MANAGER'S VOICE
Estimados aficionados!
リカルド ロドリゲスです。
我々はYBCルヴァンカップのプライムステージに進みました。プレーオフステージで対戦したヴィッセル神戸は簡単な相手ではなかったので、そのチームに勝って次のステージへ進めたことをとてもうれしく思います。準々決勝ではACL出場チームや、鹿島アントラーズ、FC東京、北海道コンサドーレ札幌と戦うことになります。
天皇杯でも初戦を勝ち上がりましたし、3つの大会でタイトルを目指しながら戦えることは喜びです。
先週の日曜日に行われたプレーオフステージ第2戦では、神戸がまた戦い方を変えてきたので、こちらのビルドアップがうまくいかないことがありました。先制した後、早い時間に追いつかれてしまったのは少し残念でしたが、前半のうちに2点目が取れたことで、常に試合を優位に進めることができたと思います。77分にこの試合の同点ゴールを決められましたが、その後は相手に大きなチャンスを作られることはありませんでした。
カップ戦が3試合続きましたが、最初に言ったように2つの大会で勝ち上がったことに加え、この3試合ではこれまでリーグ戦で出番が少なかった選手の出場時間を確保することができました。非常に良かったですし、中断期間までのリーグ戦5試合と天皇杯3回戦を戦うための準備ができたと思います。
4月以降、18試合の公式戦を戦ってきましたが、私たちが負けたのはアウェイのセレッソ大阪戦とアビスパ福岡戦だけで、特にここ10試合は負けていません。いろいろなものがチームに浸透してきた成果と言えるでしょう。
中にはパーフェクトとは言えない試合もありましたが、あまり内容が良くなくても結果を残せているのは、相手を上回るプレーができるようになってきたからだと思います。
もちろんこれで満足することなく、これからもまだまだ成長し続けなければいけません。特にここからの相手は、私たちを止めにくるでしょうから、その相手を上回る武器を身につけていきたいと思っています。
今週は水曜日に試合がなかったので、前線からのプレスなど守備に重点を置いた練習や、次の試合に向けたゲームプランの確認などに時間を割くことができました。次に対戦する相手を意識しながらも、自分たちが成長するためのトレーニングを続けています。
リーグ戦が再開し、本日は湘南ベルマーレと対戦します。湘南は強度が高く、アグレッシブな守備をするチームです。彼らの5バックを破るのは簡単ではありませんし、戦術的にも整っているチームですから、我々は最高レベルのプレーと集中力を見せないといけません。
ルヴァンカップのグループステージでは2試合ともスコアレスドローでしたが、我々はあの頃より得点力もレベルも上がっていますし、戦える選手の層も厚くなっています。
今日の試合では勝ち点3を取りに行きます。私たちはACL出場を目指しているんだという姿勢を、ここでしっかり見せたいと思います。
順位を上げるためにも、ここからのリーグ3連戦で勝ち点9を手にすることが非常に重要ですし、そのために全力を尽くします。
Muchas gracias!
PLAYERS' VOICE
ルヴァンカップではグループステージ第5節の柏レイソル戦、第6節の横浜FC戦に先発してステージ突破に貢献。ヴィッセル神戸とのプレーオフステージ第1戦は終盤の途中出場にとどまったが、カターレ富山との天皇杯2回戦、神戸とのプレーオフ第2戦にも先発した。
「トーナメント方式の大会は結果が大事なので、突破できて良かったです。神戸は難しい相手でしたし、ボールを握られてあまり良い内容ではなかったですが、勝ち上がれたことは評価できると思います。
富山は非常に組織的で良いチームだということはスカウティングでも分かっていましたし、J3で首位に立っているチームなので、難しい試合になると思っていました。下のカテゴリーのチームと対戦する天皇杯の難しさはみんな分かっていましたし、一昨年、Honda FCに負けた試合に僕も出ていたので、こちらも勝てて良かったです。
どの大会もタイトルに向かってやっていますから、チーム全員でそこに向かっていければと思います」
カップ戦3連戦を負けなしで終え、公式戦10戦無敗。自身もベガルタ仙台戦こそ出場がなかったが、10試合すべてにメンバー入りしている。
「ずっと負けていないという感覚はそれほどないですね。すごく調子が良いという感じは全然していません。キャスパー(ユンカー)に助けられている部分も大きいと思うので、誰が出ても勝てるような戦い方を求めていきたいです。
やりたいサッカーはもっとボールを握ることなので、内容的にもっと上げていかなければいけないですし、そこに関してはまだ足りないと思っています」
リーグ戦では開幕から第11節の大分トリニータ戦まですべての試合に先発していたが、その後の先発は第17節の名古屋グランパス戦のみ。他はベンチスタートだった。明本考浩が左サイドバックで先発することも多くなっている。
「アキ(明本)は良い選手だと思いますし、僕自身もっとやっていかないといけないと思っています。ただ、自分がそれほど悪いとも思っていないので、何か特別にこうしようということはありません。練習から毎日必死にやっていくだけです。こういう経験は何度もあるので、これからも続けていきます」
ここからリーグは3連戦。第19節は古巣の柏レイソルとの対戦、第20節はアウェイで敗れたアビスパ福岡との再戦だ。そして天皇杯を含めて、あと6試合で中断となる。
「まずは湘南戦ですが、これまで5バックのチームに手こずっている印象があるので、この試合で良い成功体験が生まれるといいですね。ここ最近、そういうチームと対戦することが多く、なかなか内容的にうまくいかないことが多かったですが、練習でもそれを想定してやっていますし、この湘南戦で良いイメージをつかみたいです。
古巣の柏に関してはそこまで意識していませんが、相手には実力のある選手やレベルの高い外国籍選手がいるので、気をつけたいです。
連戦なので、誰が出ても良い試合ができるようにしっかりと準備しないといけないと思います。これからの6試合、良い結果で終えてACL圏内に食い込んでいけるようにしたいです」
ルヴァンカップのグループステージではメンバー外や途中出場もあったが、最終節は先発フル出場し、関根貴大の先制点をアシストして突破に貢献。神戸とのプレーオフ第2戦では先発してゴールも記録するなど、次のステージに進む大事な試合で力を発揮した。また天皇杯2回戦にも先発している。
「天皇杯で対戦した富山は、本当にJ1のチームと遜色ないくらいのアグレッシブさがありました。前半にあったチャンスを自分たちが決められなかったことで苦しい展開になってしまいましたが、こちらが悪かったというより、富山がすごく良いチームで粘り強い試合をされてしまったという感じです。
J1のチームにとって、天皇杯の2~3回戦がそういう試合になりがちだということは知っていましたし、浦和駒場スタジアムの雰囲気が独特だよ、ということも他の選手から聞いていました。
どの大会も、まだ意識するほどタイトルに近づいているわけではありません。ルヴァンカップや天皇杯では準決勝ぐらい、リーグ戦は残り10試合、5試合になれば自然とモチベーションも上がってくると思います。
ただ大事なのは、そこに行く過程でもチームとして良いモチベーションを保つこと、そしてガクッと調子を落とすことがないよう、安定して結果を残し続けることです。シーズンを通して、チームの雰囲気作りも意識していかないといけません」
ここからリーグ5試合と天皇杯1試合があって、リーグは中断。結果を出しながらチームとして成長していきたいところだが、チームのどの部分を伸ばしたいのだろうか。
「キャスパーにワンチャンスを決め切る力があるので、自分たちのビジョンどおりにいかない試合でも、我慢して失点しなければ、簡単には負けないチームになってきたかな、という実感はあります。
苦しい展開でも粘り強く戦って、負けない試合ができているし、相手が戦い方を変えてきたときも、こちらがいろいろと変えることでうまく対応できているというのもあると思います。
ただ、自分たちのスタイルを貫いて相手を圧倒して勝つ、みたいなところはまだできていません。そんなチームになりたいと思っていますが、そこに行くにはすべてを上げていかないといけないし、ディテールの部分まで突き詰めていかないといけないので、どこがどう、とは言いづらいです。今言えるのは、チームとして同じ方向を向いて、意思統一することが大事だということです」
6月13日の神戸戦で待望の移籍後初ゴールを挙げた。常々「自分がゴールを取るよりもチームの勝利」と言っているが、いつ頃からそういう考え方になったのだろうか。
「単純にチームが負けるのが嫌なんです。自分が点を取って勝てればベストですが、プライオリティが高いのはチームの勝利です。
ハードワークするけど点は取れない選手と、ハードワークはしないけど点は取れる選手、どちらを目指すかと言われれば、僕はチームが負けないために前者を選びます。もちろん、ハードワークして点も取れる選手になるのが一番いいですが。
そもそもチームが負けるのが嫌なので、いつ頃からそうなったかというより、いつもチームのためにプレーしているということです。だから自分がシュートを打つのは、自分が打ったほうが入る確率が高いときがほとんど。神戸戦で決めたゴールは、それとは違いますね。プレゼントされた、あまりにも簡単なゴールだったので。
ただ、点は取りたいですし、まず1点取れたのは良かったです。点を取れない選手、と思われるのは悔しいので」
これまで3バックシステムの相手に苦戦してきた印象があるが、対戦回数を重ねてだいぶ慣れてきたのではないか。今日の湘南戦でしっかりと勝利を挙げることで、一つヤマを乗り越えたい。
「そういう相手と何回か対戦してきたことで、3バック、5バックの強みと弱みが分かってきましたし、それをチームで共有できつつあるので、それほど恐れてはいません。
ただ、例えば1週間練習すればすべてうまくいくというものでもありません。チームが勝てるようになるまで開幕から1カ月以上かかったように、一歩一歩積み上げていくしかないですし、一人ひとりの体に染みこむまでやっていく必要があると思います。今日の湘南戦もその一つにして、勝利を得たいと思っています。
埼スタでの試合は久しぶりですね。楽しみです」
天皇杯2回戦の富山戦、ルヴァンカッププレーオフ第2戦の神戸戦に先発出場し、両大会での勝ち上がりに貢献した。
「富山戦は相手が前から前から来て、勝ちたいという気持ちを感じましたし、強度も高くて、予想どおり難しい試合になりました。湘南時代に天皇杯で下のカテゴリーのチームに負けた経験もありますから、気持ちにスキができたら危ないと思っていましたし、監督もそのことをずっと言っていたので気を引き締めて臨みました。
自分自身は久しぶりの試合で、終盤はキツさも感じましたが、90分出ることができて良かったです。やはり試合に出ることが、成長するうえで大事だと思いました。
神戸戦は、ボランチのところでボールを落ち着かせることができれば良かったのですが、相手にボールを持たれることが多く、難しい展開になってしまいました。次のステージに進めたのは良かったですが、結果にプラスして内容にもこだわらないといけないと思います。
トーナメント戦では勢いも大事ですから、良い内容で勝利できればチームも乗っていけるはずです」
運動量や強度を生かしたダイナミックなプレーが持ち味だが、これまでは続けてメンバー外になることもあった。モチベーションやコンディション維持の難しさもある中で、続けて試合に出るためには何が必要だと感じているのだろうか。
「メンバーを外れてもやることは変わらないので、練習でも試合と同じテンションでやってきました。試合に出られないからと腐っていても何にもならないので、いろんなことを吸収しようと思っています。
リカルド監督はJエリートリーグも含め、試合で結果を残せば起用してくれますし、そういう機会をつかむことが大事だと思っています。
自分自身、開幕した頃よりは慣れてきましたし、手ごたえも感じています。これからも試合に出ることが成長につながると思いますし、試合に出るためにどうすべきかを考え、先発に定着したいです。カップ戦で2試合出られましたが、出続けるためには、『この選手が必要だ』と監督に思ってもらえるようなプレーをしないといけません」
今節は古巣・湘南との対戦となるが、ルヴァンカップの湘南戦では2試合ともにフル出場している。
「湘南は、守備のところで全員が意思統一しているというか、昨年よりも連動性があるなと感じました。レッズも練習から取り組んでいますが、ボールをうまく保持して点を取りに行くという姿勢をもっと強めていかなければいけないと思います。
湘南はお世話になったチームですし、良いパフォーマンスを見せることが恩返しになるのかと思います。中断期間の区切りまで勝ち星を増やしていきたいですし、自分自身もっとレベルアップしてチームの勝利に貢献したいです。そのためにも、まずは試合に出ることです」
THE MDP
文●清尾 淳
先週まで行われたYBCルヴァンカッププレーオフステージ。レッズはアウェイの第1戦でヴィッセル神戸に2-1というスコアで勝利した。よく「180分の前半を折り返した」という表現をするが、それはまだ勝負はついていないという意味では正しいが、第2戦が「180分の後半」かと言えば厳密には違う。普通の試合なら、例えばレッズが後半1点ビハインドで終われば同点ということになるが、アウェイゴール制があると同じ1点ビハインドでもスコアによって軍配が上がる方向は変わってくるからだ。
アウェイの第1戦で勝利したこと、アウェイゴールを2点取れたことが良かったのは間違いない。このアドバンテージを生かしてホームでの第2戦を守備的に戦うのではなく、勝ちに行くこと。それも正しいスタンスだと思う。
だが前半、先制点を取れた。しかも相手のミスからきれいなカウンターで。そして小泉の初ゴールという形で。アドバンテージにさらにプラス要素が加わったかのように誰もが思う。
もちろんあの1点はレッズにとってプラスではあったが、神戸にとっては大きなダメージではなかった。もともと神戸は2点取らなければ敗退が決まる状況だったのだから、そのノルマは変わらない。ただ2-0だと勝ち上がれるが、2-1だと延長になる、というふうに変わるだけ。延長ではアウェイゴール制が適用されないため、できれば90分のうちに決着をつけたいところだろうが、負けと延長では天と地の差だ。
だからといって、レッズに緩みが生じて同点ゴールを食らってしまったとは思わない。あれは酒井高徳の正確なクロスと、ドウグラスのポジショニングなどを褒めるしかないだろう。ただ第2戦がホームの場合、点の取り合いになる展開は一番避けなければならない。だから22分までに1点ずつ取り合ったのは、そういう可能性も見えてきて、少し嫌だった。前半終了間際にレッズが追加点を挙げたときも、ホッとはしたが通常の試合の勝ち越し点とは違ううれしさだった。
77分、今だから「あれを生で見られて良かった」と言えるイニエスタの見事なFKが決まり、2-2になってからは、「あと1点取られればトータル同点で引き分けではなく負け」という状況になり、ある意味でアウェイゴール制の真価が発揮される展開になってしまった。このシステムはなるべく第2戦の90分で決着がつくように考え出されたのだと思うが、考案した人はここまで試合中にメンタルが変化することを予想していただろうか。
ハラハラはしたが、結果として勝利と同じ価値のあるドローでルヴァンカップはプライムステージに進んだ。ここ数年はACL出場によりグループステージを戦っていなかったので、ゼロからスタートしてベスト8に進んだのは久しぶりだという感覚がある。
これで5月1日(土)、アビスパ福岡に負けたのを最後に公式戦10試合負けなしとなった。
リカルド監督にそのことを言うと「自分は4月以降の18試合で福岡とC大阪に負けただけ、というふうに考えていた」と語った。18試合で2敗、というより10試合負けなしの方が響きは良いと思っていたのだが、僕のその考えは少し変わった。
小泉佳穂が、16日(水)の囲み取材で「内容が悪いのに結果がいいときが一番危ないと思う」と述べた。それについて、さらに説明してもらうと、こう語ってくれた。
「他のチームが前に進んでいるときに、結果が出て満足していると、どんどん置いていかれてしまいます。停滞は後退の始まりなので」
「常に良いものを目指し続けないといけないし、お互いに要求し合い続けないといけないと思います。特にシーズン中盤というのは中だるみしがちなので、自分も含めていまいちど引き締めないといけない時期だと思っています」
つまり「好事魔多し」ということに尽きる。
第1戦での2-1のアドバンテージも、10試合負けなしも「好事」には違いない。だからこそ、そこに落とし穴が待ち構えている。天皇杯初戦をほぼ「ガチ」メンバーで戦ったことも含めて、リカルド監督はそこのところをよく考えている。だから今の好調さをとらえるのに「2敗」も含んでいる4月以降のスパンで見ているのでないか。
今日は3週間ぶりのリーグ戦。相手の順位や自分たちの好調さを考えるのではなく、湘南ベルマーレからは今季2回戦って1点も取れていないということを意識して、今できる限りの後押しをしよう。