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MANAGER'S VOICE
Estimados aficionados!
リカルド ロドリゲスです。
先週の土曜日に行われたガンバ大阪戦は0-1で敗れてしまいました。
スタートから数多くのチャンスを作っていましたが、最後のところで決めきれず得点ができませんでした。81分に退場者が出てから状況が変わり、遠めからの相手のシュートが、レッズの選手に当たってコースが変わり入ってしまいました。おそらく、これがG大阪の唯一の勝機だったと思います。それを生かされたのが残念です。
水曜日にアウェイで行われた川崎フロンターレ戦は、2月に対戦したときより相手を上回る試合ができたと思っています。
特に前半は複数得点できるだけのチャンスがありましたし、守備の強度も高く相手に得点機をほとんど作らせませんでした。しかし、後半になって強度が落ちてきたところを相手に突かれてしまい、立て続けに失点して、1-2という結果に終わりました。
リーグ戦が開幕してから、相手の少ないチャンスで失点してしまっています。防げていたものもありますから改善が必要ですし、これからも集中した守りを崩してはいけません。
しかし全体としては、どの試合でも良い内容のプレーができていると思います。
2試合連続でレッドカードが出てしまいましたし、新型コロナウイルスの陽性者が出たり、ケガ人が出たりという状況もありました。特に前線は大きな影響を受けました。それらの要素がある中でも、チームには一体感があり、非常に良い雰囲気で進んでいると思っています。
4試合で勝ち点が1しか取れていないことは残念ですが、チーム状況は非常に良いと言って間違いありません。内容の良い試合を続けていけば、必ず結果に結び付くはずです。
ヴィッセル神戸戦で退場になった明本は、川崎戦では開始直後から多くのチャンスを作り、あと少しでゴールという場面も多くありました。チームに迷惑をかけた分を取り戻そうという姿がしっかりと見られました。
いまチームの全員が、ここ4試合で得られなかった勝利をつかもうと懸命になっています。
今日は湘南ベルマーレとの試合です。
湘南は、攻撃も守備も構造がしっかりしていて、選手たちがたくさん走るチームです。激しく戦ってくる相手に球際や走力で負けず、後半に入っても強度が落ちないようにフレッシュな選手を入れて、チームとして走り続けます。何よりチャンスに決めきることが大事です。
この試合が終われば、連戦の疲労を回復させたうえで、選手がそろった状況でトレーニングができるでしょう。
新加入のダヴィド モーベルグも来週の練習から合流できる予定です。どちらかと言えば右サイドの選手ですが、中でも外でもプレーができ、攻撃面でチームに良いものをもたらしてくれると思います。
これまで、ケガのためにキャンプで十分な練習ができなかった選手や、コロナ陽性で練習に参加できなかった選手、来日できない選手がいたため、トレーニングに全員がそろうことがあまりありませんでした。これで多くの選手がコンディションや準備を整えた形で試合に臨むことができます。
よりポジティブな形で今後の試合を迎えるためにも今日は勝利します。
今日こそ、このホーム埼スタで、レッズの勝利をみなさんとともに獲得したいと思っています。
最後までサポートをお願いします。
Muchas gracias!
PLAYERS' VOICE
沖縄キャンプ中に負傷して別メニューが続いていたが、京都との開幕戦でメンバー入りして61分から出場。神戸戦は出場機会がなかったが、続くG大阪戦と川崎戦には先発出場した。加入2年目の今季は序盤からチームを引っ張る立場になりそうだ。
「昨季もキャンプでケガをしていて、今年こそはケガなく良いコンディションを作って、良いチームを作っていこうと意気込んでいたので、残念な気持ちは強かったです。ただ、こればかりはアクシデントなので仕方がありません。切り替えて復帰を目指していました。
別メニューの間も、やはりチームの練習は気になりました。影響力のある選手たちが加入して、練習に対するモチベーションの高さや、積極的に取り組もうという強い気持ちを感じた半面、今季はチームをまとめる存在、引っ張ていく存在が誰になるのか、ということも考えていました。自分自身、チーム内でいろいろとコミュニケーションを取って、引っ張っていきたいという気持ちは強かったんですが、ケガをしたことでそれが難しくなってしまいました」
今季のチームは前半は良いプレーが多いが、後半になると徐々にそういう場面が少なくなるように見える。
「90分の試合の中では、自分たちのリズムではない時間帯があります。そのときの考え方は2つ。堪え忍ぶか、無理にでも積極的に流れを奪い返しにいくか。そして、その判断をどうするのかが重要です。いずれにしても、チームとしての粘りや、ここぞというときの集中力が必要で、今はそれが欠けているのかもしれません。もちろん、良い時間帯のときにもっと多くの得点を奪うということも大事です」
自身も途中出場した京都戦では74分に惜しいシュートを放った(※動画あり)。得点力不足という課題の改善についてどう考えているのだろうか。
「決めきるためには、ゴール前での質や最後の部分での集中力が必要だとよく言われますが、それをどう改善していくか、具体的な解決策を見いだすのは簡単ではないと思います。一人ひとりがうまくなるしかないし、一人ひとりがちょっとずつ意識を変えていくしかない。急激に良くなるものではありません。
ただ、G大阪戦も川崎戦もチャンスは作れていたので、チームとしてその数を増やしていくことが大事です。一発勝負の大会であればワンチャンスを決めて勝つこともありますが、リーグ戦では安定した力が必要で、ワンチャンス頼みというのはリスクが大きすぎます。
そう考えると、『チャンスは作れている』とは言っても、決定機と呼べる場面はまだ少ないですし、そこを増やしていくためにどう攻撃の形を作っていくか、そこをチームとして突き詰めていかなければいけません。遠回りに見えても、それが解決への近道だと思います。
やっていて手ごたえはあるのに、結果がついてこないという状況は、メンタリティーの部分、技術の部分、連係の部分、いろいろな要因があると思います。ただ、悲観的になっていても仕方がないので、気になる要素を一つずつ潰していくことが大事です」
開幕から続いた連戦も湘南戦で一区切りとなる。5連戦の最後を勝利で終えたい。
「今のスタイルを貫き通して勝てるようになれば良いですが、勝てなければ『良くない』と言われてしまいます。この先どうしたらいいのか迷ったり、葛藤したりすることもありますが、個人としてもチームとしても、そういう段階を経て成長していくものだし、個人としてはそういう葛藤を楽しみながら日々成長していければと思っています。
ただ、結果が欲しいことは間違いありません。今季掲げている優勝という目標も、目の前に試合に勝ってこそ達成できるものですから、湘南戦ではベストを尽くして勝つこと以外考えていません。早くファン・サポーターに勝利を届けられるようにがんばります」
今季はここまでFWとして起用され、スピードとフィジカルの強さで相手DFを上回りチャンスを作っている。しかし、自身のゴールはまだない。
「感覚的に悪くはないです。ただ、チームもそうですが、壁みたいなものがあるのかなと感じています。去年の今ごろよりも試合内容は良いですし、エリアに入っていく回数も多いので、あとは決定力です。川崎戦ではその差が出たと思います」
川崎戦の40分、カウンターのチャンスでゴール前に入っていったが、酒井宏樹のクロスには惜しくも合わせられなかった(※動画あり)。また、52分には関根貴大のクロスに飛び込んでスライディングシュートを放ったが、GKの好セーブに阻まれた(※動画あり)。
「前半の場面は、GKとDFの間に速いボールが抜けて来ると思っていたのですが、宏樹くんは僕がDFの前に入って来ると思って少しやさしめのパスをくれました。僕の動き出しが悪かったことで、そういうズレが生じてしまいました。
後半の場面は、ギリギリのところだったので、コースを狙うというよりは足を伸ばしてボールに当てるので精いっぱいでした。そういう技術のなさが相手GKのファインセーブにつながってしまったのだと思います。あそこで2点目が入っていれば展開は変わっていたはずですし、あそこで決められなかったことがその後逆転されることにつながってしまったと思います」
今季は多くのチャンスが作れているからこそ、惜しいシーンも目立つ。ゴール前での選手同士のイメージの共有が今の課題であり、本人が言う“壁”なのかもしれない。
「お互いの意思疎通が流れの中でピンポイントでできていないということが、結果にも表れていると思います。あと一歩のところまで来ているので、それを突き止めていく必要がありますが、試合後にお互いに話し合っているので、修正していけると思います」
一方、リーグ戦の3得点のうち2点をセットプレーから奪っている。神戸戦では、左CKを明本がニアですらして柴戸海のゴールへつなげるなど、時間をかけて練習していることが結果にも出ている。
「CKのときに、ニアで触ってファーへつなぐのは自分の得意とするところです。神戸戦ではそれがうまくいきました。今季はヘディングの強い選手が入って来ましたし、セットプレーを強みにして、得点を増やしていきたいです」
神戸戦ではファウルでチャンスをつぶされた後、相手を突き飛ばして退場処分となった。2-1でリードしていたチームは10人で踏ん張ったが、最後に同点弾を決められて勝ち点1止まり。自身は翌節のG大阪戦を出場停止で欠場した。
「今季は同じような場面でファウルを取ってもらえないことが多く、フラストレーションが溜まっていたところで、瞬間的に手が出てしまいました。自分が若かったと思います。今、チームがこういう状況になっているのも、あのときの自分の行為が招いたことだと思っていますし、やってはいけないことをやってしまったと反省しています。
チームに迷惑をかけたので必ず何かで返したいですし、今季にかける気持ちが一段と強くなりました。監督には「相手がファウルをするというのは、お前のプレーのレベルが高いということなんだ」と言われました。相手DFも僕に対してイライラすることもあるでしょうし、90分の試合の中で自分がゴールを決めれば、相手との戦いにも決着がつきます。これからは賢くやっていきたいです」
今節の湘南戦を「何かで返す」機会にしたい。
「湘南の一人ひとりの気迫あるプレーというのは、僕たちのビルドアップに対する圧になります。でも、今季はそれをかわせるだけのものはできていると思いますし、かわせればチャンスになります。
湘南戦ではゴールという形でチームに貢献したいです。昨季、鹿島戦で自分がゴールを決めてからチームに勢いが出たように、今回もチームに流れを持ってくるゴールを決めたいです」
今季はここまで全試合に先発出場。プロ1年目だった昨季よりもプレーの幅が広がり、守備の強度がアップ、攻撃への絡みも増えた。
「去年のこの時期は自分をアピールすることで精いっぱいでした。ただ、今季はもっとやらなければいけない立ち場になったと思いますし、そういう部分では自分にも変化はあります。
チームとしては、昨季から積み上げてきたものを継続してやれています。去年もこの時期はなかなか結果が出ませんでしたが、内容的にはかなり上回っていると思いますし、そういうところに変化を感じています」
神戸戦の19分、左CKから柴戸がヘディングでゴールを挙げた場面では、柴戸の前でヘディングを狙っていたが、瞬時の判断で柴戸に任せた(※動画あり)。また、G大阪戦の89分にはゴール前の犬飼智也へ正確なロングパスを供給し、好位置でのFK獲得につなげた(※動画あり)。
「神戸戦のCKの場面では、海くんの『OK!』という声が聞こえました。自分の体勢だとうまくゴールに飛ばせるか分からなかったので、触らなくて良かったです。G大阪戦ではワンくん(犬飼)を前線に上げるという監督の意図があったので、早めにパスを入れました。ワンくんがファウルをもらって得たFKは得点にはなりませんでしたが、ああいう場面をゴールに結びつけられるようにしたいです。
ビルドアップのときに顔を出し続けること、ポジションをしっかり取ることはもちろん、そこからさらに前に出て、ゴールやアシストに絡めるように意識しています」
リーグ戦で4試合勝利がないという状況をどうとらえて戦っていくか。
「難しい状況ですが、やり続けるしかありません。それに、決して言い訳ではなく、4試合を通して見ると内容では相手を上回っていることが多かったと思います。一つ勝てば必ず流れが変わると思うので、結果を出すことを一番に考えてやっていきたいです。
湘南は球際で戦えるチーム、走れるチームです。そういう部分でやりづらさはありますが、そこで負けてはいけない。勝てていないというプレッシャーを力に変えていかないといけないですし、勝てないからと言って自信をなくしてはいけないと思います。ここで悪い流れを断ち切りたいです」
ALWAYS FOR REDS
文●清尾 淳
結果は出ていないが、内容は良い。これまでのサッカーをやり続ける。
よく聞く言葉だし、ここまでのリーグ戦4試合を形容するのにふさわしいと思う。
ともすれば、これは危険な言葉になる。勝ち点が増えないまま試合だけを重ねていくのを看過しかねないという危惧もあるからだ。
新しい戦術をチームに浸透させていくことが主眼だった昨季の今ごろならば、結果より内容が良くなっていくことのほうが大事だった。事実、第6節まで1勝2分け3敗だったリーグ戦は、第9節には4勝2分け3敗になり、前半戦19試合終了時点では9勝4分け6敗と、徐々に白星が先行していった。
だが今季、目指しているものは昨季よりだいぶ上にある。このまま同じことが続けば、頂上への道が徐々に険しくなっていく。
川崎戦後のオンライン取材に出席した関根貴大が語ったのはまさに冒頭の言葉だった。
「今までも勝てない時期はありましたが、最も違うのは、今は内容がいいということです。自分たちがやってきたことを信じて貫き通せばいいと思っています」
このとき僕は、上記に挙げた危惧を全く感じなかった。その理由は関根の自信にあふれた口調と目だ。文字面だけでは伝わりにくいが、負けた後の記者会見とは思えなかった。
もちろん勝つためにどうするかも語っている。
「今日は失点後に落ちてしまったので、そこがもったいなかったと感じました。次の試合はどういう展開になるか分かりませんが、まずは決められる場面で決めきること、そうではない難しい時間帯をどう乗り切るかということは(中略)必要になってくると思いますし、そこを大事にしたいです」
関根はビッグマウスではないし、前に出てみんなを引っ張るというイメージはこれまでなかった。だが今季はシーズンインからリーダーシップを発揮しており、メディアにそれを指摘されると、それが自分の役割だと肯定してきた。今季は副キャプテンを務めているが、リカルド監督から要請されたときに「今のきみのプレーからは責任感を感じる。それを続けて周りにも見せてほしい」と言われたという。
副キャプテンだから責任感を持ってプレーしていたのではない。責任感を持ってプレーしていたから副キャプテンを任されたのだ。
その関根が言い切った言葉だ。決して負けた後のエクスキューズではない。
そして決して関根一人の確信ではない。ほんの少しのズレで点にならなかったプレー、わずかのポジショニングの差で失点になってしまったプレー、その前の、そのまた前のプレーに絡んだ選手たち。つまりこれまで戦ってきた全員が、悔しさと同時にあと少しという手ごたえを感じているはずだ。
Jリーグ開幕を前にして、コロナの陽性者が複数出たことによる厳しさはある。ACL出場チームゆえにリーグ5連戦と重なった苦しさもある。今日の相手が昨季勝てなかった湘南というのも一つの関門だ。
あと少しで越えられそうな初勝利というヤマに向かうレッズに、手枷、足枷がつきまとっているように思える。だが、レッズに関わるみんなの力でそのヤマを乗り越えたときには、少したくましい浦和レッズになっているに違いない。
今季は、4月の後半に中2日の6連戦という未体験の日程が酷暑の地で待っている。また、ここまでの4試合でついてしまった上位との勝ち点差を詰めていく闘いも楽ではない。だが高い目標を掲げているのだから、そこへの道が険しいことは承知のうえだ。そして険しい道を切り拓いていくことで、またたくましくなっていく。
きょう全力で第一のヤマを越え、次に向かおう。