ONLINE MAGAZINE/REDS VOICE
2000.8.11 Vol.39

WALK ON TOGETHER
「第2回 浦和レッズシーズン2000 を語る会」ご報告

〜7月20日会合から〜

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[大野]
 次の質問です。ことによると本題からはずれることじゃないかと思うんですが、みなさんも感じることだと思います。

 「大学卒業の選手で今年3年になりレギュラーに入らない選手がいますが、こういう選手をどうするのでしょうか。獲得の失敗なのではないでしょうか。あるいは育成の失敗なのでは。たとえば盛田、小島」とありますが。

[横山]
 3年たって芽が出ないからもう芽が出ないだろう、という考え方もできる訳ですが、盛田についてはクビツァが入ってきたんで、あそこのポジションでああいう大きな体をしながらどういうプレーをしたらいいか、だいぶ受け方などがここ数カ月良くなったと思うんですね。ですからそういう方向で育っていく可能性というのは高いと思います。

 30数人の選手が全部うまくなって全部が均等に試合に出るというのはありえないと思いますんで、ある時期がきたらほかのチームに移籍するとか、こういうことは出てくると思います。

[大野]
 今年は特にサテライトがないので、試合に臨むチャンスがなかなかないというのも今年のつらいところだと思うんですね。たとえば盛田選手がほしいクラブがあったらレンタルするとか、そういうことはないんですか。

[横山]
 そういう具体的な話が出てきたら、現場と相談してできればそういう方向に持っていった方がいいのではないかと思います。

[大野]
 続いてフィジカルについてです。これはたくさん来ています。

 「ケガの原因として、大原グラウンドの状態の悪さがあると思います。その対応策として市に整備を陳情したはずですが、どうなったのでしょうか。整備されたのなら、されたにもかかわらずケガ人が多い理由をどういうふうに分析しているのでしょうか。整備されていないなら今後の練習場をどうするのか明らかにしていただきたい」。

 「トレーナーの選手管理、ケガやコンディションについてはどうなっているのでしょうか。主力選手のケガが少ないJ1のチームの情報などは入手しているのでしょうか。管理方法をもっとプロ化してください」。

 たしかに今年は不運なケガも含めてケガ人が多いという印象があって、さすがに先見の明があって、あれだけ残したのかなと私は皮肉にも思ってしまうのですが、このケガの原因については、大原グラウンドが悪いとかフィジカルコーチがいないからだとかいろいろ言われておりますが、何か理由があるんでしょうか。

[横山]
 今年のケガは、具体的に申し上げますと、大きなものを言うと室井が骨折…。

[大野]
 ロボ、田畑は最初から出遅れてましたね。

[横山]
 ロボは肉離れ系のケガですね。田畑は骨折ですが、これは彼の体質的なところもありまして、同じところをまた2回折っているんですね。

[大野]
 同じ箇所を繰り返しやってしまうということについて、もしそこが弱いんだったら、周辺の筋肉をじっくりと固めてそこを補強するような感じでやっていくとか、そういう手だてはないものでしょうか。

[横山]
 今のところはないんじゃないでしょうか。今度は骨を移植しまして骨を強くするという手術をして、今のところ順調に回復に向かっています。

 たとえば岡野のじん帯。これもやらなくていいケガ、と言えばそれまでですけど、これはゲーム中にガツッとぶつかったときに延ばした、ということです。そういうゲームの中で起こっているケガというのがいくつかあって、これはトレーニングがどうとかいうことではなくて、避けられないと言えば避けられない。まあ逃げれば逃げられるとは思いますが、グラウンドが悪くて起こってケガだとか、トレーニングが不足していて起こったとか、そういうことではないと思いますね。

[大野]
 フィジカルコーチの存在というのは、どういうふうにとらえているんでしょうか。

[横山]
 フィジカルコーチが必要であれば、いつでも置くという姿勢でおります。

[大野]
 今は誰がその役割を負っているんでしょうか。吉田コーチですか。

[横山]
 そうですね。それと野崎トレーナーだと思います。そういう面で、現場で十分処理ができるということで置いていないんです。

[大野]
 じゃあ現場で、フィジカルコーチを、という要請があったときには、フロントとしてはすぐに…。

[横山]
 もちろん、そうです。去年もそうですし、その前もそうでした。

[大野]
 じゃあ現場が言ってこない、と。

[横山]
 何度もそういう話をしていますけど、フィジカルコーチがいても、トレーニングの内容は最終的には監督が決める訳ですから、監督がどう考えるかということだと思います。

[大野]
 続いて、大原サッカー場の2面ある環境についてですが、あれは市からお借りしている立場ですから、あれ以上4面、5面という訳にもいかないと思いますが、将来はともかく今は現状の中でやらざるをえないということでしょうか。

[中川]
 先ほど申し上げたようなことで、すぐに右から左に新しいところという訳にはいかない状態です。今の大原は、去年の小野君の契約更改のときの発言もありましたし、市も気をつかってメンテナンスをしてくれています。しかし、ああいう低い土地ですから、まったくどこかに移らない場合は、土質から変えるとか相当盛土をするとか、基本的なことをいじらない限り直りませんから、今は応急的なメンテナンスをやって、相当良くなっているということを聞いております。

[大野]
 横山さんから見て大原の現状はいかがですか。

[横山]
 芝生のことはわかりませんが、去年から今年にかけてずいぶん手をかけていただいて、ずいぶん良くなっていると思います。我々がA面と呼んでいる手前の方は、昨年かなり悪かったので、できるだけデコボコを少なくしてほしいとお願いをして、もう2〜3か月使わずにきましたので、だいぶいい状態になったと思います。向こう側のB面も使っている割には状態が良かったな、と思っています。これから真夏にかけて芝生は伸びないのですが、夏すぐに芝生が一時伸びる時期があって、そういうときにB面が良くなってくれれば今年に関しては、いいグラウンドが年内キープできるんじゃないかと思います。

[大野]
 一応、今までのところで、今日やればいいのではないかと思ったところはやってましりました。まだ2つほどあるんですが、ここまでのところでマッチデーの清尾さんからフォローしてもらいたいのですが。

[清尾]
 前半戦を見ていて、21試合で50得点のうち、セットプレーからの得点というのが、直接でないものも含めると16点ぐらいだと思うんです。3分の1くらい。特に今年の相手を見ているとセットプレーからの得点が有効だと思いますし、さらにいい位置でFK、CKをもらえることが多いんですが、セットプレーだけの練習というのは、あまり見ていない気がするんですが。

[横山]
 おっしゃる通りセットプレーが点が取りやすいというのはサッカーの常識だと思います。

[清尾]
 ゲーム形式の練習のときにそこだけ繰り返して練習するということが少ないように思いますが。

[横山]
 CKはやっていると思いますが、FKは少ないかもしれませんね。

[清尾]
 次に斉藤監督のお話に戻りますが、よく「型にはめたくない」とおっしゃいます。それは一つの考え方だと思うんですが、先ほど横山さんが言われた「早くボールを動かして相手の薄いところを狙っていく」というのとイコールなのか。強いチームは、たとえば左の中盤の選手がボールを持ったときに、ほとんど左サイドバックの選手が上がっていくということが多いと思うんです。ワンパターンかもしれませんが、ほとんど上がっていく。ただレッズの場合、必ず上がっていくというのはないと思うんです。それで出し所がないということになってしまうのではないか。相手にとっては左が上がってくるな、とわかっていてもやられてしまう、ということがあると思うので、それを型にはめたくないということでやっていないと、目指すサッカーもできないのではないかと思うのですが。

[横山]
 おっしゃる通りで、そういうときに(サイドが)上がっていくというのが当たり前だと思います。上がっていかなければ攻撃力が弱くなってしまうということになってしまうと思いますし、そうであれば監督にもそういう話をしますが、私が見ている限りは、上がっていって何をするのかは明確だと思うんですが、それをちょっと自分の判断で違うことをやってしまって、それがミスにつながってしまって攻められなくてもいいような状況なのに、相手の攻撃につながってしまうことがあると思います。そういうことを改善しなければいけないと思います。

[清尾]
 特にサイドバックの上がりだけをいうのではなくて、こういうときにはこうするものだ、という決まりというのが今年は少ないと思うんですよ。型にはめたくない斉藤さんのやり方と合わないのかと思うんですが、ただあまりにも少ないのではないか。それがどうかは結果を見ないとわからないですがね。

 先ほど山田選手の話が出ましたが、僕は今年「戦う」ということが大事だと思うんですが、選手の中で、頑張るにしても相手はJ2だし、という人が本当にいないのか、と不安になることがあるんです。そのあたり横山さんはどうご覧になりますか。

[横山]
 結果的には最初の10試合に割と楽に勝てた、ということで選手に中にはナメてかかることがあったかもしれませんね。しかし、ここへ来ていくつかゲームを失うことがあって、これはいかんぞ、という気持ちに切り替わっていることは事実だと思うんですね。ですから今の右サイドの話ですと、たまたまこの間は警告累積で出られなかったので、今度はどれくらいのプレーをしてくれるか楽しみな部分ではあります。

[大野]
 あと2つばかり。Jリーグの佐々木さんからもお話がありましたが、サポーターについて、どうとらえていらっしゃるのか中川さんにうかがいます。

[中川]
 レッズのサポーターは本当にレッズのスタートしてから日本一の熱い思いで、チームと一体となって仲間として支えてくれているということで、我々としてはありがたいと思っています。そういうことで昨年の暮れにJリーグで初めての「Join賞」というものもいただけたと思います。

 レッズのサポーターの方は非常に専門的な知識があって目が肥えていると言われていますし、応援の仕方などを見ても私もそのように思います。しかし、もちろん我々のチームの状況が悪いときには非常に厳しいお叱りをいただきます。これは我々のクラブがそういう悪い状況に至っているということなので、我々の自戒としてチームを強くしていくための糧としていきたいと思います。

 ただ佐々木事務局長からもお話がありましたけど、可愛さ余って憎さが百倍じゃありませんが、我々の成績が非常に悪いときにしか起こらないと思いますが、乱暴な行為はやめていただきたいということをよくお願いしたいと思います。これは日本一と言われるレッズのサポーターの名誉にかけてお願いしたいと思います。アウェーの方からレッズのサポーターは怖いとか危険だとかいうメールもたくさん来ています。日本一という名誉、メンツにかけてよろしくお願いします。

[大野]
 もう一つ。県営スタジアムが出来つつありますが、出来上がったときにどうなるのか。どういう見通しで建設をご覧になっていますか。

[中川]
 来年の7月にスタジアムが完成するということなので、その時点でのスケージュル、あるいは我々がJ1にいるかJ2にいるかわかりませんけれど、とにかく秋のリーグ戦で2、3回でも使いたいと思っています。しかしピッチができるのが秋ごろとうかがっていますので、何回ぐらい使えるか。スチュワードも含めて、できるだけリハーサルをしておきませんと、2002年の競技の運営は、レッズとアルディージャさんが競技の運営を任されることになりそうなので、すり合わせをしているところです。

 完成して以降の駒場との関係というのはまだ決まっておりません。遠くなるということで、お客さんが減っては困りますし、器が大きくなると運営経費もかかりますから、お客さんが増えてもらえるという前提がないと移りにくいということもあります。今まで国立を年に何回か使っていましたけれど、最初はその程度使って様子を見てみたいと思っています。

[大野]
 大変に正直な言葉だったんですけど、使えれば来年の10月、鹿島戦あたりで使うということですね。

[中川]
 まあそうですね。鹿島でも磐田でも結構です。

[清尾]
 中川さん、そういうことを言ってはまずいですよ。埼玉県の人ならそう思っているかもしれない。レッズが来年J1にいるか、J2にいるかというのは大きな問題だと。でも、こういう場所で、クラブの代表というのは先頭に立つ人ですから、気をつけてください。

[中川]
 ただいまの失言は取り消します。



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