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MANAGER'S VOICE
Estimados aficionados!
リカルド ロドリゲスです。
3月19日に、ここ埼玉スタジアムで行われたジュビロ磐田戦は、試合全体を通して良いプレーができ、セットプレーで先制した後、追加点を取ることもできました。しかし、少しのミスから失点をしてしまい、その後、守り方を変えるというほどではありませんが、修正を行いました。
現時点で失点ゼロの試合が、リーグ戦では1試合だけという状況ですが、クリーンシートを目指して改善できる部分はまだまだあります。
磐田戦のあとは2週間の余裕があったので、最初の1週間は自分たちのプレーの質を上げること、後半の1週間は次の対戦相手である北海道コンサドーレ札幌との試合に向けた準備に費やしました。また、練習試合も行いました。
先週土曜日に行われた札幌との試合は、練習で準備してきた守備の部分が、ほぼうまくいったと思います。序盤は相手にボールを握られる時間がありましたが、相手が攻めの陣形に合わせてしっかり対応できていました。後半の失点シーンも大きく崩されたわけではなく、防ぐことができたと思うので、それだけに非常に残念です。
攻撃ではPKで先制してから前半に決定機が3回ありました。磐田戦に比べて回数は少なかったと思いますが、得点していてもおかしくない、惜しい場面でした。
サガン鳥栖戦などは、1対1の場面で負けることもありましたが、札幌戦ではこちらも強度高く戦い、決して負けていませんでした。前半に2点目が取れていれば、きっと違う展開になっていたでしょう。
また後半、相手が10人になってから、シュートまで行けたりCKを取ったりしていましたが、徐々に焦りが出てきたのかもしれません。相手が待ち構えているところへ、中央からロングボールを放り込むのはクリアされやすい形なので、もっと落ち着いて良い形を作りたかったです。
首位との勝ち点差を3縮められるチャンスでしたが、1詰めただけに終わってしまいました。非常に残念です。
ここまでの試合は、もっと勝ち点を取っていてもおかしくない内容ですが、追加点が取れなかったり、失点してしまったりということで思うように勝ち点が取れていません。決定機は相手より多く作れていますし、昨季のレッズよりも多いと思います。ただ相手と自陣の両方のペナルティーエリアを支配することができていません。それができれば、もう少し勝ち点が取れていたと思います。このことは変わらず我々の課題です。
今日は清水エスパルスとの試合です。
どのチームも埼玉スタジアムでレッズと戦うときは、特別なスイッチを入れてきます。特に清水はそういうところが顕著かもしれません。
私たちに必要なのは、ここでレッズと戦うのは嫌だと思われるくらい、圧倒的な差を見せることです。レッズはメンバーが替わっても強さが変わらない、安定性もある、得点力もあるというところをチームとして見せつけることです。
両方のペナルティーエリアを制し、得点チャンスでしっかりと決める。また相手の攻撃を確実に防ぐことで勝ち点3を取り、ホームでの連勝を続けたいと思います。
Muchas gracias!
PLAYERS' VOICE
札幌戦の終了間際、相手ゴール左で小泉佳穂のパスを受けてダイレクトシュートを放ったが、わずかに外れた(※動画あり)。
「シュートの感触は悪くなかったですが、外れたのを見て『持ってないな』と思いました。
試合全体としては、相手にボールを持たれることはある程度覚悟していました。その中でカウンターからキャスパー(ユンカー)のビッグチャンスがあったので、あそこで2点目が取れていれば試合をうまく進められたかなと思います。タイミングをずらしてトゥキックで打っていましたが、あのシュートはなかなか打てないです。スーパーセーブでしたし、あれでGKを勢いづかせてしまったと思います」
44分にはユンカーからパスを受けて前に運び、ゴール前のダヴィド モーベルグにクロスを送るシーンもあった。
「キャスパーが空けてくれたスペースをうまく見つけることができました。最後はダヴィドが後ろから入ってきたキャスパーに落とせればベストな崩しだったと思いますが、シュートまで行けましたし良い連係でした。あそこをしっかりと得点にすることが、今のチームの課題です。
先制した後のチャンスで2点目、3点目を決めていれば、磐田戦のように後半も自分たちのペースで進めることができていたはずです。今は自分たち攻撃陣が後ろの選手を少し苦しくしているかなと思っています」
今季初めてアウェイで勝ち点を取れたことをポジティブにとらえて、清水戦に臨むことができるか。
「失点をゼロに抑えていれば勝てた試合ですから、ポジティブにとらえるのは難しいですね。また、相手は10人になってからベタ引きしていたので、もっと深くまで入り込んでチャンスを作るべきだったと選手同士で話しています。少し攻め急いだ部分があり、そこはチームの若さが出てしまったかなと思います。
清水には去年のホーム最終節で、あれだけボールを保持しながら、最後にワンチャンスでやられています。今度はボールを握るだけでなく、多くの決定機を作って、攻撃陣は決めるところを決めて、チームのオーガナイズもしっかりやって勝ちたいです」
沖縄キャンプでは股関節の痛みで、全体練習にほぼ参加できなかった。コンディションを上げるのに時間がかかったのか、今季初出場はリーグ4試合目となる川崎戦の76分からだった。
「コンディションを上げるのは、それほど難しくありませんでした。しっかりとケガを治すことに重点を置いてやっていたので、今は痛みもなくなり、良い状態で試合に入れています。今年も出場3試合目で得点を取れたので、去年に比べて遅いからとネガティブには考えていません。もちろん、ゴールが取れていない試合もありますが、チャンスを創り出すことはできています。チームに貢献できていることが大事だと思っています」
磐田戦では11分に江坂任のパスをダイレクトで狙い、いったんはGKに弾かれながらこぼれ球をコントロールして今季初ゴールを記録した(※動画あり)。また、札幌戦では44分に自陣でボールを奪うとモーベルグにパスを送ってゴール前へ進入。リターンパスを左足トゥキックで狙った(※動画あり)。
「ちょうど面白いタイミングでボールが入って来て、打った瞬間は入るかなと思いましたが、相手のGKが非常に良いセーブをしました。でも、これを続けていけばゴールに近づいていくと思います。コンディションも良くなってきていますし、札幌戦ではこれまでより動けていたと感じています」
来月で在籍1年となるが、昨季と比べて何か変化を感じているだろうか。また、今季は初めてのACLも間近に控えている。リーグ戦の2試合で良い結果を出してタイに遠征したい。
「今季は多くの選手が入れ替わりましたが、アジアのビッグクラブである浦和レッズに、みんなが適応していて、それぞれがしっかりと向上していると思います。
もちろん、ACLはものすごく楽しみにしている大会ですし、かなり大きな経験になると思います。そこでも自分がゴールに絡むこと、ゴールを挙げることを目指してやっていきます。
現在の成績には誰も満足していないので、どんどん良くしていきたいです。清水戦は、磐田戦のようにまた立て直して勝利するチャンスだと思っています」
レッズ加入が決まってから新型コロナウイルス感染防止の影響で合流が遅れていたが、3月4日に来日。19日の磐田戦で後半から出場すると、開始3分足らずで初ゴールを決めた。札幌戦でも30分に得たPKを冷静に沈めた(※動画あり)。蹴る前に札幌の選手が周りに集まってきたが、集中力を切らすことはなかった。
「向こうの選手が何かやってきたなとは思いましたが、それは無駄な努力でしたね。自分はしっかりと集中してボールに向かいましたから」
札幌戦の39分には江坂のラストパスを受け、反転して右足でシュートを打ったがGKの正面だった(※動画あり)。また、44分には右サイドからユンカーにクロスを送ったが、得点にはならなかった。
「右足で打った場面は、シュートの力が少し足りませんでした。せっかく良いパスが来て、ターンもうまくできたので残念です。次はしっかりと決めたいです。前半終わりのシーンは、個々の能力でチャンスを創り出した場面だと思います。次の機会ではしっかりとゴールに結びつけられればと思います」
レッズデビューとなった磐田戦では、スタンドで早くもスウェーデン国旗が振られていた。自身への大きな期待についてはどう感じているだろうか。
「まさかスウェーデンの国旗があれほど振られているとは思っていなかったので、ものすごくうれしかったです。期待してもらっていると思いますが、自分は周りからのプレッシャーは気になりません。自分自身にプレッシャーをかけて、それに応えようとするタイプです」
試合をこなせばこなすほどチームメートとのコンビネーションも向上していくはずだが、4月15日からはACL6連戦というハードな日程を迎える。
「初めてのチームに途中から入ってコンビネーションを取っていくのは簡単なことではありませんが、これから時間をかけてお互いに向上していければと思っています。
ACLの参加経験はありませんが、UEFAヨーロッパリーグに出ていたので似たような雰囲気なのかなと思っています。タイトな日程ですが、選手としてはそういうハードスケジュールで試合をできるのは幸せなことです。強いクラブだからこそ迎える厳しい日程ですが、しっかりと準備して臨みたいと思います」
札幌戦で4試合ぶりの先発出場。持ち味の危機察知能力と対人の強さでチームに貢献した。
「久しぶりの先発でしたが、引き分けで終わってしまってあまり良いものが残せなかったというのが率直な感想です」
21分には犬飼智也から縦パスを受けて持ち上がり、裏へ抜ける馬渡和彰へとスルーパスを供給。わずかにオフサイドだったが、決定的な場面になりかけた(※動画あり)。3月26日に行われた作新学院大学との練習試合でもスルーパスからユンカーのゴールをアシストするなど、新たな武器となりそうだ。
「ワンちゃん(犬飼)は視野が広く取れていて、難しい体勢からでも良いパスが出て来ることは、キャンプで一緒にプレーする中でわかっていました。あの試合でケガをしてしまったことが残念ですし、心配です。
チームとしてそういう練習をやっているので、自分が前に行ったときはゴールの起点にならなければいけないと思っています。成功するように続けていきたいです」
26分には札幌のカウンターになりかけたが、見事なスライディングで駒井善成からボール奪取。持ち前の危機察知能力の高さを発揮した(※動画あり)。また、カウンターのチャンスでは最前線まで入り込む場面もあった。
「本来は相手にボールが渡る前に前向きで取れれば良かったのですが、相手に持たれてしまったので。(スライディングで)ボールを奪うところは狙いどおりでした。
札幌戦で言うと、憲さん(岩尾)がアンカーで僕とアキ(明本考浩)がその少し前というポジションだったので、前に行けるときは行くというのが役割でした。そうした中で一番前に行くこともありました。ボランチのときはバランスを気にすることが多いですが、憲さんがいてくれて、自分が前に出ていくほうがバランス的にも良い場面があるのでそこは意識しました」
札幌の激しいプレーにも負けず、強度の高いプレーができていた。それだけに失点が残念だった。
「出足を含めて、チームとして守備でどうはめていくかということが整理されていたので、正当なプレーで厳しくいけていたと思います。
失点の場面はもったいない部分もありました。ボールがゴール前に入ってからの対応は難しいと思うので、パスの出どころを止めなければいけませんでした。また難しくても、何とか相手のシュートをかき出せるようにしていかないと、今後勝ち点3を取っていくのは厳しくなってくると思います。
相手が10人になってから、サイドから攻めていくことはチームとして共有できていましたが、そこでの迫力が足りなかったかなと思います」
同じボランチの平野佑一が現在別メニューという状況で、自身にかかる責任はより重くなってくる。
「誰がいないとかは関係なく、常に自分がやらなければいけないという気持ちを持っています。自分で自分をコントロールしながら、チームに何ができるかというのを考えています。札幌戦の結果は残念でしたが、引きずっていてもいけないので、この引き分けが無駄ではなかったと証明するためにも、次の清水戦でしっかりと勝たなければならないと思います。ホームなので思い切ってやること、やるべきことをしっかりやることが大事です。良い試合を見せて勝ち点3を取りたいです」
ALWAYS FOR REDS
文●清尾 淳
アレックス シャルクが合流して、浦和レッズの外国籍選手は4人体制となった。背番号9がまだ空いているので、夏の移籍時期に海外からの助っ人が入って来ることも十分に考えられ、そうすると外国籍選手5人体制になる。
それ自体、珍しいことではなく、2018年からの3年間は、通年ではなくても5人が在籍していた時期があった。
ただし、外国籍選手出場枠が5人に増えた2019年以降も、レッズで5人が一度に出場したことはない。調べた限りでは2020年7月22日に、マウリシオ、エヴェルトン、ファブリシオ、レオナルドの4人が先発しており、外国籍選手4人が先発したのは今のところそれが最初で最後のようだ。ちなみに2018年から2020年までの3年間に在籍した他の外国籍選手は、マルティノス、ズラタン、ナバウト、デンたちで、合わせて8人いる。
札幌戦でユンカー、ショルツ、モーベルグの3人がそろって先発した。昨季は外国籍選手3人出場が一度もなかったので2年ぶりとなる。
この3人にシャルクを加えた4人と、上記の8人との決定的な違いがある。それは、上記の8選手を獲得したときのレッズの強化体制や監督がそれぞれ違っているのに対し、現在の4人はすべてリカルド監督体制になってから獲得した選手だということだ。
このことが、具体的にどう結果の差になって表れるかはわからない。だが徐々に結果の違いとなっていくような気がするし、そうあってほしいと思う。
それよりもすぐに起こる変化がある。
開幕時は実質的に2人だった外国籍選手が4人になった。仮に4人が一度に出場すれば、それまで出ていた日本人選手の出場機会が減ることになる。
そして、その日本人選手がポジションを奪い返そうと努力し、自分を向上させることが、チーム全体をもレベルアップすることにつながる。逆にもし、そういう努力をしなければ、その日本人選手の存在意義が薄れていくだけでなく、外国籍選手が自分のポジションは安泰と考えることによって、知らず知らずのうちに、レベルが下がっていくことも十分あり得る。レッズでもかつて、そういう例があった。
切磋琢磨して、と言うだけの側は気楽でいい。実際にポジションを巡って日々の練習で、あるいは出場機会を得たときの試合で、身を削りながらプレーする選手に求められる努力は、並大抵のものではないだろう。
だがJリーグ優勝という目標、そしてアジア王者奪還という望みも、並大抵の努力では叶わないのだ。各ポジションでの高いレベルの出場争いは、必ずチームに良い結果をもたらすはずだ。
思えばリーグ優勝を争うようになった2004年からの数年間は、日本代表経験者でさえもベンチに控えざるを得ない状況が多かった。間違いなく納得できない選手もいたはずだが、もともと能力の高い彼らが不満を努力に変えることで、厚い選手層が質の高い選手層となり、Jリーグと天皇杯の二冠を達成したり、ACLとJリーグの二冠まであと一歩に迫ったりするチームを作っていったのではなかったか。
もちろん外国籍選手であれば常に出場できるという保証はない。
彼らも含めたチーム内競争をより強く引き上げるもの。その一つは、埼スタのピッチで、多くのレッズサポーターの前で、戦いたいというモチベーションだろう。欲求と言ったほうがいいかもしれない。
今は拍手や手拍子や旗振りだけであっても、このサポートはピッチの11人だけでなく、総勢28人の選手たちの魂に火をつける。
そう確信している。