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浦和レッズ2021年度経営情報の開示について
本日開催の定時株主総会において、2021年度の事業収支が承認されましたので、お知らせいたします。
2021シーズンのトップチームは、3年計画の2年目として、リカルド ロドリゲス監督新体制のもと、目標である「AFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場権獲得」と、「チームコンセプト、スタイルの浸透・成長」を重点目標に掲げました。
J1リーグでは、優勝した川崎フロンターレとは29ポイント差の勝ち点63(得失点差7)で6位、YBCルヴァンカップでは準決勝で敗退しベスト4となりましたが、天皇杯においては念願の優勝を勝ち取り、その結果ACLへの出場権を獲得できました。目標のひとつを達成できたことは、チームにとり大きな自信となり、2022シーズンの目標である、J1リーグ優勝へ向けた重要な一歩となりました。
またチームコンセプトとスタイルの浸透という目標については、コンセプトベースのチーム編成と評価を行い、能力を最大限に発揮するべくクラブとしての環境作りに努めました。
リカルド監督は、「常に主導権を握り、観る人を魅了するサッカー」を表現しながら、ACL優勝監督になるという野心を抱いており、それをサポートするスタッフ、選手の有能かつ野心あふれる「個」が、いかにパフォーマンスを発揮できる環境を作れるかという点がクラブの課題でした。
攻守に切れ目のない、相手を休ませないプレーの展開という点では、成長できた部分と課題として残った部分があり、特に新戦力も数多く加わった夏以降、ボールを保持し、ゲームの主導権を握り、支配することができた試合が数多くあった一方、相手が守りを固めてきたときの対応策の少なさや、セットプレー(攻守)、ボールを保持するかリスクをかけて速い攻めを仕掛けるかの判断等の課題が浮き彫りになりました。
加えて、『前向き・攻撃的・情熱的なプレー』という「姿勢」の点では成長の余地があり、真のプロフェッショナルとしての凡事徹底に努めています。
2021年度の事業収入については、入場料収入の増加や賞金、移籍金による収入もあり、新型コロナウイルス感染拡大の影響は依然として続いたものの、前期比+1,120百万円の6,891百万円となりました。事業運営費、チーム運営費を合わせた経費は6,142百万円、営業利益は△99百万円となりましたが、経常利益は2百万円、当期純利益は1.5百万円となりました。
入場料収入:微増ながら、引き続き厳しい状況
2020シーズン、新型コロナウイルス感染拡大の影響から、Jリーグにおいて昇降格に関する「特例ルール」が適用された影響で、2021シーズンのJ1リーグは全20チームで行われました。シーズン当初は新型コロナウイルスの収束に伴う収容制限の緩和・撤廃が期待されたものの、前シーズンに引き続き収容制限が長期化し、その影響から入場料収入は厳しい結果となりました。
具体的には、全25試合のうち、収容制限5千人:16試合、同1万人:6試合、同1.5万人(1万人+ワクチンパッケージ5千人):1試合、同3万人(2.4万+ワクチンパッケージ6千人):2試合であり、入場者数(全25試合)は191,398人で入場料収入は626百万円となりました(2020年度は423百万円)。
こうした厳しい状況下において、シーズンチケットに代わって受け付けさせていただいた「REX CLUB LOYALTY会員」のみなさまからは、当初の想定を上回る数の試合が収容制限試合となったことにより発生した会費の払い戻しに対し、数多くのご辞退をお申し出いただきました。
広告料収入:多大なるご支援をいただきました
新型コロナウイルス感染拡大による経営への悪影響から、契約満了を余儀なくされるパートナーもいらっしゃったものの、多くのパートナーにご支援を継続いただいたほか、積極的な営業活動の結果、多くの新規パートナーとの契約を締結することができました。広告料収入は2020シーズン(3,750百万円)より148百万円増加した、3,898百万円となりました。
グッズ収入:企画商品やオンラインショップの活性化施策で収入増
2020シーズンに引き続き、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、オフィシャルショップ「レッドボルテージ」と埼玉スタジアムでの対面販売に回復が見込めない中、EC(オンラインショップ)での販売に注力したほか、月2回の受注(予約)企画を継続的に展開するなどの施策に取り組みました。また、ユニフォーム販売についても、毎月1回、趣向を凝らしたキャンペーンを実施することで、販売枚数増に繋げたほか、11月からは、阿部勇樹選手引退に伴うメモリアルグッズを第4弾まで展開、更には天皇杯優勝の相乗効果もあり、売上841百万円(2020シーズン:814百万円)と期首計画を大きく上回る結果となりました。
事業経費:ホームゲーム試合数増により増加も、適正な削減を実施
事業運営費、チーム運営費を合わせた経費は6,142百万円となりました。2020年度に比べてホームゲーム試合数が大幅に増加(18試合→25試合)したこと等の影響もあり、試合運営費(+132百万円)を中心に経費は全体で346百万円増加しましたが、REX CLUB経費等については適正な削減を行いました。
経常利益、当期純利益、利益余剰金及び純資産
経常利益2百万円、当期純利益1.5百万円となり、2020年度の赤字からわずかながら黒字へと転じることができました。利益剰余金は622百万円、資本金273百万円、資本準備金113百万円と併せ、純資産は1,008百万円でいずれも2020年度末とほぼ同水準を維持しています。
クラブの取り組みについて
2020年度に引き続き、2021年度も新型コロナウイルス感染予防対応に尽力した一年となりました。
ホームゲームにおきましては、Jリーグの「新型コロナウイルス感染症ガイドライン」に則り、感染拡大に最大限の注意を払い開催いたしました。検温や手指消毒、ソーシャルディスタンスの確保、換気、ゾーン分けによる人流制限等、ご来場のみなさまには様々な点において、多大なるご不便をお掛けしましたが、2021シーズンはホーム最終戦までに「191,398人」のファン・サポーターをお迎えし、全ての試合を無事に終えることができました。
2020年度からスタートした埼玉スタジアム2002公園の指定管理業務を通じて、ホームゲームに来場するファン・サポーターの満足度を向上させるべく、飲食売店におけるモバイルオーダーの試験導入など、新しいサービスにも着手しており、「地域に開かれたスタジアム」の実現により一層取り組んでまいります。
また新型コロナウイルス感染拡大の影響により多くの事業活動に悪影響が生じる中、環境変化に対応しつつ新たな時代におけるスポーツエンターテインメントビジネスの在り方を模索し、様々な新規事業にも取り組みました。
具体的には、「さいたまと世界をつなぐ窓になる」を理念に、そして「あらゆる分野でアジアナンバー1になる」をビジョンに掲げるクラブとして、アジア圏でのプレゼンス向上等を目的として締結したタイリーグ1所属ムアントン ユナイテッド(Muangthong United Football Club)とのパートナーシップや、5GやIoTなどの先端テクノロジーを用いたスタジアムでの新たな観戦サービスの提供を通じて、誰もが楽しめるスタジアム作りを目指したKDDI株式会社との業務提携、及び同提携に基づく浦和レッズドキュメンタリー映像「REDS 2021 -REAL-」などの取り組みを行い、大きな反響をいただきました。
更に、補助金事業、スポーツ庁再開支援事業(3次公募申請)において、感染症対策及び集客のための広報事業に取り組んだほか、休眠預金等活用事業として『このゆびとまれっず!』をスタートさせました。
『このゆびとまれっず!』は、地域に根差すスポーツクラブとして、社会課題の解決に寄与することが責務であるという考えのもとにスタートさせたプロジェクトであり、コロナ禍で苦しむ生活困窮家庭への支援を目的に、子ども食堂への物資寄贈や、子ども食堂利用家庭向けのイベントの実施、子どもたちへのクリスマスプレゼントの寄贈などを、多くのパートナーに協力を頂きながら実施しました。本プロジェクトは、短期的ではなく中・長期的に取り組んでいくことが重要と考えており、今後とも強力に推進していく考えです。
同様に、社会課題へのアプローチとして『レッズ先生』(さいたま市内公立小学校11校へ男女トップチーム選手を派遣して行う、小学6年生対象の「夢」をテーマにした授業)、市内の公立学校(小学校・中学校・高校・養護学校)95校への選手による『卒業お祝いメッセージ動画』の寄贈や、高校生向け『グローバル講習会』(高校生を対象に、SDGsの一環であるSPORTS FOR PEACE!プロジェクトとして、国際社会における差別問題の紹介や寛容・多様性の重要性について、サッカーなどスポーツを題材にした「グローバル講習会」)などにも取り組みました。
レッズランドについては、台風による被災、新型コロナウイルス感染拡大の影響の後、初の本格的な通年営業が実施できた年度となりました。2021年4月から「総合型地域スポーツクラブ」を設立し、スタート。会員数も増加傾向にあります。また浦和レッズ後援会との協働により、平日利用促進に向けたシニア層のグラウンド利用や、理念協賛型広告看板の販売を進め始めており、新たな収入源の開拓にも取り組んでいます。
アカデミーについては、高校3年生の工藤孝太選手が3月にルヴァンカップでデビューを果たし、5月にはトップチームとプロ契約を締結。また、年代別の日本代表には延べ9人が選出されるなど、タレント発掘とエリート育成を積極的に行いました。浦和レッズを長く支えたレジェンドである阿部勇樹選手が2021シーズンをもって現役を引退し、ユースコーチに就任することで、アカデミーからのエリート育成への期待が一層高まります。
またアカデミー出身の橋岡大樹選手がベルギーのシント・トロイデンに完全移籍し、多額の移籍金をクラブに残したことは、ビジネスの側面におけるアカデミーの一つの成果として捉えています。
レディースチームについては、2020シーズンに監督としてチームをなでしこリーグ優勝に導いた森 栄次が総監督となり、ユース監督であった楠瀬直木が監督に就任しました。これまでの積み重ねのみならず、より一層磨きをかけ、多くの選手が関わり相手を崩していくサッカー、“共鳴して奏でるサッカー”を展開していきたいと考えています。前半戦はケガによる戦線離脱などイレギュラーな局面もありましたが、WEリーグ初代女王を目指し、最後まで全力を尽くしてまいります。なお年度をまたぎましたが、第43回皇后杯で3年連続6回目の決勝進出の末に悲願の初優勝を果たしました。(2022年2月27日)
またレディースユースはJFA 第25回全日本U-18女子サッカー選手権大会で準優勝、ジュニアユースチームはJFA 第26回全日本U-15女子サッカー選手権大会で3位という成績を残しており、スポーツを通じた人間形成を重視しつつ、優秀な選手の育成、ユースチームからトップチームへの選手輩出に取り組んでいます。
2022年度も引き続き厳しい経営環境が続くことが予想されますが、浦和レッズの存在意義は地域の公共財として、「サッカーをはじめとするスポーツの感動や喜びを伝え、スポーツが日常にある文化を育み、次世代に向けて豊かな地域・社会を創っていく」ことにあります。
そのことを継続的に実現していけます様、積極的な施策を織り込んだ経営計画のもと、スタジアムにファン・サポーターの皆さまが戻ってきたいと思っていただける様な取り組みを更に強化し、SNSの活用など新たなファン層の獲得を積極的に行っていきます。
スポーツやサッカーが担う社会的役割や存在意義を常に意識し、チームと事業が一体となり、クラブ全体でこの難局に全力で取り組んでまいります。
2021シーズンのトップチームは、3年計画の2年目として、リカルド ロドリゲス監督新体制のもと、目標である「AFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場権獲得」と、「チームコンセプト、スタイルの浸透・成長」を重点目標に掲げました。
J1リーグでは、優勝した川崎フロンターレとは29ポイント差の勝ち点63(得失点差7)で6位、YBCルヴァンカップでは準決勝で敗退しベスト4となりましたが、天皇杯においては念願の優勝を勝ち取り、その結果ACLへの出場権を獲得できました。目標のひとつを達成できたことは、チームにとり大きな自信となり、2022シーズンの目標である、J1リーグ優勝へ向けた重要な一歩となりました。
またチームコンセプトとスタイルの浸透という目標については、コンセプトベースのチーム編成と評価を行い、能力を最大限に発揮するべくクラブとしての環境作りに努めました。
リカルド監督は、「常に主導権を握り、観る人を魅了するサッカー」を表現しながら、ACL優勝監督になるという野心を抱いており、それをサポートするスタッフ、選手の有能かつ野心あふれる「個」が、いかにパフォーマンスを発揮できる環境を作れるかという点がクラブの課題でした。
攻守に切れ目のない、相手を休ませないプレーの展開という点では、成長できた部分と課題として残った部分があり、特に新戦力も数多く加わった夏以降、ボールを保持し、ゲームの主導権を握り、支配することができた試合が数多くあった一方、相手が守りを固めてきたときの対応策の少なさや、セットプレー(攻守)、ボールを保持するかリスクをかけて速い攻めを仕掛けるかの判断等の課題が浮き彫りになりました。
加えて、『前向き・攻撃的・情熱的なプレー』という「姿勢」の点では成長の余地があり、真のプロフェッショナルとしての凡事徹底に努めています。
2021年度の事業収入については、入場料収入の増加や賞金、移籍金による収入もあり、新型コロナウイルス感染拡大の影響は依然として続いたものの、前期比+1,120百万円の6,891百万円となりました。事業運営費、チーム運営費を合わせた経費は6,142百万円、営業利益は△99百万円となりましたが、経常利益は2百万円、当期純利益は1.5百万円となりました。
入場料収入:微増ながら、引き続き厳しい状況
2020シーズン、新型コロナウイルス感染拡大の影響から、Jリーグにおいて昇降格に関する「特例ルール」が適用された影響で、2021シーズンのJ1リーグは全20チームで行われました。シーズン当初は新型コロナウイルスの収束に伴う収容制限の緩和・撤廃が期待されたものの、前シーズンに引き続き収容制限が長期化し、その影響から入場料収入は厳しい結果となりました。
具体的には、全25試合のうち、収容制限5千人:16試合、同1万人:6試合、同1.5万人(1万人+ワクチンパッケージ5千人):1試合、同3万人(2.4万+ワクチンパッケージ6千人):2試合であり、入場者数(全25試合)は191,398人で入場料収入は626百万円となりました(2020年度は423百万円)。
こうした厳しい状況下において、シーズンチケットに代わって受け付けさせていただいた「REX CLUB LOYALTY会員」のみなさまからは、当初の想定を上回る数の試合が収容制限試合となったことにより発生した会費の払い戻しに対し、数多くのご辞退をお申し出いただきました。
広告料収入:多大なるご支援をいただきました
新型コロナウイルス感染拡大による経営への悪影響から、契約満了を余儀なくされるパートナーもいらっしゃったものの、多くのパートナーにご支援を継続いただいたほか、積極的な営業活動の結果、多くの新規パートナーとの契約を締結することができました。広告料収入は2020シーズン(3,750百万円)より148百万円増加した、3,898百万円となりました。
グッズ収入:企画商品やオンラインショップの活性化施策で収入増
2020シーズンに引き続き、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、オフィシャルショップ「レッドボルテージ」と埼玉スタジアムでの対面販売に回復が見込めない中、EC(オンラインショップ)での販売に注力したほか、月2回の受注(予約)企画を継続的に展開するなどの施策に取り組みました。また、ユニフォーム販売についても、毎月1回、趣向を凝らしたキャンペーンを実施することで、販売枚数増に繋げたほか、11月からは、阿部勇樹選手引退に伴うメモリアルグッズを第4弾まで展開、更には天皇杯優勝の相乗効果もあり、売上841百万円(2020シーズン:814百万円)と期首計画を大きく上回る結果となりました。
事業経費:ホームゲーム試合数増により増加も、適正な削減を実施
事業運営費、チーム運営費を合わせた経費は6,142百万円となりました。2020年度に比べてホームゲーム試合数が大幅に増加(18試合→25試合)したこと等の影響もあり、試合運営費(+132百万円)を中心に経費は全体で346百万円増加しましたが、REX CLUB経費等については適正な削減を行いました。
経常利益、当期純利益、利益余剰金及び純資産
経常利益2百万円、当期純利益1.5百万円となり、2020年度の赤字からわずかながら黒字へと転じることができました。利益剰余金は622百万円、資本金273百万円、資本準備金113百万円と併せ、純資産は1,008百万円でいずれも2020年度末とほぼ同水準を維持しています。
クラブの取り組みについて
2020年度に引き続き、2021年度も新型コロナウイルス感染予防対応に尽力した一年となりました。
ホームゲームにおきましては、Jリーグの「新型コロナウイルス感染症ガイドライン」に則り、感染拡大に最大限の注意を払い開催いたしました。検温や手指消毒、ソーシャルディスタンスの確保、換気、ゾーン分けによる人流制限等、ご来場のみなさまには様々な点において、多大なるご不便をお掛けしましたが、2021シーズンはホーム最終戦までに「191,398人」のファン・サポーターをお迎えし、全ての試合を無事に終えることができました。
2020年度からスタートした埼玉スタジアム2002公園の指定管理業務を通じて、ホームゲームに来場するファン・サポーターの満足度を向上させるべく、飲食売店におけるモバイルオーダーの試験導入など、新しいサービスにも着手しており、「地域に開かれたスタジアム」の実現により一層取り組んでまいります。
また新型コロナウイルス感染拡大の影響により多くの事業活動に悪影響が生じる中、環境変化に対応しつつ新たな時代におけるスポーツエンターテインメントビジネスの在り方を模索し、様々な新規事業にも取り組みました。
具体的には、「さいたまと世界をつなぐ窓になる」を理念に、そして「あらゆる分野でアジアナンバー1になる」をビジョンに掲げるクラブとして、アジア圏でのプレゼンス向上等を目的として締結したタイリーグ1所属ムアントン ユナイテッド(Muangthong United Football Club)とのパートナーシップや、5GやIoTなどの先端テクノロジーを用いたスタジアムでの新たな観戦サービスの提供を通じて、誰もが楽しめるスタジアム作りを目指したKDDI株式会社との業務提携、及び同提携に基づく浦和レッズドキュメンタリー映像「REDS 2021 -REAL-」などの取り組みを行い、大きな反響をいただきました。
更に、補助金事業、スポーツ庁再開支援事業(3次公募申請)において、感染症対策及び集客のための広報事業に取り組んだほか、休眠預金等活用事業として『このゆびとまれっず!』をスタートさせました。
『このゆびとまれっず!』は、地域に根差すスポーツクラブとして、社会課題の解決に寄与することが責務であるという考えのもとにスタートさせたプロジェクトであり、コロナ禍で苦しむ生活困窮家庭への支援を目的に、子ども食堂への物資寄贈や、子ども食堂利用家庭向けのイベントの実施、子どもたちへのクリスマスプレゼントの寄贈などを、多くのパートナーに協力を頂きながら実施しました。本プロジェクトは、短期的ではなく中・長期的に取り組んでいくことが重要と考えており、今後とも強力に推進していく考えです。
同様に、社会課題へのアプローチとして『レッズ先生』(さいたま市内公立小学校11校へ男女トップチーム選手を派遣して行う、小学6年生対象の「夢」をテーマにした授業)、市内の公立学校(小学校・中学校・高校・養護学校)95校への選手による『卒業お祝いメッセージ動画』の寄贈や、高校生向け『グローバル講習会』(高校生を対象に、SDGsの一環であるSPORTS FOR PEACE!プロジェクトとして、国際社会における差別問題の紹介や寛容・多様性の重要性について、サッカーなどスポーツを題材にした「グローバル講習会」)などにも取り組みました。
レッズランドについては、台風による被災、新型コロナウイルス感染拡大の影響の後、初の本格的な通年営業が実施できた年度となりました。2021年4月から「総合型地域スポーツクラブ」を設立し、スタート。会員数も増加傾向にあります。また浦和レッズ後援会との協働により、平日利用促進に向けたシニア層のグラウンド利用や、理念協賛型広告看板の販売を進め始めており、新たな収入源の開拓にも取り組んでいます。
アカデミーについては、高校3年生の工藤孝太選手が3月にルヴァンカップでデビューを果たし、5月にはトップチームとプロ契約を締結。また、年代別の日本代表には延べ9人が選出されるなど、タレント発掘とエリート育成を積極的に行いました。浦和レッズを長く支えたレジェンドである阿部勇樹選手が2021シーズンをもって現役を引退し、ユースコーチに就任することで、アカデミーからのエリート育成への期待が一層高まります。
またアカデミー出身の橋岡大樹選手がベルギーのシント・トロイデンに完全移籍し、多額の移籍金をクラブに残したことは、ビジネスの側面におけるアカデミーの一つの成果として捉えています。
レディースチームについては、2020シーズンに監督としてチームをなでしこリーグ優勝に導いた森 栄次が総監督となり、ユース監督であった楠瀬直木が監督に就任しました。これまでの積み重ねのみならず、より一層磨きをかけ、多くの選手が関わり相手を崩していくサッカー、“共鳴して奏でるサッカー”を展開していきたいと考えています。前半戦はケガによる戦線離脱などイレギュラーな局面もありましたが、WEリーグ初代女王を目指し、最後まで全力を尽くしてまいります。なお年度をまたぎましたが、第43回皇后杯で3年連続6回目の決勝進出の末に悲願の初優勝を果たしました。(2022年2月27日)
またレディースユースはJFA 第25回全日本U-18女子サッカー選手権大会で準優勝、ジュニアユースチームはJFA 第26回全日本U-15女子サッカー選手権大会で3位という成績を残しており、スポーツを通じた人間形成を重視しつつ、優秀な選手の育成、ユースチームからトップチームへの選手輩出に取り組んでいます。
2022年度も引き続き厳しい経営環境が続くことが予想されますが、浦和レッズの存在意義は地域の公共財として、「サッカーをはじめとするスポーツの感動や喜びを伝え、スポーツが日常にある文化を育み、次世代に向けて豊かな地域・社会を創っていく」ことにあります。
そのことを継続的に実現していけます様、積極的な施策を織り込んだ経営計画のもと、スタジアムにファン・サポーターの皆さまが戻ってきたいと思っていただける様な取り組みを更に強化し、SNSの活用など新たなファン層の獲得を積極的に行っていきます。
スポーツやサッカーが担う社会的役割や存在意義を常に意識し、チームと事業が一体となり、クラブ全体でこの難局に全力で取り組んでまいります。
クラブ収支状況(単位・百万円)
2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | |
---|---|---|---|---|---|
営業収入 | 7,971 | 7,549 | 8,218 | 5,771 | 6,891 |
入場料収入 | 2,337 | 1,923 | 2,300 | 423 | 626 |
広告料収入 | 3,193 | 3,226 | 3,841 | 3,750 | 3,898 |
グッズ収入 | 813 | 954 | 903 | 814 | 841 |
Jリーグ分配金(※1) | 536 | 389 | 468 | 400 | 471 |
その他(※1) | 1,092 | 1,057 | 706 | 384 | 1,055 |
営業費用(※2) | 7,415 | 7,540 | 8,082 | 6,539 | 6,990 |
事業費用 | 6,544 | 6,694 | 7,171 | 5,796 | 6,142 |
事業運営費 | 3,141 | 2,835 | 3,180 | 2,083 | 2,293 |
チーム運営費 | 3,403 | 3,859 | 3,991 | 3,713 | 3,849 |
(うち選手・監督・コーチ報酬) | (2,644) | (3,108) | (3,228) | (3,119) | (3,089) |
一般管理費 | 871 | 846 | 911 | 743 | 848 |
営業利益 | 556 | 9 | 135 | -768 | -99 |
経常利益 | 536 | 32 | 139 | -599 | 2 |
当期純利益 | 331 | 39 | 62 | -612 | 2 |
- 記載金額は百万円未満を四捨五入して表示しています。
- (※1)「その他」には選手移籍関連収入、出場料、出演料、スクール会費収入、育成(アカデミー)関連収入等が含まれています。
- (※2)営業費用の主な内訳は次頁の参考情報のとおりです。
(参考情報)営業費用の主な内訳(単位:百万円)
事業運営費 | 2,293 | |
スタジアム運営関係費 | 645 | 「試合関連経費[スタジアム使用料、警備費、運営設営費]」、チケット手数料、広告宣伝費、JFA納付金、イベント費ほか |
広告料関係費 | 662 | バーター取引相当分、レッズランド向け広告宣伝費、広告代理店手数料、業務委託費ほか |
グッズ関係費・その他事業費 | 882 | 商品原価、グッズ運営管理費、REX CLUB活動費、広報活動費ほか |
ホームタウン関係費用 | 104 | レディース活動費、ホームタウン活動費、ハートフル活動費 |
チーム運営費 | 3,849 | |
選手・監督・コーチ報酬 | 3,089 | 選手と指導者の報酬の総額(育成、レディース等含む) |
トップチーム運営経費 | 552 | 移動関連費、施設関連費、寮関連費、代理人手数料ほか |
育成(アカデミー)運営経費 | 87 | 移動関連費、施設関連費ほか |
レディースチーム運営経費 | 121 | 移動関連費、施設関連費ほか |
一般管理費 | 848 | 労務費、各種賃借料、業務委託費、Jリーグ年会費ほか |
クラブ財産状況(単位・百万円)
2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | |
---|---|---|---|---|---|
総資産 | 3,136 | 3,180 | 3,141 | 2,995 | 2,875 |
総負債 | 1,619 | 1,623 | 1,522 | 1,988 | 1,867 |
純資産 | 1,518 | 1,557 | 1,619 | 1,007 | 1,008 |
資本金/資本準備金 | 386 | 386 | 386 | 386 | 386 |
- 記載金額は百万円未満を四捨五入して表示しています。
クラブその他指標
2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | |
---|---|---|---|---|---|
J1リーグ年間順位 | 7位 | 5位 | 14位 | 10位 | 6位 |
YBCルヴァンカップカップ成績 | 準々決勝 | プレーオフ ステージ | 準々決勝 | グループ ステージ | ベスト4 |
天皇杯成績 | ラウンド16 | 優勝 | ラウンド16 | 優勝 | |
AFCチャンピオンズリーグ (ACL)成績 | 優勝 | 準優勝 | |||
FIFAクラブワールドカップ (FCWC)成績 | 5位 | ||||
J1リーグ入場者数(人) | 570,215 | 603,534 | 581,135 | 133,780 | 156,636 |
J1リーグ平均入場者数(人) | 33,542 | 35,502 | 34,184 | 7,869 | 8,244 |
主催試合入場者数(人) | 801,401 | 681,585 | 802,786 | 153,369 | 191,398 |
J1全クラブ平均年間収入 (百万円) | 4,082 | 4,755 | 4,951 | 3,890 | |
J1全クラブ平均入場料収入 (百万円) | 804 | 804 | 926 | 324 | |
J1リーグ全クラブ 平均入場者数(人) | 18,883 | 19,064 | 20,751 | 5,796 |
- 「主催試合入場者数」はJリーグ、カップ戦等主催試合の合計です