まずトップチームの目指すものは、常に優勝争いをする位置にいることです。これは監督・コーチにも、選手にもはっきりと言っています。そのときの状況で優勝できるか、惜しくも2位になるかはわかりませんが、いつも優勝争いをする位置にいてほしいというのがチームに対する希望です。
昨年の2ndステージでは、それに近い位置にいられたと思います。終盤のアウェー2試合で、勝ち点が1でも取れていれば、最終節まで優勝争いの一角にいることができた訳で、あれが選手たちにとってもいい経験になったと思います。
今季は去年よりも選手層を厚くしたのですから、それ以上を目指さなければいけません。我々としてはもちろん優勝そのものを目標にしていますが、みなさんへのお約束としては「常に優勝争いをするチームになる」ということです。
どういう試合をお見せするかというと、一口で言えばアグレッシブなサッカーです。ブッフバルト監督とエンゲルスコーチは、「敵のゴールまで一番速い方法で行く」と表現しましたが、非常にわかりやすいと思います。彼らは今のレッズの選手のクオリティを見て、裏づけがあって言っていることなのです。みなさんが見ていて、ドキドキワクワクするサッカーを展開する。もちろん攻められることもありますが、そのときには必死になって守る、身を挺してボールを奪い、また攻撃にいく。そういう試合をしながら、優勝争いをしていく、というのが今季の浦和レッズです。
ブッフバルト監督には、選手の特長を引き出して伸び伸びと楽しいサッカーをやらせてほしいと思います。
この2年間、レッズはリスクを極力回避するサッカーでここまでやってきました。その結果、ボールをつなぐということにかけてはだいぶできるようになってきました。しかし今後は、リスクをかけてもアグレッシブなサッカーに転換していかないと、レッズの先はないだろうし、お客さんも満足していただけないだろうと思っています。
そういうリクエストと、ブッフバルト監督の考えが一致したのです。縦への勝負で相手とファイトする回数をもっともっと増やしたいということです。もちろんリスクが増えるということは失点する可能性も増える訳ですが、リスクが増えることと、リスク管理をどうするかというバランスを取るのが指導者の手腕です。
縦パスは一番難しいし、勇気がいる。訓練しないと出ない。縦パスを出す、もらうという訓練を徹底的にやる、と言っています。もちろん今のレッズの守備陣の能力の高さが基礎になっているのですが、さらにブッフバルト監督がさらに鍛えてくれるでしょう。
今季のトップチームに期待するものとして「速く、激しく、けれん味なく」というスローガンを掲げました。けれん味とは「はったり」とか「ごまかし」という意味で、浦和レッズのサッカーは伝統的にそういうものから遠かった訳ですが、今後も無縁であってほしい、と思っています。エンゲルスコーチはこの言葉を知っていて、ブッフバルト監督に説明してくれました。監督も「そうでなければいけない」と言っています。 |