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MANAGER'S VOICE
Estimados aficionados!
リカルド ロドリゲスです。
水曜日に行われたヴィッセル神戸戦は勝つチャンスが十分にあった試合でしたが、2-2のドローに終わりました。
序盤に失点した後も自信を持って反撃し、逆転することができました。内容的にも相手にダメージを与えての得点だったと思います。神戸という非常に良いチームに対してそういう試合ができたのはポジティブなことであり、次につなげていきたいです。
しかし、58分から状況が変わってしまいました。10人になってからも何とか持ちこたえて、失点の場面と相手のシュートがバーに当たった場面以外は決定的な形を作らせませんでした。勝てなかったのは残念ですが、神戸のようなチームと対戦して負けないことも大事だと思います。
明本には「あのようなことはあってはならない」という話をしました。仕方のないプレーがファウルになり、それで警告2回で退場処分を受けるのはあり得ることですが、感情的な行為で退場になることは避けなければなりません。
相手に体をつかまれてプレーを妨げられることが多く、ストレスが溜まっていたとは思います。人間ですから、ああいうファウルを受けると怒りたくなるのも理解できます。しかし、怒りをプレー以外で表現するのは我慢しなければなりません。相手からファウルを受けるということは、自分のプレーはファウルをしなければ止められないんだとポジティブに考えてプレーする必要があります。でなければ、その試合だけではなく次の試合にも影響を及ぼすことになります。
ここまでの公式戦3試合で、満足できる時間帯が多くありました。完全な試合はまだできていませんが、90分を通して良い内容を続け、勝利につなげるような試合を目指していきます。
新しい選手たちが力を見せてくれています。大畑はキャンプではほとんど練習できていませんでしたが、神戸戦で先発し、45分間プレーすることができました。松崎も初めての先発で非常に良いプレーを見せてくれました。ケガや違和感、体調不良などから選手が復帰してきているのも良い傾向だと言えます。非常にタイトな試合日程が控えていますが、クラブとチーム全員の力で困難な状況を乗り越えていきます。
本日はガンバ大阪との試合です。中2日の厳しい日程ではありますが、水曜日に続いてホームで戦えます。
G大阪は水曜日のYBCルヴァンカップに出場しなかった選手がフレッシュな状態で出てくると思います。疲労の部分では相手にアドバンテージがあるでしょう。ただ、今季はACLに出場するので、こういう日程になることは承知していました。練習量などをコントロールして、選手のコンディションを良好に保って戦います。
ここまでの試合で良い部分、自信にしていい部分は随所にありました。今日の試合ではキックオフから終了まで集中を切らさず、すべての面で我々の最高のパフォーマンスを発揮し、攻守にわたって90分間満足のいく内容と勝利の両方をファン・サポーターの皆さんにお見せしたいと思います。
Muchas gracias!
PLAYERS' VOICE
今季大宮から加入し、ここまで公式戦全3試合にフル出場。川崎とのFUJIFILM SUPER CUP 2022(以下スーパーカップ)、京都とのリーグ開幕戦は左サイドバックとして起用されたが、続く神戸戦では右サイドバックで起用され、酒井宏樹が途中出場した後半は左サイドにポジションを移した。
「(古巣の)川崎に対しては個人的に特別な思いがありました。レッズが昨年の天皇杯で優勝してくれたことで、自分の中ではまずスーパーカップに出場して川崎と対戦することが目標になりましたし、そのためにオフの調整とかキャンプでのアピールとか、できるだけのことをやってきました。そうやってタイトルが懸かった試合に出場できて、勝てたことはうれしかったです」
攻撃ではプレースキッカーを務め、神戸戦の19分には左CKから柴戸海の逆転ゴール(※動画あり)を演出。ライナー性の速いボールには得点の匂いがする。また、味方にボールが入り、パスが出てくれば大きなチャンスになりそうなタイミングでは躊躇なく前に出る。チームメートとの呼吸が合ってくれば、自身のサイドから攻撃が始まる回数も増えそうだ。
「どのチームもセットプレーの練習はやると思いますが、中でもレッズは時間をかけるほうだと思います。セットプレーで点が取れるのは良いことですし、自分は中の選手たちを信じて蹴り続けるだけです。
(攻撃参加については)守備に追われることが多かったので、まだ回数はあまり多くありませんが、ボールが出てくることを信じて上がったシーンはありました。パスが出てくれば結果につながりそうな場面もあったので残念ですが、それをやり続けることが大事だと思います。そこに居てほしいときに居られるような選手でありたいです」
J1の舞台でレッズと対戦した経験はあるが、埼スタでの最初の思い出は違うものだと言う。
「市立船橋高校2年のときのインターハイ決勝で、流通経済大柏高校と埼スタで対戦するはずだったんですが、史上初の雷雨中止で両校優勝になりました。そのときのイメージがすごく強いです。
レッズの試合で印象的なのは、2007年のクラブワールドカップ準決勝です。ACミランと対戦した試合を横浜で見ていました。高校1年生のときでした。地鳴りのような応援の中で鳥肌が立った記憶があります。
レッズからオファーが来たと聞いたときは、ゾワゾワっとしました。『本当なのかな?』とも思いました。またJ1に挑戦できるというのもそうなのですが、レッズのような大きなクラブに入れることに感慨深いものがありました。自分がレッズか、とも思いました。友人からは『浦和レッズだよ、すごくない?』とよく言われます。次は勝利に貢献して、友人から『すごい!』と言われるようにがんばります」
今節はG大阪との対戦だが、個人的にG大阪戦には良いイメージがある。
「僕がJ1のチームと初めて対戦したのはG大阪でした。ルヴァンカップで藤春(廣輝)選手や倉田(秋)選手ら当時の日本代表選手とマッチアップして、4-0で勝ちました。そのときのイメージがあるので相性としては悪くないと思っています」
今季鹿島から加入。公式戦3試合に出場し、うち京都戦では先発出場している。京都戦の10分、左CKの際に逆サイドへ回り込んでヘディングシュートを放った(※動画あり)。初ゴールとはならなかったが、攻守においてヘディングは大きな武器となりそうだ。
「セットプレーでは常に狙っています。自分の強みだと思っているので早くゴールが欲しいですね。チームも僕を生かすようなやり方をしてくれているので、京都戦でのチャンスは決めたかったです。
通常のヘディングも、常に動いて、なるべく前に出られるようなポジションやタイミングというのを意識しています。前に出てヘディングしたほうがパワーを使えますから。また守備のときは、ただ守るだけではなく、奪いきって攻撃につなげられる守備が理想です。奪いきれるセンターバックがいれば、攻撃にもパワーを与えられると思います。」
これまで清水、鹿島という、レッズのファン・サポーターが特にライバル意識を燃やす2チームでプレーしてきた。レッズ戦での思い出も多いのではないか。
「プロ1年目のJリーグデビュー戦(2012年8月25日/エコパ)の相手がレッズだったのですが、前半0-2と散々な試合で、ハーフタイムで交代させられました。それ以来、レッズとやるときはいつも気合いが入っていました。清水も鹿島も「浦和とやるときは負けるな」というムードがあって、チームとしても個人としてもモチベーションが高かったと思います。特に埼玉スタジアムでの試合は、選手としてテンションが上がっていました。
スーパーカップもそうでしたが、アウェイの京都戦でさえ、レッズサポーターのほうが多いのではないかという雰囲気を感じたので、満員の埼スタでやれたら本当に選手冥利に尽きます」
練習などで、苦しいはずの場面でも笑顔を絶やさないのが特徴だ。
「よく言われます。自然に出ているんです(笑)。苦しいですけど、試合中も笑っている写真がありますね。楽しめてやれているのかなと思います」
今季水戸から加入。神戸戦で初の先発出場を果たし、右サイドハーフとして63分までプレーした。開始5分に自陣エリア内で大迫勇也を倒してPKを与えてしまった(このPKは西川周作がストップ※動画あり)が、神戸に先制された直後の12分に関根貴大のパスを受けて同点ゴールを挙げた。(※動画あり)
「PKを取られた場面では、先にボールにさわれると思って足を出したんですが、大迫選手のプレーが予想以上に速かったです。そのへんは今までに体感したことがなかった部分です。足を出さなくてもよかったなとも思いますが、そういうところも含めて早いうちに経験できて良かったです。
ゴールの場面は、明本(考浩)選手が左サイドに開いていたので、自分は中央にポジションを取っていました。ボールを持った関根選手が縦に突破するかなとも考えましたが、早い段階で顔を上げてこちらを向いていたので、パスが来るだろうと思っていました」
これがリーグ戦での今季チーム初ゴール。その後、30分には江坂任のパスを受けてGKと1対1になるチャンスを迎えたが、狙いすましたシュートは前川黛也の好セーブに阻まれた(※動画あり)。それでも、多くの選手が絡んだコンビネーションによる一連の流れには見ごたえがあった。
「後ろからのビルドアップで、スピードを上げすぎずに全体でボールを運べた場面だったと思います。(アレクサンダー)ショルツ選手から良いボールが入ったので、自分が内側に入りすぎないようにすれば、こちらのサイドは空いてくるなと思っていました。
江坂選手が良いボールを出してくれたので、決めなければいけないシーンでした。ニアに打つ選択肢もありましたが、あれは正直入るコースだと思っていました。J1のGKのレベルの高さを肌で感じました。チームのリーグ戦初ゴールについては特別意識はしていませんでした。常にチームの勝利に関わるプレーを目指しているので、それにつながらなかったのが残念です」
ここまで公式戦全3試合出場し、3試合目で初先発。新加入選手として順調な滑り出しとも言える。
「普通のクラブならそう言えると思いますが、ここでは求められるものが違うと思います。自分自身も、ただ出場することだけを求めているわけではないので、全然とは言わないまでも、順調ということはないと思います。いかに結果にこだわってプレーできるかを意識しています。退場者が出たので何とも言えませんが、やはり自分が2点目を決めて3-1にしていれば勝てていたという気持ちが強いです」
埼玉県川越市の出身だが、埼玉スタジアムでのプレーは今回が初めてだった。
「プレーするのは人生初でしたが、スタンドからは何度も見ていました。観客席で感じていた雰囲気をピッチで味わえたことに特別な感情がありました。緊張はなく、リラックスしてやれていたと思います。
試合後、場内を一周しましたが、正直あれほど拍手が起こるとは思っていませんでした。勝ってファン・サポーターの表情を見られれば良かったんですが、うれしい半面、危機感も湧きました。だからこそG大阪にはしっかりと勝ちたいです。
ガンバには特別な思いはありませんが、半年間一緒にやって仲良くさせてもらっていた柳澤(亘)選手(昨年7月まで水戸に在籍)がいるので、元同僚とJ1の舞台で戦えるのはうれしいです。
試合に出続けることで自分の感覚をアジャストできると思いますし、連戦ですがホームでできるのは大きなアドバンテージです。ガンバ戦は勝ちに持っていかなければいけないですし、ホームゲームにはその力があると思っています。もっと良い試合をお見せして勝利したいと思います」
ALWAYS FOR REDS
文●清尾 淳
シーズン開幕前のキャンプ取材では長く、集中して練習を見ることができるし、ときにはホテルまで行って夕食後にインタビューもできる。練習以外の過ごし方などを含めた様子も聞く対象になるし、とにかくほぼ毎日顔を合わせることになる。お互い、浦和から遠く離れた地に来ている、という軽い連帯感も生まれる。
「あ、○○さん、いつ来たの?」「いつまでいるんですか?」
顔見知りのメディア関係者を見つけたときの選手の反応が、いつもと違う環境を実感させた。
もちろん主目的はチームがどういう準備をしていくかを見ることにある。
特に監督が代わったシーズンは、新しいスタイルをどう定着させていくのかが最重要テーマだ。また新加入選手に初対面の挨拶をし、そのプレーの特徴や人となりを知るためにも大事な期間となる。
昨季はリカルド新監督就任、11人の新加入選手。今季は13人の新加入選手(キャンプ参加は12人)があった。沖縄キャンプが持つ役割はチームにとっても大きなものだったが、メディアにとっても大事な機会だったのだ。
しかしこの2年間、選手・スタッフへの直接取材はもちろん、話し声が聞こえるような距離に近づくこともNG。ランニングなどで近くに来たときに目で挨拶するぐらいだ。
感染防止対策として当然の措置なのだが、上記に述べたキャンプ取材の目的のうち、冒頭に書いた部分はほぼ未達成になる。だから今季も選手のプレーを目に焼きつけ、個々の特徴を知ることに集中した。僕は例年、写真を撮るのに時間を割いていたが、今回はカメラを持たない時間がだいぶ多くなった。
例えば公式戦3試合に先発フル出場した馬渡和彰。左右どちらのサイドでもプレーできるという情報は持っていたが、キックの質までは知らなかった。ゴール前で触れば入るようなライナー性の速いCK、あるいはゴールを狙う直接FKを見て楽しみになった。それはすでに多くのファン・サポーターが目の当たりにしたはずだし、神戸戦では柴戸のゴールを生み出した。縦への飛び出しに後ろからパスが出てチャンスを作るという場面はまだ多くないが、本人は前に走り続けると言っているので、そこからゴールが生まれるのもそう遅くないだろう。
神戸戦で初先発した松崎快。ドリブラーという情報しかなかったのだが、沖縄ではそのスピードに驚かされた。最も魅力を感じたのは、少し長すぎるかなという後方からの大きなパスにしっかり追いつき、しかも絶妙なトラップでトップスピードのままドリブルを続け、一気にゴール前に運ぶプレーだ。京都戦では、相手の戦術に合わせてラインの裏にボールを送ることが多かったが、ここに松崎がいれば面白いだろうな、と思った。勝利にこだわる気持ちの強さは今回MDPの取材で知った。
今季の宝箱はまだ全部開けられていない。ほかの選手についても機会があれば書きたい。新加入選手だけではなく、例えば関根や柴戸のプレーがレベルアップしているのは見てのとおりだ。大久保や平野も沖縄で新しい面を見せてくれた。
連動に関しても、昨季積み上げてきたものがシーズン序盤から出せている。神戸戦の前半30分、松崎のシュートは惜しくもGKにセーブされたが、そこまでの展開には目を見張るものがあった。
ネガティブな部分をどう改善していくか、ということもある。今季ここまでの3失点は、いずれもゴール前での攻防で相手に上回られたもの。そこからの向上に期待したい。また神戸戦で悔しい退場処分を受けた明本が、今後は相手のファウルを自分の強さの証ととらえ、妨害を乗り越えてゴールに向かうプレーを見せてくれる予感がする。
間違いなく楽しませてくれる今季の浦和レッズ。今日のガンバ大阪戦でもその魅力をいくつか披露してくれるはずだ。
そして最大にしてまだ今季味わっていない楽しみ。そう、リーグ戦初勝利を埼スタで味わわせてほしい。