ONLINE MAGAZINE/REDS VOICE
2000.3.10 Vol.38

「浦和レッズシーズン2000 を語る会」ご報告

〜3月3日会合から〜

8/8
(1)
中川代表
(2)
横山GM
(3)
斉藤監督
(4)
第2部
(5)
Aブロック
(6)
Bブロック
(7)
Cブロック
(8)
Dブロック
−Dブロック−

〈大野氏〉

 まず「株式の三菱自動車保有率引き下げの件」とあります。これは去年の末あたりから出ておりますし、マッチデープログラムにも出ております。

〈中川代表〉

 三菱自動車自身が、もっと地域に根差した形でやっていくためには三菱自動車の持っている株式の比率を引き下げることにやぶさかではない、と思っております。それとJリーグが昨年の正月にチェアマンが出した方針で、株主の多様化というものも出ております。これは横浜フリューゲルスの問題、ベルマーレ平塚の問題などが出てまいりました。長引く経済不況で、大きな親会社が軒並み赤字になるというような状況で、企業スポーツが大変な危機にさらされているという背景があります。

 私は、特に三菱自動車の場合は他のクラブとの違いがあるように思います。その地域に根差した大きな工場を持っておられるアントラーズの住友金属とか、ジュビロのヤマハ、マリノスの日産、レイソルの日立などの場合とは違います。三菱は浦和に大きな母体となるような者はありません。そういうことで、そういうクラブから見ますと地元の密着しにくい面があるのではないかと思っております。一方おかげさまで、スポンサーになっていただいている会社は60〜70社ございます。これは他チームよりはるかに大きなメリットだと思っています。大まかに言いますと地元が3分の1、三菱系が3分の1、三菱自動車の取引先が3分の1程度になります。

 当面、地元の企業さんに、スポンサーとして今までお金を出していただいていたんですが、できれば株も持っていただいて、経営面にも参画して絆を強くしていただくということを考えております。具体的なことは今からですので、まだ時間がかかると思います。

 それと個人株主については、神戸や札幌にそういう形がありますが、私どものクラブは親会社からスタートしたクラブで、生い立ちの違いがありますので、一挙にそういうところまでいくかどうかという感じがします。個人株主というのは今後の検討課題だと思います。個人のサポーターの方は、今だけでも大変な時間とお金をかけてアウェーまで行っていただいたりして、年間の費用負担というのは大変なものだろうと思っています。いわゆるヨーロッパのクラブのようにレッズでは他のスポーツの施設もありませんし、その上にまたソシオ的なことで経済面のご支援までいただくというのは少し甘えすぎではないかと思います。ソシオについては、いろいろな情報を見ますと運営上の難しさがあると思います。勉強していきたいと思います。

〈大野氏〉

 「レッズの社長、GMには三菱関係者しかなれないのでしょうか」という質問です。

〈中川代表〉

 先日の取締役会で株主代表として三菱自動車の副社長からいろいろな意見を表明してもらいました。人事的なことについても、これから三菱自動車の株式の比率を低めていこうとしている訳ですから、浦和レッズを三菱自動車の人事的な受け皿にする考えはもっとおりませんし、これ以上の役員を増やすつもりもないということでした。出資比率の引き下げが進んでいけば、将来は三菱以外からの社長が出てくることもあり得るだろう、という話でした。

 レッズを経営している立場から言えば、クラブによっては大きな企業が出資者の中になく、金銭的な支援の核になる会社がなくて苦労しているように聞いています。そういうことからすれば、やはり三菱自動車が50%以上持っていていただいて、経済的な支援を受けやすいような形にしておくことが経営の安定につながるんではないかと思いますので、ひとまずの段階まではそれくらいまでにしても、さらに三菱色を薄めるかどうかは、もっと先の話になろうかと思います。

〈大野氏〉

 ソシオの問題や株の問題は、もう少しヒザを突き合わせた形で、次回以降に進めていきたいと思います。最後に県営サッカー場の問題で、クラブはどのように利用しますか、という質問が多いのですが。

〈中川代表〉

 大変立派なスタジアムですし、専用サッカー場であるということは魅力です。しかしながら私どもが県の方に今お答えしているのは、使うとしても2003年からのリーグ戦ということになりますので、もう少し近くになってから答えさせていただきたい、とお話しております。

 その理由としましては、ああいう大きな競技場を使うには非常にコストがかかります。今、国立を使用しておりますが、駒場の場合をまるで違います。たとえばガードマンだけで150人〜200人のところ800人使わなければならないとか。ですから観客動員が駒場よりも飛躍的にたくさん入っていただける、ということが可能なのか。よそのクラブには遠い郊外に大きなスタジアムができたけれど、観客は非常に減ったというところもあります。そうなりますと経営の根幹にかかわります。今後のスタジアムのアクセスがどうなるのか、駐車場がどうなるのか、ゴール裏の屋根はどうなるのか、そのへんの状況を見ながら、もう少し近くなってから決めさせていただきたいと言っております。

〈大野氏〉

 今日全体を通して何か質問がありましたら。

〈参加者〉

 今日お話されたことを実現させるためには、今年の結果が重要だと思うんですが、今季に限りましては、J1に復帰させるために赤字になる覚悟があるのか。三菱自動車との間でそういう話は出ているのでしょうか。

〈中川代表〉

 そういう話は出ております。

〈大野氏〉

 具体的な数字はまずいこともあるそうなので。

〈参加者〉

 監督は少なくとも今年J1に上げることに全精力をかけると言っている訳ですから、先ほど言われたような2、3年をかけた長期的なチーム作りはどうでもよくて、数少ない経営資源しかないと言っている訳ですから、スカウトも選手、スタッフもJ1昇格にかけると。経営資源もそこに集中すると。やっておられる方が変わらないんで、やり方を変えないとすべて変わらないんじゃないですかね。

 社長からは、長期的にチームを作りますというよりは、今年はスカウトについても育成についてもJ1復帰に集中すると、全員そこでやりますと、監督だけじゃなくてみなさんが言うことが大事だと思うんですよ。どうも時間差というか非常に乖離(かいり)を感じるんですけど。今年1年どう送ろうかということについて。

〈中川代表〉

 私がさっき来年以降に続けると言った意味は、選手自身もとにかくぶっちぎりで優勝すると、何がなんでもそういうつもりで戦って勝っていくということを言っておりますし、事実そういう戦い方ができるようなチーム力が維持していければ、来年J1に上がってからも後につながるということを申し上げた訳です。ですから、ここの1年は3年先を考えた単なる1年だという意味で申し上げたのではありません。

〈参加者〉

 ですから補強についても、来年の新人は大事なんですけど、今年1年は優良な選手をほかのチームを探して見つけることに力を使いますとか、そういう意志表明の方が非常にわかりやすい気がするんですがね。今までとやり方があまり変わらないような印象を受けたんですが。

〈中川代表〉

 今日は公の場ですから、奥歯にものがはさまったような言い方に感じられるかもしれませんけれど、個別に来ていただければお話できると思います。

〈大野氏〉

 今後、こういう機会は何回か持っていけるのでしょうか、というお尋ねもきておりますが、形はともかくまた開催するということを確認しておりますので、今後も進めていけると思います。



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