2003.8.18 Vol.52 |
「浦和レッズ シーズン2003を語る会 第2回」ご報告 |
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第3部つづき |
伊東氏:今の答えを聞いていると、間違いなく、短期・中期・長期的にいい最後があるだろうと思います。ところで、森GM、最近結婚する選手が多いようですが、それを勧めているのですか。 森GM:そんなことはないですが...。 伊東氏:わりあい若くして家庭を持つという傾向が見えますが、それはいいことだとお考えでしょうか。 森GM:ぼくはいいことだと思います。この間が達也、そして山瀬でしょう。まだ21かな。早いなと思うけれど、彼らはまじめにサッカーに取り組む姿勢があって、結婚して落ち着いてサッカーに打ち込むという考え方をしています。だから、いいと思うのです。ぼくなどは、若い頃はもっと遊びたいと思ったものですがね。だから、今の人は早いなと思いますが、ぼくは前向きにとらえています。 伊東氏:監督は結婚したのは何歳のときでしたか。 オフト監督:35年前ですかね。まだ、伊東さんが生まれたばかりのころだったと思いますよ。 伊東氏:どうですか。若くして家庭を持つということは、精神的に安定するとか、いい影響がありますか。 オフト監督:人それぞれだと思います。暴れん坊というか、落ち着きのない選手は結婚することで落ち着く可能性があります。奥さんのコントロールのもとに置けば、おとなしくなるとか。(場内笑い)「結婚する」ということから浮かび上がってくる1つの言葉は「責任感」でしょう。それは結婚によってとか、子どもができることによってとか、いろいろなことが考えられると思います。 伊東氏:どうも、「つまらいことを話しているなよ」という視線が飛んできましたので...では、セカンドステージにいきましょう。先ほど犬飼代表がずばり「優勝したい」「優勝を争いたい」という目標を掲げられました。それを受けて、オフト監督の目標を聞かせてください。 オフト監督:こういう勝負の世界にいる以上、できるだけ勝ちたいというのはもちろんのことです。そういう部分で、昨シーズンより一層上を目指していくと言いたいと思います。しかし、選手たちの体調ということも考えなくてはなりません。けが人、もしくは体調が十分であるかどうか...そういうことも含めてグループの中の選手の構成を考えなくてはなりません。また、代表チームの国際試合のタイミング、それがリーグ戦に向けて我々にとって有利不利どちらに動くかということもあります。そういったことをすべて含めて考えなければならないでしょう。 伊東氏:では、そういうことをすべて含めて、どれぐらいでしょうか。 オフト監督:すべてがうまくいったとしたら、1位から5位の間。優勝の可能性もあるし、準優勝、3位、4位、5位のどこかにチームを置くことはできるのではないかと思っています。 伊東氏:5位以内には、当然1位が含まれているわけですが、優勝ということは、ほんとうにディドリームなのかもわからないですけれど...優勝に到達するために今足りないことは何でしょうか。 オフト監督:「集中(FOCUS)」も必要ですし、雰囲気をつくることも必要です。毎週毎週の試合に向けて集中する雰囲気を上げていく、そういうことが必要だと思っています。選手たちにはいろいろな声がかかると思いますが、それに耳を傾けない...負けたとしても大丈夫だということに甘えてしまう選手もいるかもしれないけれど、そうではなく、終わったことは切り捨てての試合に向かう、そういう姿勢ですね。ですから、これから2か月、3か月の間、リーグ戦に向かって、選手たちが集中する、また雰囲気をつくるということが大事だと思います。 伊東氏:ナビスコカップはボーナスというような発言がありましたが、これについては去年ファイナリストになって、次のステップアップといえば、もう優勝しかないわけですが、やはり、当然優勝してほしいですよね。 オフト監督:まず、「優勝」を口にする前に、決勝戦までのことを考えたいと思います。とにかく、決勝戦、国立でプレーをする、それが優勝へのハードルだと思います。 伊東氏:わかりました。犬飼代表は「優勝」、オフト監督は「トップ5」で、厳密に言うと、共通点はあるのですが、より慎重なオフト監督でした。 さて、第2部で寄せられた質問に、今後の補強はあるのですか、というものがあったのですが、森GM、いかがですか。 森GM:今シーズンが始まったときから、もう少し選手層を厚くしたいと考えています。ポジション的には、左サイドのプレーヤーですね。そして、欲を言えば、点取り屋です。 伊東氏:もう1人?(場内笑い) 森GM:ええ。あとは、クォリティの高いミッドフィルダー。ボランチでもトップ下でもいいのですが、ほしいのは、「今あそこへ」というときにそこにパスが出せる選手ですね。「今あそこに出せばいいのに」というところを見逃している場面があるので。 伊東氏:クォリティというのはそういうところ? 森GM:そうです。いちばんいいタイミングで、トップの選手のほしいところに出せるような、そういうクォリティの高い選手ね。それから...言い出したらきりがないですけど...(場内笑い)...ほしいですよ。ほんとうに、ほしいですよ。優勝を狙うチームというのは、そういうクォリティを上げて、層を厚くして...そういう選手がけがをしても、代わりに出た選手がそれほど...チーム力として落ちないような層の厚さ...それができれば、いつも優勝争いをしているような地力がついてくると思います。今はその地力をつけようとしている段階です。今の選手は20代前半が多いので、1年ごと、半年ごとに伸びています。その伸びしろにすごく期待しているのです。そのなかで、今足りないようなポジションで、ほんとうにいい選手ならいつでもとりたいと思っています。あと、金は代表がなんとかしてくれるでしょう。(場内笑い) 伊東氏:先ほどのエジムンドのくだりやニキフォロフ選手獲得のくだりでも、みんなが知らないところで動いているというお話がありました。当然、リスト、危機管理用のリストというのはもうあるのでしょうね。 森GM:あります。...でも、ほんとうにほしい選手というのは出してくれないですね。(場内笑い)いつもそういう機会を狙ったり、打診してみたりとか...ちょっと試合に出ないと「使わないの?」とかね。そういうことはしょっちゅうやっていますけどね。 伊東氏:わかりました。それでは、ここで1つ2つ質問を受けたいと思います。 質問者1:ボランチで、F・マリノスの上野選手が今シーズン一度も出番がないので、彼をとってほしいと思うのですが。 伊東氏:F・マリノスの上野選手ですね。このあいだ、優勝の大騒ぎのなかでひとり憮然としていましたけど。 森GM:彼は...あれはいつごろだったかな...内転筋、それからスポーツヘルニアというのを患いまして、3か月ぐらい休んでいるんです。負傷中なんです。いまだに。 質問者1:復帰してもF・マリノスで出番がなかったら、とってほしいんだけど。地元だから。 森GM:彼は武南高校で地元ですしね。我々もまったく興味がないわけではなく、調べていますから。けがをしている選手をとるのはリスクがありますからね。 伊東氏:まあ、今後の状況をみてということですね。 森GM:そうですね。 質問者2:都築選手、(とってくださって)ほんとうにありがとうございました。私はいつもキーパー、キーパーと言っていたんですけど、ほんとうにいい活躍をしていただいて。ほんとうにありがとうございました。で、あの...また1つお聞きしたい、お願いしたいことがありまして...。永井選手について、ちょっと、お聞きしたいことがあります。最近なんか...9番の背番号が重いのかな...という感じで、ミスも多いし、シュートも狙えないし、球も拾わないし、いつも両手を広げて、天を仰ぐような感じでいるんだけれども、いったいどうなっちゃっているのかなあ、と思います。あと1つ、山瀬選手もけがから戻ってくるんですけれど、長谷部がすごくいい選手で、私はすごく気に入っているんで、これからもどんどんどんどん使っていただきたいなと思います。よろしくお願いします。 伊東氏:2番目のお願いはご要望ということで。では,(質問者に)オフト監督でいいですか。(オフト監督に)永井選手、どうですか。 オフト監督:代表に召集されたことについてですが、急に召集されたうえに、その試合でああいう劇的なゴールを決めたりとかいうことが一気にあって、それが永井選手の肩にのしかかったという形で、それを消化するのに、永井選手自身がたいへんな状況だったと思います。今の状況でいえば、コンフェデレーションズカップというものがあり、それが終わって帰ってきて...先ほども代表に呼ばれることによるいい影響悪い影響という話をしましたが...その悪い影響の部分として...スイッチをぱっと切り替えて自分のチームに集中するということができればいいのですが...彼はそこのところで苦労しているのだと思います。おそらく、そのうちに調子を取り戻すことと思います。 伊東氏:ありがとうございました。 質問者3:今回大野さんがいなくて伊東編集長が来てくれたんですが、今、代表、GM、監督と3人の話を聞いて、外部の方として、どういうふうに思いましたか。それを聞きたいんですけど。(場内爆笑) 伊東氏:それはでも...あとで12時ぐらいにどこかの飲み屋でどうでしょうかね。...いや、それは冗談ですけど...。このファーストステージを振り返って、この苦難のなかで、ぼくはさっき言いましたが、内容的には悪くなかったと...甘いかもしれませんが...思っています。このクラブの方針というか、ビジョンみたいなものもしっかりしていますし。クラブの価値というものをはかるときに、まず実力というのは当たり前ですが...実力、人気、地元密着、そして、チームのカラー...このチームはこういうサッカーをやる、選手が代わってもこういうサッカーをやるということ、そして各年代の代表選手を送り出す数...だいたい3人ぐらいは最低でもいたほうがいいな、と思っているんですが、ちょうど3人入っていて。ただ、代表選手3人というのも、常にレギュラーでプレーしたほうがいいのかな、という意味では、ちょっと物足りないところもあるんですけど。今、お三方のお話を聞いて...まあ、森GMは昔からですが、正直な方だと思います。ただ、どうなんでしょうか。これはちょっと批判になってしまうかもしれませんが、オフト監督には、編集長が考えていることを、編集員も場所が離れていても考えていなくてはいけないということをよく言われているのですが、そのビジョンというものをできるだけ共有して、外に向かっても統一された趣旨の発言をしたほうがよりわかりやすいかな、というように思います。すいません。けっこう生意気なことを言ってしまいました。 オフト監督:ありがとうございます。(場内拍手) 伊東氏:ええと、司会であることを忘れていました。そろそろ時間が迫ってきました。先ほども犬飼代表に聞きましたが、もう一度、セカンドステージの目標を森GMとオフト監督、順位でもいいのですが、こういうふうにみなさんを満足させたいということを一言ずつ、お願いします。 森GM:順位でいえば、当初に立てた目標の5位以内に入ること。そして、試合は、毎回毎回、「絶対に勝とうぜ」と言って出ていくので、それが全部勝てれば優勝ですよね。でも、そうはいかないのが勝負の世界だし...。今の力からして、年間5位に入ればよくやったと言えるのではないかとみています。そこを目標にしたいと思います。 伊東氏:年間順位で5位以内ですね。 森GM:そうです。ファーストステージが6位ですから、セカンドステージは2位か3位に入らないといかんでしょうね。 伊東氏:それでは、最後にオフト監督から、こういうサッカーをしてこれぐらい勝つよということをお願いします。 オフト監督:私のいつもの言い方として、「優勝する」というようなことはあまりはっきり言いません。というのは、たとえば、開幕3連敗でもしたならば選手がどういう雰囲気になるかということですよね。あと残りの12試合はトランプでもして遊ぼうか、という雰囲気になってしまう可能性があるということです。それから考えると、残り3試合なり2試合なりというところで、大勝負をかける段階で「優勝を狙おうぜ」というようなポイントにいれば、そういうことが言えると思います。ですから、第1節から第12節までの間にどのような位置にあるかということが大事だと思います。そこからこそ、「優勝」という言葉も出てくるというのが私の哲学です。市原の例をとっても、最後の2試合で2連敗したことで優勝ができませんでした。そういうことだと思います。 伊東氏:最後に、開幕戦の相手はジュビロですが、満足ですか。 オフト監督:満足しています。 伊東氏:ありがとうございました。きょうは大野さんの代役をおおせつかって、しゃべり慣れていないものですから、お聞き苦しい点があったと思います。去年のナビスコカップ決勝のあの雰囲気は、近年でも非常に感動的なものでした。今年も、また、レッズが決勝に行って国立が満員になる、セカンドステージでも最後まで優勝争いをして、サポーターのみなさんをハラハラ、ドキドキさせるようなステージになればいいなと、個人的に一念しております。きょうはありがとうございました。 佐藤チーフマネジャー(広報グループ):伊東編集長、どうもありがとうございました。みなさん、伊東さんにもう一度拍手をお願いいたします。 それでは、最後に選手を代表しまして、内舘選手よりご挨拶を申し上げます。 内舘選手:みなさん、こんばんは。セカンドステージは、ファーストステージよりいい成績でなければいけないと思っています。それだけを目指して、選手はがんばらなければいけないと思っていますので、これからも変わらないご声援をお願いします。ファーストステージ、最終節はジェフとの対戦でした。ジェフは優勝争いをしていて、自分たちはとても悔しい思いをしました。セカンドステージは逆に、自分たちが優勝争いをする位置にいて、最後まで上を目指してがんばっていきたいと思います。これからも応援をよろしくお願いします。 佐藤チーフマネジャー(広報グループ):以上をもちまして、第2回の「語る会」を終わらせていただきたいと思います。うっとおしい天気が続いておりますが、それを吹き飛ばすような応援で、年末まで戦っていきましょう。どうもありがとうございました。 |
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