News

24.08.01

始動を終えてー工藤輝央スポーツダイレクター

始動のトレーニングや安全必勝祈願の後、工藤輝央スポーツダイレクターが報道陣の取材に応じ、今シーズンへの意気込みなどを語りました。



【工藤輝央スポーツダイレクター】

ーー初日を終えていかがですか。

始動日を迎えるにあたって、やはりスタートラインに立ったなというふうには感じています。



ーー監督も言っていましたが、補強については現有戦力で行く形になりますか。

そうですね。去年の状況からシーズンが終わった段階で前任の強化責任者と監督と3人で話している中で、 ケガ人が戻ってくるというのが1番の補強ということを監督も言っていましたし、結果も出ているチームなので、これをいかに次につなげていくかというところで、外からというよりは、自分たちのものをどんどん積み上げていくという方向で考えました。



ーー現場の責任者としてというところで、どんなところを意識されていますか。

僕も浦和では長く仕事させてもらって、いろいろなカテゴリーを見てきました。自分自身がレディースで浦和のキャリアをスタートしたときに関わった選手や、自分が獲得してきた選手が今も頑張ってくれて経験豊富な選手として在籍してくれています。そういった選手たちとともに結果が続くようなサイクルということを考えています。

今シーズンはなかなか難しいチャレンジになると考えています。そもそも連覇ということが すごく難しいことなので、これでもう1年勝つというのは難しいことだとわかってるんですけど、そこに向かって選手とともにみんなでチャレンジしたいなと思ってます。


ーーちなみに必勝安全祈願を実施した神社は、今年で2回目ということでした。2冠達成しているという意味でも縁起が良いかも知れません。

確かにそうですね(笑)。僕自身もここにあるのは知ってましたけど、初めて来ました。縁起がよいというところと、下大久保の地域の方にも協力いただいて実施できていると思うので、いいスタートが切れたんじゃないかなと思っています。



ーーあらためて、今季の目標に掲げるっていうところはどんなとこに。

大きなところでいうと、もちろんタイトルというのは選手みんなが意識していますし、監督もそうです。周囲の方たちも期待しているとは思います。ただ、タイトルを獲るときというのは、やっぱり一戦必勝というのがあるので、1試合1試合しっかり積み上げていくことを大事にしたいと考えています。



ーーレディースでのスポーツダイレクターの役割はどこまでになりますか。

トップチームがもちろんメインですけど、育成にももちろん関わります。



ーーいまのレッズレディースをさらに進めて行くには今後どんなことが必要でしょうか。

そもそもかつてさいたまレイナスからレッズレディースに移管して浦和レッズファミリーになったという経緯があり、そこから今シーズンで20年というところになります。
当時や以前の状況を考えると、関東にも女子チームのクラブ自体が少なかったというのがありますよね。そして、いまWEリーグとなり4年目です。 その始まる少し前から、例えばノジマさんが力を入れてきたりして、育成年代でもプレーできるチーム数が増えてきています。

そういった地域の人たちが昔はレッズレディースの育成を選んでいたけれど、最近は近場にチームもあるので、地理的にそちらを選ぶような難しい状況になっているというのが実際あるんです。

そういった意味で、勝ち続けることによって育成組織に魅力を感じて入ってきてくれる選手もいるでしょうし、トップチームの結果、内容とともに育成としての結果、内容というところも育成チームを選ぶ要素の1つになるので、その辺りはスタッフには伝えていくというところと、それを続けることで選手が結果的に上に繋がっていくことが、また次の下からいい選手が入ってくることに繋がると思うので、その選手の繋げるところと、入口から入ってくるところというのは力を入れなきゃいけないなと思っています。


ーー今のなでしこジャパンを見ても、元浦和の選手が多くいます。育て方などは継続させていけばよいという感じでしょうか。

言葉が合ってるかはわかりませんが、例えば昔、僕がコーチでレッズレディースに関わったとき、永井良和さんが監督でした。そこから村松浩さんが監督になられて、村松さんは、レッズの育成部長からレディースの監督になった経緯もあったので、育成のところを今後どうやっていくかというところで、村松さん中心に掘り下げた部分があったんですよね。

そのときに描いたものというのが、当時はなでしこリーグだったんで、なでしこリーグの全クラブにレディースの育成出身選手が散らばってそれぞれが経験をする、というのが一つ。それから、トップチームの選手構成を、60パーセント以上は育成の選手にするというのが当時1番最初に決めたことでした。

そのときの中1で在籍していたのが清家選手でした。そういった中でやってきて、結果的に10年以上もちろん経ってると思いますけど、昨シーズンのアジアの決勝の舞台には、交代選手含めても常に7人の育成出身選手がピッチにいたという状況で、それは当時の 1つの結果として出たんだなというのは僕も感じました。

それを見てもわかるように、そんなにすぐ結果は出ないんですよね。だからやっぱり10年、15年後、今取り組んでることが、もちろん勝ったり負けたりありますが、今の、じゃあユース、ジュニアユースの選手たちが、 10年後にまたピッチに立っていれば正解でしょうし、一方で 過去に成功したからといって、同じやり方をしてまた成功するという保証もありません。

ですから、マイナーチェンジを繰り返しながらですけど、みんなでトライしながらやっていかなきゃいけないと考えています。


ーー20点とった清家選手が抜けたのは本当に痛いと思いますし、周りのチームを力をつけています。そのあたりはどう考えていますか。

周囲のチームを見ても、実際に僕が携わっていたときよりもほんとにみんな力をつけてますし、取り組んでるし、それぞれのクラブが 育成にも力を入れてきて、今、相対的なレベルは男子のように全体が上がってきていると思います。
そういった中で抜け出さなきゃいけないというのがあるから、それは清家選手がチームを離れたのは、痛いかもしれないですけど、でも冷静に考えたときに、やはりうちの育成、彼女は東京の出身ですが、中1から埼玉で選手として育って海外に出ていく。南萌華選手もいましたが、また違ったタイプで海外に挑戦するという、彼女のような選手が出てくることで、女子のフットボールの世界も、例えば移籍金とか報酬とか、いろんなもののベースが上がっていって、それが回っていくことにも繋がるので、戦力で考えたらもちろん痛いですよね。清家選手にはいてほしいという気持ちもありますけど、全体のことを考えたり、本当に我々がリーディングクラブとしてWEリーグを引っ張っていくことを考えたときには喜ばしいことじゃないかなと考えています。



ーーその中で、チームのスタッフもしくは選手の中で今年これくらいの勝ち点を取ろうみたいな、そういった共有したものはありますか。

それはキャンプで監督の方とミーティングで伝えます。まだ代表選手もいないので。



ーー他のチームでお仕事された経験はどう生かせそうですか。

そうですね。昨シーズンも聞かれたんですけど、レッズを離れた後、2クラブに行かせてもらって、 あらためて浦和レッズはすごいなというのがあります。何がすごいんですかと言われると、すべてにおいてすごいというのが一つあります。
ただ、他クラブは他クラブでやっぱりいいところがあって、それは細かいことでもたくさんあるんですけど、そういった経験から細かいことをもう1回レッズでもやっていけば、さらに土台が強くなってより良くなっていくんじゃないかなという感覚があります。他のクラブじゃできないようなことがスピード感をもってできるんじゃないかなというふうに思ってるので、その細かいところをちょっとずつ変えながらスピードアップできればいいかなと考えています。



ーーあらためて所信表明というと?

僕がそんな偉そうに言えることはないんですが、結果を出している選手たちなので、もうほんとに選手たちが気持ちよくグラウンドで踊れるような環境を作るというのが僕の仕事だと思っています。

その環境を作れるようにと、継続できるように。それから、やっぱりたくさんの人に見に来てもらわなければいけないので、やはり見に来てもらえるような魅力あるフットボール、それからフットボールに携わる周りのところも含めて環境整備に力を尽くしたいし、頑張りたいなと思っています。

よろしくお願いします。
ニュース一覧に戻る