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21.05.21

NEXT MATCH▶︎楠瀬直木監督 INAC戦に向けてのコメント

「“去年のレッズレディース”よりも
いいチームになるために、共鳴して奏でるサッカーを」


みなさん、こんにちは。

2021 WEリーグ プレシーズンマッチも3試合目を迎えました。各チームの状況などを目にし、改めてリーグ戦開幕に向け、うかうかしていられないという気持ちを持っています。簡単に勝てるリーグではないと感じるからこそ、私たち三菱重工浦和レッズレディースも、チームとしてレベルアップしていかないといけません。

その上で現在、チームが取り組んでいるのは“流れ”。すなわち“共鳴して奏でる”ことです。ピッチ上で、誰と組んでも、どのようなポジションでも流れを止めないようにプレーをすることに重きをおいています。

4月に行ったプレシーズンマッチの中で、試合中に流れが詰まるような場面が見られました。チームでは“ノッキング”と言いますが、それが起こらないように、トレーニングで積み重ねているのです。

ノッキングを起こさないためには、ゴールに向かって、どう判断して、どう決断するか。一人ひとりがしっかりと考え、アイデアを出し合うことが必要です。トレーニング中も、選手同士の会話が増えるようになりました。話している内容も、私たちスタッフが考えていることと同じで、選手たちとのイメージが重なり合うようになってきています。

各年代の代表招集などで選手を欠くことがありますが、人数が少ないからこそ、共鳴はしやすくなり、ボールに触れる回数も増えていく。当然、自分の仕事も多くなり、一つひとつのプレーにより多く関わろうという意識も強くなるでしょう。

そうしたことが重なり、これまで、なかなか出番がなかった選手や新人選手たちが頭角を表すようになってきました。もちろん、まだチーム内の競争は、もっともっと必要ですが一歩ずつ進んでいます。

それでも、これまでは3番手だった選手が2番手になる。2番手が1番手を脅かすような個人の成長と、それを促すポジティブな課題が見えてきています。それぞれが見つけた課題に取り組んでいる姿にほほえましい気持ちとたくましさを覚えながら、チームとしても、いい方向に進んでいる手応えを感じているのです。

当然、選手たちの中には、早く結果を出したい、試合に出たいという思いもあるでしょう。共鳴して奏でるチームづくりと、個人の強化を促すバランスを取るのは、難しい部分もあります。ですが、選手それぞれが、いい意味で私たちを裏切るような力を育み、チームとしても進んでいかないと、“去年のレッズレディース”には勝てないのです。去年よりもいいチームにしないといけない。その思いが、広がる期間になりました。

ただし、やはり、この移行期間は非常に難しい時間です。幼い頃からサッカーをやってきた選手たちは、週末になると試合や大会がありました。でも今は、タイトルや勝敗がかかった真剣勝負の場が半年も空いてしまいます。国内のサッカー界が動いている中で、期間が空いているのはWEリーグに挑む11チームだけ。だからこそ、選手たちは試合をしたいと強く思っているでしょう。

その上で戦う、今回のプレシーズンマッチは大きいものです。試合ができる喜びがある。見てくれるファン・サポーターがいる。

その思いをピッチで表現することで、見ている人が清々しい気持ちになったり、いいなと感じたりするプレーが出てくるものです。5月の2試合。まずは、その気持ちも思い切り出してほしい。そう、思います。

さて、迎えるINAC神戸レオネッサ戦。個人的にも非常に楽しみにしています。星川 敬監督は、私も森 栄次総監督も、机を並べた仲です。きっと、あの手、この手で勝負を挑んできてくれるでしょう。一筋縄ではいかない相手と対峙したときに出てくる、レッズレディースの長所と弱点。それを見いだせる絶好の機会であることも、楽しみな部分です。

そして、試合を見ている皆さんが面白いなというプレーが、攻守においてたくさん出てくるようにトライしていきます。特にボールを持っている時間帯。心地よいリズム感や「ここを突いていくのか」、「うまいな」と思ってもらえるような試合をしていきますので、ぜひ、ライブ配信をご覧になり、レッズレディースへの熱き思いを送ってください。

応援をよろしくお願いします。

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