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20.12.29

皇后杯 JFA 第42回全日本女子サッカー選手権大会 決勝 vs 日テレ・東京ヴェルディベレーザ 試合後 監督・選手コメント

皇后杯 JFA 第42回全日本女子サッカー選手権大会 決勝 vs 日テレ・東京ヴェルディベレーザ 試合後コメント

【森 栄次監督】

「結果としてはすごく残念ですが、試合内容としては満足しているというか、我々がやりたいサッカーができていたのではないかと思います。結果的には負けてしまって準優勝ですが、選手はすごくがんばっていたので非常に良いゲームだったと思います」

[質疑応答]
(前半は0-2ながら後半に追いつくところまでいったという点で去年との違いを見せたと思うが、ハーフタイムを含めてどういうところを修正して後半に臨んだのか?)
「前半は0-2という形になり、これは『たら・れば』ですが、前半の早い時間にチャンスもありましたし、右の清家(貴子)サイドから結構崩せていたので、それが(清家の負傷により)前半で失われたことは大きなビハインドになってしまったと思いますし、残念でした。

後半に入る前に『2トップにもう少しボールを集めよう』というところ、そこから中盤の選手が前を向けるような状況を作れればいいかなというところで、トップにボールが収まったり、ヘディングで勝っていたので、そこを起点にサッカーをもっていけたらなというところをハーフタイムで修正しました」

(2-2に追いついてからすぐに2-3にされてしまったが、3-3から3-4も早かったと思う。点を取った直後に失点してしまったことはついてはどうか?)
「結果論ですが、そこがすごく早かったのは残念でした。3点目の後にみんなが集まったときに『締めろよ』ということは言っていましたが、なかなか締めきれずに、我々の左サイドからやられてしまいました。あまりにも早すぎたとは思いました。『とにかく下がるな』ということは言いましたが、入り方が下がりすぎてしまったのは残念でした」

(スタートから4-4-2で臨んだと思うが、その狙いは?)
「2つパターンを用意していて、向こうが4-3-3なのか4-4-2で中盤がダイヤモンドの形なのかということをまずは確認しました。我々は相手のアンカーを消しにいかなければいけないので、ミラーのように中盤がダイヤモンドになる4-4-2にしてスタートしました。なるべく2トップにボールが集まるようにして、そこからセカンドボールを拾ってゲームを作っていこうということは言っていました」

(最初の1点が重要だと言っていたが、その1点を取るチャンスはあったと思うが?)
「ポストに当たるシーンもあったので、それが味方にならなかったのは残念だと思っています」

(結果として勝負の分かれ目はどこあったと感じているか?)
「決定力が足りなかったかなというところと、中盤でのボールの競り合いでも相手ボールになる時間帯があったということは感じています」

(今日は左サイドバックに遠藤 優選手を起用して佐々木 繭選手をボランチにしたが、その狙いと評価はどうだったのか?)
「左の遠藤は我々の中でも脚力がある方なので、清水(梨紗)選手を抑えるという意味合いもあって脚力がある選手を置いた方がいいかなと思いました。佐々木はサイドバックもできますし中盤もできますし、スペースの消し方も気が利いてうまいので、それをうまく活用できたらと思ってそういう形にしました」

(今年はとても良いチーム、おもしろいチームだったが、ここで2冠を獲ると「来年はどうしよう?」ということにもなるので、いい意味で課題を持って来年を迎えられるのではないか?)
「そういうわけではなく、我々は2冠を獲りにいきたいということはみんなが思っていましたし、獲りにいったつもりでしたが、結果的にこれが勝負の世界だと思っています。

来年に向けて1つ課題ができたというところはあるので、来年も皇后杯は当然あると思いますが、それをもう一度獲りにいこうということは、これからも言っていきたいですし、言っていけなければいけないと思っています。もう少しチームとして、もちろんフィジカルもそうですし、(日テレ・東京ヴェルディ)ベレーザさんに対してもしっかりとゲームコントロールができるようになれば、もっと強いチームになれると思います」

【南 萌華】

(得点を決めてすぐに失点してしまったことが残念だったと思うが、その要因は?)
「チームとして得点の後は『しっかり気を引き締めて』という声はかけていましたが、4失点目は自分の対応のところで早くスライディングしてしまって、パスを出した選手が余裕をもってクロスを入れられる状況を作り出してしまいました。あの場面は自分の対応のミスからだったので、チームには本当に申し訳ないです」

(3点目を決めてこれからというところで喜ぶのが早かったのではないかと思うが?)
「得点の後の失点は守備陣としても一番防がなければいけないところでしたし、これからチームとしても勢いが出る時間帯でしたので、あの失点は何としても防がなければいけなかったです。チームとしても個人としても一番反省しなければいけないところだと思います」

(日テレ・東京ヴェルディベレーザが前から激しいプレスに来ていた。なでしこリーグではなかなか経験しないレベルのプレスだったと思うが、もう少しボールを落ち着かせるためにはどういうことが必要だったと思うか?)
「ゲームが始まってから相手が前からプレッシャーをかけてきていることは分かっていました。ただ、前の2枚がボールをキープできている時間帯も長かったので、チームとしてはビルドアップもそうですが、前でしっかりと起点を作ってそこから攻撃を始めたり、守備を始めたりすることを明確にしてトライできていました。いつも私たちがやっているサッカーで、ボールポゼッションということはありますが、それだけでは勝てない試合も絶対にあります。違う形として今日は取り組んだ中でああいう戦いができたので、チームとしてもバリエーションが増えましたし、チャレンジとしては良かったと思います」

(なでしこリーグで優勝し、皇后杯決勝も見ている人は楽しめた試合だったと思う。来年、女子サッカーがプロ化する中でこのレベルでやっていくということを示せた試合になったと思うが、そういう意味で試合を振り返って感じたことは?)
「決勝戦だからこのレベルが成立したということではなく、これからの女子サッカーでは全ての試合がこれくらいのレベルで行われるようにしないといけないと思います。私たちもそうですが、WEリーグに参入するチームももっと高いレベルでトレーニングやプレーができるような環境になると思いますし、今回の決勝戦の戦いを1つの基準としてこれからいろいろなチームがレベルアップしていければいいなと思っています」

(勝ってもおかしくない試合だったと思うが、あと一歩足りなかったのはどんなことだと感じているか?)
「率直に失点が多かったという印象です。攻撃陣が戦って得点をたくさん取ってくれた中で4失点というのは、守備陣としてはチームを勝たせられなかった一番の要因だと思います。ベレーザもいい選手がたくさんいる中で、守備でもっとできたことがあったのではないかと試合が終わってから思うことはあります。この試合をきっかけにもっと成長していきたいと思います」

(来年はどういう目標を掲げたいか?)
「今年はなでしこリーグを獲れましたが、皇后杯は過去に一度も獲ったことがありません。チームとしては確実に成長してこられているという確信はありますし、来年どういう形になるか分かりませんが、チームとしてさらにレベルアップしてWEリーグ全体のレベルも上がっていけばいいなと思っています」

(遠藤 優選手が左サイドバックで先発出場したが、相手は左右ともサイドバックの裏を狙っていた。広範囲をカバーしなければいけない時間も長かったと思うが、隣でプレーしていてどうだったか?)
「チームのスタイルとして自分の守備範囲が広いのはずっと同じですし、今日が特別にカバーする範囲が広かったと感じることはありませんでした。優はスピードもありますし、1対1の強さもあるので、安心して『人にプレッシャーをかけていいよ』という声をかけながらプレーできました。優が強くいってくれた分、自分がしっかり後ろをカバーして、そこでスペースができないようにトライできましたし、今日の形としては良かったのではないかと思います」

(南選手はチームの中でも若い方だが、今大会は柴田華絵選手が出場できなかった中でキャプテンマークを巻いていた。代表も含めてリーダーとしての意識はどのように変わってきたのか?)
「チームでもそうですが、若いからといってチームの中に紛れているだけではチームも強くなっていきません。私はセンターバックで全体が見えるポジションでもありますし、個人としてもチームの中心として戦っていかなければいけないという自覚は強く生まれています。今回、皇后杯はゲームキャプテンをやらせていただく時間が長かったですが、なおさらチームを勝たせたかったという思いが強かったですし、この気持ちを忘れずに来年も、プレーでもそうですし、リーダーシップの面でもさらに成長していきたいと思います」

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