2009. 3. 3 Vol.61 |
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「Talk on Together
2009 〜第1部 クラブの取り組みについて〜」 ▼進行:浦和レッズ・オフィシャル・マッチデー・プログラム(MDP) 清尾 淳氏 ▼出席者:藤口光紀代表 信藤健仁チームダイレクター(TD) 清尾氏:藤口さんにお伺いしたいのですが、今季は「人もボールも動く、夢のあるフットボール」ということをレッズのサッカースタイルとして作り始めたいということですけれども、昨年の1月22日、WEBサイト上に「今季(2008年)は強くて魅力のあるサッカーを求めていく」というように表明されていたかと思います。それはこれからレッズのスタイルにしようということではなかったのでしょうか? 藤口代表:2006年、代表に就任したときに、浦和レッズのポリシーというのを掲げさせていただきました。元は「Jリーグ百年構想」から来ているんですが、強化本部、事業本部の2つがありまして、強化本部として「強くて魅力あるチーム作り」ということを掲げ、事業本部として「地域の誇りとなるクラブ作り」というものを掲げて、その目標を目指して浦和レッズとして取り組んでいきましょうとクラブの中で決めました。そのときに「強くて魅力あるチーム作り」というものが出てきます。それをずっと継承して来ました。「強くて」という方はこの数年間で数々のタイトルを取れたというのは一つの成果が出たと思っています。ただ、「強くて魅力ある」の「魅力ある」の方がどこまでいっているんだというところで、皆さま方のいろんな意見を頂戴したところ、「もっとこういうサッカーをやってほしいな」というものがかなりありました。ですから、我々はタイトルを取った後、さらに「魅力ある」ということに挑戦してきたわけですが、残念ながらなかなかそれが構築できなかったという現実があります。ですから「魅力ある」というところはバックとしてありますので、「人もボールも動く」という、もう少し具体化されたものにして、さらにそれをもっとコンビネーションをよくして取り組むことによって「夢のある」サッカーになるという掲げ方をしました。ただ、このことについてはみんなで作り上げていくというのが本筋であって、今すぐこうですよという形では言えないですけどね。ですから今までのことをまったく否定しているわけではありません。 清尾氏:あまり昨年のことを深く突っ込んでもとも思うし、それを置いてはいけないなとも思いますが、昨年は「強くて夢のあるサッカー」というのが結果的に実現したとは言えなくて、その理由はなんだろうとしょっちゅう思うことがあったのですが、それについてはいかがですか? 藤口代表:これだからこうなりました、と一言では言えないくらい、理由はたくさんあると思います。いろいろな問題があって、それがああいう結果になったということです。この後もいろいろ出てくると思います。例えば当然2試合で監督を交代したのはいかがなものだったのかとか、いろいろあると思います。ただ、昨年だけの問題じゃなくて、それまでのことも踏まえてのことだったということはあります。 清尾氏:2008年「が」あってというよりも、2008年「までが」あって今年があると思いますので、その辺はクラブの蓄積としてしっかり文書なり、あるいはスタッフのコンセプトなりとして残していただきたいなと、それがないとまた同じ繰り返しもないことはないと思いますので、お願いしたいと思います。 信藤さん、就任お疲れ様です。 信藤TD:皆さん、こんばんは。 清尾氏:レッズのチームダイレクターに就任を依頼されたときっていうのは、信藤さんは以前からチームの強み、弱点なんかも対戦を通じてご存じだったかもしれませんが、そのことと、実際にクラブに入ってみて、改めて気が付かれたこととか教えていただけますか? 信藤TD:レッズはここ数年、毎試合見ていました。レッズの環境を見たときに、日本のモデルになるような、夢を見させてくれる、あるいは夢を追求することができるようなチームじゃないかなというのはずっと思ってきました。でもヨーロッパのトップのリーグやチームと比べて、魅力的なもの、魅惑的なものを表現しきれないレッズを見たときに、足りないのはどこなんだろうな?というのはずっと考えていました。それで今回この話をもらって、自分のそういう考えてきたことを、ファン・サポーター中心になりますけども、クラブ全体がその魅力的なところに向かって進むことができるんじゃないかと思ってお受けしました。中に入って感じたことというのはいろいろとあります。それにこれからいろいろ改善していかなければいけないこともあるでしょうし、一歩一歩進んでいかなくてはいけないんですけれども、それはまた、いいものを作ることができて、皆さんと一緒に夢に向かって大きく突き進んだときには、昔話としてお話しできるかも知れません。 清尾氏:信藤さんにはこれまで、昨年からMDPでサッカー解説者としてレッズのことをコメントしていただいていますけれども、今年から月1回ぐらいの割合で、MDPにチームダイレクターとして、チームがどういう状況なのかっていうことをぜひお話ししていただきたいと思いますので、そのときはお願いします。 信藤TD:はい。なんだか一撃ですけど(笑)、清尾さんは昨年のようなもっともっと奥の深いところから話してもらいたいと思っていると思うんですけど、少し立場が変わって、ちょっとオブラートに包むようなところもあるんで、それはご勘弁ください(笑)。 清尾氏:藤口さんにまた伺いますが、情報管理のことについて伺いたいんですけれども、昨年の11月、リーグも終盤ですけれども、スポーツ紙に次期監督ということでフィンケさんの写真入りの記事が出ました。チームと選手、あるいはエンゲルス監督に与えた影響も少なくないのかなと思いますけれども、どうしてああいう記事が、あのタイミングで出たのかなということについて、もしお考えがあれば伺いたいと思います。ただ、それよりも、今後クラブからの積極的な情報発信とそれと情報管理ということについてどうお考えなのか、この2点について伺いたいんですが。 藤口代表:結構最初からストレートですね(笑)。もちろん情報管理ということは非常に大事なことだと思っています。ただ現在、非常に情報化時代で多様化されていまして、なかなか情報を守って、秘密でずっと進めていくということが難しい世の中になっているなと常々感じています。皆さんもプライバシーがなくなっている世の中だというのは感じられていると思います。今のメディアはさまざまな情報を持っています。むしろ我々よりも世界中にいろいろな情報網を持っています。実際はどこかのクラブの下部組織の指導者が、その新聞社のライターだったりすることもあります。ですからフライブルクの下部組織の指導者がその一人だったということが、昨年の事態を巻き起してしまった原因かもしれません。そういう意味では、国内だけでも守りきれていない現実がありますが、特に海外となると、そこまでなかなか情報管理を徹底するのは非常に難しい時代が来ているというのは皆さんにも分かっていただきたいと思います。途中で情報が出てしまったことは決していいことではないということも分かっています。ただ、これからもそういうことがないように、ですからきちっと次の監督が決まるような、いい仕事をすればこういうことはなかったと思っていますし、ぜひそうしたいと思っています。 情報発信については今年からずいぶん変えております。もちろん内部の組織変更もありましたが、オフィシャルサイトをご覧いただいている方はご存じだと思いますが、フィンケ監督のそのままの言葉を出したり、信藤TDの言葉を出していたり、いろいろな意味で正確な情報を皆さま方にお伝えしたい、積極的にお伝えしたいとそういう努力をしているところであります。(「2」へつづく) |
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