NEWS
浦和レッズ2022年度経営情報の開示について
本日開催の定時株主総会において、2022年度の事業収支が承認されましたので、お知らせいたします。
2022シーズンのトップチームは、FUJIFILM SUPER CUP優勝、そしてACL2022決勝進出を果たしたものの、3年計画の3年目として優勝を目標に掲げたJ1リーグでは、目標を大きく下回る9位という結果に終わりました。
シーズンを通じて好不調の波が激しく、高いチームパフォーマンスを安定的に発揮することができなかったことがその要因であると考えており、34試合中15試合が引分けという結果からも、殊更に攻守における1点の重みを実感したシーズンでした。
得点はリーグで4番目に多かったものの、得点源としての期待を込めて獲得した外国籍選手の入国遅れや入国直後の怪我等も影響し、シーズンを通してフォワードが定まらない中、コンビネーションや決定力不足に陥りチームとして十分なパフォーマンスを発揮することができませんでした。また失点はリーグで5番目に少なかったものの、時おり連続失点を喫するなど精神面等に課題が残りました。
土田SDと西野TDを中心に、クラブ主導のチームコンセプトに沿ったチームづくりを行う中で、ACLのノックアウトステージなど、適宜分析、評価をチームへフィードバックすることで復調させることができた場面も見られた一方、リーグ終盤など、チーム自体の纏まりが欠けている場面も見受けられました。こうした不安定な状態を脱するべく、シーズン中にも様々な試みに尽力いたしましたが、最終的にはクラブが志向するチームコンセプトにより合致した新たな監督を、2023シーズンに向けて招聘するという決断に至りました。
2022年度の事業収入につきましては、コロナ禍による入場制限等が継続されたことにより入場料収入が想定通りの伸長とはならなかったものの、シーズン中の段階的な入場制限緩和の影響もあり前期比+813百万円となりました。
そのほか、パートナー収入(RBC、プレシーズンマッチ協賛含む)が同比+150百万円、商品販売(EC及びスタジアム)が同比+278百万円等となり、2022 年度の事業収入合計は、同比+1,236百万円の8,127百万円となりました。
事業運営費、チーム運営費を合わせた経費は6,917百万円、営業利益は427百万円、経常利益は492百万円、当期純利益は412百万円となっております。
入場料収入:回復傾向ながら、コロナ禍の影響が色濃く残った一年
コロナ禍3年目も各種制限が課された状態で開幕を迎え、夏以降、一部制限付きではあったものの声出し応援が再開となりましたが、来場者数は思うように伸びませんでした。
前年に比べ入場者数は増え、2022シーズンJ1リーグのホームゲーム平均入場者数においてもリーグ最多を記録したものの、来場者数が3万人を超える試合は3試合にとどまるなど、従来レベルの入場者数への回復とはなりませんでした。
Jリーグ リーグ戦およびカップ戦全19試合の総入場者数は451,823人でチケット収入は1,439百万円となりました(2021年度は626百万円)。
広告料収入:過去最大のパートナー協賛収入
2022年度においても、コロナ禍による経営への悪影響から契約満了を余儀なくされるパートナーもいらっしゃったものの、多くのパートナーのみなさまにご支援を継続いただいたほか、新規パートナー獲得に向けた積極的な営業活動の成果もあり、パートナー協賛収入は2021年度(3,898百万円)より約150百万円増加し、4,048百万円と過去最大のパートナー収入となりました。
グッズ収入:過去3番目の商品販売収入
商品販売は売上1,119百万円(前年比133.1%)と、大幅増となりました(内訳:スタジアム販売160%、EC122%、レッドボルテージ103%)。売上1,000百万円を超えたのは2008年以来であり、2006年(1,253百万円)、2007年(1,246百万円)に次ぐ過去3番目の売上となります。
スタジアム販売は、入場制限の緩和に連動して徐々に販売機会を増やし、コロナ禍で販売を伸ばしていたECは記念アイテムや選手プロデュース商品を充実させることで売上を保ったことで、収入を伸長させることができました。
事業経費:ACLノックアウトステージやプレシーズンマッチを運営
チームへのサポートとして、クラブ一丸となりACLノックアウトステージの埼玉開催の運営を担い、運営委託費用として25百万の収入を得たほか、プレシーズンマッチ2試合(パリ・サンジェルマン戦、さいたまシティカップ フランクフルト戦)では約165百万円(うち運営委託15百万円)の収入を得ました。
また埼玉スタジアム来場者へのホスピタリティ向上などを目的とした埼玉スタジアム指定管理事業においても、指定管理者の自主事業収入となる飲食売店委託、ホームゲーム設営業務、常設看板広告収入、自主事業イベントによる収入の一部をホームゲーム設営備品の購入など、スタジアムへの投資に活用しております。
そのほか、Jリーグ2022年クラブ向け海外事業活動助成金を活用し、提携先であるタイ・リーグ1所属のムアントン・ユナイテッド(Muangthong United Football Club)へのトップチーム若手選手の派遣やユースチームのミニトーナメント(協賛企業名を冠称してMitsubishi Heavy Industriesカップと命名)を開催するなど、補助金事業にも積極的に取り組みました。
経常利益、当期純利益、利益余剰金及び純資産
経常利益492百万円、当期純利益412百万円となり、コロナ禍で低迷した過去2年間と比較すると、大幅に回復させることができました。
また、利益剰余金は920百万円となり、資本金273百万円、資本準備金113百万円と併せ、純資産は1,305百万円となり、コロナ禍前の水準に回復しております。
クラブの取り組みについて
2022年3月10日に浦和レッズは設立30周年を迎えました。
「サッカーのまち」浦和に誕生したクラブとして、埼玉スタジアムがある浦和美園地区など、さいたま市全域をホームタウンとするクラブとして、そして何よりも社会の一員として、浦和レッズの活動理念に謳っております宣言、「浦和レッズは、サッカーをはじめとするスポーツの感動や喜びを伝え、スポーツが日常にある文化を育み、次世代に向けて豊かな地域・社会を創っていきます。」をどう実現していくのかということを、クラブスタッフ一同が改めて深く考え直す一年となりました。
2022年度もこれまでと同様、その課題に対して思考錯誤しながら愚直に取り組んでまいりましたが、こうして2022年度を振り返る上で絶対に触れなくてはならない事案として、スタジアムで発生した複数の「Jリーグ新型コロナウイルス感染症対応ガイドライン」への違反行為と、それに関連したクラブの対応について、Jリーグから懲罰措置(けん責、制裁金20百万円)が適用された事案があります。
私たち浦和レッズは、この事案から今一度、自分たちのあるべき姿や目指すべき姿を考え直し、地域、社会、そして次世代を担う子供たちの未来と誠実に向き合うことで、中長期的に豊かな地域、社会創りに取り組んでまいりたく考えております。
そうした考えに基づく、2022年度の主な取り組みを以下に記載させていただきます。
レッズランドの活動
新規事業として、浦和レッズ後援会様との協働事業「育みパートナー事業」に着手したほか、一般ご利用者向けの施設貸出し、およびスクール事業等により収入が好転し、損益は黒字となりました。また2021年度から開始した総合型地域スポーツクラブの会員数は、計6種目74人となり、堅調に推移しております。レッズランドは、総合型地域スポーツクラブの展開のほか、地域スポーツ文化の一助を担う活動として、サッカー以外のスポーツにも積極的に取り組んでおります。
アカデミーの活動
トップチームと同じフィロソフィーの下、コンセプトや具体的な目標値を定めて活動しております。現状、関根貴大、伊藤敦樹、荻原拓也、鈴木彩艶がトップチーム公式戦に出場しているほか、2023シーズンからは堀内陽太もユースチームから昇格しております。しかしながら、トップチームが継続的に優勝争いをするためにはアカデミーからの底上げが重要になる、という考えに基づきますと昇格選手の数は決して多いとは言えず、「良い指導者、良い選手、良い環境」の3要素において、今以上のレベルアップを図ってまいります。
浦和レッズレディースの活動
主力選手の負傷による長期離脱などもありましたが、若手選手が成長する機会にも繋がっており、チーム力の底上げにも繋がっています。皇后杯においては連覇を逃したものの、リーグ開幕前のWEリーグカップ初代タイトルを獲得し、WEリーグ初優勝を目指してまいります。またアカデミーでは、スポーツを通じた人間形成を重視しながら優秀な選手の育成に努めており、トップチームへの選手輩出に加え、世代別日本女子代表にも複数の選手が選出されております。
浦和の女子サッカーの歴史を紡いでいけるよう、プレーを通じて広く女子サッカーの魅力を伝え、地域のみなさまに愛されるチームを目指してまいります。
「美園スタジアムタウンビジョン2050」に参画
浦和レッズが本社を構える浦和美園地区において、浦和レッズが参画する「美園スタジアムタウン憲章」のもと、「スポーツ、健康、環境・エネルギー」の観点からの街づくりをすすめております。2022年3月には長期を見据えた指針として、みその都市デザイン協議会および美園タウンマネジメント協会が、「美園スタジアムタウンビジョン2050」を策定・公表いたしました。埼玉スタジアムを核とした「スポーツ・健康文化の育成」「健康増進」などが方針に盛り込まれており、浦和レッズも中核的な参画者の一員として取り組んでおります。
埼玉スタジアム指定管理事業を推進
2020年にスタートした埼玉スタジアム2002公園の指定管理業務は、浦和レッズのホームゲームに来場されるファン・サポーターのみなさまの満足度向上を目的に、選手とのコラボメニューの販売、バックスタンド3Fエリアの「埼スタ横丁」への刷新などをおこなったほか、自主事業イベントとして、「浦和レッズ×パンのフェス」やスタジアム場内を使った謎解きイベントなどを含む「埼スタAutumn Festival」を開催しました。また、年末には「地域に開かれたスタジアム」をテーマに例年実施している「みんなの埼スタクリスマス」にて、もみの木広場のイルミネーション装飾を行いました。
浦和学院高等学校(学校法人明星学園)と業務提携を締結
浦和レッズと浦和学院高等学校(学校法人明星学園)は、業務提携を締結しました。浦和美園地区を拠点に活動しているという共通点を持ち、これまでも毎年2,000人の同校生徒を対象に『差別撲滅に関する人権教育』や観戦学習会を実施してきました。今後は従来の取り組みに加え、スポーツ、教育、文化などの面における地域貢献活動のうち、両者が合意したものを順次実施していく予定です。
「このゆびとまれっず!」の活動を拡大
2021年にスタートした、地域課題の解決に向けたアクションプログラム「このゆびとまれっず!」の活動の輪を、これまで以上に多くの支援者、賛同者のみなさまとともに拡大させております。2022年度の具体的な活動としましては「ハートフルケア」(子ども食堂を利用するご家族をスタジアムへご招待し、ハートフルサッカー体験や試合観戦体験などを提供するプログラム)や「REDS Santa」(さいたま市内を中心とした子ども食堂へ、浦和レッズパートナーをはじめとした協力団体から募った寄贈品をお届けするプログラム)」を継続させるとともに、ファン・サポーターのみなさまにもご参画いただける新たな活動として、共同募金会様との協働で「このゆびとまれっず!×赤い羽根」募金活動を立ち上げました。
「浦和レッズハートフルミーティング2022」を開催
「こどもたちの心をはぐくむ」取り組みを継続している浦和レッズハートフルクラブが、パートナー、自治体などから多数ご参加をいただく形で「浦和レッズハートフルミーティング2022」を開催いたしました。ハートフルクラブをご支援くださる企業・団体のみなさまに、ハートフルクラブの活動報告とともに、より深い相互理解を醸成する事を目的に毎年開催されてきた本会ですが、コロナ禍の影響を受け過去2回はオンラインでの実施となっており、直接顔を合わせる形での実施は3年ぶりとなりました。なお、20年目を迎えたハートフルクラブはこれまでに10,314回、延べ114万人の方々と共に、サッカーを通じたふれあいを行っております。
さいたまサッカーフェスタ2022開催
さいたま市に拠点を置くJリーグ2クラブが共同でサッカーの魅力を伝える、「さいたまサッカーフェスタ2002」を3年ぶりに開催いたしました。障がい者サッカー体験会として3種目(ブラインド、ロービジョン、アンプティ)を紹介したほか、現役・OB選手とウォーキングサッカーで対戦するという企画も催され、メインイベントとして浦和レッズ vs 大宮アルディージャのOBスペシャルマッチが行われました。
阿部勇樹引退試合
2021シーズンをもって現役を引退した阿部勇樹(現ユースコーチ)の引退試合を埼玉スタジアム2002にて開催しました。試合はACL優勝メンバーで構成された『URAWA ASIAN KINGS』と、アテネ五輪・日本代表・ジェフ千葉で阿部と共闘した『JEF・JAPAN FRIENDS』が対戦し、24,714人のファン・サポーターのみなさまにご観戦いただきました。
フランクフルトとのパートナーシップ締結およびビジネスフォーラムを開催
浦和レッズとアイントラハト・フランクフルトは、クラブ間提携の覚書を締結いたしました。本提携の主な内容・目的は、「スポーツとビジネスを通じた国際交流」、「デジタル・トランスフォーメーション(DX)戦略とスタジアム運営」、「コンテンツ、コミュニティ、ツアーなどを通じたクラブ間コラボレーション」、「環境・社会課題解決に向けた取り組み」、「パートナー企業間の交流、事業開発等の新たなビジネス機会の検討」の5つとなっています。さいたまシティカップの開催に際してはクラブ間提携の記念会見、セレモニー、SDGs関連の取り組みに関する協議を行ったほか、日独スポーツ界におけるDX化等をテーマとしたビジネス交流イベント「NIPPON-FORUM」を開催し、パネルディスカッションや意見交換等を実施しました。
ムアントン・ユナイテッドとのパートナーシップを推進
2021年にクラブ間提携を行ったタイ・リーグ1に所属するムアントン ユナイテッド(Muangthong United Football Club)とのパートナーシップの一環で、各種交流を行いました。
ハートフルサッカーinアジア2022(タイ・バンコク)としてムアントン・ユナイテッド協力の下バンコク近郊の小学校等にてスクールを開催したほか、トップチーム若手選手の強化を目的に、浦和レッズ選手2名がムアントン ユナイテッドのトレーニングに参加。またアカデミー間の交流として、ムアントン・ユナイテッドU-14 ユースチームと共同キャンプを実施し、現地にて開催されたU14大会Mitsubishi Heavy Industries Cupに出場し、優勝を果たしました。
パートナーとファン・サポーターのみなさまとを繋ぐ「Partners PLAZA」を開設
パートナーの商品をファン・サポーターのみなさまにご購入いただけるウェブサイトを、浦和レッズの公式ホームページ内に開設いたしました。パートナーの商品を購入いただくと、売り上げの一部が浦和レッズへの支援金となる仕組みになっており、パートナー、ファン・サポーターと浦和レッズをお繋ぎする新たな取り組みです。
2023年度は、上位クラブへのJリーグ理念強化配分金増が適用されることなどから、経費削減や費用項目の精査は継続しながらも、成長・収入増を志向してまいります。
特に、コロナ禍の影響によって積極的に実施することができなかった各種施策を、パートナーを始めとしたステークホルダーのみなさまとの連携も行いつつ実施することで、浦和レッズの目指す姿である「安全・快適で熱気ある満員のスタジアム」の実現に邁進してまいります。
2022シーズンのトップチームは、FUJIFILM SUPER CUP優勝、そしてACL2022決勝進出を果たしたものの、3年計画の3年目として優勝を目標に掲げたJ1リーグでは、目標を大きく下回る9位という結果に終わりました。
シーズンを通じて好不調の波が激しく、高いチームパフォーマンスを安定的に発揮することができなかったことがその要因であると考えており、34試合中15試合が引分けという結果からも、殊更に攻守における1点の重みを実感したシーズンでした。
得点はリーグで4番目に多かったものの、得点源としての期待を込めて獲得した外国籍選手の入国遅れや入国直後の怪我等も影響し、シーズンを通してフォワードが定まらない中、コンビネーションや決定力不足に陥りチームとして十分なパフォーマンスを発揮することができませんでした。また失点はリーグで5番目に少なかったものの、時おり連続失点を喫するなど精神面等に課題が残りました。
土田SDと西野TDを中心に、クラブ主導のチームコンセプトに沿ったチームづくりを行う中で、ACLのノックアウトステージなど、適宜分析、評価をチームへフィードバックすることで復調させることができた場面も見られた一方、リーグ終盤など、チーム自体の纏まりが欠けている場面も見受けられました。こうした不安定な状態を脱するべく、シーズン中にも様々な試みに尽力いたしましたが、最終的にはクラブが志向するチームコンセプトにより合致した新たな監督を、2023シーズンに向けて招聘するという決断に至りました。
2022年度の事業収入につきましては、コロナ禍による入場制限等が継続されたことにより入場料収入が想定通りの伸長とはならなかったものの、シーズン中の段階的な入場制限緩和の影響もあり前期比+813百万円となりました。
そのほか、パートナー収入(RBC、プレシーズンマッチ協賛含む)が同比+150百万円、商品販売(EC及びスタジアム)が同比+278百万円等となり、2022 年度の事業収入合計は、同比+1,236百万円の8,127百万円となりました。
事業運営費、チーム運営費を合わせた経費は6,917百万円、営業利益は427百万円、経常利益は492百万円、当期純利益は412百万円となっております。
入場料収入:回復傾向ながら、コロナ禍の影響が色濃く残った一年
コロナ禍3年目も各種制限が課された状態で開幕を迎え、夏以降、一部制限付きではあったものの声出し応援が再開となりましたが、来場者数は思うように伸びませんでした。
前年に比べ入場者数は増え、2022シーズンJ1リーグのホームゲーム平均入場者数においてもリーグ最多を記録したものの、来場者数が3万人を超える試合は3試合にとどまるなど、従来レベルの入場者数への回復とはなりませんでした。
Jリーグ リーグ戦およびカップ戦全19試合の総入場者数は451,823人でチケット収入は1,439百万円となりました(2021年度は626百万円)。
広告料収入:過去最大のパートナー協賛収入
2022年度においても、コロナ禍による経営への悪影響から契約満了を余儀なくされるパートナーもいらっしゃったものの、多くのパートナーのみなさまにご支援を継続いただいたほか、新規パートナー獲得に向けた積極的な営業活動の成果もあり、パートナー協賛収入は2021年度(3,898百万円)より約150百万円増加し、4,048百万円と過去最大のパートナー収入となりました。
グッズ収入:過去3番目の商品販売収入
商品販売は売上1,119百万円(前年比133.1%)と、大幅増となりました(内訳:スタジアム販売160%、EC122%、レッドボルテージ103%)。売上1,000百万円を超えたのは2008年以来であり、2006年(1,253百万円)、2007年(1,246百万円)に次ぐ過去3番目の売上となります。
スタジアム販売は、入場制限の緩和に連動して徐々に販売機会を増やし、コロナ禍で販売を伸ばしていたECは記念アイテムや選手プロデュース商品を充実させることで売上を保ったことで、収入を伸長させることができました。
事業経費:ACLノックアウトステージやプレシーズンマッチを運営
チームへのサポートとして、クラブ一丸となりACLノックアウトステージの埼玉開催の運営を担い、運営委託費用として25百万の収入を得たほか、プレシーズンマッチ2試合(パリ・サンジェルマン戦、さいたまシティカップ フランクフルト戦)では約165百万円(うち運営委託15百万円)の収入を得ました。
また埼玉スタジアム来場者へのホスピタリティ向上などを目的とした埼玉スタジアム指定管理事業においても、指定管理者の自主事業収入となる飲食売店委託、ホームゲーム設営業務、常設看板広告収入、自主事業イベントによる収入の一部をホームゲーム設営備品の購入など、スタジアムへの投資に活用しております。
そのほか、Jリーグ2022年クラブ向け海外事業活動助成金を活用し、提携先であるタイ・リーグ1所属のムアントン・ユナイテッド(Muangthong United Football Club)へのトップチーム若手選手の派遣やユースチームのミニトーナメント(協賛企業名を冠称してMitsubishi Heavy Industriesカップと命名)を開催するなど、補助金事業にも積極的に取り組みました。
経常利益、当期純利益、利益余剰金及び純資産
経常利益492百万円、当期純利益412百万円となり、コロナ禍で低迷した過去2年間と比較すると、大幅に回復させることができました。
また、利益剰余金は920百万円となり、資本金273百万円、資本準備金113百万円と併せ、純資産は1,305百万円となり、コロナ禍前の水準に回復しております。
クラブの取り組みについて
2022年3月10日に浦和レッズは設立30周年を迎えました。
「サッカーのまち」浦和に誕生したクラブとして、埼玉スタジアムがある浦和美園地区など、さいたま市全域をホームタウンとするクラブとして、そして何よりも社会の一員として、浦和レッズの活動理念に謳っております宣言、「浦和レッズは、サッカーをはじめとするスポーツの感動や喜びを伝え、スポーツが日常にある文化を育み、次世代に向けて豊かな地域・社会を創っていきます。」をどう実現していくのかということを、クラブスタッフ一同が改めて深く考え直す一年となりました。
2022年度もこれまでと同様、その課題に対して思考錯誤しながら愚直に取り組んでまいりましたが、こうして2022年度を振り返る上で絶対に触れなくてはならない事案として、スタジアムで発生した複数の「Jリーグ新型コロナウイルス感染症対応ガイドライン」への違反行為と、それに関連したクラブの対応について、Jリーグから懲罰措置(けん責、制裁金20百万円)が適用された事案があります。
私たち浦和レッズは、この事案から今一度、自分たちのあるべき姿や目指すべき姿を考え直し、地域、社会、そして次世代を担う子供たちの未来と誠実に向き合うことで、中長期的に豊かな地域、社会創りに取り組んでまいりたく考えております。
そうした考えに基づく、2022年度の主な取り組みを以下に記載させていただきます。
レッズランドの活動
新規事業として、浦和レッズ後援会様との協働事業「育みパートナー事業」に着手したほか、一般ご利用者向けの施設貸出し、およびスクール事業等により収入が好転し、損益は黒字となりました。また2021年度から開始した総合型地域スポーツクラブの会員数は、計6種目74人となり、堅調に推移しております。レッズランドは、総合型地域スポーツクラブの展開のほか、地域スポーツ文化の一助を担う活動として、サッカー以外のスポーツにも積極的に取り組んでおります。
アカデミーの活動
トップチームと同じフィロソフィーの下、コンセプトや具体的な目標値を定めて活動しております。現状、関根貴大、伊藤敦樹、荻原拓也、鈴木彩艶がトップチーム公式戦に出場しているほか、2023シーズンからは堀内陽太もユースチームから昇格しております。しかしながら、トップチームが継続的に優勝争いをするためにはアカデミーからの底上げが重要になる、という考えに基づきますと昇格選手の数は決して多いとは言えず、「良い指導者、良い選手、良い環境」の3要素において、今以上のレベルアップを図ってまいります。
浦和レッズレディースの活動
主力選手の負傷による長期離脱などもありましたが、若手選手が成長する機会にも繋がっており、チーム力の底上げにも繋がっています。皇后杯においては連覇を逃したものの、リーグ開幕前のWEリーグカップ初代タイトルを獲得し、WEリーグ初優勝を目指してまいります。またアカデミーでは、スポーツを通じた人間形成を重視しながら優秀な選手の育成に努めており、トップチームへの選手輩出に加え、世代別日本女子代表にも複数の選手が選出されております。
浦和の女子サッカーの歴史を紡いでいけるよう、プレーを通じて広く女子サッカーの魅力を伝え、地域のみなさまに愛されるチームを目指してまいります。
「美園スタジアムタウンビジョン2050」に参画
浦和レッズが本社を構える浦和美園地区において、浦和レッズが参画する「美園スタジアムタウン憲章」のもと、「スポーツ、健康、環境・エネルギー」の観点からの街づくりをすすめております。2022年3月には長期を見据えた指針として、みその都市デザイン協議会および美園タウンマネジメント協会が、「美園スタジアムタウンビジョン2050」を策定・公表いたしました。埼玉スタジアムを核とした「スポーツ・健康文化の育成」「健康増進」などが方針に盛り込まれており、浦和レッズも中核的な参画者の一員として取り組んでおります。
埼玉スタジアム指定管理事業を推進
2020年にスタートした埼玉スタジアム2002公園の指定管理業務は、浦和レッズのホームゲームに来場されるファン・サポーターのみなさまの満足度向上を目的に、選手とのコラボメニューの販売、バックスタンド3Fエリアの「埼スタ横丁」への刷新などをおこなったほか、自主事業イベントとして、「浦和レッズ×パンのフェス」やスタジアム場内を使った謎解きイベントなどを含む「埼スタAutumn Festival」を開催しました。また、年末には「地域に開かれたスタジアム」をテーマに例年実施している「みんなの埼スタクリスマス」にて、もみの木広場のイルミネーション装飾を行いました。
浦和学院高等学校(学校法人明星学園)と業務提携を締結
浦和レッズと浦和学院高等学校(学校法人明星学園)は、業務提携を締結しました。浦和美園地区を拠点に活動しているという共通点を持ち、これまでも毎年2,000人の同校生徒を対象に『差別撲滅に関する人権教育』や観戦学習会を実施してきました。今後は従来の取り組みに加え、スポーツ、教育、文化などの面における地域貢献活動のうち、両者が合意したものを順次実施していく予定です。
「このゆびとまれっず!」の活動を拡大
2021年にスタートした、地域課題の解決に向けたアクションプログラム「このゆびとまれっず!」の活動の輪を、これまで以上に多くの支援者、賛同者のみなさまとともに拡大させております。2022年度の具体的な活動としましては「ハートフルケア」(子ども食堂を利用するご家族をスタジアムへご招待し、ハートフルサッカー体験や試合観戦体験などを提供するプログラム)や「REDS Santa」(さいたま市内を中心とした子ども食堂へ、浦和レッズパートナーをはじめとした協力団体から募った寄贈品をお届けするプログラム)」を継続させるとともに、ファン・サポーターのみなさまにもご参画いただける新たな活動として、共同募金会様との協働で「このゆびとまれっず!×赤い羽根」募金活動を立ち上げました。
「浦和レッズハートフルミーティング2022」を開催
「こどもたちの心をはぐくむ」取り組みを継続している浦和レッズハートフルクラブが、パートナー、自治体などから多数ご参加をいただく形で「浦和レッズハートフルミーティング2022」を開催いたしました。ハートフルクラブをご支援くださる企業・団体のみなさまに、ハートフルクラブの活動報告とともに、より深い相互理解を醸成する事を目的に毎年開催されてきた本会ですが、コロナ禍の影響を受け過去2回はオンラインでの実施となっており、直接顔を合わせる形での実施は3年ぶりとなりました。なお、20年目を迎えたハートフルクラブはこれまでに10,314回、延べ114万人の方々と共に、サッカーを通じたふれあいを行っております。
さいたまサッカーフェスタ2022開催
さいたま市に拠点を置くJリーグ2クラブが共同でサッカーの魅力を伝える、「さいたまサッカーフェスタ2002」を3年ぶりに開催いたしました。障がい者サッカー体験会として3種目(ブラインド、ロービジョン、アンプティ)を紹介したほか、現役・OB選手とウォーキングサッカーで対戦するという企画も催され、メインイベントとして浦和レッズ vs 大宮アルディージャのOBスペシャルマッチが行われました。
阿部勇樹引退試合
2021シーズンをもって現役を引退した阿部勇樹(現ユースコーチ)の引退試合を埼玉スタジアム2002にて開催しました。試合はACL優勝メンバーで構成された『URAWA ASIAN KINGS』と、アテネ五輪・日本代表・ジェフ千葉で阿部と共闘した『JEF・JAPAN FRIENDS』が対戦し、24,714人のファン・サポーターのみなさまにご観戦いただきました。
フランクフルトとのパートナーシップ締結およびビジネスフォーラムを開催
浦和レッズとアイントラハト・フランクフルトは、クラブ間提携の覚書を締結いたしました。本提携の主な内容・目的は、「スポーツとビジネスを通じた国際交流」、「デジタル・トランスフォーメーション(DX)戦略とスタジアム運営」、「コンテンツ、コミュニティ、ツアーなどを通じたクラブ間コラボレーション」、「環境・社会課題解決に向けた取り組み」、「パートナー企業間の交流、事業開発等の新たなビジネス機会の検討」の5つとなっています。さいたまシティカップの開催に際してはクラブ間提携の記念会見、セレモニー、SDGs関連の取り組みに関する協議を行ったほか、日独スポーツ界におけるDX化等をテーマとしたビジネス交流イベント「NIPPON-FORUM」を開催し、パネルディスカッションや意見交換等を実施しました。
ムアントン・ユナイテッドとのパートナーシップを推進
2021年にクラブ間提携を行ったタイ・リーグ1に所属するムアントン ユナイテッド(Muangthong United Football Club)とのパートナーシップの一環で、各種交流を行いました。
ハートフルサッカーinアジア2022(タイ・バンコク)としてムアントン・ユナイテッド協力の下バンコク近郊の小学校等にてスクールを開催したほか、トップチーム若手選手の強化を目的に、浦和レッズ選手2名がムアントン ユナイテッドのトレーニングに参加。またアカデミー間の交流として、ムアントン・ユナイテッドU-14 ユースチームと共同キャンプを実施し、現地にて開催されたU14大会Mitsubishi Heavy Industries Cupに出場し、優勝を果たしました。
パートナーとファン・サポーターのみなさまとを繋ぐ「Partners PLAZA」を開設
パートナーの商品をファン・サポーターのみなさまにご購入いただけるウェブサイトを、浦和レッズの公式ホームページ内に開設いたしました。パートナーの商品を購入いただくと、売り上げの一部が浦和レッズへの支援金となる仕組みになっており、パートナー、ファン・サポーターと浦和レッズをお繋ぎする新たな取り組みです。
2023年度は、上位クラブへのJリーグ理念強化配分金増が適用されることなどから、経費削減や費用項目の精査は継続しながらも、成長・収入増を志向してまいります。
特に、コロナ禍の影響によって積極的に実施することができなかった各種施策を、パートナーを始めとしたステークホルダーのみなさまとの連携も行いつつ実施することで、浦和レッズの目指す姿である「安全・快適で熱気ある満員のスタジアム」の実現に邁進してまいります。
クラブ収支状況(単位・百万円)
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | |
---|---|---|---|---|---|
営業収入 | 7,549 | 8,218 | 5,771 | 6,891 | 8,127 |
入場料収入 | 1,923 | 2,300 | 423 | 626 | 1,439 |
広告料収入 | 3,226 | 3,841 | 3,750 | 3,898 | 4,048 |
グッズ収入 | 954 | 903 | 814 | 841 | 1,119 |
Jリーグ分配金(※1) | 389 | 468 | 400 | 471 | 567 |
その他(※1) | 1,057 | 706 | 384 | 1,055 | 954 |
営業費用(※2) | 7,540 | 8,082 | 6,539 | 6,990 | 7,700 |
事業費用 | 6,694 | 7,171 | 5,796 | 6,142 | 6,917 |
事業運営費 | 2,835 | 3,180 | 2,083 | 2,293 | 2,933 |
チーム運営費 | 3,859 | 3,991 | 3,713 | 3,849 | 3,984 |
(うち選手・監督・コーチ報酬) (※3) | (3,108) | (3,228) | (3,119) | (3,089) | (2,853) |
一般管理費 | 846 | 911 | 743 | 848 | 783 |
営業利益 | 9 | 135 | -768 | -99 | 427 |
経常利益 | 32 | 139 | -599 | 2 | 492 |
当期純利益 | 39 | 62 | -612 | 2 | 412 |
- 記載金額は百万円未満を四捨五入して表示しています。
- (※1)「その他」には選手移籍関連収入、出場料、出演料、スクール会費収入、育成(アカデミー)関連収入等が含まれています。
- (※2)営業費用の主な内訳は次頁の参考情報のとおりです。
- (※3)選手・監督・コーチ報酬の数値については、2022年度に限りトップチームの人件費のみ集計しています。
2021年度以前の数値については、育成・レディース報酬も含む数値となります。
(参考情報)営業費用の主な内訳(単位:百万円)
事業運営費 | 2,933 | |
スタジアム運営関係費 | 842 | 「試合関連経費[スタジアム使用料、警備費、運営設営費]」、チケット手数料、広告宣伝費、JFA・Jリーグ納付金、イベント費ほか |
広告料関係費 | 741 | バーター取引相当分、レッズランド向け広告宣伝費、広告代理店手数料、業務委託費ほか |
グッズ関係費・その他事業費 | 1,217 | 商品原価、グッズ運営管理費、REX CLUB活動費、広報活動費ほか |
ホームタウン関係費用 | 133 | ホームタウン活動費、ハートフル活動費 |
チーム運営費 | 3,984 | |
選手・監督・コーチ報酬 | 2,853 | トップチーム選手と指導者の報酬の総額 |
トップチーム運営経費 | 589 | 移動関連費、施設関連費、寮関連費、代理人手数料ほか |
育成(アカデミー)運営経費 | 238 | アカデミー指導者報酬、移動関連費、施設関連費ほか |
レディースチーム運営経費 | 304 | レディースチーム選手・指導者報酬、移動関連費、施設関連費ほか |
一般管理費 | 783 | 労務費、各種賃借料、業務委託費、Jリーグ年会費ほか |
クラブ財産状況(単位・百万円)
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | |
---|---|---|---|---|---|
総資産 | 3,180 | 3,141 | 2,995 | 2,875 | 3,076 |
総負債 | 1,623 | 1,522 | 1,988 | 1,867 | 1,771 |
純資産 | 1,557 | 1,619 | 1,007 | 1,008 | 1,305 |
資本金/資本準備金 | 386 | 386 | 386 | 386 | 386 |
- 記載金額は百万円未満を四捨五入して表示しています。
クラブその他指標
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | |
---|---|---|---|---|---|
J1リーグ年間順位 | 5位 | 14位 | 10位 | 6位 | 9位 |
YBCルヴァンカップカップ成績 | プレーオフ ステージ | 準々決勝 | グループ ステージ | ベスト4 | ベスト4 |
天皇杯成績 | 優勝 | ラウンド16 | 優勝 | 3回戦敗退 | |
AFCチャンピオンズリーグ (ACL)成績 | 準優勝 | (決勝進出) | |||
FIFAクラブワールドカップ (FCWC)成績 | |||||
J1リーグ入場者数(人) | 603,534 | 581,135 | 133,780 | 156,636 | 401,489 |
J1リーグ平均入場者数(人) | 35,502 | 34,184 | 7,869 | 8,244 | 23,617 |
主催試合入場者数(人) | 681,585 | 802,786 | 153,369 | 191,398 | 451,823 |
J1全クラブ平均年間収入 (百万円) | 4,755 | 4,951 | 3,890 | 4,159 | |
J1全クラブ平均入場料収入 (百万円) | 804 | 926 | 324 | 399 | |
J1リーグ全クラブ 平均入場者数(人) | 19,064 | 20,751 | 5,796 | 6,661 |
- 「主催試合入場者数」はJリーグ、カップ戦等主催試合の合計です