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MANAGER'S VOICE
Estimados aficionados!
リカルド ロドリゲスです。
先週の金曜日、ここ埼玉スタジアムでサンフレッチェ広島とのリーグ戦が行われました。これまでの試合と同じように、何度か決定機を作ることができましたし、それぞれ良い形でシュートを放ちました。しかしゴールは生まれず、スコアレスドローに終わりました。これでリーグ戦では5試合連続の引き分けです。
良いプレーができているものの、何かが足りません。勝利に値する内容でも勝てていない試合が続いています。
FC東京戦、柏レイソル戦に続いて、この試合でも決まったと思えたゴールがオフサイドで取り消されました。そうしたこともあり、スコアレスドローが3試合続いています。また、以前はリードしている試合、優勢に進めている試合で、思わぬ退場者が出て勝てなかったり、負けてしまったりということがありました。微妙なところで一つ違うほうへ転がっていれば、こういう結果にはなっていなかったと思っています。
努力するほうに運は味方するという言葉がありますから、決して運に頼るのではなく、さらに努力しなければいけないということでしょう。
広島は特に後半、危険な攻撃を仕掛けてきました。それをしのいで無失点で終えたことはポジティブに考えていいと思います。現在、リーグで2番目に失点が少ないわけですから、良い守備ができていると言えます。
守備だけではなく、攻撃も良くなっています。相手がプレスをかけてくる中でのビルドアップもできています。チーム状態は決して悪くありません。しかし、勝ち点3が獲れていない状況ですから、これを打破するために全力を尽くし、ここから抜け出します。
最も良くないのは、勝てていない状況をストレスに感じて、できていることができなくなってしまうこと、そして自信を失ってしまうことです。あまり考えすぎず、無心でシュートを打つことも必要だと思います。
本日の相手はここまでリーグ最多得点を挙げている横浜F・マリノスです。プレー強度も高いですし、シュートまで持って行く力があります。この好調なチームに対して、我々がどう戦うかが問われていますが、現在の順位表の位置ほどの差はないと思っています。我々はどの試合でもしっかり戦えますし、勝つチャンスは十分に作れます。
今季、相手に圧倒された試合はありません。あと1パーセントの何かがあれば、結果が良いほうに変わっていた試合がほとんどです。このホーム埼玉スタジアムで、多くのファン・サポーターのみなさんの後押しを受けて、その1パーセントの部分を変え、我々のほうへ勝利を持ってきたいと思っています。
平日の今日、スタジアムに来てくださる方々は、来ていただくこと自体にエネルギーを使われていると思いますし、何かを犠牲にして来てくださっている方もいるはずです。
我々は持てる力のすべてを出し切って戦う姿を見せなければなりません。そして、チームとファン・サポーターのみなさんが一体となって闘い、今日こそ勝利を勝ち取りたいと思います。
Muchas gracias!
PLAYERS' VOICE
広島戦ではキャスパー ユンカーと共に60分から途中出場。72分にユンカーとのコンビネーションで決定機を作った。さらにその2分後にはエリア外から左足で強烈なミドルシュートを放ったが、惜しくも相手GKに弾かれた(※動画あり)。
「蹴った感触としては悪くなかったですが、相手GKに読まれていましたし、あまりきわどいシュートにはなりませんでした。引き分けが続いていて、点も入っていないので、もっと決定機を作らなければいけないと思っています」
その後も83分にエリア内右に進入してシュート。86分には明本孝浩のパスを受けて正面からシュートを放つなど、短い時間で何度もチャンスを作った。
「広島戦に関しては、やれることをやって点を取りに行くという姿勢は見せられたと思いますが、それをチームとして試合開始からやっていかなければいけません。
自分たちがボールを回せることは分かっているので、最後の決める部分でもっとパワーを使わないといけないと思っています」
横浜FMは攻撃に特長のあるチーム。いかに相手の攻めを防ぎながら、点を取るか。さらに決定力が求められる。
「横浜FMは守備に回ったときでも3トップが戻らずに残っているので、ショートカウンター気味の攻撃が一番怖いです。そこのリスク管理はしっかりやらなくてはいけませんが、あまり恐れて攻撃できなくなってはいけないので、人数をかけてゴールに迫りたいです」
4月10日のアウェイFC東京戦でレッズデビュー。ACLグループステージでは3試合に出場して3得点を挙げた。柏戦でJリーグ初先発し、57分に平野佑一のロングパスを受けてエリア内に持ち込んでゴール右隅にシュート。きれいに決まったかに見えたが、オフサイド判定となった(※動画あり)。広島戦では埼スタデビューを飾った。
「埼玉スタジアムでプレーできたことは、素晴らしい経験でした。ピッチコンディションも良かったです。個人的にもあそこでプレーしたいというモチベーションが高まりました。ホームで引き分けてしまったのは残念ですが、これからさらに2試合ホームゲームが続くので、頑張って勝ち点3を取りに行きたいと思います。
いま対戦しているチームはJリーグの『オリジナル10』と言われていますが、お互いにライバル意識が強いと聞いています。ヨーロッパでも、そういうライバルチームと何度も試合をしてきたので、いっそう力が入ります」
広島戦では27分に小泉佳穂のパスを受けてエリア外からミドルシュートを放ったが、枠を捉えられなかった(※動画あり)。Jリーグ初ゴール、そして埼スタでの初ゴールが待たれる。
「もちろん努力して、練習をしっかりやって、すべてのチャンスをゴールに結びつけられるようにしたいです。ただ、一番大事なのはチームが勝ち点3を取ることです。そのために全力を尽くします」
ACLのグループステージでは3試合に出場して1ゴールを挙げたが、第3戦(大邱FC戦)で右手薬指を骨折し、4月26日に手術を受けた。それでも練習への合流は比較的早く、前節の広島戦でメンバー入りした。
「まだ腫れていますが、思ったより早く戻ることができました。チーム状況を考えて早く戻ることを意識していました」
広島戦では60分から途中出場。72分には相手ボールを奪った明本のパスをフリックで江坂につないで自らは前線へ。エリア内でパスを受けて右足でシュートしたが、相手GKの好守に阻まれた(※動画あり)。
「1回のチャンスで決められることもあれば、2回チャンスが必要なこともあります。右足だったことは関係ありません。少しボールが足元に入りすぎたこともありますし、GKもDFもいましたからね。GKのナイスセーブに遭ってしまったということです」
今季初ゴールは埼スタでの磐田戦だった。ホームゲームが続くうちにリーグ2点目を取りたい。
「浦和レッズは、埼玉スタジアムでは相手にとって常に危険なチームでなければなりません。今はあまり良い状況ではありませんが、こんなときこそファン・サポーターの後押しが必要です。我々もファン・サポーターのみなさんに勝利をプレゼントしなければいけません。
今は相手の順位が下位であろうと上位であろうと、勝ち点3を取らなくてはいけないときです。もちろん、横浜FM戦も勝利を目指します」
ALWAYS FOR REDS
文●清尾 淳
浦和レッズ30年のメモリアルなこの時期、振り返るとJリーグも、草創期は前身である日本サッカーリーグの経験も踏まえながら、いろいろ試行錯誤してきた。頻繁に変更されたのは、勝ち点の割り振りだった。
当初のJリーグは勝ち点制ではなかった。Vゴール制の延長あり、PK戦ありの完全決着方式で、どんな勝ち方でも価値は同じ。勝利の数で順位を競った。
1995年から勝ち点制が導入され、すべての勝利に勝ち点3、負けてもPK負けには勝ち点が与えられた。
1997年からPK負けの勝ち点1がなくなり、その代わりに延長勝ちとPK勝ちの価値を下げた。延長勝ちは「2」、PK勝ちには「1」という配分になったのだ。
たしかに、90分勝ちのほうが延長勝ちよりも勝敗の差がはっきりとしているし、PK戦はあまり勝ったとは言えない結果ではある。しかし実際に戦う選手、応援するサポーターの心情としては、延長Vゴール勝ちやPK戦のほうが、苦労した分、喜びは大きく感じるのだ。
この「3・2・1」という三段階の勝ち点制が、実際に適用されると「こんなに苦労して勝ち点2(1)かよ」という感覚になることが多かった。
そして1999年からはPK戦が廃止され、120分で同点の場合は引き分けで両者に勝ち点1、という制度になった。延長勝ちの「2」はそのままだ。この制度は4シーズン続き、2003年からは延長も廃止されて、90分で同点の場合は引き分け、という現在の制度になった。
93年から2003年までに4回の変更。この11年間をひと括りで見ると、朝令暮改とも言いたくなるが、これはやはり草創期の試行錯誤と考えるべきだろう。
Jリーグが初めて勝ち点制を導入した95年、「勝利に勝ち点3」に違和感はなかった。しかし、以前はリーグ戦の勝ち点は「勝利に2、引き分けに1」が普通だった。
それが引き分け狙いの試合を減らし、より勝利を追求させるために、という趣旨で、1980年代の終わりごろから、大人から子どもまで、各大会で次第に「勝利に3」制度が導入されていったのだった。
さて2022シーズンの浦和レッズだ。
前回の広島戦が今季のリーグ戦で6つ目の引き分けとなった。札幌戦から5試合連続だ。引き分け6試合は2勝4敗と同じ勝ち点だから苦しい。
だが狙った引き分けは一つもない。10人になって69分に同点にされた清水戦でも、守備を意識しながら勝ち越し点を最優先の目標にしていた。
だからこそ、感覚的には「こんなに必死に戦って勝ち点1か」と、疲労感が大きい。特に東京戦からは3試合連続で得点がないから、試合中に喜びを爆発させる機会がない。いや、機会はあったが、3試合ともオフサイドで取り消され、がっかり感もあった。
今季はJリーグ全体に引き分けが多い。ここ3シーズンの同時期と比較しても群を抜いている。
他の試合まで全部見ているわけではないが、守備優先はあっても最初から引き分け狙いのチームなどないだろう。勝ちと引き分けでは得られるものに大きな差があるのだから。
戦術の違いはあるにせよ、全力でぶつかった結果のドローが、Jリーグ全体でこれまで42試合あるということだ。
ほかのことはともかく、レッズだ。
選手たちの戦う気持ちが伝わってこなかった試合は一つもない。思わず体を伸ばしてしまうチャンスも作ったし、身をすくめたくなるピンチを防いできた。
だからこそ、そのファイトにふさわしいもの、勝利が欲しい。勝負に天秤ばかりがあるとしたら、その針をこちらへ引き寄せるために、選手たちには知恵と力をより振り絞ってもらうしかない。
そして、すでに全力で戦っているチームにさらに知恵と力を振り絞らせるには、力のこもった後押しが何よりのエネルギーになるはずだ。