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トップチーム 2019シーズンの振り返りと2020シーズンに向けて
【シーズンスタートからリーグ開幕まで】
2019シーズンは、2018シーズン途中から浦和レッズの監督に就任し、チームを再建したオズワルド オリヴェイラ監督に託し、監督と議論の上、日本代表クラスの杉本健勇(C大阪)、山中亮輔(横浜FM)、鈴木大輔(柏)、そして、エヴェルトン(FCポルト/ポルティモネンセ)の補強、更に将来性豊かな岩武克弥(明治大)、汰木康也(山形)を獲得しました。ユースからは石井 僚、大城 蛍、池髙暢希が昇格し、AFCアジアチャンピオンズリーグの過密日程を見越した戦力を揃えて総勢31人でスタートしました。また指導者には前土田尚史GKコーチに代わり、新たに前日本代表GKコーチの浜野征哉GKコーチを招聘しました。
そして、『リーグ優勝、ACL優勝』を目標に掲げ、1月18日より始動しました。
1月21日から沖縄でのトレーニングキャンプに入り、FIFAクラブワールドカップまで戦うことを前提に、1シーズン戦えるフィジカルの強化を中心に3週間行いました。一方、2019シーズンJリーグ開幕までに取り組んだトレーニングマッチは1試合のみでした。結果的に見ると、戦術の浸透を含め、大会前の事前準備期間が十分ではなかった可能性があり、今後改善を検討して参ります。
【明治安田生命J1リーグ】
順位 14位 (9勝15敗10分 勝ち点37 得点34 失点50 得失点差-16)
補強した選手を含めた攻撃的選手の2018シーズンのゴール数が年間50得点を超えていたことなどから、一定の期待をしてシーズンに臨んだものの、2019シーズンは34得点、1試合平均得点では1点となり、得点数は1993年Jリーグ開幕以来のワーストとなりました。シュート数も18チーム中、14番目であり、チャンス構築自体も少なく、クラブが目指す「強くて魅力あるチーム」には及びませんでした。
戦術が十分に浸透していないことを主な理由として、5月にオズワルド オリヴェイラ監督から、大槻 毅監督に指揮を執ってもらい、夏には関根貴大(シント=トロイデンVV/FCインゴルシュタット04)、武富孝介(湘南)を補強しましたが、最後までチームを十分に機能させることができず、選手の力も十分に引き出すことができませんでした。
年間を通じて攻撃面のレベルアップができなかったこと、失点も多く攻守のバランスを欠いた点は、大きな反省点といえます。
また、過密日程を想定していたものの、コンディションの維持は予想以上に難しいものがありました。一方、そのために2チーム分に近い戦力を整え、多くの主力選手を揃えたものの、監督が変わる中で、チームの連携構築に時間を要し、チームパフォーマンスが薄まってしまったことも否めませんでした。そういった環境下において、チームが一体となり、絆を深め、成長し合えたのかという点において、クラブマネジメントは十分に発揮されたとは言えませんでした。
【AFCチャンピオンズリーグ(ACL)】
順位 準優勝 (3勝2敗1分 勝ち点10 グループステージ2位 得点9 失点4 得失点差+5)
タイ、中国、韓国と国内外での戦いが続くACLは、勝負強さを身に付け、順当にグループリーグを勝ち上がりました。グループステージアウェイの北京国安戦は、シュートが0本と圧倒されましたが、続くホームで勝利し、ラウンド16の蔚山現代戦も2点のビハインドにありましたが、アウェイで逆転勝利を上げるなど、第2戦に対する分析、対策などの準備が十分に行え、コーチングスタッフと選手が一体となり、試合毎に勝負強くなっていっていきました。ブラジル人選手のオスカル、フッキを率いる上海上港戦(準々決勝)、同様の戦力を誇る準決勝での広州恒大との対戦は、アウェイ感の強い中、多くのファン・サポーターが海外まで駆けつけてくださり、選手を鼓舞していただけたことは大きな後押しになりました。Jリーグのチームが広州恒大のホームで、初めて勝利できたのは、こういったファン・サポーターとクラブ、チームの一体感があったからこそであり、その強さを見せつけることができたものと思います。
決勝の相手は、西アジア代表のサウジアラビアのアルヒラル。2年前のACL決勝で戦ったチームに対し、史上初めてとなるACL3回目の優勝を目指しました。
11月5日の川崎戦の試合時間を早め、そのままサウジアラビアへ移動するなど、今大会を勝ち進むに当たり、平日開催や試合時間をチームコンディション中心に変更いたしました。多くのファン・サポーターの方々にご理解、ご協力を賜りましたこと、この場を借りて深く御礼申し上げます。
羽田空港からサウジアラビアへ移動にほぼ一日を要し、3日後(9日)に試合というハードな日程、更に多くのアウェイサポーターの中、試合はほぼ支配される展開となりました。出場停止の西川周作に代わり、福島春樹が先発し、彼のファインセーブがなければ更に点差が開いていたかもしれません。第2戦は、調整かつ修正できる期間があったものの、アルヒラルの外国人3選手の質の高さ、選手個々のレベルの高さ、更にチームの完成度が高かったこともあり、相手チームを上回ることは難しく、西アジアのレベルの高さを痛感した試合となりました。今後は、このチームが一つのベンチマークとなり、アジアで勝つためには、アルヒラルを上回るチームづくりが求められることを肌で感じられた大会となりました。
【2020シーズンに向けて】
2019シーズンは、『時間をかけ、一貫したチーム戦術のオーガナイズ』ができていないという問題点が浮き彫りになったシーズンでありました。これは今シーズンに限ったことではなく、数年来の課題であり、改善できなかったことにより、チーム、選手個人の成長にも結び付けられませんでした。更に、チームを束ね、一つになることの重要性を再認識し、2020シーズンは多くのことに取り組む必要がある中で、『闘う意義の再確認と浸透』と、『チームコンセプトの明確化』を重点にチームづくりを進めて参ります。その上で、『浦和のために、最後まで走り、闘い、貫く』というスローガンを継続し、選手理念の中にある『浦和を背負う責任』に着目した取り組みを行って参ります。チームコンセプトは、浦和らしいサッカーとは何かと考え、攻撃的であり、2点取られても3点取るようなフットボールであり、勝つために、またゴールを奪うために一番効果的なプレーを選択することにより、ファン・サポーターのみなさまと選手が共に熱狂できる空間を一緒につくりあげていきたいと思っています。浦和レッズのストロングポイントを更に伸ばしていくためにも、『個の能力を最大限に発揮する』、『前向き、積極的、情熱的なプレーをすること』、『攻守に切れ目のない、相手を休ませないプレーをすること』をチームコンセプトとして参ります。
それは、攻守一体となり、途切れなく常にゴールを目指すプレーを優先し、ボールを積極的に奪い、味方のスピードを生かし、ボールをできるだけスピーディーにゴールに運ぶ。ボールを奪ったら短時間でフィニッシュまで持っていく回数を増やしていく、そういったフットボールを目指して参ります。これは短時間で成せるものではなく時間をかけ、確実に実行していくため、来シーズンからの3年の計画をつくりました。常に目の前の試合の勝利を追求し、優勝を目指すことはチームにとってモットーですが、一方で中期的なチームづくりに、しっかりと取り組んで参りたく存じます。2020シーズンは、改革元年とし、チームコンセプトを浸透させながら、ACL出場権獲得と得失点差2桁を目指して参ります。
大槻監督と現状の課題改善とその取り組みについて、共に話し合いを重ねて参りました。2019シーズンを闘った多くの選手が共に戦う2020シーズンは、課題を十分に理解し、改善することが大きなテーマとなります。チームコンセプトをベースに、キャンプからシーズン開幕まで、万全な準備をして挑んで参ります。
【大槻 毅監督コメント】
2019シーズンにおいて、ACLでは決勝進出したものの、リーグ戦では厳しい闘いが続き、不安定なシーズンとなりました。2年連続でシーズン途中から監督をさせていただき、たくさんの課題を得ました。チームの課題をしっかりと分析・把握し、チームスタッフ、クラブスタッフ、選手と共に真摯に向き合い、新シーズンに向かって参ります。2020シーズンは、更なる覚悟を持って闘って参りますので、引き続き熱いサポートをお願い申し上げます。
2019シーズンは、2018シーズン途中から浦和レッズの監督に就任し、チームを再建したオズワルド オリヴェイラ監督に託し、監督と議論の上、日本代表クラスの杉本健勇(C大阪)、山中亮輔(横浜FM)、鈴木大輔(柏)、そして、エヴェルトン(FCポルト/ポルティモネンセ)の補強、更に将来性豊かな岩武克弥(明治大)、汰木康也(山形)を獲得しました。ユースからは石井 僚、大城 蛍、池髙暢希が昇格し、AFCアジアチャンピオンズリーグの過密日程を見越した戦力を揃えて総勢31人でスタートしました。また指導者には前土田尚史GKコーチに代わり、新たに前日本代表GKコーチの浜野征哉GKコーチを招聘しました。
そして、『リーグ優勝、ACL優勝』を目標に掲げ、1月18日より始動しました。
1月21日から沖縄でのトレーニングキャンプに入り、FIFAクラブワールドカップまで戦うことを前提に、1シーズン戦えるフィジカルの強化を中心に3週間行いました。一方、2019シーズンJリーグ開幕までに取り組んだトレーニングマッチは1試合のみでした。結果的に見ると、戦術の浸透を含め、大会前の事前準備期間が十分ではなかった可能性があり、今後改善を検討して参ります。
【明治安田生命J1リーグ】
順位 14位 (9勝15敗10分 勝ち点37 得点34 失点50 得失点差-16)
補強した選手を含めた攻撃的選手の2018シーズンのゴール数が年間50得点を超えていたことなどから、一定の期待をしてシーズンに臨んだものの、2019シーズンは34得点、1試合平均得点では1点となり、得点数は1993年Jリーグ開幕以来のワーストとなりました。シュート数も18チーム中、14番目であり、チャンス構築自体も少なく、クラブが目指す「強くて魅力あるチーム」には及びませんでした。
戦術が十分に浸透していないことを主な理由として、5月にオズワルド オリヴェイラ監督から、大槻 毅監督に指揮を執ってもらい、夏には関根貴大(シント=トロイデンVV/FCインゴルシュタット04)、武富孝介(湘南)を補強しましたが、最後までチームを十分に機能させることができず、選手の力も十分に引き出すことができませんでした。
年間を通じて攻撃面のレベルアップができなかったこと、失点も多く攻守のバランスを欠いた点は、大きな反省点といえます。
また、過密日程を想定していたものの、コンディションの維持は予想以上に難しいものがありました。一方、そのために2チーム分に近い戦力を整え、多くの主力選手を揃えたものの、監督が変わる中で、チームの連携構築に時間を要し、チームパフォーマンスが薄まってしまったことも否めませんでした。そういった環境下において、チームが一体となり、絆を深め、成長し合えたのかという点において、クラブマネジメントは十分に発揮されたとは言えませんでした。
【AFCチャンピオンズリーグ(ACL)】
順位 準優勝 (3勝2敗1分 勝ち点10 グループステージ2位 得点9 失点4 得失点差+5)
タイ、中国、韓国と国内外での戦いが続くACLは、勝負強さを身に付け、順当にグループリーグを勝ち上がりました。グループステージアウェイの北京国安戦は、シュートが0本と圧倒されましたが、続くホームで勝利し、ラウンド16の蔚山現代戦も2点のビハインドにありましたが、アウェイで逆転勝利を上げるなど、第2戦に対する分析、対策などの準備が十分に行え、コーチングスタッフと選手が一体となり、試合毎に勝負強くなっていっていきました。ブラジル人選手のオスカル、フッキを率いる上海上港戦(準々決勝)、同様の戦力を誇る準決勝での広州恒大との対戦は、アウェイ感の強い中、多くのファン・サポーターが海外まで駆けつけてくださり、選手を鼓舞していただけたことは大きな後押しになりました。Jリーグのチームが広州恒大のホームで、初めて勝利できたのは、こういったファン・サポーターとクラブ、チームの一体感があったからこそであり、その強さを見せつけることができたものと思います。
決勝の相手は、西アジア代表のサウジアラビアのアルヒラル。2年前のACL決勝で戦ったチームに対し、史上初めてとなるACL3回目の優勝を目指しました。
11月5日の川崎戦の試合時間を早め、そのままサウジアラビアへ移動するなど、今大会を勝ち進むに当たり、平日開催や試合時間をチームコンディション中心に変更いたしました。多くのファン・サポーターの方々にご理解、ご協力を賜りましたこと、この場を借りて深く御礼申し上げます。
羽田空港からサウジアラビアへ移動にほぼ一日を要し、3日後(9日)に試合というハードな日程、更に多くのアウェイサポーターの中、試合はほぼ支配される展開となりました。出場停止の西川周作に代わり、福島春樹が先発し、彼のファインセーブがなければ更に点差が開いていたかもしれません。第2戦は、調整かつ修正できる期間があったものの、アルヒラルの外国人3選手の質の高さ、選手個々のレベルの高さ、更にチームの完成度が高かったこともあり、相手チームを上回ることは難しく、西アジアのレベルの高さを痛感した試合となりました。今後は、このチームが一つのベンチマークとなり、アジアで勝つためには、アルヒラルを上回るチームづくりが求められることを肌で感じられた大会となりました。
【2020シーズンに向けて】
2019シーズンは、『時間をかけ、一貫したチーム戦術のオーガナイズ』ができていないという問題点が浮き彫りになったシーズンでありました。これは今シーズンに限ったことではなく、数年来の課題であり、改善できなかったことにより、チーム、選手個人の成長にも結び付けられませんでした。更に、チームを束ね、一つになることの重要性を再認識し、2020シーズンは多くのことに取り組む必要がある中で、『闘う意義の再確認と浸透』と、『チームコンセプトの明確化』を重点にチームづくりを進めて参ります。その上で、『浦和のために、最後まで走り、闘い、貫く』というスローガンを継続し、選手理念の中にある『浦和を背負う責任』に着目した取り組みを行って参ります。チームコンセプトは、浦和らしいサッカーとは何かと考え、攻撃的であり、2点取られても3点取るようなフットボールであり、勝つために、またゴールを奪うために一番効果的なプレーを選択することにより、ファン・サポーターのみなさまと選手が共に熱狂できる空間を一緒につくりあげていきたいと思っています。浦和レッズのストロングポイントを更に伸ばしていくためにも、『個の能力を最大限に発揮する』、『前向き、積極的、情熱的なプレーをすること』、『攻守に切れ目のない、相手を休ませないプレーをすること』をチームコンセプトとして参ります。
それは、攻守一体となり、途切れなく常にゴールを目指すプレーを優先し、ボールを積極的に奪い、味方のスピードを生かし、ボールをできるだけスピーディーにゴールに運ぶ。ボールを奪ったら短時間でフィニッシュまで持っていく回数を増やしていく、そういったフットボールを目指して参ります。これは短時間で成せるものではなく時間をかけ、確実に実行していくため、来シーズンからの3年の計画をつくりました。常に目の前の試合の勝利を追求し、優勝を目指すことはチームにとってモットーですが、一方で中期的なチームづくりに、しっかりと取り組んで参りたく存じます。2020シーズンは、改革元年とし、チームコンセプトを浸透させながら、ACL出場権獲得と得失点差2桁を目指して参ります。
大槻監督と現状の課題改善とその取り組みについて、共に話し合いを重ねて参りました。2019シーズンを闘った多くの選手が共に戦う2020シーズンは、課題を十分に理解し、改善することが大きなテーマとなります。チームコンセプトをベースに、キャンプからシーズン開幕まで、万全な準備をして挑んで参ります。
【大槻 毅監督コメント】
2019シーズンにおいて、ACLでは決勝進出したものの、リーグ戦では厳しい闘いが続き、不安定なシーズンとなりました。2年連続でシーズン途中から監督をさせていただき、たくさんの課題を得ました。チームの課題をしっかりと分析・把握し、チームスタッフ、クラブスタッフ、選手と共に真摯に向き合い、新シーズンに向かって参ります。2020シーズンは、更なる覚悟を持って闘って参りますので、引き続き熱いサポートをお願い申し上げます。