『ハートフルサッカー in アジア2018』をカンボジア・タイ(ハートフルサッカーinアジア)
今回はハートフルクラブ初となるカンボジアを訪問。スポーツ・フォー・トゥモロー・コンソーシアムを通じて、認定NPO法人国際地雷処理・地域復興支援の会(IMCCD)のご協力のもと活動してきました。
DAY1
バンコク経由でカンボジアに到着。
シェムリアップ空港から4時間かけ、IMCCDがあるタサエンに向かいました。
道中、何もない草原が道の両脇に広がっていました。
タサエン到着後、今回の宿泊先となるIMCCDの施設で昼食をとり実際に地雷を処理している現場へむかいました。
向かう途中には、元地雷源のところがあったり、一方でバナナの木があったりと不思議な光景を目にしました。
雨だと、爆破処理は点火できない場合があるから基本的にはやらないとのこと。しかし、今回はギリギリの決断のもと行っていただきました。
2発の爆破をしたのですが、テレビや動画等で見るのとは全く違い、音、風圧などがすごく、言葉でも伝えきれません。
まだこの地雷が400万〜600万個あると思うと…。
現場から施設に戻る途中、露店に立ち寄りバナナとドラゴンフルーツをいただきました。どちらも、とてもフルーティで日本のものより美味しかったです。
施設に戻るとちょうど日本語教室が始る時間で、特別講師として宮沢コーチと永井コーチが担当させてもらい日本語を教えました。
夜は、この施設を訪問していた日本の学生や親子の方々と懇親会を兼ねた夕食をいただきました。
寝所はハンモック。思った以上に寝やすかったです。
そして、真っ暗な夜空に星がとても綺麗に輝いていました。
DAY2
朝6時に朝食をとり、8時からハートフルスクールスタート。
アジア訪問も埼玉での活動と同様、小学校を対象に行いますが、今回はタサエン村の子供たちや近くの村の子供たちを対象に行いました。
また、訪問が決まってから施設の方と村の方でサッカーグランドをつくり、ゴールまでつくってくれました。
90×40と正規の大きさではないけれど、しっかり作ってくれていて、この光景をみた時は感動しました。
ゴールを作ってくれたので、中古ではありますが普段スクールで使っているネットを持っていき、コーチ陣で穴が開いてしまったところを塞ぐ作業をして設置しました。
ハートフルスクールには小学生から高校生までの子供たち132人が参加。
落合キャプテンの講話を30分してから実技を開始。
カンボジアの子供たちは集中力が続かなく難しい場面もありましたが、実技になると楽しそうにやっていました。
カンボジアのサッカーレベルはまだまだだと思いますが、グチャグチャなグランドを裸足で走りまわる姿にはたくましさを感じました。
途中、スコールもありましたが彼らには全く関係ありませんでした。
午後は、6チームをハートフルのコーチ陣が相手となり10分を10試合しました。
コーチ陣相手なので、果敢に向かってくるものの、なかにはボールを取られたり、抜かれてしまったら終わり…、という場面がありもう少し頑張ってくれたらなとも思いました。
DAY3
前日同様、6時に朝食をとり8時から地雷と不発弾の種類、仕組み、解除の仕方や経験談を聞きました。
どのお話も初めてで、とても貴重な時間でした。
印象に残ってるのは、「損得勘定ではなく、人類が埋めた地雷などを後世に残すわけにはいかない、今やれる人がやる。でも辞めることもできる。ただ、平和構築を世界に発信するのは戦後処理を現場で永遠とやることによって、一度引き金を引いたら、こんな大変なことを後世に100年、200年と残していきますけど、それでもやりますか。という思いでやっている。」とIMCCD高山さんはおっしゃっていました。
落合キャプテン
「色んな人と会って話しをした中で、そういうことなのかと思ったことが一つある。それはどういうことかというと、彼らは大変な戦争が終わって、今自由ってこういうものなのかなということをルールなしで満喫してしまっているんじゃないか、はたから見るとちょっといい加減だなという部分があるかもしれないが、それは許してもらえたらなという話をちょっとされたことがあって、ああそういうことなのか、じゃあこれからこの平和はずっと続くのだから、我々はルールみたいなものは一生懸命提供していかなければならないのではないかとの思いの中で、今日まできています。ですから、これからどうなっていくのかなというのがどこに行ってもそうですが、興味があります。」
宮沢コーチ
「不発弾・地雷の爆破の見学をしました。カンボジアのことを少し学んでここに入ったのですが、実際爆破の見学はショックを受けるものでした。それを終えて今日子供たちとやる時は気持ちを切り替えて、いつも通り自分たちが伝えたいと思っていることを伝えたつもりです。ただ、カンボジアの子がどのくらい考えてくれたり心に残ってくれるかなというのは未知数ですけれども、今回も思いやりというキーワードをたくさん話しながらサッカー教室もしました。自分たちとの対決もあって、いつもと違う雰囲気を僕たちも味わえて、この経験をまた日本に帰ってスクールで子供たちに話したりすることで、もっとより良い遠征になったということが言えるようにしたいと思っています。お疲れ様でした。」
伊藤コーチ
「今回カンボジアに来させてもらいましたが、久しぶりにとてもローカルな国に来させてもらって、とても楽しい思いができました。初めて不発弾、地雷を爆破しているところを見せてもらって、その時の風圧だったり音だったり、改めて平和というものを感じさせてもらう機会にもなりましたし、サッカーもすごく一生懸命やっていて、とてもこれから未来に発展する余地がたくさんある国なのではないかなと感じました。僕たちもドロドロになるまでサッカーを一緒に楽しみ、サッカーの上手な子もいましたし、ポテンシャルはとても持っていると思うので、規律だったり日本人の思いやりみたいなものをこれから学んで、発展していってくれたら嬉しいなと思います。逆に今日本では、ドロドロのグラウンドでサッカーをやることがなくなっていますが、そういうのも日本人にとっては大事なのかなと感じたので、環境がよくなっていることに甘えず、日本のみんなも頑張って欲しいなと感じました。ありがとうございました。」
永井コーチ
「今回カンボジアに初めて来て、カンボジアの子供たちのたくさんの笑顔が見れて嬉しかったです。サッカーに取り組む姿勢もすごく真剣で、中には自分勝手にやる子もいるのですが、それをしっかり一生懸命やること、しっかり話を聞くことを伝えるとやるようになるし、その変化も見れて嬉しかったです。子どもたちと試合をやった時も、コーチが相手でも絶対勝ちたいという気持ちも見れましたし、その姿が見れてとても嬉しかったです。カンボジアで経験したことを日本に戻ったら、日本の子供たちにこういう子がいたよとかこういう文化だったよというのを伝えていって、この経験を今後も活かしていきたいと思います。ありがとうございます。」
西川コーチ
「カンボジアで子供たちとサッカーをして、子供たちの元気さ無邪気さにはすごく元気づけられた部分がありました。こういう環境の中で新しくグラウンドを作ってくれて、僕たちが来たタイミングでサッカーを楽しんでくれたというのは、僕自身非常にいい経験となり、色んな力をもらって、楽しい部分もあったし、みんなで頑張るということを子供たちに大人たちに伝えられた部分があったと思います。これからもこのカンボジア地雷除去大変なこともあると思いますが、みんなで負けずに頑張って欲しいと思います。この二日間楽しかったです。」
盛田コーチ
「地雷除去施設で地雷爆破、何度か映像で見たことがあったのですが、本当に心臓に圧力がかかるようなすごい衝撃がありました。すごいなと、ああいうのは身をもって体験しないとわからないことだったので、すごく経験できて良かったです。今日一日かけてカンボジアの地元の子供たちとサッカーをやったのですが、みんな本当に一生懸命やる、そこはもう間違いない。頑張ってやってくれるのですが、汚く削りにいくという子は全くいなかったんですが、こんちきしょうと思って、俺にぶつかられてこんちきしょうと思ってぶつかり返してくる子もいなかったので、その辺はもう少し貪欲になってくれたらいいかなというのは感じました。あとは戦術的なことだとか、こうした方がもっと良くなるんじゃないかなと思うことはいっぱいあったのですが、それはここの子たちが色んなものを見て、勉強して、また上手になってくれればいいかなと思います。」
IMCCD高山さん
「浦和レッズのみなさん、本当にありがとうございました。心から感謝をしております。皆さんに教えられたこと、これはこのスポーツを通じてこのカンボジアの子供たちのこれからの成長をずっと続けていきなさいというメッセージだと思います。今回だけで終わらないで、このサッカーを今日の子供たちに継続的にやろうと思っております。できたら、できたらまたここへ来て成長を見てもらいたいと思います。本当にありがとうございました。」
DAY4
タイでの活動はバンコクにある、KING’S COLLEGEで行いました。この学校は全寮制男子校であり、ラーマ5世が設立した大変由緒正しく歴史ある学校です。
大きな講堂で落合キャプテンによる講話をしました。
中には肘をつきながら聞いている子もいましたが、一方でメモを取りながら聞いている子もいました。
実技は伊藤コーチと盛田コーチがリーダーとなりスタートしました。
埼玉でやっていることと同様にプログラムをこなし、最後はコーチ陣との試合をし終了いたしました。
プログラム中、はじめは伝わらない場面もありましたが、子供たちの中でリーダーシップを取る子がでてきたりとプログラムが進むにつれて纏まりました。最後の人数ゲームでは一生懸命プレーしたり応援したりして活気づいていました。
永井コーチ
今日タイのサッカーチームの試合を担当したのですが、3チームで10分ずつ、3試合やりました。その中で、最初のチームはどうしたらいいかわからなくて、なかなかボールを取りに来なかったり、一生懸命やることができてなかったのですが、落合さんが途中で話をして、一生懸命ボールを取りに行く、最後まで諦めないことを伝えてくれたら、子供たちが変わったのがすぐわかったし、もっともっと最後の話の中でもそれを伝えたら、またコーチたちと勝負したいと言っていて、その為に何をしたらいいと聞いたら、一生懸命練習をするということを言っていたので、僕らの伝えていることが伝わったのだということがわかりました。サポートで入った時も子供たちから人数ゲームで応援をしたり、やっていて変化が見れたので、笑顔も見れてすごく嬉しかったです。この経験を日本でも伝えていきたいと思います。
伊藤コーチ
僕はタイに来るのは6年振りで、まず街並みが更に都会化していて、とても驚かされました。子どもたちも昔と変わらず素直で、一生懸命やってくれる子が多かったですが、ちょっと話を聞いたり、集まるのが早くやれる習慣がないので、そういうところを身に着けていったらもっともっと国としてもサッカーも伸びるのかなという印象を受けました。でもサッカーを一生懸命やってくれたし、とてもみんなサッカーが好きなので、楽しんでくれて、僕らも最後試合をやりましたが、いい試合になったし、とても楽しく終えられたので、良かったのではないかなと思います。ありがとうございました。
盛田コーチ
タイの子供たち、小学生のスクールを終えて、全寮制で男子だけでもっと逞しいのかなとイメージしていたのですが、物腰の柔らかな子たちが多くて、それもまた面白いなというのがあった。その中、サッカー部というのがあったので、もっとできるかなと思ったが、そこまでできていなかったので、期待していたことを思えば物足りなさも感じた。強く強調したのは思いやりのところをうまく伝えていこうかなと思って、○○とかやりました。上手く伝わったのではないかと思いますが、あとはあの子たち次第なのですが…。ゲームでも応援がすごくて、キムチとわさびもわかってくれて、応援もよかったので、その部分は僕らにとってやりやすかったし、元気な子たちだなと感じました。最後はやっつけて終われたので、僕らも気持ちよく帰れます。ありがとうございました。
西川コーチ
タイの学校でハートフルサッカーをやって、子供たち非常に元気で、サッカーが好きなことが伝わって、非常に良かったと思います。キムチもわさびも言葉の意味を分かっているのか分かっていないのか分からなかったのですが、チームの為に試合に出ている人たちを応援するだったり、手つなぎ鬼でも協力して手を離さずにどうしたらいいかというのを考えながらやっていたりしたので、その点は協力という部分で非常によかったと思うし、落合さんの話を聞いて、おもいやりという部分非常に子供たちには色々を感じた部分があったのではないかなと思います。話をしっかり聞かない子も数人いたりして、落合さんに怒られたりもしていましたが、その中でみんなが考えてサッカーが上手くなるために、あとは人とのつながり、その点でどうやって思いやりを持って行動するかというのをサッカーを通して今日の子供たちは理解してくれたんじゃないかなと思います。なかなか文化的にそういうところが浸透しきっていないところもあるし、そこをこのハートフルサッカーで伝えられて変わっていければ、僕たちの活動がうまくいっている証拠にもなるし、そういうので世界の人とつながっていけるというのは素晴らしいことだと思うので、非常に有意義な時間でした。ありがとうございました。