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「ファン・サポーターの方々や選手たちが楽しめる試合にしたい」リカルド ロドリゲス監督(定例会見 11/4)
11月4日にオンラインで行われた会見でのコメント
「みなさんもご存知のとおり、明日が私の浦和レッズでの最後の公式戦となります。クラブの判断で私が監督として継続せず、別の監督の方とプロセスを続けるということでした。一人ひとりがそれぞれの立場で判断を下していかなければいけないなかで、私はその決断を尊重します。この2年間でさまざまなものを獲得してきましたので、私としては胸を張って去ることができます。
クラブからの要求は、まず1つは新たなスタイルをつくることでした。それはできたと思います。それができたからこそ、昨年のJリーグアウォーズで(優秀監督)賞をいただくことができたと思っています。もう1つ、クラブに要求されたことは、タイトルを獲ることでした。それはできたと思います。
そしてACL(AFCチャンピオンズリーグ)に参加することも目標でしたが、しっかりと参加することもでき、ACLでプレーして、今は決勝に進むことができました。その決勝にいることができないのが、自分にとって一番心が痛いことです。私は2014年の1月にアジアにきました。そこから9年くらいが経ちましたが、最初のクラブはタイの小さなクラブでした。そしてこの9年の間で私も監督として成長しながら、どんどん大きなクラブに移ることができました。個人的に、ACLの決勝の舞台にいられないことは非常に心が苦しいですし、そこでレッズに3度目のタイトルをもたらそうと思っていました。もう1つはチームを若返らせることがクラブに要求されたことですが、今は将来性のある若いチームになっていると思います。
そして、J1リーグで優勝するという目標もありましたが、今シーズンのスタート、補強のマーケットで出遅れて運がなかったというところを見ると、あまり現実的ではなかったかもしれません。シーズンのスタート、初日にチームにいたFWは木原 励1人でした。キャスパー(ユンカー)はクラブの許可をもらって少し長めの休暇を取っていました。そしてその後、入国できるタイミングでそれぞれ違った時期に新加入選手たちが入ってきました。ですので、プレシーズンのトレーニングキャンプでは、優勝しないといけないチームということを考えると、そこから遠い状況になってしまいました。たとえば川崎フロンターレ戦、FUJIFILM SUPER CUPはベンチにFWがいない状況で優勝した試合でした。
みなさんもご存知のとおり、たくさんの困難な状況があった後、夏に選手もそろったところでチームの状態が良くなっていき、ACLで最も良い姿を見せることができたと思います。東アジアで頂点に立つことができました。もちろん(YBC)ルヴァンカップや天皇杯も獲りたかったですし、J1リーグでもより高い順位で終わらせたかったと感じています。しかし、浦和レッズが参加した5つの大会の2つで成功したと思っています。その他の我々が獲れなかったタイトルの1つは(ヴァンフォーレ)甲府が獲りました。(サンフレッチェ)広島がもう1つ。もう1つは(横浜F・)マリノスかフロンターレです。ですので、今季はタイトルを獲れないビッグクラブもあるシーズンです。我々は2つの大会で成功しています。
自分の監督のキャリアの中でも、最も難しいシーズンになりました。日本人と外国籍選手の戦術的なところやメンタルのところでの融合がかなり大変な作業になりましたが、最終的にはできたと思っています。そして、問題などが起こったときはみんなで話し合って解決してきました。もちろん改善点はあると思いますが、夏の時期のチームの姿を見ると、かなり将来性のあるチームになったと感じていました。もちろん優勝するためにはいろいろなところで正しい判断や行動をしなければいけません。非常に難しい目標です。この状況に理解を示してもらい、今後もここで仕事をすることが最も望んでいたことです。みんなで同じ方向に向かっていくということです。
しかし、クラブのフロントにも変化があったりするなど、私も続投の難しさを感じていました。このプロセスを別の方と続けることは少し前からクラブは決めていたのかもしれません。サッカーはこういう世界ですから、それは尊重します。監督として、浦和レッズで2年間を過ごし、自分も成長することができて、とてもうれしく思っています。そして、我々が勝ち取ることができるものは勝ち取ってきたと思いますので、そこには誇りを感じています。浦和レッズの監督として仕事をすることができて、非常に光栄に思っています」
[質疑応答]
(明日の試合で対戦するアビスパ福岡は決して簡単な相手ではないと思うが、どのようなプランで臨もうと思っているのか?)
「ゲームプランははっきりと決まっています。浦和レッズが最も良い姿を見せたころの姿を取り戻すというところで、このスタイルに適した選手たち、しっかりと走って、努力し、このエンブレムのために頑張れる選手たちでいきたいと思っています」
(これは質問ではないが、リカルド監督のサッカーのこれからを楽しみにしていた。監督の人柄も気に入っていた。感謝の言葉を言いたいです。ありがとうございました)
「こちらこそありがとうございました。サッカーという世界も結局は人間だと思っていますので、そういう言葉を掛けていただきありがとうございます」
(明日の試合は今までリカルド監督が感じていたようなプレッシャーは少し軽減されるかもしれない。9月、10月ごろは勝利へのプレッシャーをより強く感じているのではないかと思っていたが、そういう変化をどう感じているか?)
「少し前から続投はないかもしれないと感じながら仕事をしてきました。クラブとの話し合いの中では来季のことは決まっていないと言ってもらっていたので、最後まで考慮してくれたことを感謝しています。1週間くらい前に正式に続投はないという話をもらいました。が、だからと言って気を抜くことはないようにしたいと思っています。しっかりとプレーし、スペクタクルになるような内容で勝つことを目指します。選手たちがしっかりと努力し、私がレッズに植え付けようとしたアイデンティティーを見せてくれると思います。勝つか負けるかは結果ですが、必ず全力でプレーする選手たちで臨みたいと思っています。その後には(アイントラハト・)フランクフルト戦もありますが、ここでしっかりと見せたいと思っています。続投しないと分かった後でしたので、いつもとは少し違った1週間になりましたが、試合の準備も含め、いつもどおり最後までしっかりとやってきたつもりです。ファン・サポーターの方々や選手たちが楽しめる試合になればと思っています」
(将来性のある若いチームという言葉もあったが、まとまってトレーニングを見られたトレーニングキャンプなどで、できなかったことができるようになった選手もたくさんいて、それは若い選手だけではなく、20代後半や30代の選手もそうだったかもしれない。選手個人を成長させるためにリカルド監督が大切にしてきたことはどんなことか?)
「今年のプレシーズンのトレーニングキャンプは理想とは遠い異質なものになっていましましたが、私は昨シーズンなど3-4-2-1を多用しましたが、それはたとえば汰木(康也)のようなシャドーがいたからできたことであり、今季それをやったときはボールのロストが多くなってしまいました。中盤の選手を減らしてウイングを置くという形で4-3-3に変えましたが、(ダヴィド)モーベルグの調子が上がってきたことと、松尾(佑介)の裏にも抜けられる、プレスもかけられる、コンビネーションもできる、点も取るという存在があったからそういうふうにできました。もう少し早くそちらに移行してもよかったと思います。それだけではなく、シーズン中の進化もありますし、組み合わせでできることもあると思います。私はシステムの数字ではなく、選手の調和が大事だと思っています。個でランキングをつけてそのベスト11を選ぶのではなく、チームの調和が保たれる11人を選ぶことがキーポイントだと思っています」
(クラブから続投しないことを伝えられたのは横浜FM戦の前で、フランクフルト戦まで指揮を執るのか?)
「横浜FM戦の後に話がありました。そのタイミングで正式に話がありましたが、私自身は1ヵ月以上前から感じていたことでした。フランクフルト戦まで指揮を執ります」
(最高の状態だったACLからチーム状態が下降して大敗が続いてしまったことが契約延長にならなかった理由の一つだと思うが、横浜FM戦で大敗した後、この1週間のトレーニングで強調したことはどんなことか?)
「まず言い訳はしたくありませんが、好調だったACLの後と優勝したSUPER CUPの後、新型コロナウイルス感染症の陽性判定者が多く出てしまいました。私が今、最も後悔していることは、ACLで良かった選手たちをもう少し固定してプレーすることが必要だったのかなというところです。他の選手にもチャンスを与えながら、少しローテーションしながら、ということをその後に行いました。ACLの選手やシステムをベースとしながら続けることは必要だったかもしれません。もちろん福岡のスタイルも考慮しながらですが、ACLの姿を取り戻すことを今週の最も大きな目標としてトレーニングを行ってきました。横浜FM戦ではいろいろな選手にチャンスを与えましたが、ACLのころが最も良かったと感じています」
(時に厳しく、時に温かく、時に激しく応援してくれたレッズのファン・サポーターの方々と過ごした2年間はどうだったか?)
「レッズのファン・サポーターの方々は本当に素晴らしい存在です。試合の最後の1秒まで全力で応援してくれます。この前の1-4で負けていた試合も最後の最後まで応援してくれました。勝てないと批判もする、要求の高いファン・サポーターの方々ですが、それを分かった上で私はこの仕事を引き受けました。ファン・サポーターの方々には非常に感謝しています。彼らも勝利を見たいからずっと応援してくれていると思っています。ACLの大会中も去年の天皇杯決勝の大分(トリニータ)戦でも彼らの存在を強く感じました。そして、ファン・サポーターの方々が批判すると言いましたが、私は負けたときなど、最初に自己批判をする人です。そのように見つめ直して物事を進めていっています。私はレッズで指揮を執ることができ、誇りに思っています。良い時期やあまりよくない時期、さまざまな状況がありましたが、選手やフロント、そしてファン・サポーターの方々に感謝しています。彼らが批判するときはチームに問題があるときであって、その問題の解決がすぐできるもの、簡単にできないものといろいろとあったと思います」
(ここについてもう少し積み上げたかったけどできなかった、レッズで今まで出せなかったことで見せたいというような心残りはあるか?)
「もちろん心残りはあります。なぜ続投しないのかということも考えましたが、まず今シーズンを振り返ってみますと、補強のところで不運でした。獲得したくてもできなかった選手がいたりします。年末は天皇杯のセレッソ大阪戦や大分戦の準備を進めているなかで、移籍マーケットに入っていくことが少し出遅れた部分もあったと思いますし、(ブライアン)リンセンももっと早い時期に来ることが理想でした。ただ、私もスポーツダイレクターという仕事を過去にしたことがあり、補強の難しさはよく分かっていますので、不運だったと思います。ここで一つ思えることは、オフの間、もちろん気にしながら連絡は取っていましたが、もっと密にそれができていればと思いました。その他の点では、もっと早く4-3-3に移行していてもよかったと思います。ただ、モーベルグの状態が上がってきたところでそちらに移行しました。ACLの後は全員が非常に大きな努力をして、消耗している状況でしたが、そのままその形で続けた方がよかったのかということも思っています。怪我人も多く出ましたが、ここ2ヵ月は違った形で戦っていました。もちろん言い訳はしたくありませんし、先ほど自己批判するという話をしましたが、他に何ができたかということを考えながら過ごしています」
(明日の福岡戦がこの2年間の集大成のゲームになると思う。今までの話に答えがあるのかもしれないが、具体的にどのような試合ができれば集大成になったと胸を張れると思っているのか?)
「明日の試合を予想しますと、我々が支配する、レッズが攻撃して福岡が守備をする時間が長くなると思っていますが、福岡にはトップにフアンマ(デルガド)がいて、シャドーに山岸(祐也)やルキアンといますが、いずれも強力なシュート力を持っていて、得点力がある選手だと思っています。理想的な流れでしっかりと支配をして、チャンスをつくりながらゴールを決めるということを行っていきたいと思っていますが、福岡のセットプレーやクロス、カウンターアタックには気を付けなければいけません。明日は福岡が5-4-1で来ると思いますが、5バックをしっかりとこじ開けるいいゲームをしたいと思っています」
(相手ありきなのか自分たちありきなのか、そのバランスをどう考えているか?)
「サッカーではどのチームでも相手を考慮しながらゲームプランを組み立てていくと思います。福岡が5-4-1で来るであろうと予想していますが、3-5-2や4-4-2でプレーしないという保証はありません。そういうことがあればしっかりと柔軟に対応しなければいけません。また、選手たちは機械ではなく人間だということも考慮しながら進めなければいけませし、いろいろなタイミングを合わせなければいけないと思います。どの試合でも自チームのゲームプラン、相手チームのゲームプランを用意しますが、実際にプレーするところでそれに合わせる最終的なゲームプランが必要だと思いますし、最初に用意したゲームプランが実際に試合で行われるゲームプランに近ければ近いほど勝つ可能性が高いと思っています」
「2年間、みなさんと一緒に過ごすことができたことに感謝したいです。私は記者の方々もクラブの一員であると思っています。みなさん、本当によくしていただき、ありがとうございました。明日、スタジアムに来られない方もいらっしゃるかもしれないので、このタイミングで話しています。本当に感謝しています。ありがとうございます」
【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】
「みなさんもご存知のとおり、明日が私の浦和レッズでの最後の公式戦となります。クラブの判断で私が監督として継続せず、別の監督の方とプロセスを続けるということでした。一人ひとりがそれぞれの立場で判断を下していかなければいけないなかで、私はその決断を尊重します。この2年間でさまざまなものを獲得してきましたので、私としては胸を張って去ることができます。
クラブからの要求は、まず1つは新たなスタイルをつくることでした。それはできたと思います。それができたからこそ、昨年のJリーグアウォーズで(優秀監督)賞をいただくことができたと思っています。もう1つ、クラブに要求されたことは、タイトルを獲ることでした。それはできたと思います。
そしてACL(AFCチャンピオンズリーグ)に参加することも目標でしたが、しっかりと参加することもでき、ACLでプレーして、今は決勝に進むことができました。その決勝にいることができないのが、自分にとって一番心が痛いことです。私は2014年の1月にアジアにきました。そこから9年くらいが経ちましたが、最初のクラブはタイの小さなクラブでした。そしてこの9年の間で私も監督として成長しながら、どんどん大きなクラブに移ることができました。個人的に、ACLの決勝の舞台にいられないことは非常に心が苦しいですし、そこでレッズに3度目のタイトルをもたらそうと思っていました。もう1つはチームを若返らせることがクラブに要求されたことですが、今は将来性のある若いチームになっていると思います。
そして、J1リーグで優勝するという目標もありましたが、今シーズンのスタート、補強のマーケットで出遅れて運がなかったというところを見ると、あまり現実的ではなかったかもしれません。シーズンのスタート、初日にチームにいたFWは木原 励1人でした。キャスパー(ユンカー)はクラブの許可をもらって少し長めの休暇を取っていました。そしてその後、入国できるタイミングでそれぞれ違った時期に新加入選手たちが入ってきました。ですので、プレシーズンのトレーニングキャンプでは、優勝しないといけないチームということを考えると、そこから遠い状況になってしまいました。たとえば川崎フロンターレ戦、FUJIFILM SUPER CUPはベンチにFWがいない状況で優勝した試合でした。
みなさんもご存知のとおり、たくさんの困難な状況があった後、夏に選手もそろったところでチームの状態が良くなっていき、ACLで最も良い姿を見せることができたと思います。東アジアで頂点に立つことができました。もちろん(YBC)ルヴァンカップや天皇杯も獲りたかったですし、J1リーグでもより高い順位で終わらせたかったと感じています。しかし、浦和レッズが参加した5つの大会の2つで成功したと思っています。その他の我々が獲れなかったタイトルの1つは(ヴァンフォーレ)甲府が獲りました。(サンフレッチェ)広島がもう1つ。もう1つは(横浜F・)マリノスかフロンターレです。ですので、今季はタイトルを獲れないビッグクラブもあるシーズンです。我々は2つの大会で成功しています。
自分の監督のキャリアの中でも、最も難しいシーズンになりました。日本人と外国籍選手の戦術的なところやメンタルのところでの融合がかなり大変な作業になりましたが、最終的にはできたと思っています。そして、問題などが起こったときはみんなで話し合って解決してきました。もちろん改善点はあると思いますが、夏の時期のチームの姿を見ると、かなり将来性のあるチームになったと感じていました。もちろん優勝するためにはいろいろなところで正しい判断や行動をしなければいけません。非常に難しい目標です。この状況に理解を示してもらい、今後もここで仕事をすることが最も望んでいたことです。みんなで同じ方向に向かっていくということです。
しかし、クラブのフロントにも変化があったりするなど、私も続投の難しさを感じていました。このプロセスを別の方と続けることは少し前からクラブは決めていたのかもしれません。サッカーはこういう世界ですから、それは尊重します。監督として、浦和レッズで2年間を過ごし、自分も成長することができて、とてもうれしく思っています。そして、我々が勝ち取ることができるものは勝ち取ってきたと思いますので、そこには誇りを感じています。浦和レッズの監督として仕事をすることができて、非常に光栄に思っています」
[質疑応答]
(明日の試合で対戦するアビスパ福岡は決して簡単な相手ではないと思うが、どのようなプランで臨もうと思っているのか?)
「ゲームプランははっきりと決まっています。浦和レッズが最も良い姿を見せたころの姿を取り戻すというところで、このスタイルに適した選手たち、しっかりと走って、努力し、このエンブレムのために頑張れる選手たちでいきたいと思っています」
(これは質問ではないが、リカルド監督のサッカーのこれからを楽しみにしていた。監督の人柄も気に入っていた。感謝の言葉を言いたいです。ありがとうございました)
「こちらこそありがとうございました。サッカーという世界も結局は人間だと思っていますので、そういう言葉を掛けていただきありがとうございます」
(明日の試合は今までリカルド監督が感じていたようなプレッシャーは少し軽減されるかもしれない。9月、10月ごろは勝利へのプレッシャーをより強く感じているのではないかと思っていたが、そういう変化をどう感じているか?)
「少し前から続投はないかもしれないと感じながら仕事をしてきました。クラブとの話し合いの中では来季のことは決まっていないと言ってもらっていたので、最後まで考慮してくれたことを感謝しています。1週間くらい前に正式に続投はないという話をもらいました。が、だからと言って気を抜くことはないようにしたいと思っています。しっかりとプレーし、スペクタクルになるような内容で勝つことを目指します。選手たちがしっかりと努力し、私がレッズに植え付けようとしたアイデンティティーを見せてくれると思います。勝つか負けるかは結果ですが、必ず全力でプレーする選手たちで臨みたいと思っています。その後には(アイントラハト・)フランクフルト戦もありますが、ここでしっかりと見せたいと思っています。続投しないと分かった後でしたので、いつもとは少し違った1週間になりましたが、試合の準備も含め、いつもどおり最後までしっかりとやってきたつもりです。ファン・サポーターの方々や選手たちが楽しめる試合になればと思っています」
(将来性のある若いチームという言葉もあったが、まとまってトレーニングを見られたトレーニングキャンプなどで、できなかったことができるようになった選手もたくさんいて、それは若い選手だけではなく、20代後半や30代の選手もそうだったかもしれない。選手個人を成長させるためにリカルド監督が大切にしてきたことはどんなことか?)
「今年のプレシーズンのトレーニングキャンプは理想とは遠い異質なものになっていましましたが、私は昨シーズンなど3-4-2-1を多用しましたが、それはたとえば汰木(康也)のようなシャドーがいたからできたことであり、今季それをやったときはボールのロストが多くなってしまいました。中盤の選手を減らしてウイングを置くという形で4-3-3に変えましたが、(ダヴィド)モーベルグの調子が上がってきたことと、松尾(佑介)の裏にも抜けられる、プレスもかけられる、コンビネーションもできる、点も取るという存在があったからそういうふうにできました。もう少し早くそちらに移行してもよかったと思います。それだけではなく、シーズン中の進化もありますし、組み合わせでできることもあると思います。私はシステムの数字ではなく、選手の調和が大事だと思っています。個でランキングをつけてそのベスト11を選ぶのではなく、チームの調和が保たれる11人を選ぶことがキーポイントだと思っています」
(クラブから続投しないことを伝えられたのは横浜FM戦の前で、フランクフルト戦まで指揮を執るのか?)
「横浜FM戦の後に話がありました。そのタイミングで正式に話がありましたが、私自身は1ヵ月以上前から感じていたことでした。フランクフルト戦まで指揮を執ります」
(最高の状態だったACLからチーム状態が下降して大敗が続いてしまったことが契約延長にならなかった理由の一つだと思うが、横浜FM戦で大敗した後、この1週間のトレーニングで強調したことはどんなことか?)
「まず言い訳はしたくありませんが、好調だったACLの後と優勝したSUPER CUPの後、新型コロナウイルス感染症の陽性判定者が多く出てしまいました。私が今、最も後悔していることは、ACLで良かった選手たちをもう少し固定してプレーすることが必要だったのかなというところです。他の選手にもチャンスを与えながら、少しローテーションしながら、ということをその後に行いました。ACLの選手やシステムをベースとしながら続けることは必要だったかもしれません。もちろん福岡のスタイルも考慮しながらですが、ACLの姿を取り戻すことを今週の最も大きな目標としてトレーニングを行ってきました。横浜FM戦ではいろいろな選手にチャンスを与えましたが、ACLのころが最も良かったと感じています」
(時に厳しく、時に温かく、時に激しく応援してくれたレッズのファン・サポーターの方々と過ごした2年間はどうだったか?)
「レッズのファン・サポーターの方々は本当に素晴らしい存在です。試合の最後の1秒まで全力で応援してくれます。この前の1-4で負けていた試合も最後の最後まで応援してくれました。勝てないと批判もする、要求の高いファン・サポーターの方々ですが、それを分かった上で私はこの仕事を引き受けました。ファン・サポーターの方々には非常に感謝しています。彼らも勝利を見たいからずっと応援してくれていると思っています。ACLの大会中も去年の天皇杯決勝の大分(トリニータ)戦でも彼らの存在を強く感じました。そして、ファン・サポーターの方々が批判すると言いましたが、私は負けたときなど、最初に自己批判をする人です。そのように見つめ直して物事を進めていっています。私はレッズで指揮を執ることができ、誇りに思っています。良い時期やあまりよくない時期、さまざまな状況がありましたが、選手やフロント、そしてファン・サポーターの方々に感謝しています。彼らが批判するときはチームに問題があるときであって、その問題の解決がすぐできるもの、簡単にできないものといろいろとあったと思います」
(ここについてもう少し積み上げたかったけどできなかった、レッズで今まで出せなかったことで見せたいというような心残りはあるか?)
「もちろん心残りはあります。なぜ続投しないのかということも考えましたが、まず今シーズンを振り返ってみますと、補強のところで不運でした。獲得したくてもできなかった選手がいたりします。年末は天皇杯のセレッソ大阪戦や大分戦の準備を進めているなかで、移籍マーケットに入っていくことが少し出遅れた部分もあったと思いますし、(ブライアン)リンセンももっと早い時期に来ることが理想でした。ただ、私もスポーツダイレクターという仕事を過去にしたことがあり、補強の難しさはよく分かっていますので、不運だったと思います。ここで一つ思えることは、オフの間、もちろん気にしながら連絡は取っていましたが、もっと密にそれができていればと思いました。その他の点では、もっと早く4-3-3に移行していてもよかったと思います。ただ、モーベルグの状態が上がってきたところでそちらに移行しました。ACLの後は全員が非常に大きな努力をして、消耗している状況でしたが、そのままその形で続けた方がよかったのかということも思っています。怪我人も多く出ましたが、ここ2ヵ月は違った形で戦っていました。もちろん言い訳はしたくありませんし、先ほど自己批判するという話をしましたが、他に何ができたかということを考えながら過ごしています」
(明日の福岡戦がこの2年間の集大成のゲームになると思う。今までの話に答えがあるのかもしれないが、具体的にどのような試合ができれば集大成になったと胸を張れると思っているのか?)
「明日の試合を予想しますと、我々が支配する、レッズが攻撃して福岡が守備をする時間が長くなると思っていますが、福岡にはトップにフアンマ(デルガド)がいて、シャドーに山岸(祐也)やルキアンといますが、いずれも強力なシュート力を持っていて、得点力がある選手だと思っています。理想的な流れでしっかりと支配をして、チャンスをつくりながらゴールを決めるということを行っていきたいと思っていますが、福岡のセットプレーやクロス、カウンターアタックには気を付けなければいけません。明日は福岡が5-4-1で来ると思いますが、5バックをしっかりとこじ開けるいいゲームをしたいと思っています」
(相手ありきなのか自分たちありきなのか、そのバランスをどう考えているか?)
「サッカーではどのチームでも相手を考慮しながらゲームプランを組み立てていくと思います。福岡が5-4-1で来るであろうと予想していますが、3-5-2や4-4-2でプレーしないという保証はありません。そういうことがあればしっかりと柔軟に対応しなければいけません。また、選手たちは機械ではなく人間だということも考慮しながら進めなければいけませし、いろいろなタイミングを合わせなければいけないと思います。どの試合でも自チームのゲームプラン、相手チームのゲームプランを用意しますが、実際にプレーするところでそれに合わせる最終的なゲームプランが必要だと思いますし、最初に用意したゲームプランが実際に試合で行われるゲームプランに近ければ近いほど勝つ可能性が高いと思っています」
「2年間、みなさんと一緒に過ごすことができたことに感謝したいです。私は記者の方々もクラブの一員であると思っています。みなさん、本当によくしていただき、ありがとうございました。明日、スタジアムに来られない方もいらっしゃるかもしれないので、このタイミングで話しています。本当に感謝しています。ありがとうございます」
【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】