Match Day Information
MDI 2023-24 WEリーグ 第7節 vs 大宮アルディージャVENTUS
-池田選手は昨シーズンの開幕前に右膝前十字靭帯損傷という大きな怪我を負ってしまいました。復帰までの日々では、どのようなことを考えながら過ごしていたのでしょうか。
ピッチに立てない分、チームから物理的に距離が離れてしまう時間が多かったので、戻ったときになるべく早くチームに入れるようにするため、頭の部分で常にサッカーから離れないように意識していました。レッズレディースの試合だけでなくいろいろな試合を見て、動けない時期も頭を休めないようにするという感覚です。
怪我をしたのはなでしこジャパンの遠征中だったのですが、代表のドクターからは「感覚を元に戻すという意識でやっていると、戻らないことがすごくストレスになる。完全に戻すのはたぶん難しいから、新しく生まれ変わってプレーしていく気持ちを大事にしたほうがいい」と言われました。それがすごく腑に落ちたので、復帰については「怪我をする前に戻す」というより「新しい自分になって、新たなスタートを切る」という意識を大切にして、リハビリに取り組んでいました。もちろん「前の自分に戻らないといけない、戻さないといけない」という気持ちも少しはありましたが、新しい自分になることを意識し続けていたことで、多少うまくいかないことがあっても自分の中で受け入れることができて、前向きにリハビリができたのが大きかったです。
-実際に怪我から復帰されて、以前との変化を感じるところについてはいかがですか。
プレーの面では、準備の部分が大きく変わったと思います。自分が実際にプレーするところもそうですけど、プレーをしていないところでの準備を今まで以上に早く正確にやらないといけないと感じています。やはり、怪我の影響でまだ左右差があるので、そこを埋めるためにも、準備の部分は自分の中ですごく意識するようになりました。
プレー以外のところで言うと、セルフケアや体の調子に気を配ることなどは、以前よりもすごく感じ取れるようになった感覚があります。怪我をする前は無意識にやっていたようなところを意識できるようになったと思いますし、それに気づけたのは良かったことだと思います。
-怪我の間にいろいろな試合をご覧になられていたとのことですが、他の選手のプレーで参考になったところなどはありましたか。
怪我をする前もそうでしたけど、男子トップチームの西川周作選手のプレーは、自分が復帰した後もこういうプレーをしたいなと思っていましたし、すごく楽しく見ていて、勇気をもらったりモチベーションになったりしていました。
-昨シーズンはご自身が怪我をしている中でチームが優勝し、嬉しいけれども歯がゆい1年でもあったと思います。今シーズンはどのようなモチベーションで戦われていますか。
昨シーズンに優勝しているので、今シーズンは比較されたり、昨シーズン以上のものを求められたりもすると思います。その期待に応えたいですし、自分自身、昨シーズンにプレーできなかった悔しさや、プロとしてやっている中で、プレーでチームに貢献できなかったことを申し訳なく思っていたところもあります。まずはプレーで見せることで、昨シーズンの分もしっかり頑張って返したいと思います。
ただ、自分自身としては昨シーズン優勝したからとか、怪我をする前のこととかはそんなに気にしていなくて、まずは自分が自分らしくプレーすること、しっかりゴールを守ることに集中して今シーズンに取り組むだけだと思っています。プレーできる喜びを感じながら、昨シーズンに休んでしまった分をしっかり返していきたいと思います。
-怪我から復帰し、今シーズンのWEリーグではここまで全試合にフル出場されています。ご自身の今シーズンのプレーに対する手応えはいかがですか。
ここまでは、満足できる試合が本当に少ないです。いいプレーができた試合もありますけど、失点している試合も多いですし、そこは自分の責任が大きいと思うので、トータルでは全然満足できていません。でも、チームとして難しい試合を勝ちきれたり、引き分けに持ち込めたりしているところはポジティブだと思うので、自分としては個人の課題を見つめて取り組むだけだと思います。あと、サッカーは自分1人でプレーしているわけではないですし、みんなと協力しながらプレーするのが自分の良さでもあると思うので、そういうところを一つひとつ積み重ねて、シーズンが終わるときにはチームとしていい試合、自分でもよく守れたと満足できる試合が増やせればいいなと思います。
-次の対戦相手、大宮アルディージャVENTUS(大宮V)について意識するポイントはどんなところでしょうか。
選手も少しずつ変わっているので、これまでの自分の感覚と比較してどうなのかは少し分からないところがありますけど、チーム全体がまとまっていて、同じ方向を向いて最後まで諦めないチームだというのはあると思います。隙を作るとつけ込まれてしまうこともあるでしょうし、勢いに乗らせてしまうと怖いチームだと思うので、最初から最後まで、90分間を通して隙を与えないことを意識したいです。以前の大宮V戦ではロングシュートを決められて悔しいおもいをした試合もあったので、そういうことも意識しながら、しっかりといい準備をしたいと思います。
-レッズレディースのファン・サポーターのみなさんにとっては、やはり「大宮には勝ちたい」という気持ちがあると思います。育成出身の選手として、そのようなところも意識されるのでしょうか。
やっぱり「さいたまダービー」という名前がついているくらいの相手ですし、埼玉県にはWEリーグのチームが3チームあるので「埼玉では私たちが勝ちきりたい、そこで負けたくない」というおもいはすごく強いです。身近に男子トップチームの試合もありましたし、今までも「さいたまダービー」という言葉をすごく近くで聞いていたので、負けられない試合だというのはずっと意識してきました。
-怪我から復帰してピッチに立って、ファン・サポーターのみなさんの声援についてはどのように感じていますか。
試合中の声が通りにくく感じるくらい、みなさんの応援の声がすごく多く、大きくて、それだけたくさんの方々が応援してくださっていると思うと本当にありがたいです。プレーが途切れたときに個人として声をかけてくださる方の声も聞こえて、それがあと一歩足を出したり身体をぶつけたりという力につながると感じています。
-そういった方々にお返しできるのはやはり、次の試合の完封勝利だと思います。次戦への意気込みをお聞かせください。
絶対に負けられないというのは、選手ももちろんですし、ファン・サポーターのみなさんもすごく思っていると思います。その強い気持ちを持って、私としてはしっかり無失点で終わることが一番だと思うので、力強い後押しを受けながら、一緒に戦えたら嬉しいです。