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25.03.15

2024-25 SOMPO WEリーグ 第14節 vs 大宮アルディージャVENTUS 試合後監督コメント

【楠瀬直木監督】
「無事に勝ててホッとはしていますが、前半からボールを支配していただけにフィニッシュワークのところ、今シーズンの得点力が少し低いところでは、もう少し大胆にやってもいいのかなと思います。そこはずっとチームの課題、テーマとしてやっているのですが、最初に高橋はながアグレッシブな守備から点を取ってくれて、それは非常に評価されるべきだと思います。ただ、もう少し崩しの部分ができたらと思います。
その中でも2点目、3点目の場面では島田(芽依)が泥臭く取ったり、藤﨑(智子)が得意の仕掛けからPKをもらったり、という形は良かったです。これが次のAWCL(AFC女子チャンピオンズリーグ)につながっていくので、気を引き締めていきたいと思います」

(後半、相手にチャンスを作られていた時間帯で島田選手を起用し、少し前線の形を変えたところもありましたが、どのような狙いがあったのでしょうか)
「システム的な部分は、選手に任せているわけではないですが、選手がそのときに守備をしやすい立ち位置になることもあります。島田をトップ下に置いて2トップ気味にしたのですが、島田も最近はサイドでプレーすることも多いので、その辺のやりやすさもありますし、伊藤美紀がトップ下もボランチも自由にできる選手なので、中で調整した部分があったと思います。

前半は相手がかなり我々をリスペクトしてくれたせいか、ボールの回収がすごくスムーズにいっていました。後半は相手の時間もありましたが、そんなに心配はしていなかったです。今日はボランチの角田(楓佳)が非常に回収率高くやってくれていて、今日の影のMVPだと思っています」

(塩越柚歩選手の評価はいかがですか)
「そんなに大きな怪我ではないのですが離脱から戻ってきて、次にAWCL、INAC神戸レオネッサ戦と控えている中で、猶本(光)も少し大事を取るようなところもあるので、コントロールしながらやっています。やはり塩越に収まるとワクワクすると言いますか、面白いパスも出てきます。今日は彼女も少し足を気にして大事にやり過ぎたところがあったと思いますが、それなりに評価しています」

(ゲームコントロールの部分についてはいかがでしょうか)
「就任当初から、マネジメントがまず大事だと言っています。そこが決まらないとプレーの選択も決まらないということで、ゲーム運びを失敗して負けることもありますけど、みんなが足並みをそろえていることが大事です。そこから変化を加えていくことになるので、根底に流れるリズム、ベクトルが合っているのは感じますし、そういうお話の作り方はかなりできていると思います。そこから具体的にどうするかはもう少しありますけど、流れとしては、今日もそういうものをつかめていた感じがします」

(前節に痛い引き分けがありましたが、選手のメンタルやプレーの変化についてはいかがでしょうか)
「大事なのは、変に引きずらないことです。チームを自分たちで動かしていく上で、前節をいい意味で引きずらず、常に切り替えようと、まずはやらなければいけないことに集中しようということは、トレーニングで選手からも出ています。リーグでは勝ったり負けたりがあるのですが、もう引き分け、負けてはいけないということは私も言っていますし、選手からも出ているので、今日は無事にそれが実践できて良かったと思います」

(藤﨑智子選手や平川陽菜選手など10代の選手が元気いっぱいにプレーしていて、後半戦に勢いを生む予感をさせてくれていますが、若い選手たちの評価についてはいかがでしょうか)
「彼女たちが一生懸命、伸び伸びできるようにと思います。今日は藤﨑がポジション的にどうしていいか、最初は先輩をサポートしようと先輩たちの近くにいたのですが、彼女の良さはそこではなく、最後に仕掛けたようなところです。ベンチからも先輩たちが『いいから前に行っちゃいな!』と声をかけていて、トレーニング中も背中を押してくれるような関わりを持ってくれています。今日も高橋がPKを蹴ると思ったら譲って、そういう関係性がレッズの強さでもあるのかなと思います。

みんなデビューは経験しているので、平川にしても、今日は櫻井(まどか)がデビューしましたけど、そういう選手に対して温かい目を向けていきたいです。私が急に彼女たちをデビューさせたわけでもないですし、トレーニングから、カラオケで言えば頻繁にマイクが回ってくるような感じになってきているので(笑)、もうそろそろだなと。そこがこのチームのいいところでもあって、そういう選手たちが活躍しないと後半戦を勝ち抜いていけません。今日のメンバーに入れなかった選手たちも、午前中にしっかり練習してくれています。『次は私だ』という力もあって、それが我々の支えになっていると思います。今日出した選手たちは、それなりに評価できる活躍をしてくれたと思います」

(今日デビューした櫻井まどか選手には、どんな期待をしていますか)
「強化部の工藤輝央スポーツダイレクターが彼女を見つけてきてくれたのですが、正直、レッズでは難しいのではないか、というのが第一印象でした。しかし見ているとすごく頑張り屋で、ピッチに一番に来て最後まで残っている、というのを繰り返しています。実は度胸も据わっているんですよね。紅白戦などを積み重ねているうちに、パワーもあって、理解力もあるということがわかりました。22歳で入ってきて、その年齢で我々のやっていること、僕の言っていることを理解するのに時間がかかってめげちゃうかなとも思っていましたが、それをどんどん吸収して表現してくれています。先輩たちもかなり認めてきていて、今日は攻撃ではなかなか出番がなかったですけど、最後の守備でしっかり防いだ場面がありました。あの時間でもゲームにしっかり入れるのは、非凡な能力があるなと思っています。そこの素直さがありますし、これからますます伸びていく可能性があると思っていますので、注目していただければと思います」

(後半戦に向けて、チームの仕上げ方のビジョンをお聞かせください)
「やはりフィニッシュワークのところは、もう少し形ができていってほしいです。私たちとしては見えてきていますが、見ている方たちからするとどうなのかなと。もう少しゴールの枠にシュートが飛べばいいと思いますし、みんなと同じ絵を描いているつもりですけど、まだ少し霧がかかっている感じです。それを1試合1試合明確にしていくことが大事だと思います。

もう少し、遠慮なく勇気を持って足を振ってくれればいいのに、と思うこともあります。たとえば猶本がいるとスイッチを入れてくれるのですが、みんな仲がいい分、みんなを見ているところがあります。今は高橋はながいますけど、彼女がいなければ誰が旗を振るのか、というところは少し不安です。そこでもう少し、自分が、というところが出てきてもいいんじゃないかと思います」

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