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24.08.30

2024-25 SOMPO WEリーグ 開幕前 三菱重工浦和レッズレディース 会見を実施

8月30日、三菱重工浦和レッズレディースは2024-25 SOMPO WEリーグに向けての開幕前会見を行いました。会見には楠瀬直木監督と柴田華絵・島田芽依の2選手が出席し、新シーズンへの抱負を語りました。

会見の冒頭では田口 誠代表より、チーム発足から20周年を迎える三菱重工浦和レッズレディースの新ビジョン「Beyond WE!みんなで想像の先へ」についての発表がありました。

クラブはタイトル獲得や代表選手の輩出、ブランド力や集客力の向上によって「価値を高める」こと、そしてホームタウン活動やパートナー企業へのアプローチに注力してチームに対する認知を「広げていく」ことを目指して取り組みを進め、「男女関係なくスポーツ界で影響力のある存在」「アジアナンバーワンを目指し、女子サッカー界のリーディングクラブ」「女子サッカークラブ以上になる」ことを目指すというメッセージを発信しました。






その後は楠瀬監督と選手たちが登壇し、メディアからの取材に応じました。

【楠瀬直木監督】


「本日は天候が大変なときにこんなに集まっていただいて、本当にありがとうございます。いよいよ今シーズンがはじまるという時期に来ましたが、先日も練習試合をやって、結果は負けてしまいましたけれども、人数は少ないものの選手の状態には確かな手応えがあったと思っています。

自他共に3冠・4冠を望んでいるわけですけれども、まずはスタートの1試合目にしっかりといいサッカーをして、結果を出していきたいなと、今はそこに集中しております。

若い選手も頑張っていますし、隣にいる柴田(華絵)にはまたキャプテンをやってもらい、今回は猶本(光)と塩越(柚歩)が副キャプテンということで、塩越をはじめ高橋(はな)、長嶋(玲奈)とか、中堅が本当に成長してきたので、また新たなチームとして成長できていますし、そういう姿を見せられればと思っています。

その隣の島田(芽依)には、最近はいろいろなプレッシャーがかかっていますが、期待していますし、そういうものを楽しんでいける選手だと思っています。

ファン・サポーターのみなさんを含め、入場者数をどんどん増やして、また女子サッカーを引っ張っていく三菱重工浦和レッズレディースとして頑張っていきますので、今季もよろしくお願いいたします」

【柴田華絵】

「今シーズンもキャプテンをさせていただくことになりました。また、よろしくお願いします。

先ほど監督からもあったように3冠、4冠というものをみなさまにも期待されていますし、ファン・サポーターの方にも本当に期待していただいているんですけれども、本当に一試合一試合、目の前の試合で足元をしっかり見て戦うところから今シーズンもやっていきたいと思っています。その中で勝ちを積み上げて、結果的にまた優勝というところに行けたらいいなと思っています。

今シーズンはAWCL(AFC女子チャンピオンズリーグ)もありますので、そこでまた、普段は対戦しない相手とできるというところも楽しみにしていますし、三菱重工浦和レッズレディースとしてチームの強さや特長を出して、レッズレディースという名前を世界に広めていけたらいいなと思っています」

【島田芽依】

「昨シーズン、リーグとAWCCIT(AFC Women's Club Championship 2023 – Invitational Tournament)は優勝することができましたけど、WEリーグカップと皇后杯を落としてしまったので、今シーズンはしっかりと、獲れるタイトルを獲れるように頑張っていきたいと思っています。

やっぱり簡単な試合は1試合もないですし、そこを勝っていくために、個人としてもチームとしても成長していくことが必要だと思っています。私たち若手からしっかりと底上げをして、チームが強くなっていけるように頑張りたいと思います。

試合を見に来てくださった方々に『また見に来たい』と思ってもらえるようなサッカーをしたいですし、三菱重工浦和レッズレディースらしい魅力のあるサッカーをしていけるように頑張っていきたいと思います」


[質疑応答]
(楠瀬監督に質問します。キャリアのある選手の移籍や怪我などがある中で、今シーズンは若い選手を中心に戦っていくと思いますが、若手の育成と、タイトルに向けて勝っていくことを求められる中で、どのようにチームマネジメントをしていきたいでしょうか)

楠瀬直木監督
「それはもう柴田キャプテンに任せているところも多いんですけれども、このクラブは非常に仲のいい、風通しのいいチームで、ユースの選手たちもキャンプに合同で行ったりしましたし、そういう中でも非常にコミュニケーションがとれています。あまり若手、若手というよりも本当にチーム、浦和レッズの一員となった緊張感と、『上がれた』という自信も含めて、思い切ってやってもらえればと思います。一人ひとりがいいものを持っていますし、それを中堅・ベテランの選手がサポートして、若手にもいい武器があるので、そういうものを明確に出してくれればと思います。若返った、とかはあまり意識していないんですけれども、一人の選手として認めて付き合って、そこで何が起きていくか分からないですけれども、そういう中でもレッズらしさ、明るくスピーディーでアグレッシブで、というサッカーが展開できればと思っています。それに見合う選手たちが上がってきたと思っていますので、まだ自信があるかというと難しいところもありますけれども、これからそれを自信に変えていけるようにしていきたいと思います」

(柴田選手に質問します。昨シーズンは安藤 梢選手と猶本 光選手が大怪我をしてしまい、そこで選手たちのメンタル面で緊張感が生まれたことが優勝の原動力の一つになったと思いますが、今シーズンは清家貴子選手をはじめ、佐々木 繭選手や長船加奈選手など実績のある選手が移籍し、水谷有希選手も長期離脱となった中で、昨シーズンに匹敵するようなダメージがあるではないかと思います。今のチームの雰囲気についてはいかがでしょうか)

柴田華絵
「昨シーズンから年上の選手も抜けていますし、清家も抜け、怪我をしている選手も多いので、不安な要素はあります。でも、それはその状況でやるしかないですし、昨シーズンにたくさん点を取ってくれた清家がいない分は、島田がいっぱい点を取ります(笑)。

いない場合は違う選手が出ることで、また違ったプレーというか、新しいプレー、違ったコンビネーションがあったりとか、いいことばかりではないとは思いますけど、今いる選手でできることがありますし、やっていかないといけません。みんなもたぶんそういう気持ちでやっているので、ネガティブな雰囲気は全然ないです。みんなしっかりと前を向いてやっていて、いい準備もしているので、なんとかします」

(島田選手は、清家選手に替わる得点源として期待されていると思います。新シーズンへの意気込みと、昨シーズンと比べてどのようにしていきたい、というものがあればお聞かせください)

島田芽依
「私自身、昨シーズンの(清家)貴子さんの得点力はチームとしてもすごく大きかったと思います。その中で、昨シーズンは9得点だったんですけど、この9得点では全然満足しなかったですし、試合の中でもっと取れる場面があったので、そういうところを今シーズンは一つひとつ決めきって、貴子さんと違った自分らしさを出して、自分ができることを最大限やって、チームの勝利や優勝に貢献できるように頑張っていきたいなと思います」

(楠瀬監督に伺います。連覇は1回優勝するより難しいと言われることもあると思いますが、現状維持だと抜かれてしまうのがスポーツの常というところもあると思います。リーグを3連覇したいという目標があったときに、選手の移籍などマイナス要因もあると思いますが、どうやってプラス要素を今シーズンの中でつくっていきたいでしょうか)

楠瀬直木監督
「結果的に2連覇できましたけど、最初から連覇しようと思っていたわけではありません。もちろん希望としてはありますし、今は戦力が若返ったとか、怪我人が多いということはありますけれども、ただ『このチームには絶対勝てない』という相手はいないと思います。『絶対に、勝てないわけはない』という部分を毎試合出すしかないですし、昨シーズンもその一試合一試合に勝っていってだんだんと自信がついてきたり、経験が積もってきました。『ここまで連勝したんだから次も負けたくない』とか、清家が10試合連続得点したとか、そういうところをみんなが出してくれたので、今シーズンもそこは変わらずトレーニングをして、何回かに1回は負けることもあると思いますけど、次の試合に対して『負けるはずがない』というモチベーションと集中力を常に持っていなければいけないと思います。今シーズンを戦っていって、残りの5試合、3試合くらいで何が見えてくるか、ということを楽しみにしながら、一試合一試合に懸けていこうと思っています。

連覇とか優勝というのは後からついてくるものなので、最初からそこを見てしまうと息切れしてしまいます。まずは足元からやっていこうと思います。今はとにかく、(開幕戦の)日テレ・東京ヴェルディベレーザ戦の立ち上がり15分のためにやっている、と言っても過言ではありません。その結果、優勝できたらいいと思います」

(日テレ・東京ヴェルディベレーザはWEリーグカップを何試合か戦った後の試合で、三菱重工浦和レッズレディースとしてはシーズン最初の公式戦になります。開幕戦で大事なことはどういうことでしょうか)

楠瀬直木監督
「ベレーザさんは2試合やりますが、逆にこちらは2試合を分析できますし、身体のコンディションも整えられます。ネガティブにとってしまうとそうなりますが、AWCLがあるのでそういう状況だということ、また昨シーズンで言えば過密日程ということもありましたが、それは我々しかできなかったことです。試合が多いということを選手が楽しんでやってくれていたので、今シーズンもそういうマインドは忘れずに、そういう状況でもやるんだと。もちろん結果というのはいろいろついてきますけれども、それでもそういうものを獲るんだ、というモチベーションをしっかりと持ってやっていければいいなと思います」

(柴田選手にお伺いします。キャプテンが柴田選手で、副キャプテンが猶本選手と塩越選手というお話がありましたが、副キャプテン2人とどのようにチームを導いていきたいか、あとは2人の副キャプテンは少しキャラクターが違うと思いますけど、それぞれに発揮してほしいところはどういうところでしょうか)

柴田華絵
「キャラクター的には全然違う2人なんですけど、猶本に関してはすごくサッカーに対して真摯で、ずっとサッカーのことを考えているんじゃないかな、という選手なので、そういった真面目な部分、強いおもいというものをチームや選手にぶつけてもらって、それをチーム全体としていい方向に持っていけたらいいな、と思っています。

塩越は、だんだんレッズレディースでの選手としての年数が上がってきて、責任感を持ってやってくれているな、というのを私自身も感じます。今シーズンの副キャプテンになって、より一層そういう責任感があるのかなというのを、表情や、一つひとつの行動もそうですし、私も『うれしいな』という感じで一緒にやっています。今、猶本は怪我でできていないんですけど、私以上にチームを引っ張っていてくれるんじゃないかな、という期待がすごくあります」

(楠瀬監督にお伺いします。『優勝は後からついてくるものだ』とおっしゃっていましたが、3連覇は非常に難しく、チャレンジというところもあると思いますが、そこはどんなふうに感じていらっしゃいますか)

楠瀬直木監督
「日々チャレンジです。ユースからも若手が4人上がってきますけど、彼女たちもチャレンジですし、島田や柴田にとっても、みんなチャレンジです。ただ、そこを狙えるのは我々だけ、という楽しみもあります。そんなに簡単ではないのはもちろん重々承知なんですけれども『できないことではないよね』というのもあります。今は練習で『3連覇!3連覇!』と言って目いっぱいでやっているわけではありません。次の試合でスタートからしっかりとやって、ゲームをコントロールして、ただでは負けないぞと、そういうマインドをつくっていくところです。みんなそういうマインドは持ってくれていますけれども、そういう強いハート、広いハートでチームが育っていけばいいと思います。

正直、足りないところはまだまだすごくあって、ただ、勝負を引き込むというところは昨シーズンとその前で、徐々にできてきているのかなと思います。人がいないとか足りないということもプラスに作用して責任感が出てきて、今は一人も人任せにしていない、人のせいにしていないので、それを信じて戦っていかなければならないかなと思います。

まだ言うのは早いんですけれども『必ず3連覇したい』というのは、どこかで言おうかなと思っています」

(昨シーズンを振り返って『ここのストロングポイントはもっと極めていきたい』というところと『ここは課題だから修正していきたい』と感じているのはどういったところでしょうか)

楠瀬直木監督
「昨シーズンで52点取りましたけれども、まだまだ取れるチャンスはありました。いろいろな選手が点を取ったことは、うちにとってはすごくストロングなところです。マイナス点というところでは、点を取って後半の少し様子を見てしまうというか、そこもマネジメントの一つなのですごく微妙なところですけれども、ボールをキープしていると、少し勝った気になるというか、安心するところがありました。やはり点を取って、2点目を取ってというところの貪欲さというところでは、まだ少し人がいいのかな、と思います。人がいいのはいいんですけれども、ピッチ上ではもう少し強さを出してくれてもいいのかなと。島田も優しいんですけど、今シーズンはそこを脱いでいければいいかなと思います」

(監督はそのようにおっしゃいましたが、島田選手は数字としては、何ゴールくらいを目指していますか)

島田芽依
「昨シーズンは2桁得点を目標にしていたんですけど、それを取れなかったので、今シーズンはしっかり取りたいと思いますし、得点王を狙うくらいの勢いで頑張りたいと思います」

(みなさんに同じ質問をさせていただきます。アジア、世界を目指すシーズンでもある中で、パリオリンピックを見て刺激を受けたことや、伸ばす必要があると感じたのはどんなところでしょうか)

楠瀬直木監督
「なでしこジャパンが世界チャンピオンになるころから、日本人は男女を問わず、すごくサッカーに合っていると思っています。真面目ですし勤勉ですし、俊敏性や協調性もあって器用ということで、決してパワフルではないところもありますけれども、最近はそういう選手も出てきました。そして女子がメダルを獲って、やはりしっかりとボールをつないでチャンスをつくれば、サッカーの面白いところが出せるのかなと思っていました。

近年はサッカーが戦術ありきになりかけてきていますが、それも波があったりするので、ポゼッションサッカーと言いますか、やはりサッカーの本質というところが重要視されてきているんじゃないかなと思っています。オリンピックでは惜しかったですけど、いろいろな戦い方があるので一概には言えませんが、攻撃のところではもう少しできたんじゃないかな、と思います。そこに行くまでにかなり押された部分もありましたけど、それは私自身がサッカーをやって、サッカーの魅力に取り憑かれてこの世界にいるわけですけど、やはり信じてきたものがどこまで通用するのか。それをやっている上で優勝させていただいたりできているので、アジアの中では十分通用するとは思っていますし、それが世界でどのくらい通用するんだろうかというのはあります。バルセロナ、リヴァプール、チェルシーといったチームにどのくらい通用するのか、というのはチャレンジしてみたいと思います。

でも、チャレンジするだけではなくて、そこでしっかりと力を示していかないといけません。世界基準、アジア基準とかはありますけれども、連覇するために、絶対に負けてしまうような相手はいないですし、リーグでつまずいているようではそこを勝っていくことができないので、もう一回、このチームが歴史に名を刻んで、レッズレディースとして本当に一人前として歩いていくためにも、アジアをしっかり獲って世界で結果を出していかないといけません。そこで注目を集めていかないと、また戻ってしまうなという危機感を持っているので、AWCLに出られてうれしい、世界大会があってうれしい、ではなく、そこを獲らないといけないので、リーグは大事なんですけれども、選手の頭の中の基準をそこに合わせていきたいと思います。

リーグが始まる前ですけれども、この前もチェルシーの試合を見ていました。基準をそこに合わせていきたいですし、そこでも同じように『負けるはずはない』ということになっていきたいなと思います」

柴田華絵
「やはり、力負けする場面が多いなと感じましたし、フィジカルの差はどうしても出ることは分かってはいます。アジアの中であればそんなに大きい差はないかなと思いますけど、そこを埋めるためにどうするかをやっていかなければいけないというところで、私たちのやっているサッカーで言うと、質の部分や、個でどうにかするのではなくチームでどうするか、どうやって戦うかという部分をもっとやっていかなければいけないというのも感じています。このWEリーグでやっている戦い方では勝てない部分、同じやり方ではうまくいかないところもあると思うので、チームとしてもそうですし、選手間でももっと話し合ったり、突き詰めたりして戦っていきたいと思います」

島田芽依
「私は、海外の選手はシュートレンジが広いなと思っています。昨シーズンのAWCCITの決勝で失点した場面でもそうだったんですけど、そのパンチ力とかをもっと伸ばしていかないといけないと思いますし、そこを伸ばして確実に決められるようになれば、他のシュートのバリエーションとかも増やしていけると思うので、そこはすごく刺激になりました」

(柴田選手にお伺いします。今シーズンは3連覇を狙うシーズンということで注目されますし、昨シーズンにAWCCITを戦ったことで、浦和という街のアジアに対する熱さも感じたと思います。それを踏まえて、今シーズンもたくさんのファン・サポーターの方が来てくださると思いますが、チームとしてどういう姿を見せていきたいでしょうか)

柴田華絵
「みなさんからすごく期待をしていただいている部分で、3連覇というところもそうですし、今回のACLもそうです。言い方が適切かは分からないですけど、その期待が重荷にならないように、もちろん目標としてはありますが、私は一戦一戦というところを大事にして戦っていきたいです。そういう中で、やっている部分を評価してもらって、たくさんの方に来てもらいたいと思っています」

(島田選手は先日のWEリーグカンファレンスも含め、チームを顔と言えるような選手にもなってきていると思います。そういうところを踏まえ、今シーズンをどのようなシーズンにしていきたいでしょうか)

島田芽依
「私自身は、まだチームの顔になれているとは思っていないので、今シーズンはチームのために走って、チームのために点を取れるようになって、しっかりとチームの中心になれるようにやっていきたいと思います」


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