ONLINE MAGAZINE/REDS VOICE
2000.8.11 Vol.39

WALK ON TOGETHER
「第2回 浦和レッズシーズン2000 を語る会」ご報告

〜7月20日会合から〜

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[大野]
 まだ私が突っ込み足りないところもあるでしょうから、みなさんからたっぷり質問してください。

[参加者1]
 前回の「語る会」のときに危機管理の件で質問をした者ですが、今の横山さんの監督の評価を聞くと、ボールを早く回してサイドからの攻撃というような事をおっしゃって、大野さんが「それをやったらすごく良いチームになっている」という話をしていたんですが、それを監督が選手に、まあ選手に能力がなかったらできないんですが、それを監督が選手にやらせることができないのであれば、たとえば、横山さんが斉藤さんでいくというのであれば、それをやらせる、たとえばコーチをほかから連れてきて、やらせるということもできると思うんですよ。去年の監督交代のことがあって強くは言えないんですが、そういった事で修正をしていくとか、そういうことは考えていないのかという事をお聞きしたいです。

[横山]
 大変申し訳ないのですが、今のこの中間点で、今ご質問された方に個人的にお話するのは構わないのですが、ちょっと公表できない話だろうと思うんですね。

[参加者1]
 じゃあ、後で待ってますんで。それとですね、社長にお願いがあるんですが、株の増資の件で、浦和市と埼玉県の増資はやめていただきたいと思います。というのは行政が入るとろくでもないことになるので、これ以上の増資はやめてもらいたいと思います。

[中川]
 ご要望として受け止めておきますけど、行政側の要望もありますので、その通りになるかどうかはわかりません。

[参加者1]
 本当にやめていただきたいです。行政が関わってくると、あるだけでいいチームになってしまうと思うんですよ。僕はレッズは強くなって、J1で優勝して、アジアに出てというか世界に出てほしいと思っているので、あるだけのチームは嫌です。

[中川]
 Jリーグ全体の問題ですが、自治体と一緒になって地域に根ざしてやっていこうという感が方で進んでいると思うんですよ。だから地域はどこも自治体と一緒になって動いていこうという動きにありますし、現在自治体からも私どもの非常勤役員に入っていただいておりますし、増資の問題は最終的に役員会で決定されますから、そういう機関の決議を経てみないとわかりませんけれど。

[大野]
 たぶん、こういうことじゃないかと思うんですが、行政からの出資については現状程度で留めておいていただいて、もし行政側がレッズを地域密着でバックアップするんだったら、そのほかのフォローの仕方が、たとえば大原の問題含めたところでの、お金の使い方があるのではないか、と。そうすると、それがまた市民の財産になったり、県なら県の財産になるんじゃないかということも含めておっしゃってるんじゃないかと思うんですが。

[参加者2]
 社長に聞きたいんですが、レッズのマークに入っている三菱のMのマークというのは、将来取る可能性はあるんでしょうか。

[中川]
 もうすでにJリーグの方に、来年から変えたい旨の打診をしております。

[参加者2]
 もう一つ。さいたまレッズという名前に改名する可能性はどうなんでしょうか。

[中川]
 まだ新市の行政の長が決まっておりませんし、現在私どもがご相談するのはホームタウンの浦和市ですから、浦和市も私どもも浦和レッズという名を当然続けていきたいと思っています。

[参加者3]
 社長と横山さんにお願いしたいことがあります。永井選手のメンタル面の問題とか、フィジカルトレーナーとか、そういう問題のいろいろ話があったんですが、心理的なこと、心のことというのは、何をやるにも重要なことだと思うんで、スポーツをやるに限らず、何をやるにしても、一般的な生活したり仕事をしたりするのでも、心が病んでいたら何をやってもうまくいかないので、そういう面で選手を対象とした心理カウンセラーとか心理トレーナーみたいなものを、クラブに置いていただいたら非常にいいと思います。レッズの選手は真面目な選手が多いから鬱病になる可能性だってあると思います。鬱になっているから、うまくいかないこともあると思うので、それに気づかずに戦力外通告されたり、サポーターが厳しい態度を取ったりすると気の毒だな、と。私も鬱になって仕事が手に付かないこともありますので、あまり厳しい態度は取れません。そういった事情がありますので、クラブに心理的な面を扱うカウンセラーやトレーナーを置いていただきたいのですが、そういうことはありますか。

[横山]
 いま全然やっていない訳ではなくて、個人的にはそういうカウンセラーと1対1で向き合って、いろいろなメンタル面のフォローを何人かの選手はやってきているんですが、先ほどの大野さんの話にもあったように、これからチームとして常時、メンタル面での強化を図っていく必要があると思いますので、前向きに検討していきたいと思っています。

[参加者4]
 たとえば浦和ケーブルテレビの番組で、長いインタビューを見ているときに気になるのが、選手の言葉としてしばしば出てくるのが「相手がどうあれ頑張る」とか「やるしかない」とか、私から見るとプロが何かを分析してやっているとは思えないような、わりと子どもじみた発言が多く聞かれまして、簡単な質問なんですが、相手チームのスカウティングはやっているんでしょうか。選手が相手のチームをしっかり把握した上で試合に臨むということになっているんでしょうか。

[横山]
 それは、かなり細かいところまで分析もしていますし、相手の戦い方も全部報告をしています。

[参加者5]
 今の横山さんの発言なんですが、札幌戦の敗戦の後にスポーツ新聞に載った両監督の談話なんですが、斉藤監督は「ふだん通りに戦うように指示した」とお話してます。岡田監督は「レッズのビデオは何回も見た」と「クビツァ選手がポストプレーの後どちらに回るかまで選手に指示した」と発言しています。この岡田監督の発言の裏にはいろいろな意味があると思いますね。「うちの選手はレッズの選手のことはすべて把握している。いま発言している以外にもレッズのいろいろなことを分析している」と。なおかつ他のチームの監督に対して「こういうふうにやればレッズを破ることが出来るんだよ」とそういうふうに言っている訳じゃないですか。それに対してレッズはどういうふうな対抗策を取っているんですか。それも何もなくてズルズル連敗していくというのはどういうことなんですか。

[横山]
 結果は今おっしゃられた通りですから、「そうじゃない」という言い方をするのはおかしいかもしれませんが、少なくとも他のチームに負けないぐらいの分析はしているつもりでいます。もちろんビデオも全部見て、この選手がどういうことをするとか、かなり細かいことまで分析をしています。

[大野]
 横山さん。たぶんサポーターはこう思っていると思うんですよ。それだけバックアップした資料や材料を現場に提供しているのに、それを使いこなせないというのは何事なんだ、ということを言っているんだと思うんですが。それがストレスのたまることではないですか。

[横山]
 それは、その通りだと思います。ただ分析の仕方というのもいろいろあるんですが、我々も分析をしています。

[参加者6]
 何で今年はレッズの攻撃に時間がかかっているんでしょうか。非常に時間がかかってますよね。岡野が出てきてやっとバックラインの裏にボールが出る。それまではバックラインに走る人間は大柴ぐらいしかいないですよね。彼はその後の問題がありますけど。それは最初の水戸戦から始まったことだと思うんです。どうしても、私たちはJ1にいたんだ、と。J2で、相手の力はみんな低いんだ、と。堂々とかかってきなさいよ、と。横綱相撲でみたいに。そういう部分がみんな選手の心にあると思うんです。それを打開しない限り、絶対に攻撃が速くならない。

 レッズのいいところは何かというと、盛田が出てきて、いまはクビツァがいますけれど、ポストプレーじゃないと思うんですよ。なぜ今クビツァが生きていないかというと、クビツァのところにボールが出たときにバックラインの裏に入る選手がいないですよね、誰も。もしくは中盤でフリーでロングシュートを打てる選手が出てこないですよ。私は3バック2ボランチがいいんじゃないかと思ってます。石井俊也があれだけの広いエリアを守れる訳はないですよ。そこでたとえばダブルボランチにして、3バックであれば山田をバックで使う必要はないですよ。ウイングで使ったらいいじゃないですか。そこに岡野を走らせたら、相手のチームはどこも守れないと思いますよ。そこにクビツァが真ん中に入ってきて、やっと生きると思うんですね。

 まあ戦術的な話は監督が決めることでしょうけど、監督が決めた戦術に選手がまだ技術が足りないというのだったら、プロじゃないですよ、選手も。

[大野]
 今のは質問ではないですね。

[参加者7]
 ともかく去年のレッズと今年のレッズが全然ガラリと違うと思うんですよ。けっこう積極的にやってるところは積極的にやっているんですが、あまりにも駄目なところといえば相当駄目なところが目立っているんじゃないか、というのが一つ。あと、「浦和の自力Vがなくなった」というのが新聞でご覧になったかと思いますが、それに対して横山さんと中川さんはどう思っていらっしゃいますか。

[中川]
 自力優勝というのは、今の時点ではありませんけど、これから札幌がどうなるか。我々が残りを負けないでいれば、先に行った時点でまた自力優勝というチャンスが出てくると思います。とにかく星勘定をせずに、1戦1戦目の前の試合を必ず勝っていくということでやっていけば自ずから結果は出てくると私は思っております。

[横山]
 最初にお話ししましたように、20試合終わった時点で3つ負けが多いなと思っているんですが、次の20ゲームのうち、この10試合の残りを全部勝つということが優勝するための大きな条件だと思っています。7月、8月にかけて取りこぼしのないようにやらないといけないと思っております。今みなさんからいいお話も承っておりますし、我々も現場との話し合いを年中やっていますが、今日のお話も現場に伝えますし、今後の10試合、今お話があったような裏が破れる攻撃ができるようになるのは当たり前のことですし、こういうことができるように何としてもやりたいと思っています。

[参加者8]
 横山さんの立場というのは監督の人選も含めて、その評価とか、強化とか、そういうものをやる責任と権限があると、今まで思っていたのですが、たとえば先ほどのケガ人の問題で、現場から言われたら対応します、とか。あとは先ほどおっしゃられた10勝するということに関してどういうふうにやるかという具体的なところとか、そういうのをお聞きしてると、問題のある部分は全部監督もしくは選手に問題があって、ご自身にどういう問題があったのかということが、よくわからないんですよ。監督も現状でいろいろ問題があると思うんですが、そこはほっといて、たとえばこれから10勝するとすれば、いまの問題をかなりクリアしないと難しいと思います。横山さんは具体的に何をやって10勝するのか。結果的にここで負け数を増やすことがあったら、どういうリカバリーをするのか、ということをお聞きしたい。今までのお話を聞いていて不満に思うのは、ここに監督がいらっしゃいませんから、監督の代わりに聞きたい部分もみなさんあると思うんですよ。それを最終的に監督が言わないとか、監督の問題だとかいう回答は是非していただきたくない。

[横山]
 責任ということで言えば、私が全責任を負っている訳ですから、レッズの具合が悪いのは私の責任ですよ、と言えばその通りなんですね。それで現場から要求がなかったら、やらないのか、というふうにとらえていらっしゃるとしたら、そうじゃないです。私たちは現場がやりやすいように、こうしたらいいんじゃないか、ああしたらいいんじゃないかということをいつも言っている訳ですけど、そういう中で現場が、そうじゃない方がやりやすいんだ、と言った場合は、やりやすい方を採用してやるのが我々の仕事だろうと思うんですね。ただ、その中で、これはどうしてもやった方がいいよ、ということについて、無理やりやらせるかどうかというのは、私の判断でやればいいと思うんですね。ですけど、今の段階では、現場がやりにくいことをわざわざやる必要はないんじゃないかと思ってます。

[参加者8]
 お聞きしたのは、先ほどこれから10試合で10勝すると言われた。しかし、たとえば1敗したら。もしかして3敗するかもしれない。もし何かあったらそれについて細かく対応されていかなくてはならない立場だと思うんです。具体的にどういう対応をする用意があるのか。たとえば前回の「語る会」で、「斉藤監督が駄目であれば次の用意を事前にしているのか」という質問に「している」と答えていたと思うんですね。で、この10試合で、現状のチームでどうしても修正ができないのであれば、どこまで考えておられるのか、というのを具体的にお聞きしたい。 不安に思うのは、先ほど大野さんの「中期的にチームをどうするのか」という質問に対して「監督によって考えが違うから」とおっしゃいました。監督によって考えが違うというのであれば、ケッペルを呼んで、あと誰呼びましたっけ、名前も忘れちゃいましたけど、呼んだ監督が全部違うやり方をして、それでうまくいかなかったら次の監督、というのがこういうところに原因があったのかとやっとわかったような気がするんですよ。

 ですからお聞きしたいのは、10勝するという非常に甘い言葉、やさしい言葉をかけていただきましたので、もし1敗したときにはそういう修正をかけていくのか、ということを今は監督がいらっしぃませんから、横山さんにお聞きしたいと思います。

[横山]
 たとえば、戦っていく中で、今うちのチームのここが少し弱いから、こういう選手の補強が欲しいとか、こういうことを具体的に考えていく必要があると思っています。やり方については、守備をしっかりして攻撃を早くしかけるというのはサッカーの基本ですから、これはどうしてもやらなくてはいけない。それをやるために必要な人間が欲しいということになってくると思うんですね。ですからそれに対応していきたいと思いますし、私も具体的にここにこういう選手を入れた方がいいんじゃないかという話もしていきたいと思っています。

[大野]
 横山さん、今聞き捨てならない言葉があったんですが、誰か補強するんですか。何かそういう動きが現状であるんでしょうか。

[横山]
 ないことはないですが、今ここでは申し上げられません。交渉事ですけど、やることはやっております。



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