MANAGER'S VOICE
Estimados aficionados!
リカルド ロドリゲスです。
5月9日に埼玉スタジアムで行われたJリーグのベガルタ仙台戦は、無失点で試合を終えることができました。自分たちのミスからボールを失い、危ない場面を作られたシーンもありましたが、その後しっかりと防げたのは良かったです。
前半は得点できませんでしたが、後半はビルドアップ時の立ち位置やその他のポジショニングを修正し、それに選手たちがしっかりと応じてくれました。
先制点の場面は素晴らしいコンビネーションによる中央の崩しから、相手の守備をこじ開けることができました。さらに2点目を取ったことで、終盤も余裕を持って試合を進めることができたと思います。阿部勇樹のシュートコースは完璧でしたし、チームにとって貴重なゴールになりました。
3日前にアウェイで行われたガンバ大阪戦は、序盤に素早い攻撃で先制点を取ってから、前半は効率良く追加点を奪うことができました。ほかにも点が取れそうな場面が何度かありましたし、後半もチャンスは作れていたので、そういう場面でしっかり決めることは今後の課題にしていきます。
我々は自分たちが試合を支配することを理想としていますが、相手があることなので、それができないこともあります。G大阪戦がそうでしたが、そういう中でも危険な場面を作らせなかったというのは大きいですし、なかなか良い結果が得られなかったアウェイで、3-0という結果を残せたのは非常に良かったと思います。
仙台戦とG大阪戦は2勝したというだけでなく、いずれも複数得点、無失点という結果を残し、得失点差をだいぶ改善できたこともポジティブでした。
この2試合では、先制した後も戦い方が変わってしまうということがありませんでした。そこもチームとして改善が見られる部分です。1点取って終わりではなく、野心を持って次の1点を狙いにいく。今後も相手がどこであれ、そういう姿勢を続けていきたいと思います。
本日はYBCルヴァンカップのグループステージ最終節です。勝つしかない我々に対して、相手の横浜FCは引き分けで十分という状況です。そのことも視野に入れて、どうしたら勝てるかを考えて戦います。
まずは自分たちが最高のパフォーマンスを発揮すること。それができれば、良い試合内容と勝利を手にすることができると思うので、そこを目指します。もちろん、相手にはエリア内で仕事ができる選手、裏に抜けられる速い選手がいますが、我々は自分たちの戦いを高めていくことを考えます。
この試合に勝つことで次のステージに進むことができますし、それは選手たちが何より目指しているところです。ここを勝ち抜いて、今後もいろいろな選手が活躍してくれることを願っています。
決勝戦のようなこの試合をホームで戦えるのは何よりです。みなさんの後押しを力に変えて、勝利を手に入れたいと思っています。
Muchas gracias!
PLAYERS' VOICE
ここまで先発出場は3月2日のYBCルヴァンカップ湘南ベルマーレ戦のみ。その後、公式戦3試合に途中出場しているが、まだ得点に絡めていない。チームにレフティーが多い中で、より自身をアピールしていかなければならない。
「メンバーを外れている期間が長い中で、あまり自分の持ち味を出せていないというのは日々の練習で感じています。今練習で一番意識しているのは、ボールロストをしないこと。あとは自分の持ち味である突破だったり、局面打開だったり、得点だったり、というところです。
右足でのシュートも練習しています。監督から右サイドも左サイドもできたほうがいいと言われていますし、実際に左サイドに入ることも多いですから。その場合は、縦に突破しての左足クロス、カットインしての右足シュート、という選択になることが多いので、もっと右足を練習しておいたほうがいいと思っています。GKの塩田(仁史)さんからは『右のほうがパンチ力がある』と言われていますし、他の選手からも『右をどんどん練習したほうがいい』と言われています」
徐々にチームの試合内容が良くなり、結果も伴ってきている中で、自らも試合に関わりたいという気持ちは強い。また、チームに足りない部分を自分が切り拓いていきたいという思いもあるだろう。
「これまで途中出場した試合でいうと、リーグ初出場となった札幌戦は0−0だったので勝ちにつながるプレーを意識しました。川崎戦は0-4の状況だったのでチームに勢いをつけられればと思っていました。逆に2-1で勝っていたルヴァンカップの横浜FC戦は、点を取れたらいいなと思いつつも、まずはしっかり試合を終わらせることを考えていました。
チームが試合に勝つときに、自分もピッチに立っていたいという気持ちは強いですね。ここまで良い試合もありましたが、納得のいかない試合もあったと思うので、そういうときにギアを一つ上げられるような存在になりたいです。
今後は、最後の局面で点につながるようなプレーを増やしていかなければいけないと思っています。バイタルで横に回すのはうまくできていますが、まだ点を取るための崩しやシュートが少ないと感じています。仙台戦の(キャスパー)ユンカーの先制点は良い崩しでしたし、ああいう崩しは自分の得意な部分でもあるので、自分も試合に関わっていきたいです」
ルヴァンカップのグループステージを突破すれば各選手の出場機会も増えることになる。
「どの試合でもメンバーに入れるように練習しているので、今の自分の状況はすごく悔しいです。目の前の試合に絡んでいけるようにやっていますし、横浜FC戦で勝てばグループステージを突破できるのでがんばります」
今季初出場となった3月2日のルヴァンカップ湘南戦で、左眼窩底骨折のケガを負い、しばらくは治療に専念した。それでも同月28日のJエリートリーグ札幌戦にフェイスガードを着けてフル出場した。
「これまで手術をするようなケガをしたことはなかったので、手術室に入って、人に囲まれて、手術されるというのは初めての経験でした。局所麻酔だったので、自分の骨を削られるのが分かって、40分か50分の間ずっと痛い痛いと言っていましたね。もう二度とケガをしたくないと思いました。
練習ではフェイスガードを付けていたんですが、試合ではすごく違和感があってプレーの邪魔だったので、前半の飲水タイムのときに外してしまいました。怖さは少しありましたが、邪魔だという気持ちのほうが勝っていましたね。ケガをした個所は今は何ともないです」
その後、4月21日のルヴァンカップ横浜FC戦でベンチ入りしたものの出場はなし。それでも翌週のルヴァンカップ湘南戦で今季2度目の公式戦出場を果たし、チームの無失点に貢献した。青森山田高時代にはU-18高円宮杯決勝や高校選手権で何度も埼スタのピッチを踏んでいたが、プロとしてはこの試合が埼スタデビューだった。
「湘南戦での個人の目標は、まず『失点ゼロで試合を終わらせる』ということだったので、それを果たせたのは良かったと思います。ただ、決定機がありましたし、セットプレーも多かったので、1-0で勝つべき試合だったと思います。勝ちたかったという気持ちが強いです」
シーズンが始まって4カ月になるが、どんなところにチームの変化を感じているのだろうか。また、その中で自身が意識しているのどんなことだろうか。
「ボールを動かすときの立ち位置だとか、キャンプから積み重ねてきた細かい動きが、一つひとつ形になってきたと思います。キャンプ中の練習試合では全くうまくいかなかったことが、チームとしてできるようになってきました。自分は試合に絡むことが少ないので客観的に見ていることも多いのですが、練習でやっていることが試合で忠実に再現されていると思います。
自分自身の課題はビルドアップです。GKから始まるビルドアップの中でセンターバックには大事な仕事があるので、『こういうときは開いたほうがいい』とか、そういう細かい動きを一つひとつ身につけているところです。他の選手が監督から言われているときも、自分のことだと思ってしっかり聞いていますし、監督から言われたことをしっかりやるのはもちろん、チームに必要なセンターバックの役割というものを自分で考えたりもしています」
高校選手権ではセットプレー時に、自らのヘディングがゴールやゴールの起点になることが多かった。CKのチャンスなどで得点を狙っているのだろうか。
「プロになってから、セットプレーでの得点は練習試合も含めてまだ一度もありません。守備のときはヘディングの競り合いで『絶対に負けてはいけない』と思ってやっていますが、今思うと、攻撃のときは『何としてでも点を取ってやろう』という意識でプレーできていなかったと思います。
高校の頃は余裕があって、セットプレーのときにいろいろなところに顔を出してゴールに絡んでいました。でも、プロになってからはまだすべてが分かっているわけではないので、自分のことで精いっぱいで考えられていませんでした。ただ、自分も得点を期待されていると思うので、これからは狙っていきたいです」
前回の横浜FC戦では出場機会がなかったが、ベンチから見ていてどんなことを感じ、今日の試合にどう生かしたいと考えているのだろうか。
「前回の対戦では、横浜FCが試合の入りから勢い良く来ていました。そこで苦戦した部分もあったと思います。ただ、高さや強さの部分で負けてはいけないので、自分が出たらそういうところで相手のチャンスをつぶそうと思っています。埼玉スタジアムでのデビューは果たせたので、次はここで勝利に貢献したいです」
今季2度目の出場となった4月21日のルヴァンカップ横浜FC戦では、前半終了間際の45分に左サイドからのクロスで杉本健勇の同点弾をアシストした。さらに57分には、汰木康也からボールを預かり左サイドをえぐって速いクロスを供給。これを逆サイドの田中達也が折り返し、杉本の決勝ゴールにつながった。4月28日のルヴァンカップ湘南戦では3試合目の先発出場で埼スタデビュー。得点に絡むことはできなかったが、サイドバックとしてチームの無失点に貢献した。
「横浜FC戦の後は、多くの選手から『良いプレーだった』と言われましたし、知人たちからも『ナイスプレーだった』と言われました。そういう面では良かったと思います。自分自身、一つ結果を残せて自信がつきましたし、もっと活躍したいという気持ちが強くなりました。
湘南戦は試合自体があまりうまくいっていませんでした。守備に回る時間が長かったですし、相手のシステムとの兼ね合いであまり高い位置を取ることができませんでした。無失点ということで最低限の仕事はできたと思いますが、チームとして得点できなかったことは改善しないといけません。もう少し良いビルドアップ、良い攻撃ができたのではないかと思います。個人としても、横浜FC戦でアシストしたことで期待してもらっていた部分はあると思うので、それに応えることができず悔しいです。次のチャンスは必ず来ると思うので、得点やアシストで結果を出せるように練習からがんばっていきます」
埼スタでのプレーはレッズユース在籍中、ずっと抱いていた目標だった。まずはそれが実現した。
「ユースに来る前、もっと小さい頃からあのスタジアムでプレーしたいと思ってサッカーをしていましたし、そういう思いでレッズに来ました。その目標が一つ達成できたのは良かったです。観客は約5千人でしたが、他のスタジアムとは雰囲気が違いましたし、自分の気持ちが違っていたので最高でした。
埼スタで見た試合の中で一番覚えているのは、高2のときに見た2019年のACL決勝です。僕は見ている側でしたけど、それでも伝わってくる満員の観客の熱気はすごかったですね。今はコロナ禍で無理ですが、このチームで活躍していつかはああいう大舞台に立ちたいという気持ちが強くなりました」
シーズンが始まって4カ月になるが、どんな部分にチームの変化を感じているだろうか。また、自身の課題についてはどう考えているのだろう。
「練習中も選手間のコミュニケーションがすごく増えたと思いますし、自分も含めて勝利のためにチームが一つになっているな、というのを感じます。
自分自身はビルドアップが課題の一つなので、練習では間違ってもいいので、積極的にチャレンジして、どんどんボールを受けるようにしています。
フィジカルコンディションについてはまだ100パーセントとは言えないかもしれませんが、開幕した頃と比べればだいぶ良くなっています。サイドバックは90分走り切る体力がなければいけないので、もっと上げていきたいです」
横浜FCとの前回対戦には勝利したが、今度はドローも許されない。埼スタデビューの次に目指すのは埼スタでの勝利だ。
「相手はアグレッシブにどんどん前から来るチームなので、そこをはがすことができればチャンスになると思います。前回の結果はあまり意識せず、目の前の試合に勝ちたいです。勝って、個人としても結果を残して、リーグ戦にも絡んでいきたいと思っています」
PREMATCH DATA
3位
5得点 5失点
1位
5得点 4失点
過去4試合の対戦成績(リーグカップ) | ||||
---|---|---|---|---|
2021/4/21 | AWAY | ニッパツ | ○2-1 | 詳細 |
THE MDP
文●清尾 淳
昨季までの10年間で、Jリーグカップの予選リーグ(グループステージ)を勝ち抜いたことは2回しかない。といっても、あとの8回とも敗退したわけではなく、2011年は東日本大震災の影響で大会全体がトーナメント式に組み直されたし、昨季もコロナ禍により変則的な形で予選リーグが終わってしまった感がある。そして、この10年間にACLに5回出場しているので、そのときは予選リーグがなかった。
そんなこんなでJリーグカップの予選リーグに関する最近の記憶があまりはっきりしない。古い記憶のほうが鮮明なのだ。
これは、J3はおろかJ2もまだなかった24年前の話。今をときめく川崎フロンターレはまだJリーグ準会員だったし、今日の相手である横浜FCは誕生していなかった。
1997年、リーグ戦開幕の前にJリーグカップの予選リーグ6試合が連続で行われた。この頃はリーグ戦の間の水曜日にカップ戦が入ってくるのではなく、中長期にわたって日本代表の活動がある時期に、まとめて予選リーグを行っていた。
浦和レッズは開幕から4試合連続ドローという結果で、残り2試合に勝てば決勝トーナメントに進める、という状況だった。4試合で2得点2失点のチームが2試合に連勝するのはハードルが高かったが、2試合ともホームで戦えるのがアドバンテージだった。
そして3月26日(水)にセレッソ大阪を、29日(土)にサガン鳥栖を下してグループ2位となり、リーグ戦終了後の10月に行われる決勝トーナメントに進んだ。
どうということもない昔話に聞こえるだろうが、これはレッズにとって初めてのJリーグカップ予選リーグ突破だった。次のステージに進むという経験がなかったチームにとって、これは画期的な出来事だった。
それまで、95年に初めてステージ3位になったことや、福田正博がJリーグ得点王になったこと、96年に一度首位に立ったことなど、大きな歓びはいくつかあった。それとはレベルが違う達成感であり、勝たなければならない試合に勝った、ということにガッツポーズしたくなったのを覚えている。
それ以来、Jリーグカップの予選リーグを何度も戦ってきたが、総じて言えるのは「勝たなければ次に進めない状況で迎えた予選リーグ最終節はほぼ勝っている」ということだ。最終節の前に突破、もしくは敗退が決まっていた年も少なくないが、最終節までもつれた場合の勝率はすこぶる良い、というのがレッズの伝統だ。
特に最終節でヴィッセル神戸と対戦した2003年、ジェフ市原と対戦した2004年は、いずれも相手が「引き分けでもいい」という状況だった。相手は試合開始からプレーの一つひとつに時間を掛け、レッズの焦りをあおっている感じがありありと見えた。そこで誘いに乗らず戦い続け、いずれも後半に決勝点を挙げて勝ちを収めた。2003年はその後に優勝、2004年は準優勝で大会を終えている。24年前はともかく、03年、04年なら覚えているサポーターもいるだろう。
選手はすべて替わっているから、過去の例を出しても意味はないかもしれないが、大事なのは、勝たなければならない試合で勝つ、ということが、チームと選手を変える、ということだ。あの時期もチームが上昇していったが、やや不利な条件下の試合にしっかり勝てたことでひと皮むけた、そんな気がする。
今季のチームはいろいろな部分で成長してきている。試合運びでバタバタすることが少なくなったし、チャンスに点を取れるようになってきた。守備に回ったときの落ち着きも備わってきた。ビハインドにあきらめない姿勢も見られる。
だが、現在リーグの上位にいるようなチームに勝てるまでの力がついているかどうかはまだ分からない。ここまでは悔しい結果となっている。
ここで、勝たなければならない試合に勝ち、YBCルヴァンカップの予選リーグを勝ち抜くことは、タイトルに少し近づくだけでなく、チームにまた違う成長の要素が注入されるということだ。
かつて、こういう試合でサポーターがどういう後押しをしてきたかは言うまでもないし、それがあってチームは勝ってきた。拍手や手拍子だけで、それを再現するのは大変かもしれないが、その手に込められた思いは必ず選手たちに伝わる。
最終節の勝者に、みんなでなろう。