【ハートフルクラブコーチによるハートフル体験記】vol11(コラム)


ハートフルクラブコーチ陣がリレー方式でこれまでハートフルクラブでおこなった活動の経験談や体験談、コーチが大事に思っていることなどをハートフルクラブ掲示板で配信いたします。

11回目は「伊藤(けんた)コーチ」です。」

『少年時代のボク』

ハートフルクラブのけんたコーチです。
突然スクールが中止になってしまいスクール生のみんなに会えなくなってしまい寂しいです。
不自由な生活が続いていますがお元気ですか?
今、ボクは自由な行動ができないので人に迷惑がかからないように気をつけながら走ったり、家でできることに取り組んでいます。
こうして人と関わることができなくなると、サッカーは人との関わり合いのスポーツだなと改めて感じさせられています。

仲間と練習に励み試合に臨む。
勝てばもっと強い相手と戦うことになるし、負けても次は勝てるようにとチーム一丸となり練習に励む。
大切な仲間、良いライバルが自分を高めてくれることで成長させてくれるスポーツだと思います。

サッカーはチームで勝利を目指すもので、チームが勝たないと意味がないけど…
自分が試合に出てゴールを決めたり、イメージするようなプレーができるようになりたいですよね。
そうするには、自分自身がうまくならないといけません。
そのために必要なものといえば練習ですね。
そこで自分の小学生時代をこの機会に振り返ってみました。
その中でハートフルクラブのキーワード
①一生懸命
②楽しむ
③思いやり
の内容が入っていると思います。
ぜひ読みながら探してみてください。

今みたいにJリーグが無い時代でサッカー番組も無くサッカーの“サ”の字も知らないときの話です。
サッカーを始めたキッカケはサッカーをやらせたいと思っていた祖父と両親に小1の夏に勝手にチームに入れられました。
自分でやりたいとお願いして始めたわけではありません。

しばらくは攻めるゴールもわからず、スローインを投げればファールスロー。
どこのラインをどう割ると、スローイン? ゴールキック? コーナーキック? そもそもどっちチームのボール??
というぐらいルールも分かりませんでした。

リフティングは3年のころで5回もできず、とにかく下手で、サッカーに興味も持てずそもそもやる気もありませんでした。(当時、落合キャプテンに会っていたら、呼ばれて怒られていたことでしょう。けんたコーチも怒ります。)
うまくなりたいとも思わなかったので、うまくなるための自主練習なんてやるはずもありません。
それぐらいサッカーが嫌でしたが、両親は辞めさせてくれませんでした。

見るに見兼ねた両親は早朝や放課後、練習に付き合ってくれましたが、本人にやる気がないから成果はなし。
試合にも出してもらいましたがその理由も、下手だけど人数もいないし、ボールからは逃げないからとゴールキーパーをやらされたり…。
そんな低学年時代でした。

サッカーイヤイヤ期からの転機が確か4年生のときで宿題としてリフティング100回、ももで100回、ヘディングで20回、できなければ試合に出さないと言われたことでした。

あんなに辞めたかったサッカーですが、そのころちょうどJリーグが始まった時期でサッカーを始める子が多く、チームには同じ学年に20人以上になりがんばらないと試合に出られなくなっていました。
そうなってみるとなぜかレギュラー争いに勝ちたくなり、暗くなるまで、時には暗くなっても住宅街の外灯の下でとにかく1人で練習しました。(人と一緒にやってもダメだと思ってバレないように1人でコソ練。)

するとあんなにできなかったリフティングが5回から10回、10回から20回とできるように。
ただできたと思ったらまた減り。泣きべそかきながら気が付けば50回。コツを掴むとそこからは早くてついに100回。ももでの100回、自分でルールを決めて左右交互とか、右→左→もも→もも→右…とか、あんなにできなかったリフティングがスムーズにできるようになりました。(よく最高記録を聞かれますが、6年で1000回に到達して自分の中でリフティング終了。ヘディング20回は難しかった…)

気が付くと楽しくなり時間があればサッカーばっかりやっていました。(僕はまったく勉強をしなかったけど、みんなは勉強もがんばってね‼)
そうなるとできなかったプレーができるようになったり、上の学年の試合に出てゴールを決めたり、選抜チームに呼んでもらったりしました。

振り返ってみると今もサッカーを続けていられるのは家族、チームメイト、コーチ、対戦相手など関わってくれた人のおかげだと思います。
僕はプロのサッカー選手にはなれなかったので、プロになった人たちは本当に凄いなと思います。

人によってはプロになれないなら、それは「失敗」だと思うかも知れません。
でも何かに一生懸命取り組んだことに「無駄」や「失敗」はないのではないかと思います。
僕のようにプロにはなれないかもしれないけど、一緒にサッカーをやることで楽しいと思ってくれたり、好きになってくれたり、いろいろなことにがんばれる人が増えてくれたらうれしいです。

今、僕達はコロナウイルスという見えない敵との辛い戦いをしています。一人ひとりが自分勝手にならず、他人への思いやりをもって生活をすることでコロナを終息させ、早くみんなと元気に楽しくサッカーをやれる日を心待ちにしています‼
みんなでコロナに討ち勝とう‼


【ハートフルクラブコーチによるハートフル体験記】vol10(コラム)


ハートフルクラブコーチ陣がリレー方式でこれまでハートフルクラブでおこなった活動の経験談や体験談、コーチが大事に思っていることなどをハートフルクラブ掲示板で配信いたします。

10回目は「鰺坂(あじ)アシスタントコーチ」です。」

「あたりまえになってほしいこと」

みなさん、こんにちは、浦和レッズハートフルクラブでアシスタントコーチをしている鯵坂真人(アジコーチ)です。

新型コロナウイルスの影響でハートフルクラブの活動ができなくなってしまいとても残念です。
早く外に出て元気いっぱいサッカーをしたいと思っている子供たちがたくさんいると思います。
ぼくも1日でも早く子供たちの一生懸命な姿や元気な笑顔を見たい気持ちでいっぱいです。
ただ、残念ながら今は全員が安心してサッカーをできる環境ではありません。みんなが気兼ねなく外に出られるような「安心、安全」をぼくたちみんなで作っていかなければなりません。
そのために、一人ひとりが自分のため、他者のために考えて行動することが大切なんだと思います。
青空の下、みんなが笑顔で会えるため1日でも早く、その日を迎えられるようみんなで協力していきましょう!

今回ぼくからは、昨年参加させていただいたハートフルサッカーinアジア2019で訪れたネパールという国での、現地の子供たちとのちょっとしたエピソードについて、思ったことを書こうかなと思います。

まずはこのちょっとしたエピソードを読んでみてください。

ぼくたちはネパールで現地の小学校や施設を訪問し、たくさんの子供たちとサッカーを通じて触れ合いをもつことができました。そんな中、現地の子供たちとのサッカー交流終了後、通訳の人になにやら話しかけている子供がいました。その子たちがぼくの方にかけ寄り大きな声で、「アリガトー!サヨナラー!」
と日本語であいさつをしてくれました。
ぼくはその子供たちの行いが、さもあたりまえに、自然とやっていたものだから、おもわず「こちらこそありがとう」とネパールの子供に日本語であいさつを返してしまいました(せっかくネパール語のあいさつを覚えたのに….)

このエピソードは、ぼくがネパールで実際にやってしまった失敗談ですが、今回はぼくの失敗した部分は置いておきましょう。
みんなにいきなり質問です。これをを読んでみて、ネパールの子供たちのすばらしいと思える部分ってなにかあったかな?

日本人のぼくたちに対して日本語を使ってくれたこと?
もちろんそのおもいやりの行動ってすばらしいと思う。
でも、ぼくが思うすばらしい部分って、その行動を自然に、そしあたりまえのようにやれてたということ。

みんなも経験したことあるかもしれないけれど、相手に対しておもいやった行動をとろうと思っても、ためらってしまったり、恥ずかしがってしまってすぐに動けず、後々モヤモヤした気分になって後悔したことってないだろうか?(相手にボールをぶつけてしまってすぐに謝れなかったときとか)
このときのネパールの子供たちにはそういった素振りが一切なくて、あたりまえのように日本語を聞きに行って、恥じらいもなくすぐに使ってくれた。
だからこそすごく自然なおもいやりに見えたのだろう。
そこで思ったのは、こういうことってその場面になってから考えているとできなかったり、行動に移るのが遅くなったりしてしまうのかなってこと。

「自然にできるおもいやりが身についている人は普段から相手の気持ちを考えられる」

みんなは普段サッカーをしていて、自分では意識していなかったプレーが、コーチや周りの人から「ナイス!」って言われたことってないかな?
それってきっと無意識に良いプレーができているときだと思う。
そして、それは普段の練習や試合の中で、良いイメージを考えてプレーして、それが体にしみついていったからこそ自然と生まれるプレーだよね。
それと同じで、自然に相手をおもいやった行動ができる人って普段の生活の中でも相手の気持ちを考えられる人だと思う。
それが段々と考えなくても自然と思いつくようになり、行動にうつせる。
最終的にそれがあたりまえにできることにつながっていくのではないかな。

ぼくはみんなとサッカーを通じて接することが多いから、みんなには「サッカーを上手になってもらいたい」という想いがあるけど、それだけじゃなくて「相手の気持ちを考えて行動ができる人、そしてそれが自然とあたりまえにできる人」になってもらいたいという想いもあります。

「相手をおもいやれる」→「自然にできる」→「あたりまえにできる」

すぐに身につくことじゃないけれど、まずは意識しながらでも、自分以外の相手の気持ちを考えていれば自然と行動となって表れてくるはず。
そして、その自然にできるということをあたりまえにできるような人が増えれば、みんながハートフルな気持ちになれるんじゃないかな?
みんなも「あたりまえにできるおもいやり」を目標に日々生活してみよう!


【ハートフルクラブコーチによるハートフル体験記】vol9(コラム)


ハートフルクラブコーチ陣がリレー方式でこれまでハートフルクラブでおこなった活動の経験談や体験談、コーチが大事に思っていることなどをハートフルクラブ掲示板で配信いたします。

9回目は「鈴木(しんご)コーチ」です。」

「失敗 学び 成長」

スクール生のみなさん、お久しぶりです。元気にお過ごしでしょうか。しんごコーチです。

ここで私が失敗から学び成長した話をしたいと思います。

忘れもしない22年前の12月、あの日の私は人生で初めての大きな挫折を味わいました。浦和レッズのユースチームからトップチームに昇格を果たし1シーズンを終えたばかりの私に突きつけられたのは無情にも戦力外通告という現実でした。プロのサッカー選手として夢と希望に満ちあふれ、これからというときに告げられた予期せぬ通告。プロの世界は厳しいとは分かってはいたものの、まさかその瞬間が、まさかその現実が自分に突きつけられることになろうとは。また戦力外になった理由が、自分自身のスキル不足を指摘されたのならまだ諦めがつくものの、「お前は性格がプロ向きではない!」との一言。そのときはなぜそのようなことを言われたのか、なぜ1年目で自分としては結果を残していたと自負していたにもかかわらず次年度の契約をしてもらえなかったのか。気持ちのどこかではそのときのプロとして必要な心構えが甘かったというのが分かっていたのかもしれません。ただ、当時の私はその事実を認めたくないという気持ちが先行するばかり、現実に目を向けることはありませんでした。

浦和レッズを戦力外になった後、私は縁あって横河電機という社会人チームでプレーすることになりました。横河電機では朝働いて夜に練習するという日々。それでも私はまたプロの世界に戻るという情熱だけは忘れることなく毎日練習に励んでいました。プロとしての心構え、またメンタルの強さを備え合わせてくれたのは紛れもなく横河電機での働いた経験とプレー経験があったからでした。 

浦和レッズ時代の私は「優しすぎる」という自分の性格が災いしてフィールド上でもどこかチームメートに遠慮してプレーしている自分がいたのです。実際プロの世界ではそういった遠慮など必要ないにもかかわらず。また、チームメートが先輩であろうとどんどん自分の意見や思いをぶつけることが必要とされ、そういった強いメンタルを持ち合わせていない限り、プロとしてやっていくことは不可能なのです。浦和レッズを戦力外通告になった当初の私はそのことも分からずにプレーしていたのです。今思えばそれが「一番の大きな失敗」でした。

横河電機を経てまたプロの世界に戻ることができた私は、その後新潟、京都、大分、東京、北九州、シンガポールと日本国内のみならず世界でもプレーする機会に恵まれて、京都では2002年に天皇杯優勝という経験も味わうこともできました。天皇杯で優勝し、みんなと優勝カップを高々と掲げてチームメートやスタッフと優勝の喜びを分かち合った瞬間に初めて、自分自身のプロとしての性格の甘さに気づかせてくれた浦和レッズに感謝することができたのです。 この私の『一番の大きな失敗』は後に私自身を一回りも二回りも成長させてくれただけでなく、かけがえのないたくさんの出会いや経験をもたらせてくれました。

スクール生のみなさんも今後たくさんの壁にぶつかったり、挫折を味わうことがあると思います。大切なことは、失敗しても諦めずに前向きにいろいろなことにチャレンジしていくことです。そうすれば、必ず道は開けていくものだと私は信じています。

『1%の可能性がある限り、100%の努力をする』

最後になりますが、現在、私たちは世界中で見えない敵と戦っています。一刻も早く事態を収めるためには、現場で体を張って戦ってくれている医療従事者だけではなく、それ以外の人たちの行動がとても重要になります。今こそ、みなさんの想いを一つにして、この危機を乗り越えましょう。


【ハートフルクラブコーチによるハートフル体験記】vol8(コラム)


ハートフルクラブコーチ陣がリレー方式でこれまでハートフルクラブでおこなった活動の経験談や体験談、コーチが大事に思っていることなどをハートフルクラブ掲示板で配信いたします。

8回目は「石黒(ぐろ)コーチ」です。」

『2つの当たり前のこと』

こんにちは。浦和レッズハートフルクラブコーチの石黒琢也(グロコーチ)です。

今までハートフルクラブのスクールに通ったことがある人、4月からスクールに通う予定だった人、みんな元気ですか?そして、どんな毎日を過ごしていますか?
ヒマだ!!と思っている人が多いのかなと思います。
そんなときはハートフルクラブのコーチたちが一生懸命書いてみた、このコラムを読んでもらえるとコーチたちはうれしいです。もし良かったら読んでみてくださいね。

グロコーチが今から書くのはスクールに通ったら、ぜひできるようになってほしい
「2つの当たり前のこと」です。
何だと思いますか?考えてみて!!
リフティング?パス?ドリブル?サッカーのプレーを考えた人が多いと思いますが、まったく違います。
まったく違うと言ってもサッカーと関係があり、学校、他の習いごと、これからの人生、ずっと必要で、ずっと大切なことです。

その1つ目は、「あいさつ」

みんな、「あいさつ」していますか?
スクールに通ってくれる子供たちの「あいさつ」を見ているといろいろな「あいさつ」の人がいます。
・恥ずかしそうにあいさつをする人
・声が小さいあいさつの人
・自分からはあいさつをしない人
・相手の目を見ないあいさつの人
・昔は元気よくあいさつできたけど元気良くあいさつすることが恥ずかしくなってきた5・6年生の人

いろいろな「あいさつ」をグランドでは見ることができます。
もちろんしっかり「あいさつ」ができている人も中にはいますが、しっかり「あいさつ」ができていない人も多いなとグロコーチは感じています。

グロコーチはいろいろな人と「あいさつ」をする中で、あっ!!この人の「あいさつ」すごく気持ちが良いなと思う瞬間があります。みんなも誰かと「あいさつ」をしたときにこの人の「あいさつ」はすごく気持ちが良いなと思ったことはありませんか?

じゃあ、どう「あいさつ」をすれば良いのか?それが「あいさつ」の「あ・い・さ・つ」にヒントがあると思います。

あ・・・明るく元気に(周りの状況を見て思いやり)
い・・・いつも続ける(1日で終わらないように)
さ・・・先に(相手より先に勇気をもって)
つ・・・伝える(目を見て)

この4つを意識するだけで、ガラッと「あいさつ」が変わると思います。
ただ、「あいさつ」で注意してほしいこともあります。
それは、「あいさつ」しなさいと大人に言われるから「あいさつ」すること、そういう気持ちで「あいさつ」していても相手に気持ちは伝わりません。

良い「あいさつ」がすぐにできるようになるとは思いません。少しずつで良いので当たり前の「あいさつ」を当たり前にできるようになってほしい。

あれ、そもそも「あいさつ」って何で大事なの!?って思った人!!
その答えはしっかり「あいさつ」ができる大人になったら絶対に分かります。
なので、やってみようと思った人は取り組んでみてくださいね。

そしてこの場をかりて。
グロコーチを街中で見かけたとき、埼スタで見かけたとき、「あいさつ」をしてくれる人たち、本当にありがとうございます。
あっ!!スーパーで、電車の中で、大きな声で「グロコーチ!!」って言われると少し恥ずかしいです。
でも、いつも嬉しく思っています。ありがとうございます。

そして2つ目は、2周目のコーチコラムが周って来たときに書きたいと思います。
そして、ここで宿題です。
2つ目にグロコーチは何を書こうと思っているでしょうか?
1つ目は「あいさつ」2つ目は「?」
ヒントは1つ目も2つ目も、お父さん、お母さん、先生、コーチに言われたことがあるはずです。
もし良かったら考えてみて下さいね。
2周目があるかどうかは分かりませんが、もしなかったときはグロコーチに直接聞いてもらえると嬉しいです。
よろしくお願いします。

また、明るく元気にあいさつをして、グランドでみんなとボールを蹴れる日が来ることを楽しみにしています。
グランドで、スタジアムで、元気に会いましょう!!


【ハートフルクラブコーチによるハートフル体験記】vol7(コラム)


ハートフルクラブコーチ陣がリレー方式でこれまでハートフルクラブでおこなった活動の経験談や体験談、コーチが大事に思っていることなどをハートフルクラブ掲示板で配信いたします。

7回目は「神野(かみ)コーチ」です。」

「今が未来の土台になる」

 

みなさん、こんにちは。 ハートフルクラブの神野(かみコーチ)です。

新型コロナウイルス感染拡大防止のためハートフルクラブの活動ができなくなりましたが、みなさまにはご理解とご協力をしていただき感謝申し上げます。

ハートフルスクールに通ってくれたみなさんは長いあいだ通ってくれたのに最後に突然会えなくなってしまったのでコーチたちも残念な気持ちでいっぱいです。6年生で通ってくれたスクール生は会う機会が少なくなりますが駒場スタジアムや埼玉スタジアム、レッズランドなどでコーチ達のこと見かけたら声をかけてくださいね。

スクールの最終回にみんなに伝えようとしていたことをこのコラムで書きたいと思います。 まずは僕のサッカー歴をお伝えします。 高島平サッカークラブ(板橋区)→板橋区立西台中学校サッカー部→浦和スポーツクラブ→浦和レッズユース→浦和レッズに入団しました。それから会社員を経てハートフルクラブのコーチとして浦和レッズに戻り今に至ります。 僕が大事だと思っていることを経験談など交えてお伝えします。

『今が未来の土台になる』

みんなは今までにいろいろなことをしてきたと思います。少し時間のあるこんなときだから昔の写真やビデオ、日記やノートなどを振り返ってみてください。きっと、できることが多くなったなーと感じるはずです。サッカーやダンス、ピアノが上手になったとか、計算が早く解けるようになった、字が上手に書けるようになったとか。 今までやってきたことの積み重ねを土台としてその上に“今”みんなは立っています。そして“未来”で夢を叶えたり、上手になるためには“今”いろいろな経験や練習をしてその土台を広く大きくしましょう。その時に下の2つを意識してください。

【まず、やってみよう】

もし、できなそうだなって感じたときは、 “今まで(過去)やってないだけ。今から始めれば絶対できるようになる” と思ってください。こういう気持ちをもつと初めてやることやうまくいかないことにチャレンジしやすくなると思います。やらないより、やってみたことで感じる感覚、得た経験は必ず未来で活きてきます。

【理由をみつける】

そして、考えることも必要です。

チャレンジする  

  ↓

成功した(失敗した)  

  ↓

なんで成功したか(失敗したか)考える、 次は何をしようか工夫する

  ↓

またチャレンジする この成功した(失敗した)理由をみつけることが上手になるスピードを上げるために重要になります。

サッカーの練習でいうと、リフティングがわかりやすいですね。回数がものさしになって前より上手くなったって感じとれると思います。5回しかできなかった子が次の日いきなり100回できるようになるとは思えません。でも諦めず続けて練習すれば記録は絶対伸びて行くと思います。 コーチも小学生のときにリフティングが苦手でした。うまくできなくて泣きながらやったのを思い出します。できないことが悔しかったしうまくなりたかったから続けてやりました。リフティングが上手な人からも学びました。リフティングしている時の姿勢や、ボールの回転、足のどこでボールのどこを蹴っているか、蹴ったときのボールの音とか。それをマネして練習を続けていたらちょっとずつできるようになりました。

次は中学校サッカー部時代のこと、僕より当たりが強くて動きも早くて、ボールを奪いに行ってもボールにすら簡単にさわれない、そんな1学年上の先輩がいました。その存在が僕を上手に、強くしてくれました。紅白戦では毎回相手チームでポジションも重なっていつも対戦していました。奪えなくても倒されても何回もぶつかって行きました。それでもボールが奪えなかったので、いつ、どこから、どのくらいの強さで奪いに行けば良いのかを考えたら少しずつ奪える回数が増えていきました。最後までその先輩にはかなわなかったけど毎回全力でぶつかって行けたことが僕のサッカー人生で大きな成長につながったと感じています。

一生懸命やってもちょっとずつしか上手にならなかったり、どんなに頑張っても試合で上手くいかなかったり負けたり…、でもそのときそのときで頑張ってやっていれば、未来で振り返ったときに“あのとき頑張っていて良かったな”と思えるものです。だから今はいろいろな経験をしてほしい。夢があるならそれに向かって全力で取り組んでほしいと思います。 今、頑張っていることは必ず未来につながります。 『今が未来の土台になる』

最後になりますが、今回の新型コロナウイルスの影響や昨年10月の台風でレッズランドが使用できなくなり、楽しみに通っていただいたスクール生とそのご家族の皆さまには大変ご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。今後もどうなるか不透明な状況が続きますが、まずは健康第一を考えて未来につながる今を過ごしてほしいと思います。そして事態が終息した際には、ハートフルクラブをはじめ浦和レッズ、浦和レッズレディース、アカデミー部門の男女各チームへの更なる応援をしていただけることを願っております。


【ハートフルクラブコーチによるハートフル体験記】vol6(コラム)


ハートフルクラブコーチ陣がリレー方式でこれまでハートフルクラブでおこなった活動の経験談や体験談、コーチが大事に思っていることなどをハートフルクラブ掲示板で配信いたします。

6回目は「盛田(もり)コーチ」です。」

「経験」

みなさん、こんにちは。ハートフルクラブコーチの盛田剛平です。
新型コロナウイルスの影響で学校へ行けなかったり、外で友達と遊べなかったり、いろいろなことを制限されてストレスを感じてる人もいるかもしれません。でも、こんなときこそ、自分勝手なことはせず、いろいろな人の気持ちになって行動する「おもいやり」の心を持って過ごしてね。

今回、盛コーチが話をするのは「経験」についてです。

いろいろなことを実際に見たり、やったりすることね。
みんななら、今までやったことがないことで、でも別にやってもやらなくてもいい、どっちかというと面倒くさいことが目の前にあったとき。どうする?
何もしなければ楽だよね。でも、盛コーチはそういう場面になったとき、積極的にやってみることにしてます。
だってそのほうが絶対に自分にとっての「経験」として身につくから。
「やらなくてもいいこと」なのかもしれないけど「自分が今までやったことのないことを習得できる人生で1回しかないチャンス」と盛コーチは考えるの。
そんなふうに考えると、ほら、やらなきゃ損だし、勿体ないと思えてくるでしょ?
そりゃうまくいかなかったり、失敗することもあります、でもそれさえもやらなければ味わえなかった「経験」です。失敗から学ぶことの方がたくさんあるしね。
みなさんにはすごく大きな可能性が秘められています。
だから、いろいろなことに興味を持って、そしてチャレンジしていってほしいです。そのチャレンジすべてが「経験」として自分に備わっていきます。やりたくないことでも、自分のためになる、成長できることだと思えば、「やろうかな?」と思うでしょ?


盛コーチ、ちょっと前までサッカー選手してました。
試合に出られたり、出られなかったりを繰り返す、二流までもいかない、三流くらいの選手でした。それでも41歳までの19年間プレーできたことは誇りです。
FW→DF→FWとポジションを変えたり、クビになってもトライアウト受けたり、サッカー選手でいるためにいろんなチャレンジをしてきました。良いことも悪いことも含め、すべてがいい経験でした。
そして今も、ハートフルクラブで、すばらしい経験をさせていただいてます。
小学校や幼稚園・保育園に行って、スクールを行い埼玉の子供たちと触れ合い、海外で子供たちとサッカー交流、そしてその国の歴史や現状、文化を知ったり、東北被災地での活動で実際に見たり、聞いたりしていろいろなことを感じたり。すごくありがたい経験です。


そして、いつも感じるのは、日本の日常の生活はすごく恵まれてるなということです。
でも、それをどうやってみんなに伝えればよいのかをずっと考えて、悩んでました。
当たり前だと思ってることに感謝したり、幸せを感じるなんてなかなかできないですからね。
でも、今のこの状況なら、普通に学校へ行って、机並べて友達と勉強したり、公園で思いっきり遊んだり、サッカーすることがどれだけ幸せかということがみんなにも気付けたはず。
そして、そう思えたのは、このコロナウイルスの影響で自宅で過ごしてる今の「経験」があるから。
だから、この自粛が解除されて、普段の生活がもどったら、この日常はすごく幸せなことなんだと感じつつ、いろいろなことに一生懸命チャレンジしてもらいたいです。
もちろん、今だからできることもたくさんあると思うから、それもみつけてね。

はやくみんなとグランドやスタジアムで元気に会える日がくるのを心待ちにしてます。
ラーメン大好き盛コーチより


ハートフルクラブの活動について【5/4更新】(お知らせ)


先般、ハートフルクラブの各活動の中止期間として4月3日(金)にさいたま市教育委員会より発表があった小学校の臨時休業期間にもとづき4月10日(金)から5月6日(祝・水)までとさせていただきました。

しかしながら、同教育委員会からの5月31日までの休校期間延長、および5月4日、日本政府より、緊急事態宣言が発出され、5月31日(日)まで延長となりました。

前回同様、浦和レッズとして子供たちの健康と安全を最優先に考慮し、引き続き、当面の間、下記の活動に関しまして中止とさせていただくことといたしました。

 

【活動中止期間】

5月6日(祝・水)~5月31日(日)

 

【中止となる対象の活動】

「ハートフルスクール全校」

「小学校授業サポート」

「レッズキッズサッカー」

「キャラバン」

 

本来であればスクール参加者、ご応募いただいた小学校、保育園、幼稚園の皆様と一緒にサッカーが出来ることを楽しみにしておりましたので残念でなりません。

想定を上回る緊急事態に苦渋の決断でありましたこと、ご理解とご了承の程、宜しくお願い申し上げます。

※今後の政府等からの発信により、更なる制限や施設使用中止等による期間延長の可能性があります。

今後の状況を考慮しながら対応を検討して参りますが、変更があった際にはあらためてホームページもしくはハートフルクラブ掲示板でのご案内をさせていただきますので、ご確認くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

一日でも早くこの状況が終息し、平和な日常が戻ってくることを祈りつつ、コーチ一同再開にむけて準備をして参りますので、引き続き、浦和レッズ・浦和レッズハートフルクラブにご理解、ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。


【ハートフルクラブコーチによるハートフル体験記】vol5(コラム)


ハートフルクラブコーチ陣がリレー方式でこれまでハートフルクラブでおこなった活動の経験談や体験談、コーチが大事に思っていることなどをハートフルクラブ掲示板で配信いたします。

5回目は「池田(ロボ)コーチ」です。」

「サッカーを楽しむために」

 

みなさん、こんにちは。
浦和レッズハートフルクラブのロボコーチこと池田学です。

今回のコラムでは、私が子供たちを指導するにあたり、ハートフルクラブの活動理念とともに大切にしている自分なりの考え方を中心にお伝えしたいと思います。

当たり前のことかもしれませんが、私はボールを蹴るすべての子供たちにサッカーを楽しんでほしいと思っています。
仲間と一緒にボールを追いかける楽しさ、試合をすることの楽しさ、自分で考えたプレーが正確にできたときの楽しさ等、いろいろな楽しさがあるのがサッカーですが、よりサッカーを楽しむためにはボールを止める、蹴る、運ぶ等に代表される個人技術も大切になります。
ひと言で個人技術と表現するのは簡単ですが、何のためにその技術が必要でそのためにどうするのかということを考えながらトレーニングに取り組むことが重要です。

サッカーに例えるなら、常に目的(点を取る、点を取られない)を意識したうえで、その目的を達成するための適切な手段(ドリブル、パス、シュート、トラップ、クリア等)を実行するというイメージです。
このイメージを個人からグループ、グループからチーム全体へと共有させて質を高めていくことがサッカーという団体競技の醍醐味かもしれません。

しかしながら、せっかく縁あってサッカーとめぐり合ったにもかかわらず、よりサッカーを楽しむ段階にたどり着く前に様々な事情で断念してしまう子供たちもいます。
個人技術を身につけるには適切な方法でトレーニングを継続する必要がありますし、私自身、個人技術向上のために基礎トレーニングを何度も何度も繰り返し行いました。
上達スピードには個人差もあるため成果が現れ始めるのには相応の時間を要するという忍耐力も必要となります。
他の人と比べるのではなく昨日の自分、1週間前の自分、1ヶ月前の自分と比べて少しずつでも個人技術が向上したと実感できることがよりサッカーを楽しむことに繋がります。

思ったところにボールを止め、効果的にボールを運び、狙ったところにボールを蹴ることができるようになると、サッカーを楽しむ幅がより一層広がり更なる向上心が生まれるものです。

最後となりますが、私が小学生のころから意識していた言葉に「念願は人格を決定す、継続は力なり」という詩の一節があります。
自分自身がどうしたいか、どうなりたいかを常に意識し、そのための行動を続けることが重要であるという意味に私は解釈していますが、とても好きな言葉です。

この大変な時期にいろいろとできないことを嘆くより、今できることに目を向けて継続の第一歩となりえるものを探すのも良いでしょう。
様々な知識を得たり、物事の捉え方の幅を広げることができる勉強や読書も、今できる大切なことだと思います。
新型コロナウイルスの影響によりコーチに就任してからまだ一度も指導の機会に恵まれていませんが、みなさんと一緒にボールを蹴ることができる日を心から楽しみにしています。

周囲への感謝の気持ちを忘れることなく、みんなで一丸となってこの難局を乗り越えましょう。


【ハートフルクラブコーチによるハートフル体験記】vol4(コラム)


ハートフルクラブコーチ陣がリレー方式でこれまでハートフルクラブでおこなった活動の経験談や体験談、コーチが大事に思っていることなどをハートフルクラブ掲示板で配信いたします。

4回目は「島田(とら)アシスタントコーチ」です。」

「ハートフルクラブスクール生からコーチへ」

新型コロナウイルスの影響で東京五輪の延期、スポーツ界だけでなく世界中の人々が不安と恐怖に追われながら生活せざるを得ない状況が続いています。みなさまはどうお過ごしですか? ゲーム・YouTubeばかりの生活になっていませんか? ハートフルクラブは2月下旬から活動休止という形を取らせていただいております。楽しみに待ってくれていたスクール生、保護者のみなさまに申し訳ない気持ちでいっぱいです。

1日も早く、みなさまの笑顔を見られる日が来ることを待ち望んでいます。

スクールで担当した子供たち、保護者のみなさまの中でご存知の方もいるかと思いますが、僕はハートフルクラブが3年目を迎えた2005年の後期(当時4年生)から小学校を卒業するまでの2年半の間、スクール生として通っていました。今の自分からは想像もできないほど人見知りで控えめな性格だったあの頃から、現在アシスタントコーチとして、元スクール生という自分ならではの目線で伝えられることをお話しようと思います。

学生時代の大半を東京で過ごしていた僕がハートフルスクールに参加することとなったきっかけは、地元で同じサッカー少年団に所属していた友人の親(レッズファン)からの誘いでした。当時の本音を言うと、まったく知らない人たちの中でサッカーをすることに不安しかありませんでした。人見知りでうまくもない、ただただサッカーをすることが大好きな少年だったからです。

いざ、スクールが始まっても二人組で行うトレーニングや、女の子と手を繋ぐこと、同じチームメイトに大きい声を出して応援すること等が、当時の僕には初めてのことばかりで戸惑いや遠慮がちな面があり、心の底からサッカーを楽しむことができていませんでした。今でも忘れられない出来事があります。半年に一度行われる親子サッカーでのこと、毎回のように父が参加していました。ウォーミングアップで親子二人一組となり協力して成功させるといったメニューをしてから、子供対親でコーチから言われた人数がコートで試合を行う人数ゲームが始まりました。先頭の子供たちから、勝ってうれしそうに戻って来る子もいれば、負けて悔しそうに戻って来る子もいます。とうとう自分の出番が回ってきました。相手チームには父がいます。コーチからボールが渡り試合が始まると思いきや、一目散にボールに反応し、あっという間にシュートを決め、子供以上に喜びを爆発させて仲間の元へハイタッチを求めに行く一人の親の姿がありました。言わずとも分かるでしょう、このシュートを決めたのは父でした。悔しさがあった中で『何でそんなに喜んでるんだよ!』と言う恥ずかしさもどこかにありました。

でも、そのときの感情が間違っていたことに直ぐに気付かされたのです。その日の帰り際に落合キャプテンが『お前の親父、最高だな!あの場にいた誰よりもサッカー楽しんでたな!』と声を掛けてくれたのです。その場にいた他のコーチたちも次々に父に感謝の言葉を掛けていくのです。そのとき、初めてハートフルクラブが掲げる3つのキーワード(仲間を信頼し思いやるこころ・互いに楽しむこころ・何事も一生懸命やるこころ)の意味が理解できたのです。サッカーは独りではできない、相手がいて仲間がいて成り立つものであり、楽しむのもただ楽しむのではなく何事も一生懸命に取り組むことで本当の楽しさが感じられるのではないか、当時の僕からしたら衝撃的な発見でした。今までのサッカーへの取り組み方、向き合い方を変えないといけない、子供ながらにそういう考えを持つことができました。この経験がそれからのサッカー人生に生きていたのだなと常々感じる事がありました。

ハートフルクラブ・コーチ達に出会えてたからこそ、自分自身を見つめ返す経験ができ、両親・家族の支えがあり、今の自分があります。

この経験を活かし次は僕が子供たちにサッカーの楽しさを伝える番であり、背中を押してあげられる存在にならなくてはならない立場になりました。

ハートフルスクール生とハートフルコーチ、この二つの視点から考えられることができるのが僕の一番の強みであり、武器であります。今までもそうですし、これから出会うたくさんの子供たち一人一人にサッカーのすばらしさや「サッカーってこんなに楽しいんだよ」、でも「仲間・相手を思いやることも大事なんだよ」という醍醐味を伝えていきながら、笑顔でボールを追いかけていきます。(プレーではまだまだ負けません!笑)

冒頭でも言いましたが、緊急事態宣言が発令され学校に行けず、今まで当たり前のように送っていた生活が一変してしまうこの現状は、誰もが想像もしていませんでしたが、ネガティブに捉えることはないと思います。今だからできること、見つめ直せることがあると思います。家事の手伝いや、読書、どこかに自分を変えるきっかけがあるかもしれません。僕もこのコラムを通じて、忘れかけていた思いを改めて考え直すことができました。思いやりのこころを持ち、互いに助け合い、今このときを共に乗り越えましょう。

 

 


【ハートフルクラブコーチによるハートフル体験記】vol3(コラム)


ハートフルクラブコーチ陣がリレー方式でこれまでハートフルクラブでおこなった活動の経験談や体験談、コーチが大事に思っていることなどをハートフルクラブ掲示板で配信いたします。

3回目は「西川(ゆう)コーチ」です。

「みんなに伝えたい3つのこと」

 

みなさん、こんにちは!!

今年度でハートフルのコーチとして4年目を迎えた西川優大(ゆうコーチ)です。

現在、新型コロナウイルスの影響でみんなは家で過ごすことが多く、今までよりは窮屈な生活を送っていると思います。まずは自分がかからないように心がけて生活し、人にうつさないようにもすることが必要です。こういうときこそ、お互いがいろいろなことを支え合い生活していくことが大切です。自分たちに何ができるかを少しでも考えながら生活していき、少しでも楽しく生活できるように工夫してみましょう。

そういう中ではありますが、今回みんなに伝えたいことを書きます。僕は幼稚園から高校まで浦和という街で育ち、大学での転機からJリーガーを経てコーチとしての今があります。コーチになる前での経験とハートフルのコーチとしての3年間 で感じたことからみんなに伝えたいと思った3つのことについて書きたいと思います。

1 壁を作らずまずやってみること

これがすごく大事だなと感じたのはハートフルで海外を訪問したときでした。今まで東南アジアに行ったことがなく、現地の子供たちとサッカーをしたのも初めてでし た。訪れたタイ・カンボジアでは人数ゲームをやったときに現地の子供たちは初めてにも かかわらずとても一生懸命やってくれました。言葉も分からず、雨でグラウンドが ぐちゃぐちゃにも関わらず、笑顔で応援したり、泥だらけになってプレーしていました。このときに、初めてのことでも一生懸命やったらみんなががんばるし、楽しくて笑顔になるのだなということを感じることができました。自分が小学生のときにもっと いろいろなことをチャレンジしていたら、また違った自分の力になっていたのかなと少し後悔がありました。

2 すぐに答えを求めず自分で考えること 

なぜこれが大事なのか。今はインターネットが当たり前の世の中で、調べれば答えがすぐに分かる環境にみんなは身を置いています。これは悪いことでなく、疑問に思ったことなどがすぐに分かるなど良い点も多々あります。ただ、サッカーにおいてですが、どんなプレーをするかはスマホやパソコンは教えてくれません。また、自分の進路を決定するときもそうです。みんなは学校ではロボットを相手に生活しているわけではないですよね。人と人が一緒に生活しています。そういう中、自分で考えて生活できないとどうやって行動して良いかが分からなくなってしまいます。自分で考えずに周りに流されるのは簡単だし楽だけれども、一度は自分で考えてから行動することを習慣にすることが大事だと思います。

 3 家族や友達、人間関係を大事にすること 

この「人との関係」が僕をJリーガーにしてくれたし、ハートフルのコーチにしてくれました。2であったようにみんなはいろいろな人の中で生活しています。スクールでも違う幼稚園や小学校の子供たちと一緒にサッカーをしていて、その中で2人組を 組んだり、同じチームになったりするときに関係ができますね。このときに自分勝手に 行動すると一緒に組んだ子たちはつまらないし、この先一緒に組みたいと思わなく なってしまうと思います。みんなが生活していく中で多くの出会いがあり、その出会いによって自分の将来が決まったり、変わったりがあると思います。でも、出会った時点ではその先のことなんか分かりません。結果が出てから後になってそういう出会いがあったからこそなんだなと気付きます。いろいろな可能性があると思えば 人に対してどういう風に接した方が良いのか、思いやりをもって行動した方が良い のではないかと考えると思います。ぜひ一度思い返してみてください。

1、2、3を分けて書きましたが、すべては繋がっています。みんなの生活の中にこういう場面というのはいくつもあると思います。もちろん、この3つだけが僕の伝えたい全てではないです。わかりづらかったり、理解しづらかったり、難しかったりがあると思うけれども、

ハートフルのキーワード「一生懸命」「楽しむ」「おもいやり」

が僕が伝えたかった3つの中にしっかりあることは覚えていてください。

こんなに 幼稚園や学校が休校になることなんてなかなかないと思います。辛抱しながらも 日々できることをやって、普段通りの生活ができるようになったら、みんなで楽しくサッカーをしましょう。みんなとボールを追える日を楽しみに待っています。