MANAGER'S VOICE
Estimados aficionados!
リカルド ロドリゲスです。
Jリーグの中断が明けて、今週の月曜日にアウェイで北海道コンサドーレ札幌戦が行われましたが、試合は1-2で敗れました。
立ち上がりは良かったのですが、その後CKで先制点を奪われてしまいました。相手のゴールは、危険なボールを上げ、それに後ろから走り込んでしっかり合わせたものでした。セットプレーの際に、こういう攻撃をどうやって防ぐかは重要な課題ですし、今後十分に対処していきたいと思っています。
前半の途中から守備のやり方を修正したことで、後半はボールを保持する時間ができたと思います。また興梠(慎三)がボールを引き出す回数が増えてきたことも合わさって主導権を握れる時間帯も出てきました。しかし同点に追いつく前に2点目を奪われてしまいました。札幌は前線からしっかりプレスを掛けてくるチームで、簡単ではないと分かっていましたが、そのプレスからボールを奪われ、失点してしまいました。
1点を返してから同点に追いつくチャンスもありましたが、最後のところで決めきれませんでした。
シーズンも半ばを過ぎているので、我々が研究され、相手が対策を取ってくるのは当然のことです。それをいかに上回っていくかという積み重ねが大事になってきます。
新加入選手も増えたので、彼らをチームに馴染ませたうえでチーム作りをしていかなくてはならない部分もあります。時間が多くあるわけではありませんが、これまでやってきた選手たちと新加入の選手たちをうまく融合させて、最大限の力を発揮したいと思っています。そこが、これまでのレッズを見て対策をしてくる相手の、さらに上を行くことにもなるでしょう。
また、我々には来季に優勝を目指すチームを作り上げていくという大事な目標もあります。もちろん今季の、目の前の試合に勝つことも重要ですから、試合を通して、また練習の中でしっかりと積み上げていこうと考えています。
今日対戦するサガン鳥栖は現在、我々が目標としている3位にいるチームで、勝ち点差は6あります。勝てば相手との差が縮まりますし、負ければ大きな差が残ります。
相手は攻守にわたって強度の高いプレーをしてきますし、3位という順位は偶然ではありません。しかし、我々も3月の試合で負けたときとは違う戦いができるはずです。いきなり完璧な浦和レッズをお見せすることは難しいですが、できるだけ最高に近いパフォーマンスをお見せしたいと思っています。
今季は天皇杯も含めてこの浦和駒場スタジアムで3試合を戦ってきましたが、リーグ戦を行うのは12年ぶりだそうです。
埼玉スタジアムの雰囲気も素晴らしいですし、浦和駒場もファン・サポーターのみなさんの熱量をしっかりと感じられるスタジアムです。
我々のホームゲームにふさわしい戦いをして、勝利で終わりたいと思っています。
Muchas gracias!
PLAYERS' VOICE
今季から何年もライバルチームとして戦ってきた浦和レッズの一員になった。加入して半年以上が経ったが、レッズに関して新しい発見はあったのだろうか。また自分自身への評価はどうだろうか。
「新しい発見というのは特にないですね。僕がレッズに対して一番強く感じていたのは“応援”なんです。いつの時代も、応援がすごかった。鹿島にいた頃、レッズ戦で大きなブーイングをされるのが楽しみだったんです。それががんばるモチベーションになりました。
今はその応援の力を発揮できない状況なのが残念です。試合の勝敗にどんな影響を与えていたかまでは分かりませんが、ファン・サポーターの応援がレッズの強みであることは間違いないですから。
自分自身については、もっとやらなければいけないと思っています。そういう気持ちで移籍してきました」
右サイドバックを主戦場としてきた選手として、酒井宏樹の加入をどう受け止めているだろうか。
「僕は右サイドバックを主戦場にしているわけではありません。FWとGK以外はどこのポジションもやってきました。レッズ戦で左サイドバックやボランチをやったこともあったと思いますし、与えられたポジションでその役割を果たしてきたと思っています。
ですから、能力が高い選手がチームに入ってくるのは良いことでしかありません」
今季は天皇杯の富山戦にフル出場、ルヴァンカップの神戸戦も途中出場と、浦和駒場スタジアムでの試合にはすべて出場している。リーグ戦では初めてのプレーとなるが、駒場の感触はどうだろうか。
「駒場での試合は今年が初めてだったので、慣れているとは言えませんが、良い意味で気負うところもありません。いつもと同じようにやれると思います。ホームゲームだという気持ちはありますし、今季はホームで良い成績を残せているので、それを継続していけるようにしたいです。
鳥栖は良いチームになっていると思います。去年の最後のほうから、こういう方向性は見えていましたから。
我々も選手同士の連係だとか、行く、行かないのメリハリだとかはもっともっと出していけると思います。札幌戦から大きく変えていかなければいけないですし、そういう気持ちで戦います」
札幌戦の66分、味方CKの場面で一度クリアされた後も相手ゴール前に残り、関根貴大からのロングパスを頭で落として明本考浩のゴールをアシストした。相手のカウンターに備えて帰陣する選択肢もあった中で、勇気ある攻め残りだった。体勢を崩しかけながらのヘディングだっただけに、直接ゴールを狙っていたら勢いのあるシュートにはならなかっただろう。明本に託したのは見事な判断だった。
「0−2で負けている状況でなければ帰陣を優先したかもしれませんが、どうしても点が欲しい場面でしたし、あの試合ではセットプレーがチャンスになると思っていました。展開を見ていたらマイボールになって、良い形でもう一度ボールが入って来そうだったので、残っていて良かったです。
自分が直接ヘッドで決めるのは難しかったので、目に入ったアキ(明本)に、丁寧に落とそうと切り替えました。ボールが頭を越えそうでしたが、勢いを殺して落とすことができました。展開も良かったですし、アキのシュートも良かったと思います。
あのゴールから流れも少し良くなったので、もう1点取っていれば逆転まで行く可能性もあったと思います。勝つのは難しかったにしても、ああいう難しい試合で勝ち点1でも持ち帰れれば良かったのですが、残念です」
札幌戦は全体を通して苦しい試合だった。特にビルドアップの局面でボールをカットされることが少なくなかった。
「前半の良い時間帯は準備してきたことを出せたのですが、チームとして連動性が足りなかったですし、セットプレーで失点してからはバタバタしてしまいました。なかなか盛り返せない中でも、前半のうちに2失点目をしなかったので、このまま行けば後半に点を取れると思っていましたが……。
2失点はDFとして反省しなければなりませんし、ビルドアップの部分ももっとうまくできたはずでした。相手のマンマークディフェンスが厳しいことは分かっていたので、相手の裏を狙っていくことをチームとして統一していましたが、その回数が少なかったです。クリアボールが味方につながらず、長い時間相手の攻撃を受けてしまっていたので、ボールを奪った後に良いサポートができませんでした」
ここまで公式戦全試合出場。特にリーグ戦では途中出場だったアウェイの仙台戦を除き、フル出場が続いている。自身をどう評価しているだろうか。
「自分が全試合に出場している状況で、チームはACL出場圏内が狙える位置にいるのは、悪くないとも言えます。ただし、まだまだ足りない部分は多いですし、勝てる試合を落としたこともありますから、試合に出ている立場から言えば物足りなさも感じています。
ここから勝っていけば上位に行けると思いますし、新加入の選手たちも入ってくるので全員で乗り越えていきたいです」
センターバックのアレクサンダー ショルツの加入によって、ポジション争いもこれまでとは違った展開が予想される。また、疲労を考慮した選手起用も可能になるだろう。
「新しい選手の合流は楽しみですし、そうやって競争しながら良い状態の選手が試合に出ていくというのは、チームの成長に必要なことです。試合に出続けることで大事なことが欠けてくることもあるかもしれないので、常に危機感を持って試合に臨めるのは良いことだと思います」
鳥栖はアウェイで0-2と完敗した相手であり、現在も3位と好調をキープしている。また、今節は今季4度目となる浦和駒場スタジアムでの試合となる。
「鳥栖は若くて走れる選手が多いですし、チームとしてのパスワークも向上している厄介な相手だと思います。どんな試合でも大崩れしないのが今季の鳥栖の印象ですね。
前回対戦はアウェイで悔しい思いをしましたが、今度はホームで戦えるので、90分間ハードワークできる相手に対して、成長した自分たちの姿を見せたいと思います」
札幌戦の66分、味方のCKがクリアされたところから中盤左サイドでボールを受け、ゴール前に正確なパスを送って明本のゴールにつなげた。
「CKの攻め残りで槙野くんとタクくん(岩波)がゴール前にいるのが見えたので、そこを狙って出しました。そのままヘディングシュートでも、誰かに落としても、というつもりでした。
1点を返したあの場面以外にも、得点のチャンスはありました。僕自身もゴール前に行けたシーンがありましたし、そこで決めきらないといけない、あるいはラストパスの精度をもっと上げないといけないということを改めて感じました。全体を通してパスが1メートル、あるいは何十センチかずれていたと思います」
うまくビルドアップできないという前半の流れをなかなか改善できず、押され気味の展開になってしまった。
「相手が前から来ることは分かっていましたし、前半うまくいかないことはある程度想定していました。その中で焦れずにボールを動かして、相手を走らせようというイメージを持っていたのですが、こちらの選手の距離感が良くなかったですね。先制されて難しい展開になってしまったのを、なかなか修正できませんでした。
中盤で縦に入れるボールを狙われているところもあったので、もっと後ろからボールを持って運ぶという選択肢もあったのかなと思います」
夏の移籍も含め、今季は新加入選手が全体の半分以上を占めている。チームの雰囲気、特に“レッズらしさ”という点で影響や変化はあるだろうか。
「チームの雰囲気は変わりましたし、ポジション争いを含めてまたがんばらないといけないという意味で良い刺激になっています。
新しいメンバーがこのサッカーにどこまで馴染めるかは課題ですが、今までもメンバーを固定してやってきたわけではないので、能力の高い選手が入ってきたことはプラスでしかないと思います。
選手もやっているサッカーもこれまでとは違いますから、以前の“レッズらしさ”からは少し変わっていると思いますが、それはネガティブな意味ではありません。監督が就任してまだ半年ちょっとですし、いろいろなものを積み上げて、若い選手がそれを吸収していくことは、これからのレッズにとってすごく大事になってくると思います。自分も取り残されないようにがんばらないといけないです。
ただ、どんなサッカーをやるにしても、最後まで闘う、球際で負けないという部分はなくしてはいけないですし、それがベースにあって戦術があると思います」
自身は日頃から「チームから求められる役割を果たしながら、自分の良さも発揮したい」と口にしているが、札幌戦ではそれを実践できなかった。
「札幌戦では、自分が仕事をしたいエリアでボールを受ける回数が少なかったですね。ただ数回はあったので、その少ないチャンスをモノにしなければいけなかったと思います。
今は求められていることをこなすという気持ちと、自分が結果を残したいという気持ちのバランスがあまりうまくいっていないので、そこはモヤモヤした部分もあります。でも、結果を残さないと生き残っていけないと思うので、これからもそこにフォーカスしていきたいです」
前回の鳥栖戦には出場していなかったが、チームとして同じ相手に二度負けるわけにはいかない。
「アグレッシブに来るところなど、札幌と似たところがあると思うので、前節の反省を生かして、どうビルドアップしていくかがまずは重要だと思います。球際でいかに上回れるかが試合運びでも重要な部分だと思います。
3位につけている相手なので、一つずつ積み上げていくためにも勝たなくてはいけないと思っています。結果がすべてではありますが、内容が伴わないと結果を出すことも難しいので、良い準備をして試合に臨みます」
THE MDP
文●清尾 淳
浦和レッズが戦う天皇杯の初戦や第2戦は、浦和駒場スタジアムで行われることが多い。そのため、駒場でのホームゲームが行われていなかった2011年以降も、昨季まで通算8回、駒場での試合を経験してきた。
1試合で出場できる選手には限りがあるが、今季は初戦に続いて天皇杯4回戦も駒場だったし、ヴィッセル神戸とのルヴァンカッププレーオフステージ第2戦も駒場で行われた。ここまで3試合で20人の選手(現在登録中の選手のみ)が駒場のピッチを踏んでいる。
関根貴大はこう語る。
「正直、駒場での試合に特に良いイメージはないです。やってきた試合が天皇杯で、絶対に勝たなくてはならない相手の難しい試合が多かったので」
そう言えば関根のトップ公式戦デビューは、ユース在籍中の2013年10月16日、天皇杯3回戦の山形(当時J2)戦で、2-3で敗れた。最初に苦しい試合が刷り込まれていたのか。
そして、こう続けた。
「でも駒場でのリーグ戦はやったことがないので、どういう雰囲気になるのか分かりません」
ルヴァンカップはJ1の神戸が相手だったが、第1戦2-1という結果を受けての第2戦だったので、やはり通常の試合とは違うものがあった。実際、結果は2-2の引き分けだったが、勝利と同等の喜びを味わっていた。
駒場でのリーグ戦は2009年6月27日の神戸戦以来となる。経験しているのは阿部勇樹だけだ。思わぬ経緯により、今日はここで12年ぶりのリーグ戦ホームゲームを迎えている。
中立会場という扱いの天皇杯だが、駒場での試合はホームゲームに近い空気もあり、若干の違和感もあり、というものだったと思う。
だが今季、3回戦のカターレ富山戦、4回戦のSC相模原戦、スタジアムに入ったとき、例年とは明らかに違う、ホームゲームかと見まごう雰囲気があった。おそらくレッズサポーターの手によるものだろうが、スタンドが念入りに“お化粧”されていたのだ。
声を出せない分、視覚に訴えて後押ししたいという意図もあったかもしれないが、それよりも中断明けに予定されているリーグ戦を見据えて、ここがホームスタジアムである感触を選手たちに浸透させたかったのではないか。
ここでレッズのJリーグが始まり、ここでJリーグ初のステージ優勝を見せられ、ここで福田正博が得点王を獲り、ここでJ2降格が決定し、ここでJ1復帰のVゴールが決まり、ここで初めてのリーグ戦ステージ優勝を果たし…。サポーターにとっては忘れられない出来事が詰まっている駒場でのリーグ戦152試合(J2を含む)だが、現在の選手たちにそれを実感してくれとは言わない。
だが、今日はここがホームスタジアムであり、スタンドからの視線も、熱量も、拍手も、すべてレッズのプレーに向けられたものだということは、しっかりと胸に落として戦って欲しい。
そして試合が終わったときには最大の拍手を、浦和の街のど真ん中で響かせたい。