その瞬間がどれだけ選手たちに勇気を与えているだろうか。
その瞬間がどれだけ選手たちに使命を抱かせているだろうか。
その瞬間がどれだけ選手たちに勇気を与えているだろうか。
坪井慶介は、熱量にほだされて浦和レッズへの加入を決めた。
福岡大学でプレーしていた坪井は、好きなチームがあったわけでも、行きたいチームがあったわけでもなかった。「どこでもいいからプロになりたかった」と、当時を振り返る。
そうしたなか浦和レッズの練習に参加すると、偶然にも公式戦を観戦する機会に恵まれた。
2001年7月14日——。
J1リーグ1stステージ第14節のジェフユナイテッド市原(現・ジェフ千葉)戦。フェイエノールトへの移籍が決まった小野伸二を送り出す最後のホームゲームだった。
「駒場スタジアムに溢れんばかりのファン・サポーターがスタジアムに詰めかけていました。チームのために戦ってくれた選手に対しては、寂しい思いがありながら、感謝を込めて熱い声援で送り出す。その光景を見たとき、自分も“ここで”プロサッカー選手として挑戦したいと思いました」
気がつけば、スタジアム全体から発せられる熱気に魅了されていた。スタンドから試合を眺めているときには、すでに浦和レッズへの加入を決めていた。
「練習参加したときはチームの雰囲気を知りたいという思いでしたが、試合を見たときにはここでプレーしたいという思いに変わっていました。そう思わせてくれたのは、間違いなくファン・サポーターの存在。1日でも早くピッチに立って、あのファン・サポーターの前で自分のプレーを見せたいと思っていました」
加入した2002年、開幕戦からセンターバックとして先発出場する原動力になっていた。
「しばらくして、試合前に自分の名前をコールしてもらえたんです。大袈裟な表現に聞こえるかもしれませんが、その瞬間、ようやく浦和レッズの一員になれたというか、認められたという思いを抱きました。すでにクラブとは契約もしているし、試合にも出場していたので、浦和レッズの選手ではあったのですが、ファン・サポーターから名前をコールしてもらって、ようやく一員になれたというか、一人前になれたと思ったんです」
その後押しが、2002年に個人としてもJリーグ新人王に輝く活躍につながったと坪井は話してくれた。
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