我々と対戦する中で、彼らは勇気を持ってチャレンジしてくれたと思っていますし、彼らがそういう戦いをしたからこそ、今日のゲームがいいゲームになったのだと思います。
名古屋は、今日のような強い気持ちで残留を争うチームとの対戦の中で勝利することができれば、残留は十分に可能なチームだと、私は思っています。名古屋のような伝統のある、Jリーグの初年度からいるチームがJ1に残ってくれることを、私は心から願っていますし、今後の名古屋の戦いの幸運を祈っています」
【質疑応答】
(試合後、名古屋の小倉監督と握手をした際に話をしていたが、どんな話をしたのか?)
「小倉監督は、非常にすばらしい人間性を持っている方だと思いますし、監督としても、能力のあるかただと、私は思っています。ただ、私の方が監督としての経験は長いので、私の長いキャリアの中から、彼にアドバイスをさせてもらいました。彼は監督としてはまだ若いですから、こういった難しい状況になると、なかなか光を見いだせないこともあるかと思います。
私が彼に、『下を向いてしまったらそこまでだ』ということと、『悪い中でも必ずポジティブな部分はある。そこを見つめて、選手たちと前向きに、ポジティブに努力をすることが、こういった状況を抜け出すために必要なことだ』と伝えました」
(Jリーグ全体を見たとき、本来なら落ちるはずがないと思われている大きなクラブが降格することがしばしば起こるが、これはJリーグの何を表していると考えているか?)
「私は比較的、監督という立場の中で、あまりみなさんが聞きたくないだろうなということ、あるいは耳障りであるだろうということを、時々コメントすることがあります。ただ、やはりそれは、我々がその現実を見なければいけないことであり、だからこそ、私はコメントをします。
私自身、世界のリーグをたくさん見ていますけど、J1というリーグほど難しいリーグはないのではないかと思っています。
日本の各クラブの力は、非常に拮抗していると思います。だからこそ、毎年そういったことが起こると思います。それがなぜ起こるかと言えば、ひとつは日本人選手のレベルが上がっていること、平均値が高いことです。もうひとつは、日本のクラブが連れてこられる金額で来る外国籍選手に、日本人選手との違いがあまりないということです。90年代であれば、ピクシー(ストイコビッチ)とかリネカーとか、名古屋にもたくさんのすばらしい外国籍選手がいましたけど、その選手たちは、日本人との明らかな違いを出せる選手たちでした。今、中国にはそういう選手たちが来ていると思います。
ただ、日本のクラブには残念ながら、資金的にそこまで、今の日本人のレベルと大きな違いを出せるだけの外国籍選手がいません。そうなると何が起こるかと言えば、各チームの日本人選手のレベルは非常に拮抗している、平均値が高いと思うので、どのチームがどのチームと対戦しても、勝っても負けてもおかしくない状況が起こり得ます。
日本の育成システムは非常にうまくオーガナイズされていると、私は思います。クラブの下部組織で育つ選手もいれば、そこに入れなかった選手は高校や大学に行って、そのあとにプロになる選手たちもいます。その中で、それぞれの選手たちが育成機関の中で、同じような指導を受けながら育ってきます。その中で、ある選手はレッズに来るでしょうし、またある選手は別のチームに行きます。ただ、そういう選手たちのレベルが大きく違うかと言えば、そこまで大きな違いはないでしょう。それは各クラブの好みであったり、関係であったり、いろいろあると思いますけど、そこまで日本人選手の質は大きく違わないと思います。だからこそ先ほども言ったように、リーグの力が非常に拮抗していることになります。
レッズには質が高い選手が揃っていると言われることもありますし、そう思われている方も多いと思いますけど、例えば今日出場していた高木選手は、清水で出ていた選手です。また武藤選手は、仙台では決してレギュラーではなかった選手です。あるいは、今日はベンチに座っていた駒井選手はJ2で戦ってきた選手で、関根選手はレッズユースから昇格した選手です。彼らがトッププレーヤーとして、Jリーグの優勝を争ったようなチームからレギュラーとしてレッズに来たかと言えば、そうではありません。
FC東京が今10位でも、1位でもおかしくないですし、あるいは名古屋が1位でもおかしくないでしょう。各シーズンを戦う上で、どこが1位になっても、どこが5位でも10位でもおかしくありません。レッズは今、年間勝ち点2位ですけど、10位でもおかしくないし、もちろんそういうこともあり得ます。なかなか各チームが拮抗していて、上の10チームくらいは、どこの順位に来ても、決して不思議ではないと思っています。ただ、なぜそういった順位の差が生まれてくるかと言えば、みなさんがしっかりと見て、なぜという部分を、みなさんの考えで書けばいいのではないかと思います。
川崎は今、年間勝ち点で首位ですけど、川崎にいる選手たちも、レッズの選手や名古屋の選手たちと、それほど大きなレベルの差はないと思います。ただ、川崎がなぜ今強いのかと言えば、川崎の監督さんの指導力がいいからではないかと思います。
毎試合、選手たちは戦うにあたって、常に100パーセントのものをぶつけなければいけません。走る、戦う、規律を守る、そうしたベースにある部分を常に出し続けなければ、どんな相手であっても、J1というリーグで勝利するのは難しいでしょう。そういうリーグです。
いろいろな意見があると思いますし、こうした会見の場で、自分の考えをオープンに話すことをしない方も多いかと思いますけど、私は自分の意見を話させていただきました。
私は、日本のJリーグ、日本のサッカーを、みなさんと共に考えていくことが、日本サッカーの成長につながると思います。私自身、Jリーグに関わって、もう11年目になりますけど、日本のサッカーがこれからも発展してほしいと、強く願う人間のひとりです」
【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】
「今日のゲームというのは、レッズにとっては上位を戦っていくためにポイントが必要なゲームであり、名古屋も残留するためにポイントが必要ということで、両チームにとって、ポイントが必要な、プレッシャーのかかったゲームでした。両チームとも、非常に厳しい、難しいゲームだったと思います。
今日のゲームで、名古屋がどういう戦い方をしてくるかは、だいたい予想できていました。それに対して、今週はトレーニングでいい準備ができていたと思います。名古屋が守備的に、5-4-1のブロックを作って守る中で、ボールを奪って11番のスピードを生かしたカウンターを仕掛けてくることは分かっていましたので、それに対する戦い方という部分で、いい準備ができていたと思います。
ボールをしっかりと落ち着いて動かしていく中で、真ん中、あるいは外、相手DFの裏側と、選手たちは落ち着いて、バリエーション多く、状況に応じたプレーの選択をしてくれていたと思います。攻撃を仕掛ける中で、ボールを失ったあとの切り替え、あるいは攻撃を仕掛けているときのリスク管理については、試合前から選手たちにしっかりと求めていました。そうした、我々の狙いとするところを、選手たちは前半からやってくれていたと思います。その中で、ひとつの攻撃の形から得点でき、リードして前半を終えることができました。
後半、名古屋はより攻撃的に出てくるだろうということは、予想していました。それをハーフタイムに選手たちにも伝え、後半は若干相手にボールを持たせるような形で、我々が奪ってカウンターを仕掛ける狙いを持っていました。相手の3バックの選手はそこまで、ボールを持って危険なパスが供給できるとは思っていませんでしたし、ボールを持って後ろから数的優位を作るような形でボールを運んでくる場面も、おそらく少ないだろうと思っていました。3人にボールを持たせておけば、我々にとって、そこまで危険なシーンは作られないだろうと思っていました。そうした予測と、持たせて奪ってカウンターというのを、選手たちはしっかり我慢をしながらやってくれたと思います。
その中で、いくつかチャンスはありましたが、それを決めきれない展開の中でも、選手たちはしっかりと我慢してくれました。その中で2点目を取ることができ、試合を決められました。選手たちは非常に、狙いを持った戦いをしてくれたと思います。
名古屋は今日のゲームで、非常に高いモチベーション、戦う気持ちを持って戦ってきたと思います。名古屋は今の順位が示しているよりも力のあるチームだと思っていますし、それは今日の試合でも、いくつかの場面で垣間見られたと思います。我々と対戦する中で、彼らは勇気を持ってチャレンジしてくれたと思っていますし、彼らがそういう戦いをしたからこそ、今日のゲームがいいゲームになったのだと思います。
名古屋は、今日のような強い気持ちで残留を争うチームとの対戦の中で勝利することができれば、残留は十分に可能なチームだと、私は思っています。名古屋のような伝統のある、Jリーグの初年度からいるチームがJ1に残ってくれることを、私は心から願っていますし、今後の名古屋の戦いの幸運を祈っています」
【質疑応答】
(試合後、名古屋の小倉監督と握手をした際に話をしていたが、どんな話をしたのか?)
「小倉監督は、非常にすばらしい人間性を持っている方だと思いますし、監督としても、能力のあるかただと、私は思っています。ただ、私の方が監督としての経験は長いので、私の長いキャリアの中から、彼にアドバイスをさせてもらいました。彼は監督としてはまだ若いですから、こういった難しい状況になると、なかなか光を見いだせないこともあるかと思います。
私が彼に、『下を向いてしまったらそこまでだ』ということと、『悪い中でも必ずポジティブな部分はある。そこを見つめて、選手たちと前向きに、ポジティブに努力をすることが、こういった状況を抜け出すために必要なことだ』と伝えました」
(Jリーグ全体を見たとき、本来なら落ちるはずがないと思われている大きなクラブが降格することがしばしば起こるが、これはJリーグの何を表していると考えているか?)
「私は比較的、監督という立場の中で、あまりみなさんが聞きたくないだろうなということ、あるいは耳障りであるだろうということを、時々コメントすることがあります。ただ、やはりそれは、我々がその現実を見なければいけないことであり、だからこそ、私はコメントをします。
私自身、世界のリーグをたくさん見ていますけど、J1というリーグほど難しいリーグはないのではないかと思っています。
日本の各クラブの力は、非常に拮抗していると思います。だからこそ、毎年そういったことが起こると思います。それがなぜ起こるかと言えば、ひとつは日本人選手のレベルが上がっていること、平均値が高いことです。もうひとつは、日本のクラブが連れてこられる金額で来る外国籍選手に、日本人選手との違いがあまりないということです。90年代であれば、ピクシー(ストイコビッチ)とかリネカーとか、名古屋にもたくさんのすばらしい外国籍選手がいましたけど、その選手たちは、日本人との明らかな違いを出せる選手たちでした。今、中国にはそういう選手たちが来ていると思います。
ただ、日本のクラブには残念ながら、資金的にそこまで、今の日本人のレベルと大きな違いを出せるだけの外国籍選手がいません。そうなると何が起こるかと言えば、各チームの日本人選手のレベルは非常に拮抗している、平均値が高いと思うので、どのチームがどのチームと対戦しても、勝っても負けてもおかしくない状況が起こり得ます。
日本の育成システムは非常にうまくオーガナイズされていると、私は思います。クラブの下部組織で育つ選手もいれば、そこに入れなかった選手は高校や大学に行って、そのあとにプロになる選手たちもいます。その中で、それぞれの選手たちが育成機関の中で、同じような指導を受けながら育ってきます。その中で、ある選手はレッズに来るでしょうし、またある選手は別のチームに行きます。ただ、そういう選手たちのレベルが大きく違うかと言えば、そこまで大きな違いはないでしょう。それは各クラブの好みであったり、関係であったり、いろいろあると思いますけど、そこまで日本人選手の質は大きく違わないと思います。だからこそ先ほども言ったように、リーグの力が非常に拮抗していることになります。
レッズには質が高い選手が揃っていると言われることもありますし、そう思われている方も多いと思いますけど、例えば今日出場していた高木選手は、清水で出ていた選手です。また武藤選手は、仙台では決してレギュラーではなかった選手です。あるいは、今日はベンチに座っていた駒井選手はJ2で戦ってきた選手で、関根選手はレッズユースから昇格した選手です。彼らがトッププレーヤーとして、Jリーグの優勝を争ったようなチームからレギュラーとしてレッズに来たかと言えば、そうではありません。
FC東京が今10位でも、1位でもおかしくないですし、あるいは名古屋が1位でもおかしくないでしょう。各シーズンを戦う上で、どこが1位になっても、どこが5位でも10位でもおかしくありません。レッズは今、年間勝ち点2位ですけど、10位でもおかしくないし、もちろんそういうこともあり得ます。なかなか各チームが拮抗していて、上の10チームくらいは、どこの順位に来ても、決して不思議ではないと思っています。ただ、なぜそういった順位の差が生まれてくるかと言えば、みなさんがしっかりと見て、なぜという部分を、みなさんの考えで書けばいいのではないかと思います。
川崎は今、年間勝ち点で首位ですけど、川崎にいる選手たちも、レッズの選手や名古屋の選手たちと、それほど大きなレベルの差はないと思います。ただ、川崎がなぜ今強いのかと言えば、川崎の監督さんの指導力がいいからではないかと思います。
毎試合、選手たちは戦うにあたって、常に100パーセントのものをぶつけなければいけません。走る、戦う、規律を守る、そうしたベースにある部分を常に出し続けなければ、どんな相手であっても、J1というリーグで勝利するのは難しいでしょう。そういうリーグです。
いろいろな意見があると思いますし、こうした会見の場で、自分の考えをオープンに話すことをしない方も多いかと思いますけど、私は自分の意見を話させていただきました。
私は、日本のJリーグ、日本のサッカーを、みなさんと共に考えていくことが、日本サッカーの成長につながると思います。私自身、Jリーグに関わって、もう11年目になりますけど、日本のサッカーがこれからも発展してほしいと、強く願う人間のひとりです」
【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】