【楠瀬直木監督】
「AWCL(AFC Women's Champions League 24/25)から帰ってきて、スピード感を戻そうと思っていました。AWCLが遅いというわけではないのですが、ピッチの状態が悪かったりして感覚が全然違っていたので、そこはトレーニングでも取り組んでいました。公式戦ということと、タイトなジェフユナイテッド市原・千葉レディースさん相手ということで、最初にはミスが多く、なかなか自分たちのペースが作れなかったのですが、時間が経つにつれてできるようになっていったところで点が取れたので、いいゲーム運びができました。ですが逆に失点していたらどうだったのかと考えると、まだまだやらなければいけないことはたくさんあると思います。ただ、無失点で終われたことは、選手のモチベーションや意識の高さについて、AWCLも含めて成長したという感じは受けました。1週空きますけど、しっかり準備して次に向かいたいと思います」

(今日の試合はサイドでの攻防がポイントになったと思いますが、どのような準備をされてきましたか)
「多少のスカウティングはしていましたけど、AWCLから帰ってきて、まずは自分たちらしさを出せるかでした。たとえば遠藤優がしっかり上がれるかとか、自分たちらしさ、自分たちの得意なことをしっかりできるかということを出していこうとしていたので、その点ではこちらが相手に合わせるというより、相手がそこに対応してきた感じがあったので、引き続き続けていければと思います」

(角田楓佳選手を左サイドハーフで先発起用しました。かなり効いていたと思いますが、起用の意図をお聞かせください)
「効いているんですよ、彼女は。どこでも守備の意識が高い選手なので、またそれを見て藤﨑(智子)とか前原(嘉乃)とか、若い選手たちがいろいろ学んでいるところです。角田はどこに置いても自分のプレースタイルを持って、攻守において関わりを持てる選手なので、そこからでも一つ糸口が見えたら面白いと思って、やらせてみました」

(後半、交代選手が入ってからの得点も見たかったと思いますが、その部分でやることについてはいかがでしょうか)
「やはり、少し物足りなさはあります。2-0で勝ちましたからぜいたくなことは言えないですけど、藤﨑とか前原、島田(芽依)にしても、もう少しできなければいけないのではないかと考えています。その辺りは厳しめに見て、課題としてやっていかないといけないと思います。チャンスはありましたけど、たらればではダメなので、そういうところで取っていかないといけないチームだと思います」

(高塚映奈選手が入って、幅も出てきたところがありました)
「彼女はこの2年、本当に我慢して学んで、最近は少しずつ影響力、存在感が出てきました。良かったと思っています」

(先制点の少し前に危ない場面があり、ピッチに声をかけていましたが、どういう部分で声をかけたのでしょうか)
「少し視野が狭くなっていたというか、大局が見られていないところがありました。そこは自分たちで判断してマネジメントしていかないといけないと思いますが、全部を選手任せというわけにもいかないので、注意していかないといけないところでした。あの場面は失点したのと同じようなミスだったと思うので、そこは改善していかないといけません。

時間が経って慣れてくると、ちゃんと相手が見えて視野が広がってくるのですが、苦しいときにそこが難しい状況になるのは、メンタルや考え方の問題だと思います。その辺の心の持ち方、考え方は常々言っているところです。それがベースにあって決断、判断していくので、そこがぐらついていると何も積み上がらないのですが、それはある程度できていますけど、今回はアジアから帰ってきて、またそこが慣れていなかったのかなと思います。ただ、後半に点は取れなかったのですが、かなり慣れてきたと思います」