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3月8日Jリーグ浦和レッズ対サガン鳥栖におけるサポーターによるコンコース入場ゲートでの横断幕掲出について
Jリーグ第2節「浦和レッズvsサガン鳥栖」(キックオフ16:04/前半終了16:52/後半開始17:07/試合終了17:56)において、浦和レッズ側ゴール裏である北サイドスタンドのコンコース入場ゲートにサポーターによる差別的と考えられる横断幕が掲出されました。また、浦和レッズが横断幕の掲出を認知後、撤去までの間1時間余を要する等浦和レッズが差別を容認したと受け止められるような対応がありました。
Jリーグの会員であることはもとより、日本サッカー協会(JFA)、国際サッカー連盟(FIFA)を含めたサッカーファミリーの一員として、浦和レッズは差別の根絶を行う立場にありながら、深刻な事態を引き起こしましたことを、関係される全ての方々に心から深くお詫び申し上げます。
Jリーグからの裁定内容
(1)譴責(始末書をとり、将来を戒める)
(2)無観客試合の開催(入場者のいない試合を開催させる)
※対象試合:Jリーグディビジョン1第4節 浦和レッズ vs 清水エスパルス
2014年3月23日(日)15:00キックオフ (埼玉スタジアム2002)
※Jリーグからの制裁内容については下記をご覧ください
http://www.j-league.or.jp/release/000/00005691.html
1.横断幕掲出行為の事実関係
(1)14:00~15:00の間
・浦和レッズのサポーターグループの3名(X、Y、Z)が試合当日スタジアム敷地内で作製した横断幕「JAPANESE ONLY」を浦和レッズ側ゴール裏スタンドの「209ゲート」の入口に、ピッチとは反対側に向けて掲出しました。
(2)15:30頃
・現場を担当する警備員(A)が普段の試合では掲出されていない横断幕の存在に気づき、警備責任者(B)に連絡。警備責任者(B)は「209ゲート」において、当該横断幕を確認しました。
・この際、サポーターグループのメンバー(Z)から警備責任者(B)に「この横断幕は問題ないでしょう?」「何かあれば俺に言ってくれ」との話がありました。警備責任者(B)は肯定も否定もせずその場は終了しました。警備会社の本部には連絡をしませんでした。
(3)16:58頃
・当該横断幕の掲出について、「209ゲート」付近にいた警備員(C)が、ファンの方から「この幕は良くない。差別と捉えられかねない」との指摘を受けたため、警備責任者(B)を通じて警備会社の本部に連絡をしました。ほぼ同時にソーシャルメディア上で情報を取得したクラブスタッフ(ア)がクラブ運営本部に連絡をしました。
(4)17:09頃
・クラブ運営本部は当該横断幕を画像とともに確認しました。問題がある掲示物との判断のもと、警備会社に対し、当該横断幕を速やかに撤去するよう指示しました。ほぼ同時に別のクラブスタッフ(イ)も当該横断幕を現場で確認しました。
(5)17:10~17:15頃
・警備責任者(B)は、15:30頃にすでにメンバー(Z)と応対していたことから、北ゴール裏スタンドに入り、スタンドにいたメンバー(Z)を呼び、スタンド外のペデストリアンデッキ上で「今すぐ剥がして欲しい。クラブからの指示である」「ソーシャルメディアにも出ていて大きな事案となる」と撤去を求めました。メンバー(Z)は「試合中のため厳しい」「無理」という趣旨の回答をした後スタンドに戻ってしまいました。(当該グループは浦和レッズによるヒアリングに対し「差別や政治問題化させる意図はなかったが、結果的にそのように受け止められる行為だったと反省している」と話しています)
(6)17:15頃
・警備責任者(B)はメンバー(Z)とのやり取りについて、合意が得られなかった旨、警備会社本部を通じてクラブ運営本部に連絡しました。
・横断幕については従来、サポーター当事者との合意の上撤去する手順となっており、クラブ運営本部は「試合後、速やかに対応する」よう警備会社に指示をしました。
・この状況に対して、クラブは、現場へのスタッフ派遣、緊急対策本部設置等の対応を行いませんでした。
(7)17:35頃
・警備会社スタッフ(D)は観戦していたファンから「撤去するべきではないか」との指摘に対し「試合終了後に対応させて頂きます」と答えました。また「写真を撮らせて欲しい」との申し出には、通常はトラブル回避のため撮影を控えて頂いているため「ご遠慮頂きたい」と答えました。
(8)18:04頃
・試合終了後、当該サポーターグループが当該横断幕の撤去を行わないままであったことから、警備員(C)はメンバー(Z)に取り外す旨声を掛けた上で、横断幕を撤去しました。この間、当該横断幕の掲出撤去の事実を知るクラブスタッフは計6名でした。
(9)22:00頃
・ソーシャルメディア等で本事案が大きな波紋となっていることを受け、広報部を中心に本事案についての公式メッセージ発信に向けた作業を開始しました。
(10)23:00頃
・本事案に関する公式メッセージ案を共有するため、社長を含む幹部に対して本事案に関する情報が伝えられました。
(11)23:50頃
・オフィシャルサイトにて第1報を発信しました。
浦和レッズは、当該横断幕について、掲出に至った背景や掲出の場所等を含め総合的にみて差別的行為と判断しております。
2.当日までの経緯及び体制等について
<全般について>
・浦和レッズでは2010年から「スポーツはルールある闘い」を訴えながら安全で快適なスタジアムづくりを目指す国連プログラム「SPORTS FOR PEACE!プロジェクト」(SfP)を国連関連機関とともに行ってきました。このプロジェクトは同年の「ベガルタ仙台vs浦和レッズ」でのサポーターによるトラブルを受けてスタートさせたもので、新たに設定した「重点禁止6項目」の中に「差別的発言」も含まれています。
・2013年のリーグ戦「清水エスパルスvs浦和レッズ」におけるサポータートラブルを受け、再発防止策を強化することを決定しました。
・2014シーズンのリーグ戦開幕前(2月28日)にはオフィシャルサイトにて、「SPORTS FOR PEACE!プロジェクトの取り組み強化について」とするメッセージを発信し、ファン・サポーターの皆様に「安全なスタジアムづくり」への理解と参画をお願いしました。
<差別的発言について>
・開幕となるJリーグ第1節「ガンバ大阪vs浦和レッズ」において、サポーターからの一部選手に対する指笛が聞かれました。指笛には差別的な意図がある可能性があり得ることから、次節以降はスタンドからピッチに向けた差別的発言の有無の確認を行うべく、ピッチ上やスタンドにスタッフを配置する等の体制を整えました。
・差別的行為にあたる当該横断幕の取り扱いを適切に行えなかったのは、クラブスタッフの差別に対する感度の低さが最大の原因と考えております。このほか、警備・管理体制の不備、警備会社内部、クラブと警備会社、クラブ内部での情報共有ができなかったことも要因です。さらには、横断幕の取り扱いに関する長年にわたるクラブとサポーターの間の取り決め等で主管者として主体的な運営管理がしにくい体制になっていたことも根底にありました。当日、セキュリティ体制が禁煙の徹底やスタンド内からピッチに向けた差別的発言の確認を重点的に警備していたことも反省点です。
・どのような理由があろうとも、当該横断幕は掲出されてはならず、仮に掲出された場合は即時に撤去されるべきものです。掲出後に長時間放置されたことは重大な過失であると受け止めております。
・なお、試合当日のスタンドにおいて、警備体制を強化し、ピッチ等から差別的発言の有無を注視しました。ピッチ等から発言を確認できなかったものの、ゴール裏スタンド内に配置していた警備会社スタッフより、試合後、差別とみられる発言があったとの報告を受けました。このため、スタンドにて応援していたサポーターの皆様に広く情報の提供を呼び掛けました。その結果、スタンドでは一部選手のゲートフラッグを掲げていたサポーターに対し、数人の男性がゲートフラッグをおろすように強制したり、差別的発言をしていた者がいた等の情報も入っております。これらの情報に対して詳細を調査し、今後の対応につなげていきます。
3.処分について
(1)サポーター等
・掲出行為を行った者が所属する当該サポーターグループに対して、無期限の活動停止処分としました。
・当該グループに所属するメンバー全員に対して、浦和レッズが出場するすべての試合について、無期限入場禁止の処分としました。
(2)クラブスタッフ
・当該横断幕を試合終了まで撤去することが出来なかった主たる原因はクラブのマネジメントにあると考えております。本人からの申し入れにより、淵田敬三社長の役員報酬の自主返納(20%、3か月間)を受け入れることと致しました。
・関係社員につきましても、社内規定に従って処分を検討します。
4.今後について
これまでの度重なるサポータートラブルに加え、「差別的行為」という重大事案の発生により、浦和レッズはJリーグの一員、スポーツクラブのひとつとしての存在意義を失うという深刻な危機に直面していると認識しております。
浦和レッズは今回の事案を機会に生まれ変わることを宣言します。スポーツはどうあるべきかを抜本的に見つめ直し、本当の意味でのプロサッカークラブとなるための取り組みを新たに展開します。老若男女すべての人々が楽しむことが出来、すべての人が差別なく公平に扱われるスタジアム、スポーツがあることの幸せを感じられるホームタウンになることが、「安全で快適なスタジアム」であり「Jリーグ百年構想」の具現化であります。実現に向けて不退転の決意で全力で取り組みます。
差別に関しては、FIFA規程の趣旨に基づき「人種、肌の色、性別、言語、宗教、又は出自等に関する差別的あるいは侮辱的な発言又は行為」を撲滅し、「個人あるいは団体の尊厳」を徹底的に守ることを目指します。
「スポーツは闘いです。しかしそこにはルールがあります」という精神をもとに実施する国連プログラム「SPORTS FOR PEACE!」プロジェクトを通じて、スポーツの素晴らしさを浦和レッズが実践することはもちろんのこと、サポーターをはじめ、わたしたちに関わる全ての人がスポーツの素晴らしさを感じたり発信できる環境を強力に整えます。もちろん、スタジアムに「政治と宗教」は持ち込みません。
困難で長い道のりであろうとスポーツクラブとしてのあるべき姿を純粋に徹底的に追求して参ります。
そのようなクラブとなるために、当面下記の対応策を実施致します。これ以外につきましても、上記の宣言に合致する施策につきましては、順次検討・実施して参ります。
<当面の施策>
(1) 警備体制について、警備員の増員等強化します。連絡・情報共有体制から現場での配置、対応に至るまで抜本的に見直し実施します。アウェイゲームにおいて、多くのクラブスタッフを派遣し、スタンド内においてトラブル防止に努めます。
(2) 3月15日に行われるJリーグvsサンフレッチェ広島以降、リーグ戦、カップ戦とも、ホーム、アウェイを問わず、浦和レッズのファン・サポーター全員に対し、すべての横断幕、ゲートフラッグ、旗類、装飾幕等の掲出を禁止とします。
<その他施策>
年齢や性別、国籍にかかわらずだれもが安心して観戦できるサッカースタジアムづくりに向け重点的に取り組んで参ります。
(1) スタジアムにおけるクラブとサポーター間にあるルールや慣習等について、クラブが主管者として責任ある管理を実施できるよう、ルールを新たに作っていきます。
(2) サポーターによる差別行為・発言については、差別撲滅に取り組むFIFAのコンセプト、日本サッカー協会の規程を参考にするとともに、実行者に対しては「最低2年間、スタジアムへの入場を禁止」等の処分を行います。
(3) 「SPORTS FOR PEACE!プロジェクト」をファン・サポーターの皆様も含めた活動へと拡大させ、「ルールあるサポート」の徹底に向けた啓発等の取り組みを加速させます。
(4) 席割りの変更等をはじめだれもが安心して観戦できるような取り組みを実施するため、ファン・サポーターの皆様を含む外部の方からの意見を聴取する仕組みを構築します。
(5) 人権や差別に関する専門家の方々の協力を得て、クラブスタッフに対し、反差別についての教育を行い、人権意識の水準を高めていきます。
Jリーグの会員であることはもとより、日本サッカー協会(JFA)、国際サッカー連盟(FIFA)を含めたサッカーファミリーの一員として、浦和レッズは差別の根絶を行う立場にありながら、深刻な事態を引き起こしましたことを、関係される全ての方々に心から深くお詫び申し上げます。
Jリーグからの裁定内容
(1)譴責(始末書をとり、将来を戒める)
(2)無観客試合の開催(入場者のいない試合を開催させる)
※対象試合:Jリーグディビジョン1第4節 浦和レッズ vs 清水エスパルス
2014年3月23日(日)15:00キックオフ (埼玉スタジアム2002)
※Jリーグからの制裁内容については下記をご覧ください
http://www.j-league.or.jp/release/000/00005691.html
1.横断幕掲出行為の事実関係
(1)14:00~15:00の間
・浦和レッズのサポーターグループの3名(X、Y、Z)が試合当日スタジアム敷地内で作製した横断幕「JAPANESE ONLY」を浦和レッズ側ゴール裏スタンドの「209ゲート」の入口に、ピッチとは反対側に向けて掲出しました。
(2)15:30頃
・現場を担当する警備員(A)が普段の試合では掲出されていない横断幕の存在に気づき、警備責任者(B)に連絡。警備責任者(B)は「209ゲート」において、当該横断幕を確認しました。
・この際、サポーターグループのメンバー(Z)から警備責任者(B)に「この横断幕は問題ないでしょう?」「何かあれば俺に言ってくれ」との話がありました。警備責任者(B)は肯定も否定もせずその場は終了しました。警備会社の本部には連絡をしませんでした。
(3)16:58頃
・当該横断幕の掲出について、「209ゲート」付近にいた警備員(C)が、ファンの方から「この幕は良くない。差別と捉えられかねない」との指摘を受けたため、警備責任者(B)を通じて警備会社の本部に連絡をしました。ほぼ同時にソーシャルメディア上で情報を取得したクラブスタッフ(ア)がクラブ運営本部に連絡をしました。
(4)17:09頃
・クラブ運営本部は当該横断幕を画像とともに確認しました。問題がある掲示物との判断のもと、警備会社に対し、当該横断幕を速やかに撤去するよう指示しました。ほぼ同時に別のクラブスタッフ(イ)も当該横断幕を現場で確認しました。
(5)17:10~17:15頃
・警備責任者(B)は、15:30頃にすでにメンバー(Z)と応対していたことから、北ゴール裏スタンドに入り、スタンドにいたメンバー(Z)を呼び、スタンド外のペデストリアンデッキ上で「今すぐ剥がして欲しい。クラブからの指示である」「ソーシャルメディアにも出ていて大きな事案となる」と撤去を求めました。メンバー(Z)は「試合中のため厳しい」「無理」という趣旨の回答をした後スタンドに戻ってしまいました。(当該グループは浦和レッズによるヒアリングに対し「差別や政治問題化させる意図はなかったが、結果的にそのように受け止められる行為だったと反省している」と話しています)
(6)17:15頃
・警備責任者(B)はメンバー(Z)とのやり取りについて、合意が得られなかった旨、警備会社本部を通じてクラブ運営本部に連絡しました。
・横断幕については従来、サポーター当事者との合意の上撤去する手順となっており、クラブ運営本部は「試合後、速やかに対応する」よう警備会社に指示をしました。
・この状況に対して、クラブは、現場へのスタッフ派遣、緊急対策本部設置等の対応を行いませんでした。
(7)17:35頃
・警備会社スタッフ(D)は観戦していたファンから「撤去するべきではないか」との指摘に対し「試合終了後に対応させて頂きます」と答えました。また「写真を撮らせて欲しい」との申し出には、通常はトラブル回避のため撮影を控えて頂いているため「ご遠慮頂きたい」と答えました。
(8)18:04頃
・試合終了後、当該サポーターグループが当該横断幕の撤去を行わないままであったことから、警備員(C)はメンバー(Z)に取り外す旨声を掛けた上で、横断幕を撤去しました。この間、当該横断幕の掲出撤去の事実を知るクラブスタッフは計6名でした。
(9)22:00頃
・ソーシャルメディア等で本事案が大きな波紋となっていることを受け、広報部を中心に本事案についての公式メッセージ発信に向けた作業を開始しました。
(10)23:00頃
・本事案に関する公式メッセージ案を共有するため、社長を含む幹部に対して本事案に関する情報が伝えられました。
(11)23:50頃
・オフィシャルサイトにて第1報を発信しました。
浦和レッズは、当該横断幕について、掲出に至った背景や掲出の場所等を含め総合的にみて差別的行為と判断しております。
2.当日までの経緯及び体制等について
<全般について>
・浦和レッズでは2010年から「スポーツはルールある闘い」を訴えながら安全で快適なスタジアムづくりを目指す国連プログラム「SPORTS FOR PEACE!プロジェクト」(SfP)を国連関連機関とともに行ってきました。このプロジェクトは同年の「ベガルタ仙台vs浦和レッズ」でのサポーターによるトラブルを受けてスタートさせたもので、新たに設定した「重点禁止6項目」の中に「差別的発言」も含まれています。
・2013年のリーグ戦「清水エスパルスvs浦和レッズ」におけるサポータートラブルを受け、再発防止策を強化することを決定しました。
・2014シーズンのリーグ戦開幕前(2月28日)にはオフィシャルサイトにて、「SPORTS FOR PEACE!プロジェクトの取り組み強化について」とするメッセージを発信し、ファン・サポーターの皆様に「安全なスタジアムづくり」への理解と参画をお願いしました。
<差別的発言について>
・開幕となるJリーグ第1節「ガンバ大阪vs浦和レッズ」において、サポーターからの一部選手に対する指笛が聞かれました。指笛には差別的な意図がある可能性があり得ることから、次節以降はスタンドからピッチに向けた差別的発言の有無の確認を行うべく、ピッチ上やスタンドにスタッフを配置する等の体制を整えました。
・差別的行為にあたる当該横断幕の取り扱いを適切に行えなかったのは、クラブスタッフの差別に対する感度の低さが最大の原因と考えております。このほか、警備・管理体制の不備、警備会社内部、クラブと警備会社、クラブ内部での情報共有ができなかったことも要因です。さらには、横断幕の取り扱いに関する長年にわたるクラブとサポーターの間の取り決め等で主管者として主体的な運営管理がしにくい体制になっていたことも根底にありました。当日、セキュリティ体制が禁煙の徹底やスタンド内からピッチに向けた差別的発言の確認を重点的に警備していたことも反省点です。
・どのような理由があろうとも、当該横断幕は掲出されてはならず、仮に掲出された場合は即時に撤去されるべきものです。掲出後に長時間放置されたことは重大な過失であると受け止めております。
・なお、試合当日のスタンドにおいて、警備体制を強化し、ピッチ等から差別的発言の有無を注視しました。ピッチ等から発言を確認できなかったものの、ゴール裏スタンド内に配置していた警備会社スタッフより、試合後、差別とみられる発言があったとの報告を受けました。このため、スタンドにて応援していたサポーターの皆様に広く情報の提供を呼び掛けました。その結果、スタンドでは一部選手のゲートフラッグを掲げていたサポーターに対し、数人の男性がゲートフラッグをおろすように強制したり、差別的発言をしていた者がいた等の情報も入っております。これらの情報に対して詳細を調査し、今後の対応につなげていきます。
3.処分について
(1)サポーター等
・掲出行為を行った者が所属する当該サポーターグループに対して、無期限の活動停止処分としました。
・当該グループに所属するメンバー全員に対して、浦和レッズが出場するすべての試合について、無期限入場禁止の処分としました。
(2)クラブスタッフ
・当該横断幕を試合終了まで撤去することが出来なかった主たる原因はクラブのマネジメントにあると考えております。本人からの申し入れにより、淵田敬三社長の役員報酬の自主返納(20%、3か月間)を受け入れることと致しました。
・関係社員につきましても、社内規定に従って処分を検討します。
4.今後について
これまでの度重なるサポータートラブルに加え、「差別的行為」という重大事案の発生により、浦和レッズはJリーグの一員、スポーツクラブのひとつとしての存在意義を失うという深刻な危機に直面していると認識しております。
浦和レッズは今回の事案を機会に生まれ変わることを宣言します。スポーツはどうあるべきかを抜本的に見つめ直し、本当の意味でのプロサッカークラブとなるための取り組みを新たに展開します。老若男女すべての人々が楽しむことが出来、すべての人が差別なく公平に扱われるスタジアム、スポーツがあることの幸せを感じられるホームタウンになることが、「安全で快適なスタジアム」であり「Jリーグ百年構想」の具現化であります。実現に向けて不退転の決意で全力で取り組みます。
差別に関しては、FIFA規程の趣旨に基づき「人種、肌の色、性別、言語、宗教、又は出自等に関する差別的あるいは侮辱的な発言又は行為」を撲滅し、「個人あるいは団体の尊厳」を徹底的に守ることを目指します。
「スポーツは闘いです。しかしそこにはルールがあります」という精神をもとに実施する国連プログラム「SPORTS FOR PEACE!」プロジェクトを通じて、スポーツの素晴らしさを浦和レッズが実践することはもちろんのこと、サポーターをはじめ、わたしたちに関わる全ての人がスポーツの素晴らしさを感じたり発信できる環境を強力に整えます。もちろん、スタジアムに「政治と宗教」は持ち込みません。
困難で長い道のりであろうとスポーツクラブとしてのあるべき姿を純粋に徹底的に追求して参ります。
そのようなクラブとなるために、当面下記の対応策を実施致します。これ以外につきましても、上記の宣言に合致する施策につきましては、順次検討・実施して参ります。
<当面の施策>
(1) 警備体制について、警備員の増員等強化します。連絡・情報共有体制から現場での配置、対応に至るまで抜本的に見直し実施します。アウェイゲームにおいて、多くのクラブスタッフを派遣し、スタンド内においてトラブル防止に努めます。
(2) 3月15日に行われるJリーグvsサンフレッチェ広島以降、リーグ戦、カップ戦とも、ホーム、アウェイを問わず、浦和レッズのファン・サポーター全員に対し、すべての横断幕、ゲートフラッグ、旗類、装飾幕等の掲出を禁止とします。
<その他施策>
年齢や性別、国籍にかかわらずだれもが安心して観戦できるサッカースタジアムづくりに向け重点的に取り組んで参ります。
(1) スタジアムにおけるクラブとサポーター間にあるルールや慣習等について、クラブが主管者として責任ある管理を実施できるよう、ルールを新たに作っていきます。
(2) サポーターによる差別行為・発言については、差別撲滅に取り組むFIFAのコンセプト、日本サッカー協会の規程を参考にするとともに、実行者に対しては「最低2年間、スタジアムへの入場を禁止」等の処分を行います。
(3) 「SPORTS FOR PEACE!プロジェクト」をファン・サポーターの皆様も含めた活動へと拡大させ、「ルールあるサポート」の徹底に向けた啓発等の取り組みを加速させます。
(4) 席割りの変更等をはじめだれもが安心して観戦できるような取り組みを実施するため、ファン・サポーターの皆様を含む外部の方からの意見を聴取する仕組みを構築します。
(5) 人権や差別に関する専門家の方々の協力を得て、クラブスタッフに対し、反差別についての教育を行い、人権意識の水準を高めていきます。