ONLINE MAGAZINE/REDS VOICE
1997.10.17 VOL.13

ブッフバルト選手退団会見!

マークはギドの肉声が聞けます!



photo  日本のみなさんが暖かく迎えてくれ、親切にしてくれたおかげで、素晴らしい時間を過ごせました。サッカーはもちろんですが、生活も素晴らしいものでした。私にとって日本での時間は忘れがたいものです。特にレッズには感謝しています。  しかし、心残りもあります。それはタイトルを取ることができなかったことです。もちろんまだナビスコカップが残っていますが、やはりリーグ戦のチャンピオンになることが私の大きな目標ですから、それは残念でした。日本での時間は素晴らしいものでしたが、タイトルを取れないままドイツへ帰ることは私にとって大変つらいことです。来シーズンこそ、レッズに私の夢を現実にしてもらいたいと思います。

Q
Jリーグでプレーして感じた日本サッカーの成長と課題は何ですか。

A
 私が過ごした3年半の間に、日本のサッカーは総合的にみて成長したと思います。レッズの選手をはじめとして、戦術の理解力などの頭脳的な部分などは本当に成長しました。ですからこのペースでステップバイステップで成長していけば、来年のフランスW杯はともかく、2002年W杯では素晴らしいサッカーをすることができると思います。日本サッカーは一歩ずつ徐々に力をつけているのです。  これから日本がやらなければならないことはユースの育成です。14歳から16歳くらいの若い選手たちは日本サッカーの明日を担っているわけですから。ヨーロッパでも10歳から12歳くらいの間に戦術的なことやメンタル的な部分まで指導しています。日本には高い能力を持っている選手が多いし、技術も、スピードもあるのですから、あとは戦術やメンタル面の強化にユース年代から取り組むべきだと思います。もちろんしっかりした指導者や、彼らが目標とするような選手の存在も必要となります。

Q
3年半の間にブッフバルト選手自身がレッズや日本サッカーに与えた影響は? また変わったのどんなところですか?

A
 戦術理解の部分はもちろん、1対1の場面でどう戦うか、どんなプレーをしなければならないか、といったことが変わりました。レッズを例に挙げれば、私が来日した当時は、ボールを取ると安直にそこから攻撃が始まってしまっていました。それもいつも同じパターンで、ただ単に前へ行っていただけでした。  それが今では後ろでボールを取ってから、その場の状況に合せた動き、合せた戦い方というのをできるようになりました。もちろん今が完璧というわけではありませんが、常にポジションをコンパクトに保てるようにもなっています。あとはメンタル面。リードされると少し硬くなってしまって自分のいいところを出せなくなったりとか、ミスをすると怖がってしまったりとか、そうしたメンタル面をこれから改善していかなければならないでしょう。

Q
ドイツに帰ってからの今後の予定は?

A
 ドイツでは会社を経営しています。オフィス関係のコピーやファックスなどの機器を扱う会社やテニスセンター、そしてこの間は98年フランスW杯のオフィシャルマスコットなどを売るマーケティング会社も設立しました。でもサッカーの現役を引退するということは私にとってやはり難しいことです。体力的にもまだ少しはできるのではないかという気持ちもあります。ですからサッカーをやめるかどうかということをこの場ではっきりと言うことはできません。ただ99年にはドイツで指導者のライセンスを取る予定にはなってます。

Q
今後レッズとはどういう関わり方をするのですか? 例えば指導者になってくれとかアドバイザーとしてやってくれというような具体的な話は出ているのですか?

A
 レッズのために何かできることがあれば、お役に立ちたいと思っています。チームにも何かあればすぐに手伝うと私の方から話しました。今後もコンタクトを絶やさない関係であり続けようとチームとも話し合いをしたところです。具体的にどんなポジションで働くとかということではありませんが、私とレッズは常にコンタクトを取り続ける関係で、何かあればいつでも手伝うということです。ヨーロッパで何かあればいつでも手伝うとチームにも言ってます。なぜならレッズというチーム、そして素晴らしいサポーターは、私にとって本当に心の一部なのですから。これからも私はよく日本を訪れるだろうし、チームがヨーロッパで試合をしたいというようなことがあれば、必ずレッズのお役に立ちたいと思っています。