Match Day Information
MDI 2023-24 WEリーグ 第2節 vs ちふれASエルフェン埼玉
ー昨シーズン、チームは2冠を制しました。清家選手にとってはどんなシーズンでしたでしょうか?
久しぶりに前のほうのポジションでプレーすることが多くなって、よりゴールに貪欲になったというか、ゴールを取るためにどんなことをしたらいいかを考えるようになりました。
ー昨シーズンはキャリアハイの得点数でした。後ろのポジションをやったことで、前線でのプレーに生きたところはあったのでしょうか。
相手のディフェンスの動きを見るなど、以前FWをやっていたときより気持ち的に余裕を持ってプレーすることができるようになったと思います。サイドバックをやっていたときは自分がフリーで時間がある状態でボールを持つことが多く、前線でもその感覚でボールを持てるようになったのは、昔FWをやっていた頃の自分との大きな違いかなと思います。
ーゴール前での精度にもかなりこだわっていると思います。
昨シーズンの最初のほうは、相手ゴール前だからこそスピード感に慣れないところがあったのですが、日々のシュート練習などを通じて自分の中で修正してきて、それが得点につながってきた感覚があります。
ー今年はなでしこジャパンの一員としてFIFA 女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド 2023を経験しました。そこで得た経験や感覚についてはいかがでしょうか。
得たものはたくさんあります。その中でも、今まで自分が磨いてきたものが間違っていなかったと思うことができたので、その精度をもっともっと上げたいです。やることが全然違ったわけではなく、今より速く強く上手くなれれば世界でも十分戦っていけると思いますし、戦っていかなければいけないと思います。その覚悟、決心がついた感じです。
代表活動で言うと、次はパリオリンピック(女子オリンピック サッカートーナメント パリ 2024)を目指さなければいけないですし、そこで戦っていくためにも、もっと個の強さと言いますか、チームが苦しいときに個で助けられる、状況を打開できるような怖い選手になっていきたいと思います。
ー清家選手は代表活動でチームを離れることが多く、チームメートとプレーする機会は少なかったと思います。その意味では、先日までタイで行われていたAFC Women's Club Championship 2023 – Invitational Tournamentは大事な機会だったのではないでしょうか。
大会でチームとして3連勝できたことはとても良かったと思いますし、この短いスパンで3試合を行ったことによって、いろいろなものが築けました。私はチーム内の選手とプレーする時間が短かったのですが、連係の部分や、選手一人ひとりのプレーを思い出すいい機会になりました。今シーズンのスタートからあまり一緒にプレーできていなかった、というブランクはなくなったと思います。
ー清家選手は3試合でチーム最多の6ゴールを挙げました。新シーズンに向けて、調子も上向きだと思います。
WEリーグ開幕に向けて、という思いはありましたし、その中でチームとしての連係を高めつつ、個人としてのコンディションも上げていきたかったです。点を取っていくことで自信にもなりますし、「やれるぞ」という気持ちができていきます。そこは自分の中でもこだわっていたので、結果がついてきて良かったです。
ーWEリーグにもいい手応えで入れそうですね。
そうですね。タイで3連戦してきているので、あとはしっかりコンディションを整えていい状態で臨めれば、チームとしては完成していると思うので大丈夫だと思います。
ー週末に戦うちふれASエルフェン埼玉の印象はいかがですか。
WEリーグカップで、日テレ・東京ヴェルディベレーザを相手に5点を取って勝ったのが印象に残っています。まぐれでできる結果ではないですし、そういう爆発力みたいな部分は気を付けなければいけないと思います。まずは100パーセント、自分たちが持てる力をぶつけていくしかないな、という感じです。
ー相手を勢いに乗らせないという意味では、先制点が大事になりそうです。
先制点を取ればチームとして落ち着いて試合に臨めますし、リズムもできてくると思います。できれば早い時間に狙っていきたいです。
ー今シーズンはチャンピオンチームとしてWEリーグに臨むわけですが、改めて目標を聞かせてください。
チームのスタンスとして私を含めたみんなが持っているものだと思いますが、まずは目の前の1試合1試合を勝つ、ということを目指しています。もちろん優勝、連覇は目標にしていますけど、今の時点でそれをなかなか強くは考えられないですし、昨シーズンに優勝したことさえ今はもう関係ない、くらいの気持ちでやっています。
ただ、WEリーグカップのときに楠瀬監督から、左腕のWEリーグのマークが自分たちだけゴールドなんだと、前回チャンピオンのチームだということを改めて自覚させてもらいました。だからといって自分たちのサッカーが何か変わるわけではないですが、そういうことに誇りを持っていきたいですし、ファン・サポーターのみなさんも期待してくれていると思うので、それにしっかり応えたい気持ちはあります。ただ、まずは何よりも目の前の一戦一戦をしっかり勝っていくのが一番大事だと思います。
ー週末はホームでの開幕ということでファン、サポーターの方々もたくさんいらっしゃると思います。改めて、WEリーグ開幕への意気込みと、みなさんへのメッセージをお願いします。
タイでの試合にもあんなにたくさんの方々が来てくださって、本当にびっくりしましたし、感謝しています。レッズレディースというチームの素晴らしさを改めて実感することができました。リーグが開幕して、もっともっとたくさんの方が観に来てくれるような、一度観に来てくれた方がまた観たいと思えるようなサッカーを自分たちはしていくので、これからも引き続き、熱い応援をよろしくお願いします。
みなさん、こんにちは。11月18日に浦和駒場スタジアムで行われるちふれASエルフェン埼玉戦から、いよいよ今シーズンのWEリーグの戦いがスタートします。
昨シーズンは大きな怪我をした選手たちもいましたが、その穴を埋めるべくみんなが協力的にやってくれて、違うポジションをこなしたりしながら、最後までおごることなくチャレンジャーという意識を持ってやってくれました。その意味では彼女たちのメンタル面、真面目さとひたむきさのおかげで勝てたと思います。WEリーグカップもどちらが勝ってもおかしくないゲームでしたが、そういうところで勝ちきることが自信になって、そのままリーグに行けたのが良かったと思っています。
立場が変わり、今シーズンはチャンピオンチームとしてリーグ戦に臨みます。言葉では「チャンピオンチームとして、ディフェンディングチャンピオンとして」ということは言いますが、心の置き方は昨シーズンのように、常に協調性を持って謙虚に、チャレンジャー精神を忘れないでやらなければいけないと思います。やはりチームは生き物なので、昨シーズンで良かった点は残しつつ、新たな気持ちで取り組んで、ブラッシュアップしていかなければいけません。レッズレディースはそういうプレッシャーの中で勝ち続けなければいけないチームだと思っていますし、それを続けていくことが伝統になっていくので、それぞれが責任を持って、記憶に残るチームにならなければいけないと思っています。
先週まではタイの地で、AFC Women's Club Championship 2023 – Invitational Tournamentを戦ってきました。プレ大会とは言え、アジアの1位を決める公式戦に出られるのは非常に光栄なことで、みんなが思っている以上に大きなことだと思います。慣れない環境や難しい状況もある中での3連戦でしたが、そういう積み重ねがチームの大きい魂を作っていきますし、歴史を刻んでいけるチームになるためには、そういうところをクリアしていかなければいけません。チームだけでなくいつも支えてくれているスタッフを含めて一枚岩になれた感覚もあり、非常にいい経験ができたと思っています。
そしてWEリーグについてですが、今は3強(三菱重工浦和レッズレディース、INAC神戸レオネッサ、日テレ・東京ヴェルディベレーザ)と呼ばれている以外のチームにもいい選手がそろっていますし、そこに良い指導者も加わって、チームの意識も変わってきていると感じています。どこもいいチームですし、リーグにおいて差がなくなってきたのはすごく良いことだと思っています。その分、我々もさらに頑張らなければいけません。
今回対戦するちふれASエルフェン埼玉さんは、昨シーズンと比べてかなりアグレッシブになり、攻守においてテンポが早くなった感じがします。WEリーグカップでは日テレ・東京ヴェルディベレーザさんに大勝していますし、本当に侮れない相手です。そういう相手と戦うときは、まずは最初の立ち上がり、10分から15分が一つ鍵を握ると思います。もちろんそこで点を取れればいいのですが、そうでなくとも流れをちゃんと掴んでこちらのペースにできれば勝てる確率はかなり高くなると思います。
AFC Women's Club Championship 2023 – Invitational Tournamentには、日本から多くのファン・サポーターの方々が来てくださってホームのような感覚があり、本当に驚きました。そうしたみなさん、そして日本で応援してくださっていたみなさんの後押しがあって、昨シーズンは良い成績を残せました。今シーズンも一緒に結果をつかめるように頑張っていきたいので、ぜひ応援よろしくお願いいたします。
また、悔しいことに今は諸外国・欧米との差がかなり開いてきました。そこにAFC Women's Club Championship 2023 – Invitational Tournamentができ、この大会がアジアの女子サッカーが盛り上がるきっかけになっていると思いますし、それを日本サッカーが引っ張っていかなければいけないと強く思っています。それはやっている我々も、応援してくれている方々も、運営サイドもすべてが一体になって向かっていかないとそうなりません。ただ、そうなればWEリーグもお客さんが増えて価値が上がり、興行的にも成功していれば長く続いていきますし、それがなでしこジャパンの力が大きくなることにもつながると思います。まずはお近くの試合でもいいので観に行っていただきたいですし、それが我々の試合であればありがたいです。我々は「また来たい」と思っていただけるゲームを必ずやりますので、ぜひ浦和駒場スタジアムに足を運んでください。