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「90分を通じて見せること」ラファル ジャナスコーチ(定例会見 6/26)

26日、ラファル ジャナス(ラファ)コーチの記者会見がオンラインで行われ、28日に埼玉スタジアムで行われる明治安田生命J1リーグ 第12節 湘南ベルマーレ戦に向けて意気込みやチームの現状を語った。

これまで試合前の定例会見はマチェイ スコルジャ監督がメディアの質問に答えていたが、今回はラファコーチが担当。ポーランドでもマチェイ監督が率いるチームでは行っていたこともあり、レッズとしても新たな取り組みとして、コーチ陣による記者会見を行うことになった。今回はラファコーチが会見に参加したが、今後も不定期で他のコーチ陣の会見が行われる予定となっている。

(レッズで試合前の記者会見に参加するのは初めてだと思うが、現在の心境はどうか?)
「特別な気持ちはありません。ポーランドではこのような形で記者会見に出ることもありました。日本では初めてですので、このようにみなさんのお顔を拝見することができてうれしく思います」

(湘南ベルマーレ戦に向けてどのように準備を進めているのか?)
「いつも通りの準備を進めていますが、連戦ということで試合と試合の間の日数があまりありません。普通のサイクル、週末のみに試合があることが理想ですが、その状況の中で物事を加速させながら準備を進めています。先日の川崎フロンターレ戦で何人かの怪我人が出ましたが、できるかぎり良い形で準備を進めています」

(ラファコーチは攻撃担当と聞いているが、今のレッズの攻撃についてどのように感じているか?)
「徐々に良くなってきていると思います。我々は守備を中心にプレーしてカウンターを狙うチームではなく、攻撃的できれいなサッカーをプレーしたいと思っています。守ってカウンターというのはモダンなサッカーとは言えませんし、我々のやり方ではありません。ポジショナルサッカーは美しいですし、アートに近いものだと思います。サッカーでは多くの監督がいいサッカー、きれいなサッカーをプレーしながらチャンスをつくろうとしていますが、チャンスをつくることはサッカーでは最も難しいことです。今シーズンが始まったタイミングで攻撃の重要な選手が3人抜けていました。松尾(佑介)、江坂(任)、キャスパー(ユンカー)の3人です。彼らは30試合、40試合出ていた選手でした。そして今季のレッズの前線の選手は、(興梠)慎三、(ホセ)カンテ、(髙橋)利樹、(早川)隼平など、昨季と比べると新しい言える選手です。(安居)海渡も昨季はあまり出場していませんでした。ブライアン(リンセン)も昨季は3試合のみの出場でした。ですので、前線の顔ぶれが全く変わっていると言えると思います。

選手も新しければ、コーチングスタッフも新しくなり、プレーするサッカーも選手たちにとって新しいものになっています。我々はつなぐサッカーもやりますが、それだけではなく、相手の背後のスペースを突くこともやろうとしています。そういったところで日々のトレーニングで進化が見られています。また、練習後に前線の選手たちの個別トレーニングも行っています。良くはなっていますが、我々が理想としているところからはまだ遠いと思います。

ホームでの(YBC)ルヴァンカップの川崎戦は2-1で勝利しましたし、いい時間帯が見られたと思います。前節の川崎戦もいい場面がありました。そういった場面をできるだけ増やしていき、90分を通じて見せることができればと思っていますし、それに向けて練習しています」

(ファイナルサードで選手たちに最も求めたいことは?)
「動きの練習をしています。前線で動くことによって他の選手のスペースをつくることができます。川崎戦では、利樹が前半いい動きをしていたと思いますが、タイミング良く彼にボールを出すことができませんでした。また、ファイナルサードでの1対1の練習も行っています。そういう仕掛けで相手に勝つことを目指しています。そしてシュート練習も私を含め、選手たちと行っています。ストライカーたちがペナルティーエリア内のあらゆるところから右足や左足でいろいろな形のバリエーションが多いシュート練習を行っています。また、ミドルシュートを打つために勇気付けるような言葉を言っています。20メートル、22メートルくらいの距離から非常に良いシュートを持っている選手がいますが、試合になるとそこからシュートを打たずにさらにゴールに近づこうとしていますので、得意なプレーを出してもらいたいと思っています」

(試合での戦術をつくるときは、ラファコーチが考えてマチェイ監督に提示するのか?それとも2人で話し合いながらこういう攻撃にしていこうという戦術をつくるのか?)
「分析担当のコーチを含め、我々コーチングスタッフのメンバーは常に監督にいろいろなアイデアを話しています。監督からもたくさん質問が来ます。長時間のミーティングを行って次の試合に向け準備していますが、その中で出るメンバーのスキルをいかに発揮させるかということもよく話しています。どのように力を出させるかというところです。コーチングスタッフ内でもいろいろ意見があり、そこで議論になることもありますが、お互いに相手が納得できる説明をしていますし、それを聞いた上で監督が最終的に決めています」

(「ポジショナルサッカーは美しい」という話をしていたが、ヨーロッパなどで参考にしている攻撃の方法や戦術があるのか?例えばマンチェスター シティは独特なポジショニングをさせるが、そういったことを参考にするのか?)
「私はチームを見るというより監督を見ることが多いです。ポーランドにいたときは夏のブレイクがあるたびに、いろいろなチームのトレーニングキャンプ地を訪れていました。例えば、ボルシア ドルトムントのトーマス トゥヘルやユルゲン クロップの練習を見に行きました。この2人の監督のファンですし、ペップ(ジョゼップ)グアルディオラのスタイルも大好きです。そのようにトレーニングキャンプを訪れたのは10回から12回くらいあると思います。そして先ほど言った監督たちは、それぞれ違った方法で練習を行っています。それぞれの監督がたくさんのタイトルを獲っていますので、タイトルの獲り方は1つしかないということではないと思っています。練習を見ていて良かったと思うアイデアは自分のチームに取り入れますが、選手も違いますので完全にコピーすることはできません。でもアイデアは持ち帰ることができます。この監督たちのトレーニングキャンプを訪れることによって、自分もコーチとして成長できたと思いますので、非常に良かったと思います」

(先ほど「試合になるとミドルシュートを打たずにさらにゴールに近づこうとしている」という話もあったが、そういう決意は日本の選手とヨーロッパの選手で違うと言われており、日本の選手は自分で結論を出すよりも次の人にボールを渡したがる傾向にあると昔から言われている。日本に来てそう感じることはあるか?)
「私はそのようには思いません。少しスタイルや習慣を変えるだけでそれも変わっていくと思います。例えばミニゲームの設定で片方のチームにアドバンテージを与えることによってそういう現象が出てきたりすると思いますから、そのように進めることもできます。先ほども言ったように、少し時間はかかると思います。決意やモチベーションの問題ではないと思います。そういった点で選手たちは非常に高いものを持っています。重要なことは、どのプレーを選択するかという判断だと思います。

さらに決意に関して、一つ加えたいと思います。1月にレッズに来ていたときに聞いていた話の一つが、レッズは先に失点するとその試合は勝てないというものでした。そして、タイトルを目指して戦っていく上でそこは変えなければいけないと思いました。やはりメンタル的なところが重要だと思いました。そして今季、先に失点した試合で5勝挙げることができていますので、その部分は変わってきていると感じています。例えばホームの浦和駒場スタジアムで戦ったセレッソ大阪戦は先制されましたが、2点取って逆転することができました。(サンフレッチェ)広島戦や川崎(フロンターレ)戦もそうです。そういう姿を見ると、昨季まで弱いと言われていたメンタルが強くなってきていると感じています。毎試合勝てるという気持ちで挑むことができなければ、タイトルのことは考えられないと思っていますが、その方向に向かって進めていると思います。決意、闘いの部分はしっかりと出ていると思います。例えばルヴァンカップの川崎戦もアディショナルタイムのゴールでした。そのゴールが決まっていなければ、次のステージに進むことができなかったかもしれません」

(ラファコーチがレッズのコーチになるにはマチェイ監督の存在が大きかったのか?自身も違う経験をしたいという気持ちが大きかったのか?)
「その両方があると思います。私とマチェイ監督は2006年から一緒に仕事をしています。途中、私がポーランドのアンダーカテゴリーを率いた3年間を除けば、彼とずっと一緒に仕事をしています。そして、レッズは日本という素晴らしい国のビッグクラブですので、それも魅力でした。私自身、U-19のポーランド代表を率いて広島に2度ほど来ていますが、良い思い出ばかりです。日本のサッカーのスタイル自体も好きでした。マチェイ監督と一緒に仕事をしたいという気持ちもありますし、日本という国、浦和レッズというクラブから話をいただいたときは迷いませんでした」

(ラファコーチにとってマチェイ監督はどういった存在なのか?)
「マチェイ監督は非常に野心のある監督で、常に成長しようとしています。また、関わるチームや選手たちを良くしようとしていて、サッカーのことを24時間考えている人です。何時間寝ているのか分からないほど、常にサッカーのことを考えていて、私たちが帰宅してからも電話で翌日の練習の話もします。それが彼の人生であり、彼はいろいろなことを犠牲にしながら、サッカーのことを一日中考えることを必要としていると思います。そして、サッカーに中毒性があることは私自身も感じています。彼は野心的であり、勝ちたいという気持ちがありますので、自分自身も監督、選手たちをサポートしながら頑張りたいと思っています。サッカーに対するビジョンも共通だと思っています」

(アンダー世代の代表でも選手を指導したことも踏まえて、成長する選手に例えば性格や考え方、育ちなど、何か共通したものはあるのか?)
「性格については必然だと思います。U-19の監督をしていましたが、その年代のヨーロッパの選手は人生の中でも難しい時期にいます。高校が終わって大学に入る時期であったり、プロとして最初の契約を結んだり、初めて恋に落ちたりする年齢です。その年齢の選手たちにとって、多くの罠と言える誘惑があり、それに負けてしまう選手もいます。もちろんスキルも大事ですが、性格がしっかりしていれば、スキルは上げられると思います。スキルがあっても性格が悪かったり弱かったりすれば通用しなくなります」

(それはトップチームの選手たちにも同じことが言えるのか?)
「性格はトップチームでも重要になってきます。たとえばプレッシャーに負けたり、初めて給料をもらったりする状況もありますので、そこでどのように振る舞うかが大事になってきます。レッズでしたら、(早川)隼平がその年齢に差し掛かっていますね」

(日本ではコーチの記者会見は珍しいので楽しみにしていた)
「もしかしたらレッズで新たな伝統が生まれるのかもしれません(笑)」

(練習メニューを誰がつくっているか分からないが、パス&コントロールのトレーニングやリカバリーの日にみんなで走りながらダミー人形の横でパスを受けたりするようなトレーニングをよくやっていたと思う。そういうトレーニングでも選手に動き方の意識付けが入っていると思うが、ボールの受け手にどういう動きを求めているのか?)
「人形を立てた練習の中でもいろいろな形のパスを行っています。練習の内容はいつも前日に決めていますが、同じパスの練習でもどういったことを目的にするかによって、自分が担当したり他のコーチが担当したりします。それは監督が決めることです。いずれにしても、先ほどおっしゃった動きのタイミングは重要だと思います。タイミングが早過ぎても遅過ぎてもよくありません。それ以外に要求しているのは強いパスです。速いボールを届けるということです。また、正しい方の足に出すということも重要だと思っています。どこにスペースがあるのか、どちらに向かってターンさせたいのかということもあります。その3点を重要視しています」

(レッズの現状としてはもう少しゴールが欲しいところだと思うが、マチェイ監督はディフェンスラインからチームをつくっていくと話していた。今はGKや守備の方が目立っていて、攻撃はまだ時間がかかると思う。攻撃は守備と違って相手が占める比率が高いところが難しいと思うが、相手との駆け引きや相手を見てサッカーをするために必要だと思っていること、選手に重要視してほしいと思っていることは?)
「私たちはこのチームをつくるとき、守備から始めました。家を建てるときは基礎からつくるのと同じことです。おっしゃったようにゴールはもっと見たいと思っていて、今トレーニングしているのはタイミングのことです。パスとタイミングを合わせるところで、前節の試合でもその部分は足りなかったと思います。せっかく動きがあったのにそこにパスが出なかったり、ボールを出そうとしているけど動きがなかったり、ということがあったと思います。その連係が大事だと思いますし、ディフェンスライン、中盤、そして前線と全てがつながっていかなければいけないと思います」

(湘南にとっては0-6で大敗した後に試合になるが、ゴールが欲しいレッズにとってこういう状況はかえって難しいこともあると思う。湘南戦で大事にしたいことはどんなことか?)
「今日、明日と練習していますが、それはディテールを詰めるためです。基本的に自分たちのスタイルの練習は以前からやっていますので、ベースは練習できていますし、先週の練習は1試合に向けての準備ではありませんでした。毎回自分たちのベースとなるスタイルの練習に、プラス試合の前2日間くらいは相手によって変えるディテールの練習をしています。前節、湘南は0-6で負けたとおっしゃいましたが、その前にルヴァンカップでは川崎に2点リードするといういい内容の戦いをしていました。(サガン)鳥栖戦では早い時間帯に失点しましたが、湘南はチャンスをつくり続けました。前線の選手も危険だと思っています。町野(修斗)選手は8ゴール決めていますし、鈴木(章斗)選手も公式戦で6ゴール決めています。大橋(祐紀)選手も戻ってきています。プレスでもハードワークする選手たちですので、彼らが0-6で負けたとか順位表で最下位だということを考え始めると悪いゲームになってしまうと思います。川崎戦や横浜(F・マリノス)戦と同じように挑まなければいけないと思います。Jリーグでは楽な試合はないと思っています」

【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】

「90分を通じて見せること」ラファル ジャナスコーチ(定例会見 6/26)

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