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2015シーズン始動にあたって ミシャ監督
14日、チームは2015シーズン始動。必勝祈願、大原サッカー場での練習を終え、ミシャ監督が会見を行なった。
「あけましておめでとうございます。みなさんの今年のご健康とご成功をお祈りいたします」
【質疑応答】
(今シーズンの目標は?)
「おそらく『目指すは優勝』と言わなければ、みなさんから笑われるでしょう。私が率いた3年間は、どのシーズンも優勝争いをしてきました。その間、残念ながらタイトルを手にすることはできませんでしたが、チームとしては毎年チーム力を高め、より我々の目標に近づけた3年間だったと思います。今シーズンも同じように、自分たちの目指すべきところは変わりなく、昨年よりさらに成長した姿を見せていきたいと思います」
(昨シーズン終了後は元気がなさそうだったが、オフはリラックスできましたか?)
「思い返せば、ガンバ戦では88分まで0-0で進みながら最後に2失点し、鳥栖戦も94分までリードしながら追いつかれ、名古屋戦も残り18分くらいまでは優勝の可能性を残していたのに逆転負けとなりました。ああいう形でタイトルを逃すことは、サッカーの中でもあまりないことです。そういったショッキングなシーズンの終わり方で、私自身もなかなかそのショックから立ち上がれない状況にいました。ただ、時間の経過とともに、自分自身も頭の中をしっかりと整理し、チームとともに新しい気持ちで次に向かっていくという気持ちが芽生えました。その中で、今シーズンを戦う力を十分に蓄えることができたと思います」
(始動日の今日は選手たちにはどんなことを強調したか、また選手たちの表情を見てどう感じたか?)
「選手たちが私に会って嬉しいかどうかはわかりませんが(笑)、私は長いオフの後に選手たちに久しぶりに会って、嬉しい気持ちでした。選手にとっても、昨シーズンにああいう形でタイトルを逃したことは非常にショックだったと思いますし、肉体的にも精神的にも疲労した、シーズンの終わり方だったと思います。ただ、選手たちはオフの間、十分にリフレッシュをして戻ってきてくれたと思います。今日の表情を見る限り、選手たちはモチベーションが高く、『今年こそはタイトルを獲る』という気持ちで臨んでくれていると感じましたし、今シーズンは昨シーズンにできなかったことを実現するために、やってやるぞという気持ちを持って最初のトレーニングに入ってくれたと思います」
(11人の選手を獲得したが、補強についての印象は?)
「私自身は、11人ではなく、6人の新加入選手であると思っています。(小島)秀仁、(大谷)幸輝、(岡本)拓也は期限付き移籍から戻ってきました。彼らはすでに私の下でプレーをしていた選手です。私は新加入という捉え方はしていません。ユースから昇格した2人も、すでに練習や練習試合に参加する機会がありましたので同様です。
6人の選手がチームに加わりましたが、メディアやサッカーファンにとって、浦和はとても注目される存在だと思います。時として、我々をスターチームのように扱いたいという思いがあるのも分かります。ただ、我々は6人の選手を獲得していますが、昨シーズンのスタートから10人の選手がチームを離れています。予算的なことを言えば、昨シーズンと同じくらいだと思います。過去の3シーズンを見ても、我々はコストパフォーマンスの良いチームを作っていると自負しています。私は常に自分のチームとクラブのために働き、戦うだけです。その状況を見て、我々をスターチームのように取り扱うのであれば、私はそうではないと反論します。
ここまでの3年間で、年を追うごとに我々がステップアップしている姿は見せられているはずです。今シーズン、間違いなく我々は過去の3年間よりも良い戦いができるでしょう。それはチームの努力の成果です。クラブは私のサッカーに対するフィロソフィーをしっかりと捉え、サポートしてくれています。私はとにかく、自分にとってのベストのチームで、ベストを尽くして目指すものをつかむためにやっていきます。
私自身、このオフの選手獲得について、クラブに感謝しています。今シーズンの日程を見れば、最初のACLの試合から11日間で4試合を戦わなくてはならないという非常にハードな日程からスタートします。シーズンを見ても、非常に連戦が多いです。そういうことを考えれば、ターンオーバーをしながらリーグとACLを戦っていかなくてはならないのは明らかです。だからこそ、新しく入った6人の選手に関しては、できるだけ早くチームの戦術になじませ、公式戦に向かって準備をしなければなりません。そうしたハードな過密日程を戦うために、質と数を増やせたという意味で、このチームの選手獲得が非常に前向きなことであったと捉えています」
(今シーズンはどういうサッカーに取り組んでいくか?)
「昨シーズン、我々は守備のところは非常に改善できたと思いますし、シーズンの長い期間を通して良い守備ができていたと思います。守備に関しては昨シーズンを継続し、さらに良いものを構築したいと考えています。特に、ボールを奪われてからの切り替えで、できるだけ早くボールを奪いに行くという守備や前から行く守備は昨シーズンも見られましたし、その点をシーズン前のトレーニングキャンプで強調してやっていきたいと思います。
我々は毎シーズン、何かしらの新しいことをチームの中に取り入れてきたと思います。今シーズンも前進し、新しいものが生まれるシーズンになると思います。我々は毎年、相手チームから研究されますから、常にその一歩前を行きたいと思います」
「最後にみなさんが質問をされなかったので、自分で質問して答えようと思います。おそらく、なぜレッズは外国籍選手を獲得しないのかということは、多くのサポーターやみなさんが興味のあることだと思います。ただ、私自身は、なぜそう思われているのかはあまり理解ができないのですが、そこのところは私の口から説明したほうがいいでしょう。
ほとんどのサポーターの方は、優勝した2006シーズン前後のイメージが非常に強く頭にすり込まれていると思います。サッカーは医学と同じように、常に進歩していき、取り巻く環境が変化していきます。
Jリーグが始まった当初は、各チームが非常に多くの予算を持っていたと思いますし、多くの予算の中で高額な外国籍選手を連れて来ることができたと思います。しかし、少数の例外をのぞき、近年はそうしたことができない環境にあったのではないでしょうか。
そういう状況の中で、日本サッカーがここ20年で戦術的にも個人能力的にも大きな前進を遂げているのは間違いありません。日本人はインテリジェンスの高い国民であり、学ぶのが早い人たちです。それは様々なカテゴリに当てはまり、サッカーも同様だと思います。そのことは、多くの日本人選手がヨーロッパのトップクラブで活躍していることを見れば分かると思います。
ただ、Jリーグのクラブを取り巻く環境を見れば、日本の社会情勢もあるにせよ、予算はJリーグ発足当時よりもだいぶ縮小していると思います。外国籍選手に関して、自分たちの予算に見合った選手を各チームが獲得してきていると思いますが、ネームバリューも実力もあまりない選手が入ってきているというのが、ここ数年の事実だと思います。その要因にはクラブの予算もあれば、日本人選手のレベルの向上が影響しているのも間違いありません。
昔のイメージなのか、外国籍選手に対する期待感が日本で大きいのは間違いないと思います。サポーターのみなさんは、私が外国人選手を獲りたくない、必要としていないと思っているのかもしれませんが、決してそんなことはありません。しかし、外国人であるならば、日本人よりも質の高い選手でなければいけません。
今の日本人選手のレベルを考えれば、質が高く確実に活躍できる選手は、かなりの金額がかかります。私も外国で長くプレーした経験がありますが、外国籍選手はその国の選手よりも質が高くあるべきです。そうでなければ、外国でプレーする必要はありません。
私は来日して10年目です。浦和レッズであれば、過去に質の高い外国籍選手たちが優勝に貢献しました。ただし、その選手たちが今の日本のサッカー界で活躍できるかどうかは、分かりません。様々な外国籍選手がレッズにもいましたが、日本人選手よりも良い活躍をしていた選手はあまり多くないでしょう。
J1に所属するチームを考えてほしいですが、昨年で言えば3人の外国籍選手を揃えて降格したチームもあります。そして50人以上の外国籍選手の中で、活躍をしていたのは数人しかいなかったと感じています。私は日本人選手を非常に評価しています。日本からヨーロッパに行って活躍している選手も多いですし、それは日本が生んだ選手たちです。それくらい、日本人選手は非常にレベルが高くなっているのです。
Jリーグを見るサポーターも、サッカーを学ばなければいけないと思います。今のサッカーを取り巻く環境はどうなっているのか、今のリーグはどうなのか。今も日本人のサポーターにはビッグネームを好む傾向があります。
私はやはり、自分で働くクラブの未来につながるチームを作っていきたいのです。私はもしかしたら、明日ここを離れるかもしれません。しかし、私がいなくなっても、クラブにはいい方向に向かって進んでいってほしい。そういう思いで、常に仕事をしています。私がいる時期だけチームが良ければいいとは思っていません。自分が仕事をするにあたり、自分がいなくてもクラブがいい方向に進んでいくことを常に考えて仕事をしています。私自身、外国人です。なぜここまで日本サッカーのことを思って仕事しているのか、ときどきわからなくなりますが(笑)。ただ、常に私はそれを考えています。
もしかしたら日本の文化なのかもしれませんが、少し外国に対する評価が高く、日本にあるものの評価がされない。ただし、それが外国で認められると高く評価を改めるというところがあります。そういったものの見方に起因するのかもしれませんが、私は日本人選手をサポーターのみなさんがもっと評価して良いと思っています。我々の選手たちは素晴らしい選手たちですから、評価して期待してほしいと思っています。
我々はズラタン選手を獲得しましたが、その理由は彼がすでに大宮で2年間プレーしていて、日本人のように真面目で献身的な戦う姿勢を持った選手だからです。
私自身は、日本を去るまで日本サッカーのために汗をかき、戦いたいと思います。サッカーを見るレベルを上げることが、今後の日本サッカーの成長につながると思います。その見方が少しでも成長し、変化していけば大きな力になると感じています。
日本人の選手が多く試合に出ることは、日本サッカーにとって喜ばしいことだと思っています。違う意見が応援する側、見ている側にあるのであれば、私も選手をサポートしますから、みなさんも選手をサポートしてほしいです。日本のサッカーの見方を変え、成長するためには日本人がプレーすることが大切なのです。日本人選手は、メンタルが安定した方がより良いプレーをできるはずですから、より選手をサポートしてほしいと思います。選手のミスによって失点することやゲームを落とすこともありますが、私は我々が目指すサッカーに取り組む中でのミスやチャレンジを責めることはありませんし、間違っているとも思いません。そういったことに対し、批判するのではなくサポートするべきだと私は思います。とにかく、選手を後押しすることをお願いしたいです。
私が浦和にいる限り、常に上位を争って戦うでしょう。その中では、常にサッカーをやる側も見る側も良い雰囲気で楽しみながら取り組んでいくのが文化であり、あるべき姿だと思います。我々はとにかく、日々ハードなトレーニングを目指すところに向けて取り組んでいます。そういった取り組みを見てもらいたいと思いますし、試合に足を運んでいただきたいです。我々と共に戦い、楽しんでほしいと思っています。
私は監督なので、批判される対象であっても良いでしょう。ただ、選手のことは後押しをしてほしいです。日本人選手は少し真面目すぎるところがあるからこそ、時として余計な力が入ってしまうと思うことがあります。もっとリラックスした方が良いプレーを出せるはずです。そうしたプレッシャーから少しでも解放させてあげたいと思っているからこそ、後押しをみなさんにお願いします。
話が少し長くなりましたが、私がサポーターの方々へ発信するメッセージです。サッカーは非常に興味深いものです。みんなが分かっているようで、分かっていない。答えがあるようで、ないのがサッカーです。私も、より良い答えを探して日々の仕事をしています。それが、私の40年間のサッカーなのです」
【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】
「あけましておめでとうございます。みなさんの今年のご健康とご成功をお祈りいたします」
【質疑応答】
(今シーズンの目標は?)
「おそらく『目指すは優勝』と言わなければ、みなさんから笑われるでしょう。私が率いた3年間は、どのシーズンも優勝争いをしてきました。その間、残念ながらタイトルを手にすることはできませんでしたが、チームとしては毎年チーム力を高め、より我々の目標に近づけた3年間だったと思います。今シーズンも同じように、自分たちの目指すべきところは変わりなく、昨年よりさらに成長した姿を見せていきたいと思います」
(昨シーズン終了後は元気がなさそうだったが、オフはリラックスできましたか?)
「思い返せば、ガンバ戦では88分まで0-0で進みながら最後に2失点し、鳥栖戦も94分までリードしながら追いつかれ、名古屋戦も残り18分くらいまでは優勝の可能性を残していたのに逆転負けとなりました。ああいう形でタイトルを逃すことは、サッカーの中でもあまりないことです。そういったショッキングなシーズンの終わり方で、私自身もなかなかそのショックから立ち上がれない状況にいました。ただ、時間の経過とともに、自分自身も頭の中をしっかりと整理し、チームとともに新しい気持ちで次に向かっていくという気持ちが芽生えました。その中で、今シーズンを戦う力を十分に蓄えることができたと思います」
(始動日の今日は選手たちにはどんなことを強調したか、また選手たちの表情を見てどう感じたか?)
「選手たちが私に会って嬉しいかどうかはわかりませんが(笑)、私は長いオフの後に選手たちに久しぶりに会って、嬉しい気持ちでした。選手にとっても、昨シーズンにああいう形でタイトルを逃したことは非常にショックだったと思いますし、肉体的にも精神的にも疲労した、シーズンの終わり方だったと思います。ただ、選手たちはオフの間、十分にリフレッシュをして戻ってきてくれたと思います。今日の表情を見る限り、選手たちはモチベーションが高く、『今年こそはタイトルを獲る』という気持ちで臨んでくれていると感じましたし、今シーズンは昨シーズンにできなかったことを実現するために、やってやるぞという気持ちを持って最初のトレーニングに入ってくれたと思います」
(11人の選手を獲得したが、補強についての印象は?)
「私自身は、11人ではなく、6人の新加入選手であると思っています。(小島)秀仁、(大谷)幸輝、(岡本)拓也は期限付き移籍から戻ってきました。彼らはすでに私の下でプレーをしていた選手です。私は新加入という捉え方はしていません。ユースから昇格した2人も、すでに練習や練習試合に参加する機会がありましたので同様です。
6人の選手がチームに加わりましたが、メディアやサッカーファンにとって、浦和はとても注目される存在だと思います。時として、我々をスターチームのように扱いたいという思いがあるのも分かります。ただ、我々は6人の選手を獲得していますが、昨シーズンのスタートから10人の選手がチームを離れています。予算的なことを言えば、昨シーズンと同じくらいだと思います。過去の3シーズンを見ても、我々はコストパフォーマンスの良いチームを作っていると自負しています。私は常に自分のチームとクラブのために働き、戦うだけです。その状況を見て、我々をスターチームのように取り扱うのであれば、私はそうではないと反論します。
ここまでの3年間で、年を追うごとに我々がステップアップしている姿は見せられているはずです。今シーズン、間違いなく我々は過去の3年間よりも良い戦いができるでしょう。それはチームの努力の成果です。クラブは私のサッカーに対するフィロソフィーをしっかりと捉え、サポートしてくれています。私はとにかく、自分にとってのベストのチームで、ベストを尽くして目指すものをつかむためにやっていきます。
私自身、このオフの選手獲得について、クラブに感謝しています。今シーズンの日程を見れば、最初のACLの試合から11日間で4試合を戦わなくてはならないという非常にハードな日程からスタートします。シーズンを見ても、非常に連戦が多いです。そういうことを考えれば、ターンオーバーをしながらリーグとACLを戦っていかなくてはならないのは明らかです。だからこそ、新しく入った6人の選手に関しては、できるだけ早くチームの戦術になじませ、公式戦に向かって準備をしなければなりません。そうしたハードな過密日程を戦うために、質と数を増やせたという意味で、このチームの選手獲得が非常に前向きなことであったと捉えています」
(今シーズンはどういうサッカーに取り組んでいくか?)
「昨シーズン、我々は守備のところは非常に改善できたと思いますし、シーズンの長い期間を通して良い守備ができていたと思います。守備に関しては昨シーズンを継続し、さらに良いものを構築したいと考えています。特に、ボールを奪われてからの切り替えで、できるだけ早くボールを奪いに行くという守備や前から行く守備は昨シーズンも見られましたし、その点をシーズン前のトレーニングキャンプで強調してやっていきたいと思います。
我々は毎シーズン、何かしらの新しいことをチームの中に取り入れてきたと思います。今シーズンも前進し、新しいものが生まれるシーズンになると思います。我々は毎年、相手チームから研究されますから、常にその一歩前を行きたいと思います」
「最後にみなさんが質問をされなかったので、自分で質問して答えようと思います。おそらく、なぜレッズは外国籍選手を獲得しないのかということは、多くのサポーターやみなさんが興味のあることだと思います。ただ、私自身は、なぜそう思われているのかはあまり理解ができないのですが、そこのところは私の口から説明したほうがいいでしょう。
ほとんどのサポーターの方は、優勝した2006シーズン前後のイメージが非常に強く頭にすり込まれていると思います。サッカーは医学と同じように、常に進歩していき、取り巻く環境が変化していきます。
Jリーグが始まった当初は、各チームが非常に多くの予算を持っていたと思いますし、多くの予算の中で高額な外国籍選手を連れて来ることができたと思います。しかし、少数の例外をのぞき、近年はそうしたことができない環境にあったのではないでしょうか。
そういう状況の中で、日本サッカーがここ20年で戦術的にも個人能力的にも大きな前進を遂げているのは間違いありません。日本人はインテリジェンスの高い国民であり、学ぶのが早い人たちです。それは様々なカテゴリに当てはまり、サッカーも同様だと思います。そのことは、多くの日本人選手がヨーロッパのトップクラブで活躍していることを見れば分かると思います。
ただ、Jリーグのクラブを取り巻く環境を見れば、日本の社会情勢もあるにせよ、予算はJリーグ発足当時よりもだいぶ縮小していると思います。外国籍選手に関して、自分たちの予算に見合った選手を各チームが獲得してきていると思いますが、ネームバリューも実力もあまりない選手が入ってきているというのが、ここ数年の事実だと思います。その要因にはクラブの予算もあれば、日本人選手のレベルの向上が影響しているのも間違いありません。
昔のイメージなのか、外国籍選手に対する期待感が日本で大きいのは間違いないと思います。サポーターのみなさんは、私が外国人選手を獲りたくない、必要としていないと思っているのかもしれませんが、決してそんなことはありません。しかし、外国人であるならば、日本人よりも質の高い選手でなければいけません。
今の日本人選手のレベルを考えれば、質が高く確実に活躍できる選手は、かなりの金額がかかります。私も外国で長くプレーした経験がありますが、外国籍選手はその国の選手よりも質が高くあるべきです。そうでなければ、外国でプレーする必要はありません。
私は来日して10年目です。浦和レッズであれば、過去に質の高い外国籍選手たちが優勝に貢献しました。ただし、その選手たちが今の日本のサッカー界で活躍できるかどうかは、分かりません。様々な外国籍選手がレッズにもいましたが、日本人選手よりも良い活躍をしていた選手はあまり多くないでしょう。
J1に所属するチームを考えてほしいですが、昨年で言えば3人の外国籍選手を揃えて降格したチームもあります。そして50人以上の外国籍選手の中で、活躍をしていたのは数人しかいなかったと感じています。私は日本人選手を非常に評価しています。日本からヨーロッパに行って活躍している選手も多いですし、それは日本が生んだ選手たちです。それくらい、日本人選手は非常にレベルが高くなっているのです。
Jリーグを見るサポーターも、サッカーを学ばなければいけないと思います。今のサッカーを取り巻く環境はどうなっているのか、今のリーグはどうなのか。今も日本人のサポーターにはビッグネームを好む傾向があります。
私はやはり、自分で働くクラブの未来につながるチームを作っていきたいのです。私はもしかしたら、明日ここを離れるかもしれません。しかし、私がいなくなっても、クラブにはいい方向に向かって進んでいってほしい。そういう思いで、常に仕事をしています。私がいる時期だけチームが良ければいいとは思っていません。自分が仕事をするにあたり、自分がいなくてもクラブがいい方向に進んでいくことを常に考えて仕事をしています。私自身、外国人です。なぜここまで日本サッカーのことを思って仕事しているのか、ときどきわからなくなりますが(笑)。ただ、常に私はそれを考えています。
もしかしたら日本の文化なのかもしれませんが、少し外国に対する評価が高く、日本にあるものの評価がされない。ただし、それが外国で認められると高く評価を改めるというところがあります。そういったものの見方に起因するのかもしれませんが、私は日本人選手をサポーターのみなさんがもっと評価して良いと思っています。我々の選手たちは素晴らしい選手たちですから、評価して期待してほしいと思っています。
我々はズラタン選手を獲得しましたが、その理由は彼がすでに大宮で2年間プレーしていて、日本人のように真面目で献身的な戦う姿勢を持った選手だからです。
私自身は、日本を去るまで日本サッカーのために汗をかき、戦いたいと思います。サッカーを見るレベルを上げることが、今後の日本サッカーの成長につながると思います。その見方が少しでも成長し、変化していけば大きな力になると感じています。
日本人の選手が多く試合に出ることは、日本サッカーにとって喜ばしいことだと思っています。違う意見が応援する側、見ている側にあるのであれば、私も選手をサポートしますから、みなさんも選手をサポートしてほしいです。日本のサッカーの見方を変え、成長するためには日本人がプレーすることが大切なのです。日本人選手は、メンタルが安定した方がより良いプレーをできるはずですから、より選手をサポートしてほしいと思います。選手のミスによって失点することやゲームを落とすこともありますが、私は我々が目指すサッカーに取り組む中でのミスやチャレンジを責めることはありませんし、間違っているとも思いません。そういったことに対し、批判するのではなくサポートするべきだと私は思います。とにかく、選手を後押しすることをお願いしたいです。
私が浦和にいる限り、常に上位を争って戦うでしょう。その中では、常にサッカーをやる側も見る側も良い雰囲気で楽しみながら取り組んでいくのが文化であり、あるべき姿だと思います。我々はとにかく、日々ハードなトレーニングを目指すところに向けて取り組んでいます。そういった取り組みを見てもらいたいと思いますし、試合に足を運んでいただきたいです。我々と共に戦い、楽しんでほしいと思っています。
私は監督なので、批判される対象であっても良いでしょう。ただ、選手のことは後押しをしてほしいです。日本人選手は少し真面目すぎるところがあるからこそ、時として余計な力が入ってしまうと思うことがあります。もっとリラックスした方が良いプレーを出せるはずです。そうしたプレッシャーから少しでも解放させてあげたいと思っているからこそ、後押しをみなさんにお願いします。
話が少し長くなりましたが、私がサポーターの方々へ発信するメッセージです。サッカーは非常に興味深いものです。みんなが分かっているようで、分かっていない。答えがあるようで、ないのがサッカーです。私も、より良い答えを探して日々の仕事をしています。それが、私の40年間のサッカーなのです」
【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】