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興梠慎三 引退セレモニー

8日、埼玉スタジアムで行われた明治安田J1リーグ アルビレックス新潟戦の試合後、今シーズン限りでの引退を発表した興梠慎三の引退セレモニーが開かれ、スタジアムに集まったファン・サポーターの前であいさつを行った。

【興梠慎三】
「寒いです(笑)。

本日をもって、私、興梠慎三は現役を終えることになりました。いろいろな指導者に出会い、たくさんの仲間と出会い、本当にいろいろな人に支えてもらって、20年間の現役を送ることができました。本当に感謝しています、ありがとうございます。

マチェイ スコルジャ監督、最終戦という大事な試合にも関わらず、僕とウガ(宇賀神友弥)を使っていただき、ありがとうございます。本当に感謝しています。

今日は宮崎からたくさん、この埼玉スタジアムに足を運んでくれています。中学・高校の友達、そして鵬翔高校サッカー部の監督である松崎(博美)監督、あなたと出会って、こうしてプロサッカー選手になることができました。そして、サッカーの楽しさを教えていただきました。本当にありがとうございます。

母、このような場で感謝の気持ちを伝えることは少し照れくさいですが、ひと言だけ言わせてください。あなたの元に生まれてきて、本当に僕は幸せ者です。心の底から尊敬しています。これからは自分の時間をつくりながら、ほどほどに仕事のほうを頑張ってください。そして健康で、体に気をつけて、長生きしてください。ありがとうございます。

父は5年前に他界しました。僕が鹿島(アントラーズ)から浦和レッズに来るときに『テレビ番組に出演する』と意気込み、鹿島アントラーズのTシャツを着てテレビ番組に出ていました(笑)。そんなおっちょこちょいな親父ですが、浦和の街、浦和レッズを本当に愛していました。願いが一つ叶うのであれば、生きている間に僕のこの晴れ舞台を見てほしかったです。おそらく今、天国で大好きなお酒を飲みながら、この光景を目に焼き付けていると思います。いつかは僕もそちらの世界に行くことになると思いますが、そのときは大好きなお酒を飲みながら、浦和レッズのことを語り合いましょう。ありがとうございました。

そしてパートナーのみなさま、監督をはじめ、コーチングスタッフ、メディカルスタッフ、浦和レッズに関わる関係者のみなさま、スタッフのみなさま、本当に11年間ありがとうございました。

一番大切な人を忘れていました。僕を身近で20年間支えてくださった妻のリカ、あなたがいたからこそ、ここまで現役を続けることができました、サッカーに関しては無関心な妻ですが、あなたが言うひと言に、僕はすごく成長させられました。本当に感謝しています、ありがとうございます。

娘のルナと息子のルイ、これからはサッカー選手としてカッコいいパパは見せられないですけど、あなたたちのお父さんとして、これからカッコいいパパでいられるように頑張りますので、これからもよろしくお願いします。

そして選手たち、今年は残留を争うようなシーズンになってしまいました。来年こそは優勝を争うようなチームになってくれると信じています。浦和レッズの一人のファンとして応援し、サポートしていきたいと思います。本当にありがとうございました。

タカ(関根貴大)、元気、ウガ、周ちゃん(西川周作)、あなたたちとは長年、共にこのクラブで闘ってきました。うれしいシーズンより悔しいシーズンのほうが多かった11年間だと思います。それでもあなたたちと過ごした11年間は、本当に僕の財産となりました。これからはウガと僕は、あなたたち選手たちを全力でサポートしていきます。僕とウガがこのクラブで成し遂げられなかったJリーグのタイトルをぜひ獲ってください。応援しています。

最後になります。サポーターのみなさんに3つだけ、僕からお願いがあります。

1つめは、今年は天皇杯を闘うことができませんでした。天皇杯は、これまでなかなかチャンスをもらえなかった若い選手からしてみれば、おおいにチャンスをもらえる大会でもあります。そのチャンスを潰してしまったということは、心のどこかに刻んでおいてください。

もちろん、ふがいない試合をしたからという、選手たちの責任でもあります。問題を起こしたサポーターはおそらく自分より長く浦和にいて、僕よりも浦和レッズを愛していた人たちだと思います。もうこれ以上、そういう人たちを失いたくはありません。あなたたちサポーターは、僕にとってはヒーローです。ヒーローはカッコ良くなくてはなりません。これからはカッコいい言動で、これからも浦和レッズをサポートしていただけたらと思います。よろしくお願いします。

2つめは、先ほども言った通り、今シーズンは残留を争うようなシーズンになってしまいました。来年こそは優勝争いをしてくれると信じています。サポーターのみなさんも浦和レッズを信じて、ここにいる選手たちを信じて、今まで通り熱い声援をよろしくお願いします。

最後になります。本当に11年間、熱い声援をありがとうございました。当時、鹿島から浦和に来ることは禁断の移籍とも言われていました。ここにいるファン・サポーターのみなさんは、誰一人として僕が来ることを受け入れてくれなかったと思います。たくさんの手紙も届きました。『お前みたいなヤツが来るな』と、ほとんどの手紙がそのような内容でした。僕はそういう人たちを自分のプレーで見返してやろうと、誰よりも強い気持ちでこの浦和レッズにやってきました。来た1年目のとき、第3節、アウェイの大分トリニータ戦で、あなたたちは僕のチャントをつくり、歌ってくれました。少しでも自分のことを認めてくれたんだと思い、本当にうれしかったです。最後に、もう聞くことはないであろう自分のチャントを、もう一度だけ聞かせてもらえないでしょうか。

(興梠へのチャントがファン・サポーターから送られる)

本当に、11年間ありがとうございました!」

【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】

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