【ハートフルクラブコーチによるハートフル体験記】vol5(コラム)


ハートフルクラブコーチ陣がリレー方式でこれまでハートフルクラブでおこなった活動の経験談や体験談、コーチが大事に思っていることなどをハートフルクラブ掲示板で配信いたします。

5回目は「池田(ロボ)コーチ」です。」

「サッカーを楽しむために」

 

みなさん、こんにちは。
浦和レッズハートフルクラブのロボコーチこと池田学です。

今回のコラムでは、私が子供たちを指導するにあたり、ハートフルクラブの活動理念とともに大切にしている自分なりの考え方を中心にお伝えしたいと思います。

当たり前のことかもしれませんが、私はボールを蹴るすべての子供たちにサッカーを楽しんでほしいと思っています。
仲間と一緒にボールを追いかける楽しさ、試合をすることの楽しさ、自分で考えたプレーが正確にできたときの楽しさ等、いろいろな楽しさがあるのがサッカーですが、よりサッカーを楽しむためにはボールを止める、蹴る、運ぶ等に代表される個人技術も大切になります。
ひと言で個人技術と表現するのは簡単ですが、何のためにその技術が必要でそのためにどうするのかということを考えながらトレーニングに取り組むことが重要です。

サッカーに例えるなら、常に目的(点を取る、点を取られない)を意識したうえで、その目的を達成するための適切な手段(ドリブル、パス、シュート、トラップ、クリア等)を実行するというイメージです。
このイメージを個人からグループ、グループからチーム全体へと共有させて質を高めていくことがサッカーという団体競技の醍醐味かもしれません。

しかしながら、せっかく縁あってサッカーとめぐり合ったにもかかわらず、よりサッカーを楽しむ段階にたどり着く前に様々な事情で断念してしまう子供たちもいます。
個人技術を身につけるには適切な方法でトレーニングを継続する必要がありますし、私自身、個人技術向上のために基礎トレーニングを何度も何度も繰り返し行いました。
上達スピードには個人差もあるため成果が現れ始めるのには相応の時間を要するという忍耐力も必要となります。
他の人と比べるのではなく昨日の自分、1週間前の自分、1ヶ月前の自分と比べて少しずつでも個人技術が向上したと実感できることがよりサッカーを楽しむことに繋がります。

思ったところにボールを止め、効果的にボールを運び、狙ったところにボールを蹴ることができるようになると、サッカーを楽しむ幅がより一層広がり更なる向上心が生まれるものです。

最後となりますが、私が小学生のころから意識していた言葉に「念願は人格を決定す、継続は力なり」という詩の一節があります。
自分自身がどうしたいか、どうなりたいかを常に意識し、そのための行動を続けることが重要であるという意味に私は解釈していますが、とても好きな言葉です。

この大変な時期にいろいろとできないことを嘆くより、今できることに目を向けて継続の第一歩となりえるものを探すのも良いでしょう。
様々な知識を得たり、物事の捉え方の幅を広げることができる勉強や読書も、今できる大切なことだと思います。
新型コロナウイルスの影響によりコーチに就任してからまだ一度も指導の機会に恵まれていませんが、みなさんと一緒にボールを蹴ることができる日を心から楽しみにしています。

周囲への感謝の気持ちを忘れることなく、みんなで一丸となってこの難局を乗り越えましょう。