ONLINE MAGAZINE/REDS VOICE
2001.8.10 Vol.45

「第2回 浦和レッズシーズン2001 を語る会」ご報告

〜8月1日会合から〜

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[大野]
 埼玉スタジアムも完成に近付きました。一番気になるのは、埼玉スタジアムと駒場の使用の問題ではないかと思います。これはどうなっていくんですか。

[塚本]
 少し遠回しな言い方になりますが、先程申し上げた専用グラウンドとかクラブハウスを作るときに、資金がいる訳です。何十億、百億という額を一括購入で出せるはずはありません。方法としては、どこか開発会社に作ってもらったものをリースしてもらってお借りして、年々の経費で落としていく。そのためには年間2億から2億5千万くらいの経費増にならざるをない。それをカバーするには収入を上げざるをえない。収入を上げるには見ていただく人たちの入場料を増やしていくしかない。もちろん他の営業努力もしていく訳ですが。そういう意味では駒場は21,500人のキャパシティーで、伸ばしようがない。数が伸びないといって個々の入場料を上げるなんてそんなことはしていけないと思っています。そうなるとキャパシティのある埼玉スタジアムを有効に活用するしかない状況があります。そういう中で駒場と埼玉スタジアムの併用をうまくやっていかねばならない。たとえば一つの考え方としては、土曜日の開催については埼玉スタジアムを考えていって、水曜日は駒場を使うとか。そういう組み合わせを考える必要があります。また埼玉スタジアムは、来年の前半、ワールドカップまでは使えない訳です。今年の秋に2試合をやらせてもらった後は使えません。そうするとレッズが使えるのは来年の7月以降ということになると思いますが、Jリーグの日程がまだ決まっておりませんので、日程が出た上での県、市との交渉になってきます。その間にアクセスの問題がどう解決されていくかということと、わがチームが強くなって、埼玉スタジアムですと最低でも3万5千人を集めないと経費の関係で採算的に成り立たないんですが、そういう見極めをつけながら、市と県との折り合いをつけていきたいと思います。

[大野]
 埼玉スタジアムも我々の税金が使われていますから、うまくつかっていかないと無用の長物みたいに言われてしまいます。だから、あそこを中心にやっていけばいいんじゃないか、などと単純に考えていたんですが、浦和市内の居酒屋さんに聞くと、駒場で試合があると終わってから徒歩やバスで店に来て試合の話をする。それも試合の楽しみ方だと思うんですが、埼玉スタジアムだと浦和の駅までバスで45分くらいかかる。そうすると他のところに人が流れてしまう。浦和でサッカーがあると盛り上がった夜の街も静かになっってしまうかもしれない。このあたりも、地域密着型としては大変に難しくなってくるんじゃないですか。

[塚本]
 そういうことも考慮に入れなくてはならないと思います。いずれにしましても埼玉スタジアムでやる以上は3万5千とか4万とか4万5千人を集めなくてはならないのですから、浦和とか北浦和に帰りに寄っていかれる方も早々は減らないんじゃないかと思います。そういうことも前提にしながら考えていかなくてはならいと思います。

[大野]
 横山さん。荒川の河川敷の方にクラブのスタッフが行って芝のタネをまいて水をまいて、グラウンドを作っているという話を聞きましたが、それはどういうことなんですか。

[横山]
 あそこは東京農業大学のグラウンドで、東京農大にお願いをして芝生のタネだけまかせていただいています。あそこは高麗芝ばかりなので、西洋芝のタネをまいて育つ土壌かどうかということを一度テストさせていただいています。育つまでに2ヵ月か3ヵ月かかって、その間養生しなくてはいけないということで、この夏を乗り切れば使える状態になるかもしれません。うちの物ではなくてお借りしている状態です。良かったら秋から農大グラウンドを利用しているみなさんにもお使いいただけるんじゃないかと思います。

[大野]
 そうすると、あそこがレッズの第二の練習場になるんだということではないのですか。

[横山]
 今はそういうことではありません。

[大野]
 先程の社長のお話だとレッズの練習場として使えるところが5〜6面は持ちたい、と。東京農大のグラウンドもその候補地に入っているのかと思いましたが。

[横山]
 そうではないと思います。あそこは河川敷で、建物が何も建てられませんから、トップチームが練習したりするにはちょっとやりにくいところで、将来的にもあまり可能性がないと思います。

[大野]
 横山さんとしては、プロの練習場の施設として、将来はどういうふうにやっていけば理想的だと思われますか。

[横山]
 トップのチームだけを考えれば2〜3面で十分だと思うんですね。理想的に言えばみなさんが練習を見にこられたときによく見える練習場と、今日は見られたくないというときに全然見えないようなグラウンドと、それにプラスしていろいろなトレーニングができるようなグラウンド、3面あれば芝もいい状態で使っていけると思います。それと社長は5〜6面と言っていましたが、サテライトや下部組織がありますので、それくらいは必要になってくると思います。一般のアマチュアのチームが練習することを考えると人工芝のグラウンドが1〜2面。こういう24時間フル活動できる練習場が必要になってくるんじゃないかと思います。これはサッカーだけのスポーツであって、スポーツをやるクラブということであれば、もっとほかの施設を持って、サッカーだけではない、みなさんが楽しめる施設を持てればいいかな、と思っています。

[大野]
 社長におうかがいしますが、練習場の問題はどのくらいまで解決しているんでしょうか。

[塚本]
 まず日程的に言えば、この8月中にはクラブ内部での考えを、いくつかの案の中から決めたいと思っています。その具体的な処理、協議先との詰め、親会社の了解、取締役の了解、そういう作業で11月ぐらい。ですから先程申しましたように年内には何らかの決心をしたい、と。そうしますと翌年からは設計とか着工、ということになるんですけども、土地や地域によってはそういう訳にはいかないところもあります。私たちだけの努力では解決できないところもありますから、早くても平成15年。しかし計画を立てた以上、5年も6年もという訳にはいきませんから、遅くても17年ぐらいまでには、と思っていますが、これは私の頭の中にあることをご披露しただけですが。

[大野]
 最後に、社長が就任にあたって選手たちに話されたことをお聞きしたいのですが。

[塚本]
 3点、話をしました。まず、サポーターの方々が言っていることとして「われわれサポーターは日本一のサポーターと言われているが、そう言われたい訳じゃない。本当は日本一のチームのサポーターと言われたいんだ」ということを聞きます。そうしようじゃないか、と。日本一のチームになろうよ、ということを呼びかけました。2番目は、これだけはどうしても言っておきたいことだったんですが、選手1人1人が勝利に対してすさまじいまでの執念を持ってほしい、と。単なる勝利への執念ではなく「すさまじい執念」だ、ということを強調しました。プロですから、テクニックとかスピードとかタクティクスとかコンビネーションだとか、いろいろなことを磨かなければならない。これは練習でやっていく。しかし試合で100%それを発揮するのは、すさまじい執念でしかない。プロというのはそこでしょう、ということを言いました。3つめには、私は社長に就任したんですが、代表の私としては現在のチッタ監督とそのコーチ陣に全幅の信頼を置いていますよ、ということを言いました。

[大野]
 選手たちの反応はどうだったですか。

[塚本]
 みんな、目を輝かせて聞いてくれていたと思っています。  



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