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淵田敬三代表取締役社長 就任会見

2月1日、さいたま市内のホテルで、2月1日付で浦和レッズの代表取締役社長に就任した淵田敬三代表の就任会見が行われた。淵田代表の会見に先立ち、橋本光夫前代表から退任の挨拶が述べられた。

【橋本光夫前代表】
「本日2月1日付で浦和レッドダイヤモンズ株式会社の代表取締役社長を退任いたしました。在任中、みなさまにおかれましては、数々の激励、あるいはご指導を賜りまして厚く御礼申し上げます。
5シーズンに渡って浦和レッズの代表として、クラブのスタッフやチームとともに戦ってこられたことを非常に嬉しく思っていますし、多くのファン・サポーターのみなさんと親しくお話しする機会を得ることができたことが、私の一番の財産になったと思います。
5年間、クラブの中ではコミュニケーションをキーワードに情報共有、各部門の垣根を超えた連携を図り、自立した責任あるクラブを目指して取り組んできました。今シーズンは、ミシャ監督の3年目、タイトルを目指して戦う1年であり、そして2015年以降の浦和レッズが目指すべき方向性を明確に打ち出す重要な一年となります。ここで新しい体制に移行し、よい結果を見出してくれることを期待すると同時に、必ずできるという確信を持っております。
ファン・サポーターのみなさまには、ときに激しい叱責もいただきましたし、温かい激励とご声援をいただいたことを、この場を借りて厚く御礼申し上げたいと思います。本当にみなさまにはお世話になりました。ありがとうございました」

続いて、淵田代表から就任への意気込みや、今後の抱負が語られた。

【淵田敬三代表】
「このたび橋本社長の後を受けて、浦和レッズの社長に就任しました淵田です。今後ともよろしくお願いいたします。社長就任にあたり一言ご挨拶申し上げます。

まずもって、橋本前社長には2009年4月より、浦和レッズの経営の舵取りをされ、卓越した手腕により、会社としても、またチームとしても大変な時期にあったレッズを再生されたことに敬意を表します。経営を預かるものとして、その責任の重さをひしひしと感じているところでありますが、今後、浦和レッズのファン・サポーター、パートナー、ホームタウンのみなさまのご支援やご声援を頂きながら、浦和レッズのさらなる発展に微力ながら取り組んで参りたいと考えておりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

所信を申し上げる前に、自己紹介をさせていただきます。私は1954年11月生まれ、出身は神奈川県です。高校、大学は東京で過ごし、高校ではサッカー部に所属していました。丁度メキシコオリンピック、メキシコワールドカップが開催されるなど、サッカーに浸っていた高校時代でした。三菱自動車での勤務は36年になります。主に管理部門を歩み、約13年間は米国での海外勤務、帰国後は関東三菱自動車販売で国内販売の仕事をしておりました。浦和レッズには、2005年から2008年まで社外取締役として関わり、ホーム、アウェイとも頻繁にスタジアムには足を運んでいました。
浦和レッズという日本で非常に注目されているクラブの経営の舵取りができることに喜びを感じるとともに、身が引き締まる思いですが、エキサイティングにチャレンジしていきたいと思っています。

私の経営方針は、まず、『橋本路線』の継承です。
『強くて魅力あるチーム』『地域の誇りとなるクラブ』『自立し責任あるクラブ』を掲げ、経営再建、チーム力の強化に取り組み、その結果、2012年度からは、ミシャ監督の指導のもと、チーム成績が上昇して『クラブ信認』も徐々に回復し始めました。損益的にも『収入3本柱』すべてが2年連続で増収になる見込みで、2012年度からの中期計画は確実に軌道に乗っています。
こうした状況を踏まえ、私の使命は、2014年度もこの『好転トレンド』を維持させ、中期計画で設定した施策の実施を加速し、『成長』を実現させる、そして2015年度以降の中計に繋げていくことにあります。クラブの方向性がブレることのないように取り組んでいきます。
また、経営の考え方として、企業である限り『適正な利潤』を確保しなければいけませんが、プロのサッカークラブは、多くのみなさんに夢や希望、感動をもたらす存在でなければなりません。チームの成績向上、観客数の増加、経営基盤の改善という好循環をつくりあげることが重要ですが、まずは『強くて魅力あるチーム』をつくり上げることです。
今シーズンも既に西川選手、李選手、青木選手、濱田選手、関根選手の加入など、着実にチーム強化されており、今後も、中長期的な視点に立ちながら、チームコンセプトの浸透、若手選手の育成などに継続的に取り組んでいく所存です。さらに安定的な経営をしていくためには、地域社会、ファン・サポーター、そしてパートナーのみなさまとの関係強化が不可欠です。これまで以上に、浦和レッズを支えてくれるみなさまの声に耳を傾け、それを経営に反映してまいります。また、クラブ経営の健全化が我々の活動理念、すなわち『社会の一員として青少年の健全な育成に寄与します』『地域社会に健全なレクリエーションの場を提供します』『さいたま市から世界に向けて開かれた“窓”となります』の実現につながっていきます。加えて『コンプライアンス』や『セキュリティー問題』についても積極的に取り組んでいきます。

最後に、私自身が特に意識して取り組みたいことを三つお話しします。まず第一に「浦和レッズの活動理念」についてです。私が長い海外生活で学んだことは、異文化で、しかも価値観が相違する人たちと一緒に働くためには共通の理念が必要だということでした。理念を共有し、ベクトルを合わせて、チームで動いたときの力は素晴らしものになります。スタッフとは、しっかり議論を交わしていき、理念を共有していきたいと考えています。

二番目はコミュニケーションです。いくら立派な方針をつくっても、十分な説明がなければ理解されません。コミュニケーションは事業を進める上で極めて重要な要素です。クラブ内だけではなく、ファン・サポーター、パートナー、そして地域のみなさんも含めて、双方向のコミュニケーションを重視していきたいと考えています。

三番目は『自律・自立・考動』という言葉です。自らを強く律し、自立した個人として、よく考えて行動する、ということを浦和レッズの共通価値観にしたいと考えています。

以上、概略をお話しいたしました。今後、早期にチームやクラブの詳細状況を把握し、具体的な行動を起こしていくとともに、併せて、ファン・サポーター、パートナー、そして地域のみなさんともご挨拶をしてまいりたいと存じます。何卒よろしくお願い申し上げます」



【質疑応答】
(サポーターを含めたレッズの印象は?)
「浦和はサッカーの強い地域であり、サッカーの伝統と歴史のある街です。日本の他の街にはない熱狂的な雰囲気があって、サッカーにとっては非常に素晴らしい街だと思います」

(非常勤としての経験はどのように生かされるか?)
「4年間くらい経験しましたのでレッズの経営がどういうものか分かりますし、試合も2005年から見始めましたが、最初に埼玉スタジアムに行ったときの地響きのようなサポーターの声に感動しました。そんなことを感じながらレッズに入っていけることも利点ではないかと思います」

(観客数増を実現していくにはどこがポイントになるか?)
「強くて魅力あるチームにするということが第一だと思います。また、それを支えてくれるファン・サポーターのみなさんや、さいたま市をはじめとしたホームタウンのみなさん、そういった地域貢献の活動もしっかりやっていくことも大事だと思います」

(ミシャ監督のサッカーの印象は? また選手たちと話はされたのか?)
「昨日の31日に感謝の会がありまして、そこで話をさせていただきました。初めてミシャ監督に会ったのは、1月の中旬頃でした。言葉に重みがあって、いろいろな経験をされている方だと思いました。サッカーについてはまだはっきりと見ていないので分かりませんが、攻撃的で面白いサッカーをやっていただける監督だと思います」

(ファン・サポーターとはどのような距離感でいたいか?)
「その辺りも橋本さんの路線を継承していきたいと思っています。追々みなさんとお話しする中でコミュニーションを深めていきたいです。ただ、一方的なコミュニケーションはよくないので、双方向のコミュニケーションの中で、耳を傾けてやっていけたらと感じています」

(橋本路線の継承とのことだが、自身のプランや夢はあるか?)
「我々が目指すのは、言葉にすればレッズワンダーランドです。みなさんが集まって盛り上がっていけるような、地域の核のようなものができていければいいのではないかと思います。そのためにはチームが強くて魅力ある試合をしなければならないと思っています」
【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】

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