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平川忠亮 三菱重工カップ 平川忠亮引退試合に向けたオンライン取材 コメント

19日、平川忠亮がオンラインでメディアの取材に応じ、7月22日(木・祝)17時から浦和駒場スタジアムで行われる三菱重工カップ 平川忠亮引退試合 URAWA ☆☆☆ LEGENDS vs 浦和レッズに向けた意気込みなどを語った。

(引退試合を3日後に控えている今の率直な気持ちは?)
「引退試合が決まってからいろいろと準備してきましたが、コロナ禍もあって2年近く試合に向けて準備してきました。その中で、自分は引退試合をしてもらうにふさわしいかどうかということも少し考えるところもありましたが、みんながいろいろと協力してくれて、みんなの支えがあって開催できるということをこの2年間にわたって感じることができました。22日に向かって自分が本当に楽しむということが一番の恩返しになると思っていますので、楽しみにしています」

(引退試合で一番楽しみにしていることは?)
「やはりタイトルを獲った2006年、2007年、2017年の中心となったメンバーがそろってくれるということが一番楽しみです。(URAWA ☆☆☆ LEGENDSのメンバーの)半分以上は引退していますので、現役選手に対してどれくらいやれるかという点で厳しい部分もあると思いますが、局面局面で見せられる部分や、まだこういう部分が現役選手に足りないのではないかということをみんなで少しずつ伝えられたらいいなと思っています」

(頬がすっきりしたように見えるが、試合に向けて体重は絞れたのか?)
「今日は測定していませんが、体重が70キログラムを切りました。現役のころは73、74キログラムくらいでプレーしていましたから、明らかに筋肉量が足りていませんし、体脂肪は落とせましたが筋肉量で現役時代までもっていけませんでした。ただ、体重が多いままだとケガのリスクもあるというところで、がんばってここまで落としました」

(動きやプレー面での状態はどうか?)
「僕が理想としているところまでいけていないというのが正直ありますが、本当に引退してからここまで本気の100パーセントのスプリントはしていません。今もトレーニングをしていく中で、100パーセントを出したときにケガをしたら終わり、みなさんにご迷惑をかけるということもありますので、いかにそこに近づけるかということを少しずつ上げてきた状態なので、あとは本番で何回100パーセントに近いスプリントができるかという恐怖心ではないですが、自分自身との勝負になると思います。ラストはケガをしてもいいという気持ちでやれたらと思っています」

(今着用しているURAWA ☆☆☆ LEGENDSのユニフォームのデザインやエンブレムのコンセプトやこだわり、思いについてはどうか?)
「NIKEさんから今回もサポートしていただきユニフォームを作成しました。こだわりとしては赤、黒、白のデザインの中にゴールドを入れたいという思いがありました。ギザギザしている部分がゴールドになっていますが、そのイメージはタイトルを獲ってきた3つの星もありましたので、赤と黒と白のレッズカラーにもう1つゴールドを入れたいというイメージで作りました」

(今回の試合で履くスパイクもデザインしたと聞いたが?)
「今回はNIKEさんに2つ作らせてもらいました。これも白と赤がありますが、両方ゴールドを入れながらイメージして作りました。横やかかとに名前を入れたりもしました。NIKEさんの自分でカスタマイズできるサイトで作らせてもらいましたが、17年の現役生活プラスここまでNIKEさんにはずっとサポートしていただいて、最後もこうしてNIKEのスパイクを履いてプレーさせてもらえることに感謝しています」

(こういう厳しい社会情勢の中でも引退試合に尽力してくれたクラブへの感謝の気持ちはどうか?)
「まさにその通りで、コロナ禍の非常に厳しいご時世の中で開催するということで、スタッフを含めてやるべきなのかということを本当に悩みました。その中でチャレンジしたいという自分自身の気持ちを伝えました。失敗してもチャレンジし続けてその先に栄光があるということを浦和レッズで学んできました。そういった部分を含め、今回もピンチはチャンスではないですが、こういったご時世だからこそ伝えられることがあるのではないかと思っています。

この取材もそうですが、オンラインになり、直接会えることがなかなかない中で、世の中が暗い中で何か楽しいことをやってもいいのではないかと考えました。賛否両論あると思いますが、その中で発信していくことにチャレンジしたいということで、スタッフにも協力してもらい、今回開催できることになりました」

(引退試合の開催にあたって「おめでとうございます」という言葉が適切だと思うが、浦和レッズというJリーグの老舗クラブの中でも過去に引退試合をやったのは福田正博さん、山田暢久さん、鈴木啓太さん、それと3チームの合同だったが井原正巳さん、それから公式の引退試合ではないが内舘秀樹さんも開催された。いずれ劣らぬレッズを代表する名選手ばかりだと思うが、レジェンドの一人に自分も加わったことの喜びや感慨はどうか?)
「福田さんをはじめ数々のレジェンドたちが開催してきた引退試合を直接見てきましたし、参加もさせていただきました。そのころは自分が引退試合をやれるということは想像もしていませんでしたが、その中で今回そういうチャンスをいただき、開催することになりました。ここまで過去にやってきたことに対して引退試合を開催しようという周りの方の思いを本当にありがたく思います。

ただ、これをやって終わりではなく、これから先のレッズを良くしていくということにも力を注いでいきたいですし、実際に浦和レッズにまだいますから、その中で引退試合をやるというのは少し特別なものもあると思います。この先の浦和レッズをどう良くしていくか、そういったメッセージも含めての今回の引退試合になっていると思います。OBも現役選手もいて、未来を担う若い選手にも参加してもらう予定ですので、それを含めてこれからの浦和レッズをどう良くしていくかということも含めて、当日は楽しめたらと思います」

(主役も観客も引退試合の楽しみの一つはゴールだと思うが、Jリーグの得点王になった福田さんでさえ1点取るのがやっとで、山田さんも内舘さんも井原さんも1点取り、鈴木さんは2点取った。平川選手も2005年の東京ヴェルディ1969戦で1試合2得点したことがあるが、最後の試合でハットトリックを狙っているか?)
「正直狙っています。狙うのは勝手なので、狙っています。ただ、相手が現役チームなので、非常に難しいハードルだと思っています。ただでさえゴールを取ることが得意な選手ではありませんでしたし、どれだけゴール前に入ってチャンスに顔を出せるかと思っていますが、チャレンジはしたいです。ゴールを取ることで自分自身でも花を添えられますし、それを待って見てくれている人たちもいますので、そこにチャレンジしていきたいと思っています。

3点取れたらと思っていますし、あまり取りすぎてもやらせ感が出てしまうと思っていますが、全力でゴール前に顔を出していきたいと思っています」

(レッズの選手の引退試合で過去にPKはなかったと思うが、PKがあったらキッカーを買って出るつもりか?)
「許されるのであれば蹴りたいです。ただ、(田中マルクス)闘莉王や岡野(雅行)さんや(小野)伸二などにとられなければいいなと思っていますが、『俺が蹴る』と積極的にペナルティースポットに走っていきたいと思います」

(誰からのパスでゴールを取りたいというイメージはあるか?)
「もちろん伸二からのスルーパスはシュートということではなくても、彼がボールを持ったときはどんな体の向きをしていようがパスが出てくるのではないかと想像しつつ、走る準備をしておこうと思っています。闘莉王も裏に蹴りそうですし、ずっと走ってばかりになりそうですが、その辺りも楽しみながらプレーしたいと思っています」

(タイトルを獲った2006年、2007年、2017年の中心メンバーの話をしていたが、URAWA ☆☆☆ LEGENDSのメンバーに対する思い入れについてはどうか?)
「メンバーは正直ものすごく悩みました。17年プレーしていましたので、仲間は山ほどいますし、全ての選手が素晴らしい選手ですが、全員呼ぶわけにはいかないということがまず一つありました。さらにこのコロナの状況なので、なるべく数を抑えないといけないという状況の中で選ばせてもらいました。

辿り着いたのが、今の現役チームに伝えるもの、タイトルにこだわっていくということをどう伝えるべきかと思ったときに、ちょうどユニフォームの胸に3つ星が入っている、この選手たちを中心に呼べたらと思って声を掛けさせてもらいました。数多くの選手が集まってくれることに感謝しています。

その中で、ただ集まってワイワイというよりは、魂を持った選手たちが集まってくれていると思っていますので、何かを現役選手を含め、若い世代の子供たちに少しでも肌感覚で感じてもらえるような試合にできたらと思っています」

(今もレッズにいるからこそ、引退試合でこういうことを表現したいということに2年間の準備期間の中で変化はあったのか?)
「コーチでのことと今回引退試合でプレーさせてもらうことは、全く切り離していたという意識です。ピッチの中では、自分がどういうプレーをするか、現役を引退してどういうプレーをすれば引退試合が盛り上がるのかということは考えていませんでした。ピッチの中では常にコーチとして選手にどういうことを伝えるべきなのか、監督がやりたいサッカーをどう落とし込むのか、それに協力できるのかという気持ちでやっています。そこは切り分けていましたので、2年間でどうこう考えたということは特にないと思っています」

(もしかしたら埼玉スタジアムで何万人もの観客の前で開催することがベストだったかもしれないが、浦和駒場スタジアムで観客の上限も設ける中で、チケットを取れなかったファン・サポーター、スタジアムに来られない方に伝えたいことは?)
「まず、もともとオリンピックやコロナは関係なく、浦和駒場スタジアムでやりたいということが自分の希望でした。Jリーグの前に(Jリーグヤマザキ)ナビスコカップでしたが、デビューしたのも駒場でしたし、浦和の街に育ててもらった恩返しをしたいということを考えたときに、駒場に2万人入れられれば、行き帰りを含めて浦和の街が盛り上がって、浦和の街でみんなが飲食して、試合が終わった後もみんなで歩いて浦和駅前が盛り上がって、OB選手たちをつれて街を練り歩いてみんなで飲んで、というイメージをしながら引退試合の準備が始まりました。その中でコロナ禍がはじまり、規模としては小さくなっていきましたが、もともと埼スタではなく浦和駒場でやりたいということは自分の中で非常に大事にしていました。

今は5,000人を目指していますが、見に来られない方々にこの豪華なメンバーをどう楽しんでもらえるかということをいろいろと考えまして、そこでオンラインの配信を軸に今回始めました。無観客ということも想像しながら、どのように届けていくのかということでそういう判断に至りました。

いろいろな声を聞くと、特に自分の親世代は『テレビじゃなくてオンラインってどうやって見たらいいの?』ということは課題としてまだ残っていますが、なんとか一人でも多くの方に見ていただきたい、スタジアムの空気とはまた違うかもしれませんが、オンラインだからこそ楽しめるコンテンツも用意していますので、そこで現場の楽しさを伝えたいと思っています」

(コロナ禍でなければ呼びたかった外国籍の元選手もいると思うが、たとえばワシントンやポンテなど外国籍の元選手からメッセージをもらったり、彼らに対して思ったりすることはあるか?)
「コロナでなければ間違いなく声を掛けていたと思います。直接声を掛けてもらったシーンはありませんが、彼らみんなが浦和レッズのことを常に気にかけてくれていて、話せばすぐに『浦和レッズはどうなのか』という話題で盛り上がります。非常に残念で、ポンテやワシントンもそうですし、ズラタンもコロナ禍になる前に日本に来てくれたときにも『ぜひ参加させてくれ』ということを言ってくれていました。そういった仲間が世界中にいることは心強いですし、これからの浦和レッズを支えていく中で、彼らの力が必要になってくると思っています。つながりつつ、こういった試合も見てくれたらうれしいと思っていますし、何かで彼らの力をまた借りて、これからレッズが良くなっていくために何か一緒にできたらと思っています」

(引退試合でもポジションはサイドだと思うが、どんなプレーをみなさんに見てもらいたいと思っているのか?)
「みなさんが『平川といえばこんなプレー』だと思い浮かべるようなプレーをしたいと思っています。それしかできないと思いますし、『引退試合はもっとゴール前に行けよ』と言われるかもしれませんが、地味に外で上下しながらハードワークしたいと思っています。少しゴール前に入っていくシーンや仕掛けていくシーンは作りたいと思っていますし、ゴールは取りたいと思っています」

(誰かに預けて中に入っていくとか?)
「そういったプレーができたらいいですね。あとは逆サイドからのクロスにどれだけ入っていけるかということも含めて、がんばります」

(アシストはどうか?)
「アシストについては、どんどんクロスをあげていきたいと思っています。FWにはいい選手、点を取れる選手をそろえていますので、クロスは自分の武器でもありますし、そこは年齢はあまり関係ないと思っていますので、いいクロスを上げたいです」

(平川選手にとって17年間、浦和レッズはどういう存在だったのか?)
「生まれ育った実家のようなもので、ここでプロとして生まれて17年、年々成長していくと共に苦しいことや楽しいことも学びながらチームと一緒に成長させてもらいました。引退してからもまだ浦和レッズにいるというのは、なかなか家を離れられない子供のようですが、温かい家にいつもいることにも慣れなどにならずにきっちりと貢献しなければいけないと思っていますし、伝えられることはきっちりと伝えていかないといけない、自分の持っていなければいけないですが、安心してしまう実家のような印象です。ここしか知らないので、ずっと家にいるような感覚ですね」

(今回の引退試合のクラウドファンディングの収益の一部が日本ブラインドサッカー協会に寄付されるとのことだが、改めてブラインドサッカーへの思いは?)
「ブラインドサッカーは浦和レッズで、ここの大原(サッカー場)で目をケガした以来の付き合いですが、ボールがぶつかって両目が見えなくなったとき、何も分からなくなりました。それが衝撃的で、怖くて、何をしたらいいのか、何もできないというところからブラインドサッカーにつながっていきました。

そういう方たちがいることはもちろん知っていましたし、最初はブラインドサッカーではなくて目が見えない方たちのサポートをしたいというところから始まりましたが、枠が広すぎてどう協力したらいいのか分からないという中で、いろいろな方にアドバイスをいただいて、サッカーをやっているのだから目の見えない方たちのサッカーをサポートすることがいいのではないかというところでたどり着きました。

そこからの付き合いになりますが、自分自身がそういう方たちと触れ合って学んだことが多いですが、支援という部分で1人ですと『もっとこうしてあげたい』ということができないということが自分の中に葛藤としてありました。そこで浦和レッズが協力してくれる、一緒にそういう方たちを支えてくれるということで輪が広がり、大原で現役選手たちと一緒にブラインドサッカー教室を開くこともそうですし、のちにレッズランドでブラインドサッカーの方たちがプレーできる場所を確保することにつながっていきました。

今回クラウドファンディングの中でどこかに寄付したいと思っていた中で、そこでもやはり継続してきたものの力になるのであればそこもつなげていけたらということで、今回ブラインドサッカーにも寄付したいと相談させてもらい、こういう形になっています」

(引退試合が決まったときの家族の反応で印象的なことはあったか?また、体重の話もあったが、これまでの家族のサポートや生活の変化はあったのか?)
「家族は非常に喜んでくれて、僕以上に奥さんや子供たちが喜んでくれました。子供たちは何のことかよく分かっていない感じもありましたが、それが徐々に形になり、日程が近づくにつれて、家族みんなでサポートしてくれていますし、実際にクラウドファンディングでも奥さんがヨガをやるということで参加してくれたり、子供たちも一生懸命お父さんの力になろうといろいろとやってくれています。

当日もいろいろな形で家族がサポートしてくれると思います。それは常に、引退試合だけではなく、プロサッカー選手としてもずっとそうでしたし、家族の支えがあったからこそ17年間もプレーできたと思いますし、その17年間があったからこそこの引退試合につながっていると思います。家族のサポートは一番感謝しないといけないことだと思います。

奥さんは現役時代から食事のサポートをしてくれていましたが、引退試合を目指して体を絞っていく上でも気を使ってくれました。現役時代は73〜74キログラムでプレーしていたのが77キログラムくらいまで増えていましたので、体重を落としていくということで食事のサポートもしてもらっていましたし、生活の変化というよりは、もう一度現役時代に戻したような感覚です。コーチになり、特に育成チームのときは帰るのも夜遅かったりしましたので、少し不摂生な生活が続いていました。そこで引退試合があるおかげで、もう一度現役選手モードに家族がもっていってくれたと感じています」

(レッズで17年間プレーし、今はトップチームのコーチを務めているが、その先には監督やスポーツダイレクターなども見据えているのではないか?)
「現役のときも、たとえば10年間やるんだ、17年間いや20年間目指すんだ、というよりは、一日一日、一年一年、この年、今日、今週の試合、という目の前を大事にしていました。今も監督を目指すために勉強もしています。現場でも次の試合、その次の試合、勝つためのコーチとして何ができるのか、若手をどう伸ばしていくのか、Jエリートリーグでは監督をやらせてもらっていますが、一試合一試合でどういう結果を残せるのかということでやっています。

その積み上げでしかないと思っています。それをおろそかにせず、毎日のこと、一週間、一年ということをきっちりと今足りないものを勉強しながら積み上げていった先に監督をやるチャンスがあればうれしいですし、それ以外にもいろいろな道を開いていくためにも、一日一日を大事にしていこうと思っています。

監督になって浦和レッズで、という夢は持っていますが、特に今は、この先のJ1リーグが再開する(北海道コンサドーレ)札幌戦にどうやって勝つか、そこに自分はどういうふうに協力できるのかを考えながらがんばっています」

(改めて引退試合への意気込みはどうか?)
「22日までだいぶ迫ってきましたが、自分自身の引退試合に数多くの現役選手、OB選手が集まってくれます。先ほども言いましたが、この試合を楽しむのはもちろんですが、いかに未来の浦和レッズ、未来の強いレッズ、タイトルを獲れる、もちろん未来というのは今年の年末に向けて、このチームで今年タイトルを獲るということも含めて、そういったことにつなげていきたい引退試合だと思っています。タイトルマッチになっていますので、レジェンドが勝つのか、現役が勝つのか、どちらかが勝っても浦和レッズなので、ファン・サポーターのみなさんもどちらが勝っても最後は楽しいお酒を飲んでもらえると思います。浦和レッズを愛する人全てが楽しめる内容になっていますので、自分自身も楽しみますが、みなさんにもぜひ楽しんでいただけたらと思っています。今日はありがとうございました」​

【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】







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