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佐藤チーフマネジャー:ただいまより、今シーズンの「語る会」を始めさせていただきます。私は浦和レッズの広報の佐藤でございます。よろしくお願いいたします。この語る会は、振り返りますと、2000年のJ2での戦いを強いられたシーズンの頭に始めまして、今回が9回目になりますが、このようなアグレッシブなオープニングは初めてのことです。前回までは、何とか1つタイトルをということで、みなさんの願いを壇上にぶつけていただく会でしたが、1つ取ると2つ目を渇望するもので…。これからは「リーグ優勝をターゲットとしていく会」ということで話を進めさせていただきます。
まず第1部は「クラブを語る」ということで、浦和レッズ代表の犬飼が、NACK5のパーソナリティ、大野勢太郎さんの進行のもと、クラブについてのお話をさせていただきます。また第2部では、ゼネラルマネジャーの森と監督のブッフバルトが「週刊サッカーマガジン」の編集長、伊東武彦さんの進行のもと、1時間半ぐらいのお話をさせていただきます。13日の横浜F・マリノス戦に向けて、きょうの会で開幕へのエネルギーを少しでも蓄えていただければと思います。よろしくお願い申し上げます。
それでは、さっそく第1部に入らせていただきます。大野勢太郎さん、よろしくお願いいたします。
第1部
大野氏:こんばんは。恒例の浦和レッズ――クラブが今シーズンから将来に向けてどういう形で進めていくのか、そのあたりの話を犬飼代表にうかがいます。時間としては30分少ししかありませんので、いつもですと下に降りて、いろいろ質問をいただくのですが、後半のギド・ブッフバルト監督と森ゼネラルマネジャーのほうに時間をたっぷり取りたいと思いますので、残念ながらきょうは質問はお受けしません。すでに、いろいろと質問のメールやファックスをいただいていますので、それをご紹介しながら、サポーター全員の意見ではありませんが――5万人いれば、5万人の意見があるというところから、何枚かご紹介したいと思います。犬飼代表、よろしくお願いいたします。
犬飼代表:よろしくお願いいたします。
大野氏:さて、今年は「速く、激しく、けれん味なく」というキャッチフレーズができましたが、そのあたりのお話から、簡単に説明してください。
犬飼代表:今年のレッズの選手の顔ぶれで、どんなサッカーをやってみなさんと1年間楽しむかということをよく考えてみました。浦和レッズのサッカーは、「速い」、そして「激しい」。それに、去年もそうでしたが、レッズはイエローカードが少ないということでJリーグから賞金をいただきました。浦和レッズの戦い方は、つまらないレフェリーへのクレームとか、わざとらしく倒れてアピールするとか、そういうプレーがないこと、そのように「けれん味なく」サッカーをやることが、浦和のサポーターのみなさんに受け入れられているということで、これを前面に押し出して、この1年間戦いたいと考えてキャッチフレーズにしました。
大野氏:新しいサポーターの方は、ギドのプレーを記憶にない方もいらっしゃると思いますが、古くから浦和レッズを支えているサポーターの方は、数々、ギドのプレーに魅了されたことと思います。そのギドが監督として帰ってきた。そして、コーチがJリーグに精通しているエンゲルス。そのほか、補強も、大型を含めて次から次へ手を打ってきた。サポーターは今回の開幕戦を待ち遠しく思っていると思うのですが…。ここで、いろいろと代表へのご質問やご意見をいただいていますので、ご紹介します。戸田のいしいさんから「去年(2003年)のことですが、代表は『今年(2003年)は埼スタで7試合を行い、1試合で5万人に来てもらいたい。ホームスタジアムを埼スタにすることは考えていない。』と述べています。今年(2004年)は1試合で4万人に目標を下げているのはなぜでしょうか?」というご質問です。このあたりは、マッチデープログラムの増刊号――みなさん、お読みいただいたと思いますが――そのあたりの話だと思います。これは、代表、いしいさんの素朴な疑問だと思いますが、どういうことなのでしょうか?
犬飼代表:ちょっと誤解されたかなと思っています。マッチデープログラムでは、私のところで立てている浦和レッズの事業計画についてお話ししたのです。事業計画上は4万を目論んで計画を立てていると。ただし、レッズのターゲットとしては5万人以上の人に埼スタに来てもらいたいということで、そのギャップがこの質問になったのではないかと思われます。
大野氏:三菱自動車出身の犬飼代表に日産自動車のゴーン社長の話をするのは、ちょっと気が引けますが――ゴーンさんが成功して、我々は「コミットメント」という言葉をよく聞くようになったのですが、この4万人という数字は、いわゆるコミットメントで、ターゲットではないということになりますか?
犬飼代表:そういうことですね。まさに、コミットメントとしては埼玉スタジアム4万人以上、ターゲットは5万人以上ということですね。ゴーン流に言うと。
大野氏:現実的にはまず4万人を目標にすると…。
犬飼代表:4万人は必ず。
大野氏:4万人は必ず入れると。
犬飼代表:そういうことでレッズの収益を計算していて、それが次のいろいろな投資につながっていくということです。
大野氏:毎試合6万人入っていただければ、それにこしたことはないわけですよね。
犬飼代表:ええ。もっとすごい選手がとれますね。
大野氏:そういうことで、5万を4万に下げたわけではないということです。それから、いしいさんは埼スタに移転するのは急いで行う必要はないと思いますというご意見も書いておいでですが、そのほかの方々からは、駒場はチケットが取りづらいので、早く埼スタの試合数を増やしてもらいたいというご意見もいただいています。中野区のまつだひろしさんから、20代の方ですが、「駒場スタジアムを改修する予定はありませんか。私は東京都民ですが、レッズファンになって10年目、駒場でのレッズ戦はチケットがなかなか取れません。とくに指定席はキャンセルが出ない限り手に入りません。開門を待っている時間が自分にはないんです。私は今シーズン、シーズンチケットを買いました。一般で駒場の指定席を買うことが難しいからです。将来を考えれば、2万人収容では小さすぎます。3万人から4万人収容できるように、駒場の改修をお願いします。」というお願いがきています。いくら大原のクラブハウスを5億円近くかけて建てた浦和レッズでも、駒場スタジアムを4万人にする資金はなかなか出せませんよね。
犬飼代表:駒場スタジアムはさいたま市の持ち物で、3万人、4万人に改修してくれという要望は、相川市長のほうにもときどき聞こえているようです。
大野氏:そうなんですか。
犬飼代表:はい。実行するかどうかは聞いていませんが。
大野氏:ただこれは…、一時期は1万人ぐらいだったスタジアムを倍の2万人にしたわけで…。いまの自治体の税収から考えると、これ以上は厳しい現実があるでしょうね。
犬飼代表:…と思いますね。
大野氏:これはあくまでも推量ですが。このあたり、なかなか市長は明言しませんし…。言ったらマニフェストになりますからね。
犬飼代表:そうです。それと、埼玉スタジアムへのアクセスを県のほうがいろいろ努力しているようで、それとの兼ね合いではないかと思います。
大野氏:理想的にはどういうふうに使っていくのがいちばんいいのでしょうか。埼スタと駒場。難しいですね。
犬飼代表:難しいですね。クラブとしては両方を使っていきたいと思っているのですが。
大野氏:私もこの浦和に、商店街のおじさんとか飲み屋のおやじさんで仲のいい人がいますので、駒場でやる試合数が少なくなると…いわゆる営業ですね、これが下がってしまうと。でも、シーズンチケットを持っている方は入れるけれども、そうでなければチケットが手に入らない。埼スタなら家族4人みんなで行けてうれしい、という若いパパとママの話を聞くと、じゃあ埼スタもな…という気持ちになるのですが、同じような気持ちでしょうか、代表も?
犬飼代表:そうですね。これはチームの出来によると思いますけどね。つまらないチームになってしまえば、駒場でもガラガラになるでしょうし、良いサッカーをすれば、みんなが埼玉スタジアムで見たいと言ってくれるだろうと思います。この問題については、私の立場としては、「全試合埼玉スタジアムでやってくれ」と言われるようなチームにしたいと思っています。
大野氏:おっしゃるとおりですね。次も代表の力ではどうしようもないことだと思いますが、ぜひともJリーグの方に言っていただきたいご意見です。いわさきさちこさんから、「ナビスコカップのファイナルのチケット、当然2003年も勝ち進むと考えて、すべての試合に応援に行っているにもかかわらず、決勝のチケットだけが取れませんでした。努力はしましたが、チケットが高く売られていて、悔しい思いでした。今年(2004年)こそ、なんとか手を打って手に入りやすくしてほしいと思います」。これは、クラブの代表の力だけではどうしても実現できないことでありましょうか?
犬飼代表:そうですね、難しい問題があるのですが…。レッズが決勝まで進めば決勝戦のチケットの販売をレッズに任せてほしいと、去年から話としては出しているのです。Jリーグでは自分のところで売ると言っていたのですが、去年の決勝ではだいぶ混乱したので、今年は改善していこうという話はしています。Jリーグと。ただ、うちが決勝までいかないことにはしょうがないので、そっちが先ですね。
大野氏:もし、ほかのチームがいった場合には、集客能力がないところだと「とてもうちでは販売できません」となることもありえますから…。
犬飼代表:そうですね。
大野氏:クラブの諸事情でだいぶ変わってくるかもしれませんね。ただ…わかりますね、サポーターの気持ちは。ずっと行っていて、ファイナルのチケットだけ――インターネットで見たら、5万円だ7万円だと出ていると…。こんなにつらいことはないんじゃないですかね。
犬飼代表:あれは、ほんとうにまずいと思いますね。
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